コロナワクチンは危険?

イギリスは先週の日曜日から大寒波に襲われ、大雪と寒波警報が発令中。1995年以来だそうで、スコットランドではなんと-23度を記録しました。が、幸いにもロンドンではそれほど積もらず、昨日(水曜日)の午後にはほとんど溶けました。

  夜間に粉雪が降っては少し積もる、の繰り返し。家の前の道路の凍結が怖い…

これ、私にとっては本当にラッキー!というのも、勤務している特別支援学校が主要ソーシャルワークと認定され、スタッフ全員がワクチンを接種できることになったのです(現在の優先順位は70歳以上と主要ソーシャルワーカー)。私のアポは水曜日の午後で、病院までは車で20分ほど。

雪が積って家の前の道がアイスバーン状態になったらどうしよう、とめっちゃ心配でした。大通りは凍結防止剤がまかれるから大丈夫なものの、車を停めてある家の前の道が大問題。一度スリップして怖い思いをしてから、雪の日は極力運転しない様にしているんです。

(イギリスにはスパイクタイヤやスノーチェーンがない!それほど積雪がないうえ、道路がボコボコになるからかな? なので、ちょっと雪が積もっただけで電車や地下鉄が止まったり、道路が大渋滞したり。学校が休校になることもしばしば)

そんな訳で戦々恐々としていたのですが、病院までスムーズに行くことができました。70歳以上の方が並んでいるかなと思いきや、廊下は働き盛りのソーシャルワーカーばかり。この病院では年齢別は一区切りついたのかな??

質問表に記入してから熱を測って受付を済ませ、待つこと10分。ワクチン接種は4つの個室で行われ、ひとり終わるごとに椅子を消毒。待合室でも隣の人と2mの間隔があくよう工夫されていました。

いよいよ私の番に!ドキドキしながら個室で看護師さん(?)とむきあい、まずアレルギー等の有無をチェック。その前に、NHS番号と名前を確認してPCに入力(情報はGP(主治医)や他のNHS機関内で共有)。

いよいよファイザー社のワクチン接種!となったのですが、チクリともせず…えっ、これで終わり??

思わず口に出すと、「私は子どもの接種に慣れてるから、話をもりあげて本人が気づかない内に打つのが上手いのよ」と。なるほど。

(痛みがなかったのは、ひとつのワクチン容器から6人分取るため、通常より小さい注射器を使用してるからかもしれません)

ワクチン番号を含むデータを書き込んだカードをもらい、接種終了。5分とかからず、とてもスムーズでした。

この後、急な副反応がでないか確認するため、廊下のような場所で待機すること15分。ほんの少~しだけ腕がチクチクしたかなと感じたものの、全く平気でした。

帰宅して、仕事して、夕ご飯を食べた後くらいから、心持ち疲れたな…と。でも、一日中バタバタして緊張したせいかも。

「あっ、今日はワクチン接種したからお風呂に入れない!」と、主人に言ったら、

「ええっ?! そんなの聞いたことがないよ」

イギリスの子どもって、ワクチン接種の後にお風呂に入ってるの?確か、息子の時は大事をとって入れなかったと記憶してるんですが…調べてみたらOKでした(;^_^A 日本でも今はOKのよう。念のため、激しい運動は避けた方がいいようですが。

今朝起きたら少し頭痛がして、ちょっと体がだるい感じ…。鈍い腕の痛みもありました。午前中はそんな感じだったんですが、24時間経過したころからすっかり通常通りに。

先日、日本のTV番組で、イギリスに住む日本人の看護師さんがファイザー社のワクチンを接種し、その後3日間の容体を伝えていました。彼女の場合は、接種後の夕方にすごい寒気がして床に入り、翌日の夕方にも具合が悪くなり、副反応がおさまったのは3日後だったよう。

ということは、私もまた副反応が出てくる可能性があるかもしれませんね。

前の記事にも書きましたが、80歳を超えている義両親、お隣さんを含め、ソーシャルワーカーなど10人ほどの反応を耳にしました。が、それほど酷く体調を崩した人はひとりもいなくて、全員3日後には回復しています。

スペインの老人ホームで接種後に10名を超える死者が出たというニュースも観ましたが、症状がないまま感染しているケースもあるとか。

看護師さんからは、「コロナの症状が出た場合は、ワクチン接種のせいじゃなくコロナ感染だから、すぐNHSに連絡して」と言われました。

色々な噂や情報が飛び交ってますが、世界中で1臆を超える人たちがワクチン接種済みです。なお、国民の半数以上が接種を済ませたイスラエルでは、肯定的なデータが出てきているよう。

日本ではまだ接種が始まっていませんが、他国のデータを参考にしながら冷静に接種の有無を決めて欲しいと思います。まあ、イギリスの様に悲惨な状況ではないので、選択の余地はありますよね。世界中からコロナを撲滅させるためには、やはり予防接種は必要かなとは思うのですが…。

もう変異種が複数出現し、これからも変異し続けると考えると、ワクチンを毎シーズン改良する必要があるかもしれませんが。

一時でも早く、世界がコロナ禍から解放されます様に!

 

 

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コロナ禍のイギリス暮らし(その2)

コロナ禍のイギリス暮らし(その2)

先回の続きで、コロナの変異種が猛威をふるうイギリスでのロックダウン生活をご紹介します。

 雪の中、まだ咲き続けている我が家のイングリッシュローズ

この3度目のロックダウンは冬季なのもあり、ウォーキングや散歩で外出することが激減。というのも、公園や散歩コースは人だらけで密なんですよね…。そこで、室内での運動が重要になるのですが、私は自主的にできないタイプ。

(一方、仕事も趣味もPC関連の主人は、部屋をひとつぶんどって黙々とウエイトトレーニングを続けています。偉い!バンド活動も続けていて、ドラムを叩くのも気分の発散になっているよう)

  

    先日、日本語科卒の主人に「ネギ買ってきて」と頼んだら、ソフトボール大の巨大玉ねぎが2個! 「大きすぎて使えない」と困ってたら、ローストオニオンに(主人作)! 食べきれなくて、みそ汁とミートソースに再活用しました(;^_^A

ありがたいことに、通っていたジムのピラテス講師が去年春からZoomでクラスを継続してくれています。11月から再びジムが閉鎖され、Zoomクラスは週5回に! 私は週3回、安価でお世話になっているのです。

画面越しですが、講師のセーラさんの元気のいい声と、キビキビした動作、叱咤の言葉に励まされています。彼女のお陰でおこもり生活にメリハリができて、本当に大助かり。

ところで、日本でも今11都府県に緊急事態宣言が出ていますが、暮らしの補償はどうなっているのでしょうか?

イギリスでは政府の Furlough scheme(自宅待機者の補償制度)により、企業は仕事がない従業員を解雇せずにキープできる仕組み。政府から給料の80%が支払われるため、安心して生活できる訳です。加えて、企業に対する支援金も。

フリーランスに対しても過去3年の平均収入の80%を補償。私は去年たまたま学校に加えてSENエージェントも給料制(時給)に変わったため、給料の額がフリーの収入を少し超えたんです。それでハネられて、政府の補償はゼロ😢

SENエージェントの仕事は消滅し、コロナ禍でフリーの仕事は目減りしてしまったのに…今まで払った税金は何だったのか?! フリーランスの友人達が1年近く80%の補償をもらい続けているのを見ると、やっぱり不公平だなと思わずにはいられません。

でも、ついこの間までFurlough schemeで自宅待機していた友達は、「結局は解雇されるかも。社会に必要されてない気がする」と悩んでいました。こういうのもメンタルに良くないですよね…。

実は、主人は昨年1月に解雇され、3月のロックダウンが始まる直前に再就職したんです。もしあの時仕事につけていなかったら、コロナ禍での就職は至難の業だったでしょう。超ラッキーでした。

イギリスでは失業手当はなく、仕事を探している間は求職手当(1か月約6万円)しかもえらえません。自分が収めた税金額に関係なく、金額は一律なんですよね。しかも、一定額の貯金があると、それさえもらえないケースもあったりして、う~ん…。

イギリスの経済状況はガタガタで、先期のGDPは20%減と戦後最悪だそう。政府は巨額の負債を抱えているので、コロナ禍がおさまったら即増税になりそう…。12月末のEU離脱でEUとギリギリ条約を結ぶことができ、輸出入品に課税がかからないため、今のところ恐れていたほど物価は上がっていないのですが。

でも、今週はEUにおけるアストラゼネカ社(英&瑞)のコロナワクチン供給遅延問題で大荒れ!このワクチンはオックスフォード大学が開発しイギリスの2拠点、ヨーロッパの2拠点で生産中ですが、ベルギー拠点での生産が遅れてEUへの初回供給量が半減する見込み。これに立腹したEUが、英生産分からEUに回すようアストロゼネカ社に申し入れて、拒否されたのです。

EUはアストロゼネカ社との契約書を公開して権利を主張。同意しなければ、ヨーロッパ内で生産しているファイザー社ワクチンの英輸出を差し押さえると!えええ~っ、突然そんなのありですか?!まるで恐喝😢

その上、金曜日の夜、EUは北アイルランド(英連邦)とアイルランド間のワクチン輸送を一方的に制限すると…。数時間後に撤回されたものの、怖い、怖すぎる…。

EUがアストラゼネカのワクチンを承認したのは29日。なのに、承認前に大騒ぎになって、しかもドイツでは「65歳以上の高齢者には使わない」方針、マクロン大統領も「65歳以上には効果がない」と宣言してるし。だったら承認しなきゃいいのに…。

今世界中でワクチン争奪戦が起こっていて、現在は北米と欧州富裕国の独占状態になっています。イスラエルとアラブ首長国連邦を除くと、イギリスのワクチン接種率は最も高いのですが(現在全人口の11%程度)、WHOは「最も死亡率が高い高齢者と医療従事者への接種が済んだら、ワクチンを貧困国に回すように」と提言してきました。

確かに世界規模で対処しない限り、コロナ禍を終息させることはできません。が、イギリスではまだ一日の感染者が2~3万人と高止まりで、毎日1000人以上の死者が出ているんです!ピーク時より半減したとはいえ、ここ2週間の感染率は55人にひとり。変異種の感染を止めるにはワクチンで集団免疫を得るしかないと思うので、それはちょっと…。また感染が拡大して、いつまでたってもロックダウンを解除できない~!

道義的、人道主義的には正論だけど、国内がまだまだ危機的な状態。それに、「マスク着用の効果は証明されておらず、必要ない」というWHOのアドバイスのせいで、イギリスではマスクの普及が遅れて犠牲者が多数出たんです。

イギリスはWHOが主導して92の中所得国にワクチンを供給するCOVAXプログラムに相当額の寄付をしていて、アストラゼネカ社はワクチンの64%を発展途上国に供給する予定だといいます。お願いだから、感染がおさまるまでは自国優先にさせてほしい!

美術館巡りをしたり、ガーデンセンターで植物を買ったり、友達の家でお喋りしたり、カフェでお茶したり、映画やお芝居を観に行ったり。

これまで当然だと思っていた普通の日常が、今はとんでもなく遠い…。再びのほほんとした暮らしが戻ってくることを夢見て、今は我慢するのみですね。

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コロナ禍のイギリス暮らし(その1)

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隣人の訃報に天候の悪さも加わって、先回の記事はかなり暗くなってしまいました。最悪の数字を更新し続けているイギリスですが、みんなメゲながらもロックダウン下での新しい日常を生きています。

今回のロックダウンの規則は、

  • 必需品の買い物や必須の場合をのぞき、外出禁止
  • 近隣での野外での運動は一日一回のみ。同居の家族と一緒か、もしくは一人で。一人の場合は、家族以外の人ひとりと一緒に運動しても良い
  • 社交は室内・野外ともに一切禁止
  • 他者との距離は2m取る(マスク着用の場合は1m)
  • 学校は医療スタッフなどキーワーカーの子どもと支援が必要な子ども達のために一部継続

ロックダウンも3回目だからステイホーム生活も慣れました――といいたいところですが、この冬のロックダウンはもの凄く辛い!

暗い、寒い、天気悪いーー3悪の時季に加え、変異種の猛攻撃によって運動のための外出もままならず…。週末の日課だったママ友とのウォーキングも一時中止。日暮れが早いため、仕事の後に散歩をと思っても、外はすでに薄暗いのです。

オンライン授業に切り替わったため、学校に行かなくても良くなって安堵したんですが…(なんせ1月初旬のロンドンは20~30人に一人の感染率だったので)。その反面、同僚や生徒達とも会えないし、学校近くの森の散歩もできません。散歩仲間とも会えなくなって、すごく淋しい…😢

    配達人のほか、訪問者はゼロ…。でも、先日ドアを開けたらお向かいのFluffyが。近所の人気猫なんですが、ロックダウンで遊んでくれる人がいない?

私が住んでいるのは、北ロンドンの郊外の小さな町。息子は大学のあるサリー州在住なので、一昨年の秋から夫婦二人きり。主人は在宅勤務ですが、忙しくて朝9時から夕方6時ころまで殆どオフィス(息子の部屋)から出てきません。

私は比較的時間があるので、家事のほとんどを担当する羽目に。

食料の買い出しは、混雑する土日を避けて月曜日の朝早めに行きます。通路が広い近所の大型スーパーは、この時間帯だと空いてるので。バスケット(日本より大型)に食料品を詰め込み、会計はセルフレジでカード払い。スーパーから一旦戻って玄関に荷物を置き、必要な時はご近所の八百屋さんや魚屋さん、ドラッグストアへ。

     運動のため、リュックを背負って歩いてます(;^_^A まるで戦時中みたい?! 昨日は道が凍結していて大変でした…

買い出しの後、買ってきたものをひとつずつ消毒するため、やたら時間がかかります。ドアノブや冷蔵庫などのハンドルも消毒し、使った布マスク(フィルター入)を洗って、干してと…結構忙しい。

寒いのでお昼も夕食も暖かい食事を作るので時間はかかるのですが、気分転換になっています。今は食事が一日のメインイベント?! この間、私の知らない内に主人がチョコを食べてしまい、喧嘩が勃発…なんだか次元が低くなってる…。

 

       急にお汁粉が食べたくなって、小豆缶で栗入りぜんざいを作りました。お気に入りのチョコも買いだめ

朝起きて、学校のサイトやニュースを確認して、仕事して、運動して、食べて、ゆっくりして(TVとPC)、入浴して、寝る…その繰り返し。

実は、不眠症で3日くらい全く眠れなくなってしまう時があるのですが、医者から睡眠薬(入眠剤)を処方してもらっています。眠れない時は薬を半分だけ飲んで、眠りのリズムを整えるのです。

眠れない時は、「どうして眠れないの?」から「またか、まあ薬があるから大丈夫」と気持ちを切り替えて。どうしても眠れない時は、観念して真夜中でも本を読むことにしています。通勤しなくてもいいから、寝不足でもまあ大丈夫と気持ちも楽。

日本も緊急事態宣言が出ていますが、何か楽しみを見つけ出して、辛い時をやり過ごしたいですね。

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     先週うっすらと積もったロンドンの初雪。毎日どんより曇りの暗い日々なので、少しでも青空が見えるとほっとします。

1月も半ばをすぎました。でも、イギリスでは依然として変異種の感染がおさまりません。それでも、ピークで一日6万人近かった感染者が3万人台まで減っていたんですが…一昨日からまた4万人近くまで上昇し、今日はまた4万人超え! 毎日の死者数はずっと1000人を超えていて、本当に嫌になってしまいます。

私の住む北ロンドンの町では、今月頭と比べると感染者数は半分くらいまで減少。でも、どこか新しい地区で感染が増えているということですよね…一体、いつになったら落ち着くのか?!

今週から一日のワクチン接種数も発表されるようになり、今日で584万人が接種を済ませた旨。ちなみに、政府はひとりでも多くワクチンを接種するため、2回目の接種を6週間以上延長する政策を取っています。でも、1回の接種だけだと予防効果は50%くらいに落ちるらしい…。それに、効果が出るまでに数週間かかるとのこと。

ものすごくラッキーなことに、義父母は先週2回目のワクチン接種を済ませました(どうしてかは謎ですが)。ファイザー社のワクチンなので、数週間たてばコロナ菌への免疫は90%以上になる予定。ちょっと安心しています。

ちなみに、義母は2回とも3日間ほど風邪をひいたような状態になり、体がだるかったそう。なお、ワクチンに関する懐疑的なニュースも多いようですが、今のところイギリスでは重大な問題は起きていません(公表されないだけ?)私が知る限り、義父母を含めワクチン接種をした80歳以上の高齢者はみんな元気です。

でも、こんな状態なのでこの3度目のロックダウンがいつ終わるか、全くめどが立っていません。一応3月末までとしているようですが…2月末にはと言っていた学校再開にも疑問符がつく今日この頃…。

そんな中で、入院中だった超高齢のお隣のご主人が、院内でコロナに感染して亡くなられました。この5年間、頻繁に入退院を繰り返していたのですが、毎回なんとか回復して家の外で歩く練習をしていたのに…。

個室から4人部屋に移動した際、同室の他の患者さんから感染したとのこと。その人も別の病気で入院していて、入院前のPCR検査では陰性だったとか。

2回目のPCR検査で陽性に変わったため、同室の患者さん全員がPCR検査を受けたところ、お隣のご主人も陽性に…。その時は全く症状がなかったのに、1週間後に急に容体が悪化して呼吸できない状態に陥ったそう…。陽性と判明してから僅か10日ほどで亡くなられたのです。

そのニュースを聞いて、本当にやりきれない気持ちになりました。残された奥さんは、すでに1回目のワクチン接種を済ませていて、彼も入院していなかったらワクチンを受けられたはず…。

といっても、ワクチンが効くまで数週間かかるし、1回だけでは効果が低いので、感染は防げなかったかもしれませんが…。

2003年春に今の家に引っ越してきた時から親しくしていただいたので、本当に残念でなりません。ご冥福をお祈りしたいです。

暗い記事ですみません…。冬のイギリスはどんよりと暗い日が多く、一日に一度も太陽が顔を出さないことも珍しくないんです。気分もどんよりしてしまうし、メンタルヘルスには本当に良くないですよね。

もっと北国では、もっともっと日照量が少ないので、文句は言えませんが…。

早くコロナ禍がおさまるよう願わずにはいられません。

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新年、明けましておめでとうございます。

日本でも7日に1都3県への緊急事態宣言が出てしまい、全国的な感染拡大が心配されますね…。イギリスでは変異種によるコロナ感染が大蔓延する中、2021年が幕を開けました。

感染者の数はここ2週間連続で毎日5、6万人超え。死者数も増え続け、この3日間は毎日1000人を超えています。クリスマス前には1週間の感染者数が20人未満だったうちの地区も、あっという間に131人まで増加。人口2万6000人くらいの小さな町なのに、この数字?!

昨日、ロンドン市長が重大インシデント宣言を出し、「市内の感染は制御不能」と😢 医療崩壊が始まっていて、救急車で病院に運ばれても受け入れてもらえない可能性が出てきました。病院はコロナ患者であふれ、手術待ちだった患者も、救急の患者も、手術が受けられない状態になりつつあります。

現在ロンドンの感染率は30人にひとりだそうで、本当に怖い!もっと怖いのは、まだ感染ピークに達していないと言われていること…。

私が勤めているのは(パートタイム)私立の特別支援学校のアッパースクール(12~19歳)。高機能自閉症の子どもの専門校で、生徒達は公的に支援・保護が必要と認定されています。そのため、ロックダウンで普通の学校が閉鎖しても、開校し続けなければなりません(普通の学校もキーワーカーの子どものため限定的に開校)。

第一波のロックダウンでは、対面授業は親がキーワーカーの生徒と特に支援が必要な生徒のみに限定し、他はオンライン授業に切り替えました。でも、政府は今回どの学校にもより多くの生徒を学校に迎え入れるよう要求しているのです。

しかも、特別支援校に対する政策の詳細がいつまで経っても届かず!うちの学校の校長は若い女性なんですが、今週頭に生徒全員の登校を想定して準備を開始。学校での安全が保てるよう、週2回学校内でのコロナ検査が義務化されたとのこと。そして、検査するのは教職員の役目(担当者には2時間のオンライン研修あり)?!

教師は対面とオンライン両方の授業の準備をしなくてはならない上、感染の危険を伴うコロナ検査まで…?! 校長はボランティアを募りましたが、連続して同じメンバーを使いたくないということで、人数が足りないよう…。

検査は30分で結果が判るという Lateral flow systemを使用。でも、PCR検査と比べると正確性に欠けるので、生徒や教職員に陽性が出た場合は、PCR検査キットを持って帰宅させ、結果がでるまで自宅待機…。こんな方法で、学校内の安全が保てるんでしょうか?!

幸いにもコロナ検査は私の授業がない日に実施予定。ボランティアしなくて済みそうで、ほっ。

でも、ボランティアに名乗りをあげたスタッフ仲間への罪悪感がじわじわ…。それでも、私はパートタイムだし、もしコロナに感染して休んでもお給料の補償もないし…。

変異種が出現してから、セカンダリースクール(12~16歳)の年齢の子どもの感染率が上昇しました。生徒と教職員80名あまりが学校に集まれば、それだけ感染のリスクは高い訳で。やっぱり怖い!

(追記:読み返してみたら情報不足に思えてきたので、付け足しです。(その2)にも書いたのですが、うちの学校はコロナ感染のため12月第2週からずっと学校を閉鎖していました。それもあって、教職員と生徒が感じる感染の恐怖はとてもリアル。さらに、政府は「教職員の感染率が一般と同じ」と言っていますが(きっとまだ未集計)、3つの地方行政局が「教職員の感染率は一般に比べて3倍高い」と先週発表したのです…)

政府は子どもの教育や学校での対面授業を第一にする方針。それだったら、現場で働く教職員に一刻も早くコロナワクチンを接種して欲しい!!

でも、現在のところ優先順位には入ってないんです…。

この1週間、感染対策のオンラインミーティング、学校のコロナ方針や保護者への手紙などの確認、検査を受けるための受諾書の記入・提出など、エクストラの雑務が倍増。それにも増して、不安とストレスでいっぱいになりました…。

主人に「怖い、怖い!」と訴えていたら、「行きたくなければ、行かなければいい」と冷た~い言葉。

私がぐちぐち言い続けるので、嫌になってるんでしょうが…。実際に「怖い」と口に出すことで、少し恐怖が和らぐということを理解して欲しい。

仕事は辞めたくない、でも、学校に行くのは真剣に怖い!

そうしたら、金曜日の午後になって、対面授業をリクエストしている生徒のリストが発表されました。前日に政府の詳しいガイダンスが届き、保護者の希望があれば、自宅でオンライン授業を受けられることになったそう。

登校希望の生徒は全体の1/4程度で、私が教えてる生徒達は全員自宅待機組!助かった~!

でも、ここまでで精神的に疲弊してしまい、もうクタクタ…。実際に学校勤務をしなければならない人達は、どんなに心が重いことか…。

コロナ関係の心配事を相談できるよう、学校側は電話カウンセリングサービスを準備してくれていましたが。

ガーディアン紙の記事によると、イギリスでは昨年6~9月の3か月間で600万人が抗うつ剤を処方されたとか。反対に、コロナ禍のせいで対面でのセラピーを受けた人が25万人減ったとのこと。

通常、早期にセラピーを受けることができれば、それほど悪化せずにすみ、薬は必要ないことも多いよう。また、薬の服用と対面でのセラピーを併用することで、効果が高まるというのが定説です。

リモートセラピーでも、電話セラピーでもいいので、この時期だからこそ増やして欲しいと思います。誰かに気持ちを伝えることができれば、少しは心が軽くなると思うので。

新年早々、私のぐちぐちにお付き合いくださって、ありがとうございました。皆さんも、お気をつけて。

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今年もあと1日で終わりですね。世界中がパンデミックに襲われるなんて、2020年の初めには誰が予測できたでしょう。

先回も書きましたが、南東イングランドではコロナの変異種が蔓延し、ロンドンでも猛威を振るい続けています。昨日、今日と一日の感染者が一気に5万人を超え、医療崩壊が危ぶまれています。春の第一波時の規模を超えたようで、もう未知との遭遇…。

今月初めまでは、身近でコロナに感染した人はいなかったんです。それが、ここ3週間位の間にどんどん身近に迫ってきたと、周囲の人は皆感じているよう。

ウォーキング仲間のママ友一家は幸いにもPCR検査で陰性でした。が、娘さんのクラスメイト複数名とその家族は陽性だったとか…。また、嘔吐と頭痛で寝込んだ友人の友人もコロナ陽性が判明し、セカンダリースクールに通う無症状の息子さんにも陽性反応が出たと…。

どう考えてみても、セカンダリースクール(11~15歳)で変異種の感染が拡大しているとしか思えません。ちなみに、今月コロナで閉鎖したうちの学校も11~19歳のティーンが通うアッパースクールなので、1月から学校に行くのが恐怖です。

イギリス政府は第一波発生時には学校を全国的に閉鎖。そのため、多くの子ども達は2学期(春季)後半から3学期(夏季)を通して、全く学校に行けませんでした。オンライン授業に切り替えたとはいえ、裕福な私立校と貧困層が多く住む地区の公立校とでは、教育格差が大きかったよう。

私が勤める私立の特別支援学校では、各生徒が学校のラップトップを家に持ち帰り、比較的円滑にオンラインで授業を続行できました。が、公立校では兄弟で保護者のスマホを順番に使うしかなかった子ども達や、オンライン授業に参加しなった子ども達も多かったとききます。

更に、今春は高等学校・大学進学のための全国検定試験もキャンセルになりました。各学校で成績を付けたものの、従来の公平性や信憑性には疑問符が…。

それ故に、9月の新学期からは教育を重視して、学校だけは閉鎖しない方針だったのです。

秋には大学生の感染が拡大したため、大学2年に進級した息子が大学に足を運んだのはたった1回のみ。講義もゼミも全部オンラインですが、提出する課題は例年と同じ。人生で一番楽しめる時期なのに、大学で友達に会うこともできず下宿に缶詰状態で、気の毒でなりません。

と書いたところで、セカンダリースクールの学校再開を2週間遅らせることが正式に決まりました。ロンドンとイングランド南西部の多くの小学校も、1月4日からの開始をしばらく延期するそう。大学は春までオンライン授業のみ!?

(息子には悪いけれど、私は来週学校に行かなくてもいいようなので、少しほっとしています)

コロナ禍が受験期や就職活動期を直撃した世代が、ロスジェネになりませんように。

ある新聞記事では、「コロナ禍が私たちのメンタルヘルスに与える影響は計り知れない」と書かれていました。

道で人に会うと反射的に避け合う、買い物をする際に誰とも話さない…。これが長く続くことで、心理的な影響はかなり大きいと。

社会的な存在である人間が人を避け、友人付き合いもままならない――感染の恐怖に加えて、自分の世界がどんどん小さくなっていくような不安を誰もが抱えているのではないでしょうか?

また、コロナ禍が長引けば長引くほど企業やショップが潰れて失業者が増え、経済的な影響も大きくなってきます。

ひっくり返った日常と、一変してしまった世界…。

寒くて暗い季節にどんどん高まっていく不安。これからどうなっていくのか予測できない中、今日オックスフォード大学とアストロゼネカ社のワクチン使用が正式に許可されました。来週の月曜日(1月4日)から接種をスタートする予定だとか。

80歳以上の高齢者にはファイザー社のワクチン接種が進んでいます。義父母を含め、今のところ重篤な副作用は出ていないよう。コロナ最前線で戦っているNHS(国民保険サービス)のスタッフに、一刻も早くワクチンが行き渡りますように!

ワクチンがコロナ禍を沈めてくれる希望の光になることを願ってやみません。

2021年が希望を持てる年となります様に! 日本でもコロナ感染が拡大しつつあるようなので、みなさん健康にはくれぐれもお気をつけて。

悪化するコロナ禍とメンタルヘルス

 

日本でもニュースになっていると思いますが、急拡大しているコロナ変異種の感染を防ぐため、ロンドンを含むイングランド南東部が急遽ロックダウンされました。先週の土曜日に何の前触れもなく、いきなり…。

感染率が再び上昇してきて、みんな危ないなとは感じていました。だから、私の周りでもクリスマスに親戚や友人と集まるのをやめた人が多数。我が家でも金曜の夜、主人が実家に電話してキャンセルの提案をしたんです。

でも、「一回目のワクチン接種は済ませたし、感染対策を万全にするから来て」と押し切られ、土曜の朝も感染対策の話をしていました。そうしたら、午後4時にいきなり警戒レベル4(それまで3が最高)との発表が!

義父母のところは警戒レベル2なので、クリスマス当日のみ1家族だけゲストを招くことが可能です。でも、宿泊は不可のため義妹家族もキャンセルする羽目に…。二人とも落胆が大きかったよう。

科学者達はクリスマスの規制緩和(イギリス全土でクリスマス前後5日間限定で3世帯が合流可)は危険だと、ずっと警鐘を鳴らしていました。ウェールズとスコットランドの首長は、先週頭に方向転換。でも、ジョンソン首相は動きませんでした。それが、感染が急増してから、いきなり180度変更…。

新たな変異種はすでに9月半ばに発見され、じわじわ拡大していたんだとか。感染が止められなくなってからロックダウンしても遅すぎる!ジョンソン首相の政策はいつも後手後手。政府への信用は地に落ちています。きっと、世界もそう見てることでしょう…。

変異種の感染力は従来種の7割増とのこと!TVでハンコック保健相が「感染防止はお手上げ状態」と告白したのを観て、本当にぞっとしました(それでも、町にはいまだにマスクをしていない人がいるんです!)

私が勤める学校でコロナ感染者が出てから2週間半――その間にウォーキング仲間の中学生の娘さんのBFが陽性になり、家族全員が隔離してPCR検査。別の友達もその友達が突然嘔吐・頭痛に襲われ、念のためPCR検査…。幸い、全員陰性でしたが、いよいよ感染が身近に迫ってきた感じです。

警戒レベル4だと、必需品の買いだしと運動以外の外出は禁止。でも、一緒に住んでいる家族以外に、ひとりの人と外で会うことができます。が、その際もマスクと2mの距離を保つことが必須。今までも大変だったのに、更に厳しい状況に突入してしまいました…。

現在のところ、クリスマス翌日にイングランド全域の3度目のロックダウンが囁かれています。専門家たちは4月になるまでは過酷な状況が続くだろうと。

この急な政策変更で、クリスマス前のかきいれ時だった商店やサービスは大打撃。クリスマス用に仕入れた商品やストックが無駄になってしまいました。ただでさえ大変な年だったのに、その心情や経済状況を思うとやり切れません。

また、この緊急処置でクリスマスを独りぼっちで過ごさなければならない人が大量に出現。寒くて暗いイギリスの冬、明るいニュースや希望が全く見えない中、クリスマスだけが唯一の楽しみだったのに…。

長びくコロナ禍で人々の心がすでに疲弊しているところへ、もっと強力な変異種の出現。みんなの心が折れてしまわないか本当に心配です。心が疲弊していると、人のことを思いやることが難しくなりますよね…。

先週、最後の生徒のオンライン授業を終えて少しクリスマスの話をしたら、

「私が親族にコロナを感染させないか心配なの」と言うのです…。

12歳の女の子でも、楽しみなはずのクリスマスを前に大きな不安を抱えている――大人も子どもも同じように不安の渦の中。例え子どもが何も言わなくても、心のケアを怠らないことが重要だと思いました。

政府は教育に重きをおいて、9月の新学期から学校閉鎖をせずにやってきました。でも、殆どの地区の学校でコロナ感染による一部閉鎖が日常茶飯事になっているのです。子ども達は毎日不安の中で学校に通っている訳ですが、友達や先生と会えることが心のケアにも繋がっているし…。

こんな状況で多感な時期を過ごさなければならない子どもたち。この体験がトラウマになったり、将来に影響することがなければいいのですが…。

今まさに、メンタルヘルスケアの必要性をひしひしと感じています。イギリス人にとっては1年最大の祝日であるクリスマス。今年は集うことが難しいけれど、誰もが美味しいものを好きなだけ食べて、温かく気持ちよく過ごせるよう願っています。

皆さんも良いクリスマスを。

    息子が3歳の時、幼稚園で作ってくれたクリスマス飾り。あれからもう17年。大学から帰省した息子がいるだけで、我が家はぱっと明るくなりました

ワイト島の夏休み (その7)

のんびり夏休みを思い返しているうちに、9月も今日で終わり。季節はすっかり秋で、夜の冷え込みも激しくなり、そろそろ暖房が必須になってきそう。その間に、イギリスのコロナ感染率は上昇し続け、昨日・今日と7000人超え…😢ワイト島の夏休み記事もこれで終わりです。

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ワイト島の夏休みの最終日。午後2時半のフェリーを予約しておいたので、午前中は島の最南端にあるセントキャサリンズ・ポイントでハイキングする計画でした。岬の白い灯台を出発点に、ドラマチックな風景を見ながら丘陵を登り、14世紀に建てられた礼拝堂のあるセントキャサリンズ灯台の廃墟まで歩くつもりだったのです。

が、天候が崩れて雨になるかもというので、急遽予定を変更。ホリデー4日目の午後、「悪魔の煙突」に行く途中で通った旧シャンクリン村に行くことにしました。

 

  前日発表された新種の恐竜は、昨年シャンクリンの海岸で一般人が発見したとか。混んでるかもと思ったのですが、天気が悪いので人はまばら。

海岸をブラブラ歩いてから、先日見かけた旧ヴィレッジへ。途中、アンモナイトなどの化石を販売しているお店があって、ちょっと感動。行きついた駐車場はほぼ満杯だったのですが、一番奥に一つだけ開いたスペースを発見できました。

   かやぶき屋根とクリーム色やピンクの壁が可愛らしい旧目抜き通り

  上の写真のクリーム色の建物、ペンシル・コテッジ(カフェ&ショップ)の中庭で蟹サンド他を注文。後方のカニの模型にはテーブル番号が書いてあります

カフェの横の道を下ったところに、島最古の観光スポットと言われる美しい渓谷、Shanklin Chineがあるのですが、時間がなくて残念ながらパス。貼ってあったポスターによると殆ど毎日赤リスが出現するらしく(まあ、そう書いてあるところが多いんですが)、ああ見たかったな…。息子と一緒にその近くの森林を歩いてみたものの、赤リスとの遭遇は幻に終わりました。

ランチを食べた後は、急ぎ足でお土産探し。一軒に入るごとに並んで手を消毒…このコロナ禍、一体いつまで続くんでしょう?

カウズの波止場では「出発が遅れます」と連絡があり、私だけ車を降りて近くのショップをウロウロ。その間に家族が乗った車は私を残して搭乗!残された私は、大謝りに謝って徒歩客用の搭乗口から乗せてもらったのでした(恥)。こうして2020年の我が家の夏の旅は、ドタバタのうちに終わりを告げたのです。でも、コロナ禍の合間に夏休みを取れて、本当に良かった!ちなみに、ワイト島の感染率は第二波来襲中の今も低いままで、ほっとしています。

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ワイト島の夏休み(その6)

 

ワイト島の夏休み(その6)

イギリスは先週半ばから天候が崩れ、秋晴れの汗ばむくらいの気候から雨模様の日々に。最低気温は10度を割り、夜間は暖房が必要なくらいになってきました。だんだん日が短くなっていく中、コロナ感染は大学寮を中心に拡大してここ3日間は毎日6000人を超える勢い…。コロナ感染も心配だけど、今年末にはEU離脱なのに未だEUとの交渉がまとまらず…イギリス経済は一体どうなってしまうのか、不安が募ります。

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ホリデー6日目はやっと猛暑が去り、通常運転のイギリスの天候に。一転して肌寒い曇り空の下、東部にあるベンブリッジ(Bembridge)の海岸まで行ってみました。ワイト島はヨーロッパ内で恐竜の化石が最も豊富な場所のひとつで、ペンブリッジの東に位置するサンダウンという町には恐竜博物館があります。実は、前日に1億1500万年前の白亜紀に生息していたという新種の恐竜(長さ4m)が発見されたと報じられたばかり。

   

   橋の向こうにあるのは、ベンブリッジの救命ボートステーション。波が全くない湖のような水面――気圧の関係かと思うのですが、凪の海って初めてでした

救命ボートステーションの南側の海岸をてくてく歩いていくと、昨日のライドの砂浜とは全く異なる風景。幾何学模様のような割れ目のある岩が延々と続き、火山活動でできた古代の地層なんだろうなと想像できました。ワイト島自体が白亜紀の堆積物で形成されているそうで、古代にはイングランドと地続きだったそう。この場所を恐竜が闊歩してたのかと思うと、とっても不思議。

   他の海岸では見られなかった貝殻もちらほら。浜辺にはバケツを片手に何か採っているらしい人が結構いましたが、何を採っていたのかは不明

ベンブリッジを後にして、ガーリック農場と島一番のアート&クラフトセンターと宣伝されるアレトンバーンズを覗いてみましたが、うーん今一つ。シーフードを求めて、再びライドの海岸沿いのレストランへ。

今にも雨が降り出しそうでしたが、車で移動中にパラパラ降ったくらい。テラス席で長時間待ってシーフードにありつけました。看板には蟹とロブスター(食材がある時に限る)と書かれていたものの、残念ながらロブスターはなし。

  

ランチの後は、ライドの西側にあるクア修道院へ。ファームショップとティーガーデンが再開したと知り、ちょっとわくわく。赤リスが住む森もあり、今度こそ遭えるかもと期待が膨らみました。

12世紀に設立したクア修道院はカソリックの聖ベネディクト会に属し、ゲストハウス、ビジターセンター、ショップ、アートギャラリーを併設する他、1エーカー(約0.8k㎡)の広大な敷地に農場や果樹園、牧草地や森林があります。農場では野菜と果物の栽培の他、養豚、養鶏、養蜂を行っていて、ファームショップで生産物や加工品(ジャムやチャツネなど)を販売。ホームメイドのケーキや軽食が楽しめるティーガーデンも。市民農園も設けていて、一般の人も野菜造りを楽しめるよう。ウィキによれば12人に満たない修道僧とボランティアで経営・維持を行っているとか。

小さな子ども連れの家族が多く、とってものんびりした雰囲気で、しかも無料。観光客のみでなく、地元の家族連れが敷地内でピクニックやウォーキングを楽しんだり、お茶を飲みにやってくるスポットのよう。赤レンガの壁に囲まれたウォールドガーデンの外側には養豚場があり、豚の母子3家族がそれぞれのピッグペン(ドーム型の豚小屋)で平和そうに暮らしていました。1匹の母豚に子豚が12匹くらいと、子だくさん。

 

1912年に新築した修道院は、ベルギー製の煉瓦を用い、フレンチビザンチンとムーア建築様式を組み合わせた造り。イギリスではあまり見かけないスタイルで、聖堂内はステンドグラス他の装飾が殆どありません。

林を抜けたところに、12世紀から16世紀まで続いた旧修道院跡と、旧修道院の石材を使って19世紀に建てられたクアアビーハウスがあります。後者は英国艦隊の提督だったコッチレン伯爵の邸宅で、娘はヴィクトリア女王の末娘、ベアトリス王女の侍女だったとか。

  ベアトリス王女がハネムーンを過ごし、ヴィクトリア女王も時おり訪れたというクアアビーハウス。誰が飾ったのか、ウサギの置物が…

ファームショップに入る際に名前と連絡先を記入し(コロナ感染に備え)、自家製のハチミツを購入。ティーガーデンで手作りケーキとラテをいただきました。庭園内に良く赤リスが出現するというので粘りましたが、やってきたのはコマドリだけ…。

   コロナ感染防止のためとはいえ、紙コップとバッグ入のケーキはちょっと味気ない?

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ワイト島の夏休み(その5)

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イギリスでは9月に入って学校が再スタートしたのですが、ここ2週間あまりでコロナ感染率が急上昇。先週末から毎日4000人を超える感染者が出ていて、PCR検査システムはパンク状態…。私が働く特別支援学校も再開して今3週目…学校で感染者が出ないことを祈るのみ。さて、ワイト島の夏休みの続きです。

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この日は息子の誕生日。本人の希望で、カウズ(Cowes)のマリーナにあるスパニッシュレストランとヴィクトリア女王の夏の離宮だったオズボーンハウス見学を予約してありました。猛暑は続き、朝から温度がぐんぐん上昇。まずは、北部の港町カウズに行ってマリーナと町を探索。

快晴の海は青く水面がキラキラ輝いてきれい

12時に予約しておいたスパニッシュレストラン、フロントは若いお兄さん2人だけ?どんどんお客さんがやってきて、満席状態に。一番乗りで中庭の席に着きすぐ注文したものの、ドリンから食事が出てくるまでがとっても長かった…。

          息子とお任せタパスを注文。イベリコ豚と海老、ピリ辛のポテトとオリーブ。美味しかったです

オズボーンハウスの予約は2時だったのですが、コーヒーとデザートがまたまた来ない――待った挙句、頼んだデザートは切れていて、コーヒーマシーンも故障中とのこと…。

急いでレストランを出て駐車場まで走りました。カウズとイーストカウズはメディーナ河を隔てて隣同士。通常だったら、フローティングブリッジ(浮橋)と呼ばれる船に車ごと乗り込んで、ほんの数分で渡れるのです。でもコロナ禍のせいで、車の渡しは停止中!仕方なく、ニューポート経由で河の周辺をぐるりと回って25分かけて隣町のイーストカウズへ。かなり長い河なのに、大昔からある渡し舟の歴史を重んじてか、現在でも橋がひとつもないのです…。レストラン選びをした際、Gマップでは車で5分くらいだったのに…。

15分ほど遅刻したものの、無事オズボーンハウスに入場できました。この王宮は1845~1851年の間にイタリア・ルネサンス建築の宮殿を基礎として、ヴィクトリア女王(1819~1901年)のために建築。毎年、夏になると女王一家が滞在し、1861年に夫君のアルバート公が病死した後も頻繁に訪れていたそう。

 

ヴィクトリア女王といえば、世界に植民地を拡大した大英帝国の女王。歴史の教科書などでは、最愛の夫アルバートに先立たれ喪に付した、晩年期のどっしりした肖像画でお馴染み。でも、18歳という若さで即位した彼女は145cmと小柄で、21歳で結婚してから4男5女、9人の子どもを次々と儲けた若き女王だったのです。

オズボーンハウス1階にあるダーバーの大広間 (Darbar Room)は、ヨーロッパの王族をもてなす晩餐会や舞踏会が行われた場所。インド皇帝でもあった女王のステータスを象徴するように精巧なインド式装飾が施され、特に天井のプラスター装飾が圧巻。現地から職人を呼び寄せただけありますね。この他、インドの風景・人物画のコレクションも。

 

海を見渡すテラス。広大な庭園があり、女王一家が海水浴を楽しんだ王室専用ビーチまで歩いていけるのですが、暑すぎてパス。ティーブレイクは、アフタヌーンティーではなくアイスキャンディーとカフェラテにしました。

次は、宿泊先まで戻って水着に着替え、白い砂丘で有名なライドのビーチへ。午後遅かったためか潮が満ちてごく普通の砂浜という感じでしたが、人がまばらな海で気ままに泳ぐことができました。けっこう遠くまで泳いでも、浅瀬が続いていて海底に足がつくんです。砂丘だから?これだったら、子どもでも安心。

 

      イギリスで温かい海って初めてでした。地元の人達は海水が温まる午後遅くに泳ぎに行くよう

食べて、観て、泳いで--息子の20歳の誕生日は真夏の光いっぱいの一日となりました。

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