3日間の真夏日

イギリスでは今週の月曜日から気温がぐんぐん上がり、30度を超す真夏日が3日間続きました。特に、火曜日は朝から日がかんかん照り、最高気温は34度くらいまであがったんじゃないかな?

月曜日の7月18日は18回めの結婚記念日だったので、夕方ロンドン中心部で主人と待ち合わせ、家族で食事する予定でした。が、息子は「友達の家に行くから」とすげない返事…。先日、1週間ほどブルガリアの友人家族のところにホームスティに行き、ひとりで飛行機に乗って帰ってきました。親離れ進行中の今日この頃です。

夕方になっても気温が下がらない中、選んだのはベトナム料理店。大昔に学生だった頃よく通っていた店に行ったら、オーナーが代わって随分おしゃれになり、内装もメニューも様変わりしていました。汁なしフォー(ブンビー)と青いパパイヤサラダがない!IMG_20160718_191519IMG_20160718_191502

                 大好きな海老の生春巻き

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  うずらのグリル、サヤマメと牛肉の炒めものとご飯、チキンのフォー

IMG_20160718_201343         デザートは、Sohoの人気アイスクリーム店GELUPOで

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チョコレートが濃厚なBonetとラズベリーの組み合わせ。夜11時まで営業してます

火曜日は、車であっちこっちに出かける用事があったのですが、外を歩くともう汗だく…。夜は寝苦しくて、睡眠不足になってまいました。4年前、ロンドンオリンピックの年に日本で夏を過ごした時は、もっともっと暑かったのに、慣れないとヤワになっちゃいますね。

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      この3日間は雲一つない快晴でした

水曜日には何故かインターネットが繋がらなくなり、久しぶりのネットなし生活に。夏休みなので息子も家にいるのですが、繋がらなくなった途端、自分たちがどんなにネットに依存しているか思い知らされました。

主人は同僚と飲みに行ったので、外のデッキに椅子とテーブル出して、息子と二人夕涼みしながら冷やしそうめんと豆腐サラダの夕食。この季節は8時半になってもまだ日が沈みません。ふと、夕暮れの森を歩いてみたいと思いたち、ひとりじゃちょっと恐いので、嫌がる息子にお願いしてHighgate Woodまで行ってきました。

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      さすがに9時半近くになると、森のなかは薄暗くなって人もまばら。でも、沈んでいく夕日がめっちゃキレイでした。

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木曜日には、「あの夏の日はどこに行ったの?」というくらい気温が下がり、気温差と睡眠不足のためか、久々に酷い頭痛と肩こりに。気分が悪くなって、ちょっと寝込んでしまいました(笑)。ロンドンの公立学校は今日から夏休みのところが多いんですが、午前中はどんより曇って半袖では寒いくらい。

という訳で、3日間の真夏日が今や幻のようです。7月中の天気予報は、最高気温が21~23度くらい。実は、北欧のほうが気温が高いのです。8月になったら、もう一度夏がやってくるかな…。

 

緘黙(恐怖症)のスペクトラム

緘黙治療は長期戦になることが多く、人によって症状はそれぞれ違います。人前で話すことの恐怖だけでなく、人前でものを食べること、自分から会話を切り出すこと、電話での会話、対人関係の難しさなどがある場合は、それぞれの苦手分野を克服していかなければなりません。

以前の記事で書いたのですが、私は車の運転が苦手です。渡英後ずっとペーパードライバーだったのが、息子が生まれた後必要にかられてハンドルを握るようになりました。知らない道を運転するのが不安で、高速道路や片側三車線の道路に至っては、超怖いので避けているという状態。家の周囲15キロ以内くらいをトロトロ走ってるご近所ドライバーなのです。

新しい道でも、何度か通えばドキドキ感は薄れて平気になります。が、必要がない限り新しい道や目的地にチャレンジすることはないので、いつまでたっても行ける場所は増えません…。恥ずかしながら、知らない道に連れて行かれるのが嫌で、カーナビもひとりだと使わないという。

こんな自分は「運転恐怖症なんだろうか?」と考えてみると、そこまでいってないんじゃないかと思ってます。でも、人から見たらそうですよね…。同じ「運転恐怖症」でも、交通事故などの後に絶対車に乗れなくなった人から、私のように限られた範囲内だったら大丈夫な人まで、症状はいろいろじゃないでしょうか?

思うに、恐怖症も緘黙もスペクトラム状になっていて、「苦手」程度ですんでいる場合もあれば、何らかの引き金となる事件が起こったり、環境要因が重なって、急にどーんと重症になってしまう場合もあるように思うのです。

「○○障害」というと、とてもシリアスな印象を受けますよね?でも、「○○が苦手」「○○がすごく駄目」だったら、親も子どもも受けとめやすい。「苦手」を克服するためにはどうしたらいいのか?専門家に相談しなくても、自分なりに考えたり、親が対策をねったりできそうです。

私の場合、「まずインストラクターと一緒に高速に乗って練習すれば?」とよく言われるんですが、あの怖い思いをするのかと思うだけで気力が萎えてしまいます。それに、高速は主人に運転してもらえばいいし….。

先日、息子を車で20分ほどのところまで送っていった際、途中で道路工事をしていて、すごい交通渋滞。「帰りも渋滞だと困る~!」という私の言葉に、息子が携帯のカーナビをセットしてくれて、「大きい道はないから大丈夫」と去っていきました。

一抹の不安はあったものの、とにかく急いできたのでカーナビの案内通り進むことに。途中から大通りに出て、道路が4車線に。この時点で、既に身体が緊張し始め、胸がドキドキ…。すると、なんということか、先に信号付きの巨大なラウンダバウト(Roundabout 円形交差点)が見えてきたのです!

ラウンダバウトまで来た時は、もう頭が真っ白になり、サテナビの説明も殆ど耳に入らず!「一体、どの道に進めばいいの?!」とパニック状態。幸い、赤信号で前の車が止まったので、「助けて~!!」と叫びつつ、その車の後に続いたのでした。

何とか三車線道路を切り抜けて家にたどり着いた時は、もうクタクタ…。「もうカーナビはこりごり」と思い、また挑戦しようという気にはなれませんでした。ましてや、「やった!あのラウンダバウトを乗り切れた!」という喜びなど全くなかったです。

「苦手」を引きずっている人、特に大人は、自分の中で「苦手」との折り合いをつけて、限られた範囲内で対処している人が多いんじゃないでしょうか?「全て克服」までいかなくても、「この位でいいんだ」という程度に。

でも、車の運転と違い、緘黙は社会生活や自己評価に大きく影響してくるので、「この位でいいんだ」とは思えないかも…。

もし、あのラウンダバウトを使わなければならない状況に追い込まれたら?もし、誰かが側についていてくれて、「頑張れ、頑張れ」と応援してくれたら?もし、自分がもっと若くて、将来の必要性を感じていたら?

そうなったら、私でも多分「仕方ない、やるか」という気持ちになるでしょう。ひとりでは仲々できないけれど、誰かと一緒ならモチベがあがりますよね?特に、時間をかけてスモールステップでコツコツ進むまなければならない場合には。

ダイエットでもそうですが、やはりひとりでやるよりグループに入ったり、仲間や専門家と気楽に話し合えた方が、絶対心強いと思います。

自分の経験から、まずは自分が「変わりたい」と思う気持ちが大きくないと、挑戦するのは

難しいものだなと思った次第です。そして、専門家でなくてもいい、理解してくれる人が誰か寄り添ってくれたら頑張れるなと。

 

 

 

 

国会議事堂内で場面緘黙の啓発イベント

7月6日(水)、ウェストミンスター宮殿(国会議事堂)内で、ルーシー・パウエル議員(労働党)とナイジェル・エバンズ議員(保守党)、そしてSMiRAが共催する場面緘黙の啓発イベントが開かれました。

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このイベントは昨年10月の場面緘黙啓発月から計画されていたもので、何度か延期された後、一昨日無事に開催されました。SMiRAの活動に感銘を受けた保護者が匿名で大きな寄付をし、その資金でこのようなハイグレードの啓発キャンペーンが可能になったのです。

参加したのは、大学教授や言語療法士などの専門家、SMiRAの役員、SMiRA会員の保護者、そして複数の国会議員ほか。2階のビッグベン側に位置する個室で、ドリンクとカナペがふるまわれ、和やかな雰囲気の中で啓発会が始まりました。

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    左から、『場面緘黙リソースマニュアル』の共著者、アリソン・ウィンジェンズさん、トニー・クライン教授、SMiRAコーディネーターのリンジーさん。『Tackling SM』の寄稿者やSMiRAに協力する専門家たちが大勢参加していました

最初の挨拶は、場面緘黙の著書を持つトニー・クライン教授。60年代に初めて緘黙児に遭遇した時の思い出や、場面緘黙を取り巻く状況がどのように変わってきたかをユーモアたっぷりに話してくれました。SMiRA会長のアリス・スルーキンさんは現在97歳というご高齢で、今回参加されなかったのですが、クライン教授は彼女の功績にも触れました。

次に、SMiRAに大きな寄付をし、このイベントの推進にも貢献したジョナサン・ストレイト氏が登場。保護者の心情とSMiRAを支援することになったいきさつを語りました。昨年は匿名で参加されていたのですが、今回は前に出て挨拶し盛大な拍手を浴びました。
IMG_20160706_133514娘さんが学校で話せない姿を見て愕然とし、学校側が手をこまねいているのを見かねてSMiRAに連絡したとか。娘さんの症状は、現在かなり改善しているとのこと。彼の寄付金のお陰でSMiRAのサイトデザインも一新し、昨年秋の啓発キャンペーンは効果大だったようです。
   

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その後は、SMiRAの役員や会員たちが、緘黙の子どもたちの声や保護者の心情を短い言葉で伝えました。特に、子ども自身が書いた文章や詩は、心にじーんと響くものが多かったです。

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   最後は、このイベントのホスト役を務めたパウエル議員が締めくくりました

近年、イギリスではNHS(国民保健サービス)の予算カットにより、子どものメンタルヘルスケアの予算も削られつつあります。そのうえ、先日の国民投票でEU離脱が決まり、政治的にも経済的にも不安定な状態――そんな中での啓発会でしたが、議員たちとのパイプが今後、場面緘黙の子どもたちの助けになることを願ってやみません。

<おまけ>

現在、国会議事堂として使われているウエストミンスター宮殿の歴史は、11世紀に遡ります。1529年に大火災が起こるまで王室の宮殿だったのが、修復後には議会や裁判が行われる場所に。1834年に再び大火事に見舞われ、1860年に修復した際に現在のゴシック・リバイバル様式になりました。

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     まさに豪華絢爛!バッキンガム宮殿にも勝っているような…。全長265mの建物内に1100以上の部屋と11個の庭があるとか…

仕事中の国会議員に混じって、観光客や社会見学できた小学生の一群など、人がいっぱい。至る所に警察官が立っていて、入る前に飛行場と同じようなセキュリティチェックがありました。

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           入口の大広間。1834年の大火を免れた天井の梁が荘厳です!

何とこの大広間の一角にはカフェと下院のギフトショップまであるんです。帰る前に、SMiRAの役員たちと一緒にお土産を物色しました~。もうこんな機会もないと思うと、ついつい真剣に。斬新なネーミングのアイテムも多かったです。

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下院のロゴ入りミントクリーム、”CHURCHILL’S” と名づけられたポートワイン、ビッグベンのTシャツ

 

 

久しぶりの海

7月最初の日曜日はすごく久しぶりによく晴れ渡り、初夏の気候が戻ってきました。といっても、もう夏本番ですが…。ブルガリアの友達が10日ほどうちに滞在していて、彼の希望でイングランド南岸にあるポーツマスまで出かけてきました。

彼のお目当ては、世界で最も古い乾ドックにあるネルソン提督の旗艦、HMS ヴィクトリー号。でも、私は軍艦には全く興味がないので、ひとりだけ海岸付近をぶらぶらすることにしたのでした。

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     まずは The Tenth Hall Tea Room で腹ごしらえ。カニのサラダを注文したら、カニ肉がはいった甲羅がドカンとお皿にのっかってきてビックリ。でも、美味しかったです

家族と友達にしばしの別れを告げ、カフェから歩いて3分くらいのところにあるサウスシー海岸へ。天気のいい日曜なのに人はまばら、めっちゃのんびりしてます。

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パステルカラーの海の小屋(?)がズラリ。着替えと休憩用です

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海岸沿いのプロムナードを歩いていたら、無料のバラ園を発見!さっそく入ってみると、色とりどりのバラがまさに花盛りでした。

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      バラのパーゴラにはクレマチスも這わせてあって、とてもよくマッチしていました。それぞれの花の大きさで随分印象が違うものですね
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バラ園の向こう側はすぐ海

お城や博物館がある海岸の西側に向かってプロムナードを歩いていくと、徐々に人が増えてきて、やっと賑やかな雰囲気になってきました。

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    オレンジと黄色の旗はライフガードのサイン。看板には、本日の最高気温や担当ライフガードの名前などが。水温は11度でした

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カラフルなアイスクリームスタンド

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16世紀にヘンリー8世が石材で再構築した城塞、サウスシー城。見学は無料

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お隣の公園では野外コンサートが行われていました

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大型フェリーでワイト島まですぐ

海岸沿いのカフェでひと休みして、午後5時ころに家族と合流。まだ海辺に行っていない彼らのために、再び海岸へ。最近は10時くらいまで明るいので、まだ夕方という感じは全然ありません。

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こんな時間になって、泳ぎ始める人がちらほら

以前ウェールズに行った時もそうだったんですが、イギリスでは夕方近くになってから海水浴をする人が多いようです。それほど水温があがらないので、海水浴向きの海ではないんですが、天気が良い日は午後になると水が温まるんでしょうか?ちょっと謎です。

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ひさびさに海を見て、太陽も浴びて、のんびりゆったりできた日曜日でした。