動画:緘黙に苦しむ君へーーサキ君からのメッセージ
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全般性不安障害の可能性? SM H.E.L.P. 2024年秋サミットより (その3)
あっという間に12月に入り、クリスマスまであと21日となりました! また何もできないうちに1年が終わってしまうと、焦っています。ロンドンの街にはクリスマスのイルミネーションが輝き、クリスマス会が重なる季節です。
宿り木や牛のいる牧場を見ながらウォーキング。雨の中、秋の終わりに咲く桜と出逢ってびっくり。家の前庭のイングリッシュローズも今年最後の花を咲かせています
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さて、前回の『全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder: GAD)』の続きです。
ケリーさんの娘さんのケース
ケリーさんは、小学校6年生になった娘のスージーちゃんに関して、心配性の傾向が強いと感じています。担任によれば「良い生徒で頭もよく、宿題もきちんとこなしている」とかなりの高評価。でも、本人はテストの前になると毎回泣くほど心配するのだそう。
トンプキンズ博士のアドバイス
まず、子どもに何が起こるのか訊ねてください。子どもが「テストに失敗する」と言ったら、それを書き留めておきましょう。このプロセスを重ねて、その結果を子どもと一緒に見てみるのです。娘さんが心配するほど結果は悪くないことが判るはずです。誰でも失敗はするから、失敗したらそれをどう生かすのかが問題なのだと分からせてください。
そうして、ミスすることを恐れる不安を減らしていきます。全般性不安障害(GAD)や社会不安障害(SAD)などの場合は、テストへの不安だけでなく他にも様々な事を心配しているはずです。テストだけの不安なのか、もっと他の不安や別の不安障害を抱えているのかを見定めることが重要になってきます。
心配することは本人にとって非常に苦しいものです。心配の対象と比較してみると、その不安は釣り合いが取れないほど大きいのは明らか。でも、本人は心配することをやめることができません。
不安の度合いが強すぎる場合は危険信号です。身体的・精神的な症状が出はじめたら、病気がより進行しないようにする必要があります。
学校において、もしGADが学業や学校生活に支障をきたしているようであれば、宿題や課題なども含め配慮してもらう必要があります。
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場面緘黙と併存しうる不安障害 SM H.E.L.P. 2024年秋サミットより(その2)
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場面緘黙と併存しうる不安障害 SM H.E.L.P. 2024年秋サミットより(その2)
あっという間に秋が深まり、先週ロンドンでは初雪が降りました。街では既にクリスマスのイルミネーションが輝き始めています。ハムステッドの森林公園は日本ほどではないですが、紅葉がピークを超え枯れ葉が舞い散る季節に。
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アメリカのケリー・メルホーンさんが緘黙啓蒙月の10月に開催したSM H.E.L.P.秋サミットの続きです。このサミットでは場面緘黙とASD(自閉症スペクトラム障害)との併存、そしてその他にも併存しうる不安障害などがテーマ。その中には、社会不安障害(Social Anxiety Disorder:SAD)全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder: GAD)、病理学的要求回避 (PDA)、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder: OCD)、拒食症(anorexia)などが含まれていました。
対談者:マイケル・トンプキンズ博士(Michael A. Tompkins, Ph.D. )
トンプキンズ博士は公認心理学者であり、サンフランシスコ・ベイエリアの認知療法センターの共同所長及び、ベック認知行動療法研究所の教員でもある。著書と共著書は16冊。この対談は特に全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder)に焦点を当てたもの。
場面緘黙と不安障害の併存について
一つの不安障害を抱えていると、別の不安障害や感情障害(うつ病など)を抱える確率が24、5%になると言われており、子どもの場合はその確率がもっと高くなります。例えば、社会不安障害(SAD)、うつ病、パニック障害などを併発する可能性が増加。特に、ティーンになる過程では、過剰な心配のためパニックアタックを発症することも。そうなると、今度はパニックアタックが起こるのを心配しすぎて症状が強化されたり、OCDの場合は症状が悪化して医療介入が必要になったりします。
不安障害の治療には、何が一番の不安要因であるかを解明する必要があります。場面緘黙の子どもの場合は幼少期に発症するため、併発している他の障害があっても判明しにくく、要因も突き止めにくいのが特徴。
子どもが極端に心配性だったり、身体的な症状が出ていたり、登校を拒否したりする時、他の子ども達に比べて不安の度合いが強すぎることが保護者には判るはずです。最初のステップは、専門医の診断を得ること。信頼できる医師を受診し、できれば小児の治療に慣れている心理士にかかることが大切です。特に、CBT(認知行動療法)の暴露療法(エクスポージャー法)を実践しているかどうかが重要になってきます。
全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder: GAD)とは?
全般性不安障害(GAD)は、毎日の生活の中でさまざまな物事に対して漠然とした心配や不安を6ヶ月以上持ち続ける疾患です。この障害を抱える人の不安は持続的で程度も過剰であり、本人は思うようにコントロールできません。徐々に身体症状や精神症状が現れ、睡眠や毎日の生活にも支障をきたすようになります。
GADの人は常に身体が緊張した状態で、腹痛や頭痛、睡眠障害などが起こります。要因はまだ解明されていませんが、生まれ持った気質と環境に影響されると見られています。本人は不安をコントロールできないと信じ込み、心配することを止められません。治療法としては、CBT(認知行動療法)を用いて不安になるプロセスを抑え・遅らせるスキルと自信を身につけさせます。
GADは克服できるか?
不安障害は慢性的なものです。例えば喘息と同じで、喘息の薬は喘息を完治させるものではなく症状を和らげるためのもの。GADの治療は症状によって本人が苦しまなくなること、上手くコントロールできるようになることを目指します。不安がなくなる訳ではありませんが、不安に対処するスキルを色々身につけることで、自分を守っていくことができる様になります。
まずは、子どもがエクスポージャー法にトライすることが第一。不安に立ち向かうことで、自己肯定感が高まります。不安と自己肯定感は同じベクトルの対極にあるのです。
子どもが自分から「やろう」と思えること、モチベーションを持つこと。小さい子どもの場合は、トライした後に褒美や報酬があるといいでしょう。子どもは恐怖心や不快感から不安になる状況を避けようとするため、保護者の支援が不可欠になってきます。子どもが不安だと保護者も不安になりやすいですが、保護者が自分の不安をコントロールし子どもを応援してあげられることが重要。
保護者による支援は子どもがティーンになると特に難しくなります。やらせようとすればするほど、本人は不安になり反抗的に。本人が一番やりたいこと、好きなことを見抜いて、それを上手く活用することをお勧めします。その際、協力的な専門家がいると大きな助けになります。
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緘黙児が持つ特性や症状 SM H.E.L.P. 2024年10月サミット(その1)
イギリスでは先週末に夏時間から冬時間に切り替わり、時計を1時間遅らせました。お陰で朝起きる時は比較的明るいのですが、夕方は4時すぎるとつるべ落とし的に暗くなってしまいます。あ~っ、また長くて暗いイギリスの冬が始まるんだなと思うと、ちょっと憂鬱…。でも、今のところ秋晴れの日もあるし、紅葉が美しい季節です。
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10月は場面緘黙の啓蒙月間です。アメリカのケリー・メルホーンさんが毎年恒例のSM H.E.L.P. 10月サミットを開催。今年はASD(自閉症スペクタル)との併存と場面緘黙に付随して起こる可能性がある他の不安障害に焦点を当て、専門家を含む8名のゲストを迎えてケリーさんとの対談形式で行われました。
講演者 1 :ケリー・メルホーン
SM H.E.L.P.の主催者。場面緘黙の診断を持つ子どもの母親で、緘黙の子どもやティーンの治療の専門機関に公認された行動分析士補でもある。過去 6 年の間 SM について多くのことを学び、情報を発信してきた。
場面緘黙の子どもが持つ特性や症状
娘の診断が下りたのは4歳半のことですが、もっと小さい頃から兆候がありました。現在は小学6年生になり(注: 米の学校システムは日本と異なります)、治療を続けて6年。幼少の頃は話せないことの他に下記の特性・症状が目立ちました。
- 質問に応答することが困難
- 自発的に会話をすることが困難
- 非言語コミュニケーションをとることが困難
- 身体がフリーズしたり、動くことも難しくなったりする
- 不安な時、対応が遅い
- 通常のアイコンタクトが困難
これらは話せない場所(学校など)のみで起き、安心できる場所(家庭)では起こりませんでした。従って、不安からくる症状であることは明確。でも、年齢が上がるにつれて、これらの特性が徐々に変化していき、ちょっと挑戦的なものになっていったのです。
娘は頭痛や腹痛を訴えることが多くなり、自らの感情をコントロールすることが難しいようでした。特に、学校から帰宅した後や夜寝る前に癇癪を起こすことが増えていきました。
そこで、2019年に場面緘黙協会のコンファレンスに参加し、緘黙の背景にある不安が引き起こす特性について更に学びました。
娘に当てはまったのは、
- 人や物事をコントロールしようとする
- 反抗的な態度
- 扇動的な態度
- 怒りっぽい/ 癇癪を起こす
- 完全主義の傾向
娘に当てはまらなかったものは、
- 集中することが困難
- 睡眠の乱れ
- 公衆の前で食べることやトイレに行くことが困難
これらの症状や特性に悩まされている保護者の皆さんは安心して下さい。不安が要因となって起こるのです。私自身、そのことを理解するのに随分時間がかかりましたが、それが解ったとき安心でき、「私はダメな母親なんだ」と自分を責めるのを止めることができました。
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みく注:
ケリーさんのリストには感覚過敏が入っていませんが、こうやってまとめてみると解りやすいですね。腹痛などの身体症状が出る、感情のコントロールが難しい、登校渋りなどもリストに入るかも。私も息子が緘黙だった頃(4歳半~10歳頃まで)、様々な特性や症状に悩まされたものです。
「自分の育て方が悪いのではないか?」 保護者はどうしてもそう思ってしまいがち。情報共有・交換することで、自分だけではないと安心でき、解決策も見つかるかもしれません。そういう意味でも、情報を共有できる場所があることはとても大切だと思います。
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ヨークシャーの夏休み(その3) ハワード城と高架橋
もう10月も半分を過ぎてしまいましたね。イギリスでは日がどんどん短くなって、今月27日には夏時間から冬時間に変わります。天気が悪い日が続くので、お日様が顔を出すとほっとします。これからもっと暗くなると思うと、ちょっと憂鬱…。
さて、またまたヨークシャーの夏休みの続きです。
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カースルハワード(Castle Haward)
家族旅行の5日目は、朝早めにアパートを出て車でヨーク郊外へ。数多くのTVドラマや映画のロケ地になっているカースルハワードは、イギリスでも稀にみるバロック様式の壮麗なカントリーハウス。18世紀初頭に3代目カーライル伯爵、チャールズ・ハワード氏が建て、その後10世代に渡って受け継がれてきた私邸です。1940年に火災があり、現在の建物の大部分は20世紀に復元されたものだとか。ちなみに「カースル(城)」と名がついていますが、軍事的な機能はなく厳密には城ではありません。
現地で北イングランドに住む友だちと待ち合わせ、まずは屋敷内から見学。今も13代目カーライル伯爵の住まいとなっているため、公開されているのは一部のみ。それでも充分広くて見どころ満載!特に、正面玄関にあるグレートホールのドームは圧巻(写真左)で、壁からドームまでギリシア神話をモチーフにした天井画が見事。彫像がずらりと並ぶ大理石の回廊や、豪華な調度品を設えた各部屋から、当時の貴族の暮らしが見えてきます。でも、こんなに広いと冬はめっちゃ寒いだろうな…といらぬ心配をしてしまう私でした。
8800エーカー(約36平方k㎡)の広大な敷地内には、庭園、湖、プレイグランド、森林、寺院、ボートハウス、農地などが。移動の手段として、トラクターが牽引するカラフルなケリーカーが走っています。1850年に造られたアトラスの大噴水が見事なフォーマルガーデン、壁に囲まれたウォールガーデンに加え、ガーデンセンターも。カフェやギフトショップ、地元の食材を売るファームハウスなど、設備が充実しています。
この後、この地方の食の町と言われるマルトン(Malton)へ。ヨークシャーのケーキやクッキーなどを買い込み、カフェでコーヒータイムを楽しみました。
ナーレスボロ(Knaresborough)
翌日は、ヨークの街を後にして西方へ。ハロゲートの東側に位置するナーレスボロ(Knaresborough)という町に向かいました。この日の午後、リーズ北部に住む友達夫婦の家を訪ねることになっていて、その友だちが是非立ち寄るよう勧めてくれたのです。渓谷にかかる高架橋と田舎町の美しい景色が有名とのことで、すごく楽しみでした。
まずは、渓谷の崖の上に建つナーレスボロ城の城趾を見学。崖側に歩いていくと、町のシンボルとなっている高架橋を見下ろす絶景が目の前に!絵葉書のように美しく、思わず激写してしまいました(^_^;) そこから急な傾斜の路を下ってネッド川の畔にたどり着き、川岸のパブでランチタイム。おとぎ話のような風景にすっかり満足し、その後また崖路を登って、駐車場まで戻ったのでした。
初めて訪ねたリーズの友人宅は石造りで、廃材を再生利用した趣味の良い室内や庭造りに感心することしきり。ご主人自ら屋根裏部屋を改装、今は地下室を改造中とのこと。庭で鶏を飼っているとは聞いていたのですが、「えっ、レグホン?!」と驚くほど立派な鶏が!ご主人が作ったという鶏小屋も大きくて立派でした。翌日カナダに出発とのことで、卵が余っているからとその場でバナナケーキを焼いてくれて、お土産に卵を1ダースも!夕食のデザートの苺とバナナケーキ、すごく美味でした。
車で友人宅に行く途中パラパラと雨が降りましたが、夏の北イングランドでは珍しく雨に降られたのはこの日のみ。それでも、一度も傘を使わずにすんだのでした。
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ヨークシャーの夏休み(その2)ヨークシャー彫刻公園とヨークの街
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ヨークシャーの夏休み(その2)ヨークシャー彫刻公園とヨークの街
あっという間に10月に突入してしまいました。雨混じりの曇り空が続く中、週2回ほど秋晴れの日がやってきて、樹木の色もだんだん変わりつつあります。今年は冷夏だったから、紅葉は少ないかも…。
さて、駆け足でヨークシャーでの夏休みの続きです。
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ヨークシャー彫刻公園
シェフィールドの次の拠点は薔薇戦争(1455~1485年)で有名なヨークの街。予約しておいたアパートに行く途中、今回の旅行のハイライトのひとつであるヨークシャー彫刻公園(Yorkshire Sculpture Park)に立ち寄りました。この春訪れた箱根の「彫刻の森」では雨に降られたので、リベンジの好機会!運良く花曇りから夏の陽射しがこぼれはじめ、暑いくらいの気候になってラッキー。
なのに、なのに、夫が前夜飲みすぎて体調を崩してしまい、少し歩いただけでダウン。ひとりで車に戻ってそのまま寝込んでしまいした(^_^;) 仕方なく息子と二人で、500エーカー(約2平方km)の広大な敷地を散策することに…。
緑あふれる敷地内には林、湖、そして、羊や牛のいる牧草地があって、自然の中に90の彫刻が点在しています。ビジターセンターには広いカフェやショップ、特別展示会を行う地下ギャラリーなどがあり、私達が行った時はイギリス生まれのインド人女性作家、バールティ・ケールの『錬金術』展を開催中でした(下の写真右)。敷地内(?)には、歴史的な佇まいのホテルも。もし次に行く機会があったら、お弁当持参で1日かけて探索したいです。
ヨーク市内観光
ヨークシャー北部に位置するヨークは、紀元前71年に古代ローマ帝国が創設した要塞都市。城壁に囲まれた旧市内には古い街並みが残り、街のシンボルであるゴシック様式のヨークミンスター(大聖堂)が聳え立っています。大聖堂をMinsterと呼ぶのは珍しく、これは格式の高さを表すそう。
旧市街の外にあるアパートから城壁まで歩き、城壁の階段を登って城壁の上の歩道を通って城門の入口へ。旧市内の歴史的な街並みを楽しみながら、13世紀に建てられた大聖堂まで歩きました。比較すると地味なのですが(笑)、2年前にノルマンディー(仏)のルーアンで観たゴシックの大聖堂を思い出しました。
荘厳な雰囲気の教会内を見学した後は、我が家恒例となっている塔登りに挑戦。この塔の螺旋階段はとにかく狭かった!人ひとりしか歩けない幅なので、前の人が立ち止まると、そこで詰まってしまいます。ユニークなのは、まず100段登ったところで一旦外に出て屋根伝いに歩き、そこから更に175段登って塔の頂上に出ること。頂上では四方をぐるりと周って、ヨーク市内外のパノラマ景観を楽しめます。
ランチは北イングランドの有名なカフェ/ レストラン、Bettysでと思ったら、やっぱり行列ができてました(^_^;) 20分程待って、階下のテーブルへ。ブランチメニューの中から、私は巨大マッシュルーム、ホウレン草のソテーと焼トマト、半熟卵をのせたハッシュブラウン、夫と息子はそれぞれクラブサンドを注文。デザートのイートンメスが3000円位してビックリ😲
食後はフォス河沿いにある木造建築のマーチャント・アドベンチャラーズ・ホール(Merchant Adventurers’ Hall)へ。14世紀に建てられた大ホールは、当時の貿易商が集うビジネスと社交の場だったそう。最後はその起源をローマ帝国時代に遡るシャンブルズ・マーケット(Shambles Market)を散策。中世の面影を色濃く残す石畳の通りは、映画『ハリー・ポッター』のダイアゴン横丁(Diagon Alley)のモデルと言われ、魔法の道具を売るお店も。ファンが大勢詰めかけていて、ちょっとびっくり。
こうして家族旅行の3日目と4日目も雨に降られずに無事過ごせたのでした。
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ヨークシャーの夏休み(その1)シェフィールド
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ヨークシャーの夏休み(その1)シャフィールド
すっかり夏休み気分が抜けたところで、今年の家族旅行について(^_^;) 今年は春に9年ぶりの帰国をはたしたため資金不足だったのと、猛暑を避けるためもあって国内旅行に決定。実は、うちの家族は暑いのが苦手で(主人は日に焼けると水ぶくれ状になるため、夏でも長袖)、酷暑になりそうな夏のヨーロッパ旅行は敬遠中…。何度か訪れたことがありますが、複数の友達との再会もかねて北イングランドのヨークシャーに行くことにしたのでした。
国内旅行、特にイギリス北部の難点は天候が変わりやすいこと。湖水地方を訪ねた時は、真夏というのに肌寒く、雨に祟られました。まあ、雨が降り続かなければ、涼しくて過ごしやすいのですが…。
まず最初の2日間は、主人の出身大学があるシェフィールドへ。大学時代の友達宅に泊めてもらい、街を案内してもらいました。とにかく嬉しかったのが、ペットの4匹のネコちゃん。段々畑みたいに段差のある庭には鶏小屋もあって、のどかな雰囲気。
バラ香るお庭でランチ。新顔の子猫2匹を筆頭に、ネコちゃん達に癒やされました。少し歩くと、見渡す限りの緑の丘陵
南ヨークシャーにある友人宅は、シェフィールド南西部に位置しています。ピークディストリクト(Peak District)と呼ばれる景観美しい国立公園に隣接し、少し歩くとすぐ緑の田園風景。散歩がてら案内してくれたのが、近くにあるフォージダム公園(Forge Dam Park)でした。
かつてシェフィールドは鉄鋼業で知られ、世界有数のカトラリー生産量を誇っていました。この公園には、その歴史を13世紀に遡る刃物研磨用の水車小屋が保存・無料公開されています。当時は川を堰き止めて水車を回し、その動力を利用して研磨機でカトラリーや刃物を研いでいたんだそう。
途中にカフェや睡蓮の池などがあって、川沿いに緑の中を歩く散歩コースになっていました
翌日はどんよりした曇り空の元、バスでシェフィールドのシティセンターへ。路面電車が走る街中は、90年代に郊外の工場地後に大型ショッピンセンターができたため少々寂れた雰囲気。新たな都市計画に沿って、ゆっくり変化しつつあるとか。ランチは今春登場したばかりのケンブリッジストリート・コレクティブ(Cambridge St Collective)で。倉庫のような建物の中に多国籍の料理店(主にファストフード)が並ぶ、イギリスで今流行りのフードコート風の空間。パレスチナのソールフード店(?)でLoaded chipsというのを注文したら、スパイスが効いたチキンをどっさりのせた大量のチップス(極太フライドポテト)が!食べても、食べても全く減らず、皆に手伝ってもらってやっと食べ終えたのでした(^_^;)
食後は主人達が学生だった頃に通ったパブなど懐かしの場所を訪ねたり、鋼鉄産業の足跡が残る運河沿いの路をそぞろ歩いたり。実は、この日シェフィールドの南東にある町、ロゼハイムで移民排斥の暴動が起こり、バスの運行が突如停止に! 待っても待っても来ないので、仕方なくタクシーを呼んで帰宅。夜は私と息子が作った手巻き寿司とお味噌汁、野菜等で、友人たちの娘2人を加えた7人で食卓を囲みました。
とても楽しくて、有意義な時間を過ごすことができました。
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緘黙治療に使える小道具
あっという間にもう9月も第2週! 先週から新学年が始まり、またいつもの生活が始まりました。学校の勤務が今週からだったので、今でもまだ夏休みモードが抜けず、休み中にやる予定だった家の片付けをダラダラ続けています。その昔、夏休み終り近くなって急いで宿題を片付けていた頃から全く進歩なし(^_^;)
ロンドンはすっかり秋の気配。秋薔薇が咲き、クラブアップル(野生の小さなリンゴ)が鈴生り。うちのミニトマトもやっと収穫にこぎつけました
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前回の記事で緘黙児の不思議な点、というか息子が緘黙だった頃に不思議に思った点を書きました。今回は息子のスモールステップに役立ったツール(小道具)について。すでに記事として書いたのですが、ここでまとめてみようと思います。
・電話
緘黙児って電話で話すことが苦手な子が多いんじゃないでしょうか? 今の時代、メッセージだけで済ませてしまいがちですが、あえて電話での会話を試してみて欲しいと思います。 まず最初は気がしれた家族間で、会話もYes/ No形式で、簡単なものからスタートしてみて下さい。
詳しくは、『電話でのスモールステップ』をご参照下さい。
・カメラ
息子は幼少の頃、ビデオ撮影をすることが大好きでした(今考えると、ほとんど家の中でしたが)。小2の頃、放課後の教室を訪問する際にふと思いついてカメラを持たせてみたら、それ以前と比べリラックスして自信を持っている様に感じたのです。仲の良い友達に一緒に来てもらった時には、色々撮影して盛り上がっていました。
詳しくは、『息子の緘黙・幼児期5~6歳(その20)放課後の教室』をご参照下さい。
カメラでなくても、自分の好きなものを持たせることで安心度が増すかもしれません。
・お気に入りのキャラ
子どもがスモールステップに挑むに当り、モチベを上げるのにお気に入りのキャラや大好物が役立ちます。息子は小学校低学年の頃放送され始めた14代目『Dr Who』にハマり、「ありがとうを言うから買っていい?」と自分からDr Whoカードをねだるようになりました。そのお陰で、何度もスモールステップを重ね、買い物に慣れることができたのです。あと、スーパーで好きなお菓子をひとつ買う作戦もお勧めです。「好き」こそ原動力!
詳しくは、『CBTってどうやるの?(その4)』をご参照下さい。
その時に流行っているアニメやゲームなどに夢中になったり、グッズを集めたりすることは、同年代の子どもと共通の話題を持つのにも役立ちますよね。
・外界との遮断壁になってくれるもの
息子が移転した歯医者で口を開かなくなって困った時、外界とのクッションの役割を果たしてくれたのが、日本語とハンカチでした。
私は普段しないサングラスをかけると、自分と自分をとりまく世界の間にカーテンがかかっているような感覚を覚えます。サングラスをしていると、いつもの自分じゃないような、第三者になったような。緘黙児は自意識が過剰で、自分のことを知られるのを極力恐れる傾向にあります。だから、サングラスや眼鏡をかけることで、自意識を少しでも減らすことができるかもしれません。
詳しくは、『緘黙児と歯医者』をご参照下さい。
スモールステップで重要になってくるのは、自分の子どもを良く知ること。つまずいた時、停滞した時、また大きくジャンプできそうな時、調整をするのにすごく役立ちます。
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不思議の緘黙児
学校の夏休みも今週でおしまい…。イギリスではすでに初秋を感じさせる気候になってきました。今年は冷夏で猛暑日はほとんどありませんでしたが、昔のようにイギリスらしい夏だったと思います。
今年も予期せず保育園時代からの旧友とロンドンで再会!来英は多分これが最後ということで、お気に入りのスポットを歩いて、語って。ハイドパークでは草間彌生の巨大な『南瓜』に遭遇
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緘黙の子どもの考え方や行動って、時としてすごく不思議に思いませんか? 身近にいる保護者や家族でさえ「何故??」と首をひねることも多いのでは?
うちの息子の場合:
1) 人に自分のことを知られるのを極端に恐れる
息子は小学校の4年生くらいまで作文が苦手でした(と思っていました)。他の子達が1ページ書くところ、息子は3、4行しか書かないのです…(;_;)
実は、息子の国語力を伸ばそうと、小2ごろからセリフ入りの漫画もどきを交互に描く遊びをしていました。セリフが多くなっても、私に聞くこともなく自分で文章を書きます。また、ドリルをやらせるとそれなりにできるので、国語(英語)は苦手かもしれないけれど、「何故学校ではこんなに書けないのか?」と謎でした。
小3の終わり頃だったと思うのですが、担任から「◯◯君は長い文が書けるようになりました」と言われました。ノートを見たら、課題は自分で物語を作るというもの(イギリスの公立小学校では通常、教科書もノートも学校に置いてあって、家に持ち帰るのは宿題のみ。親は懇談会の時にのみ各学科のノートを見ることができるのです)。
あれっ、もしかして自分について書くのが(先生や皆に知られるのが)嫌だった? それまでは、自分のことを書く課題が多かったような…。
多分、自分のことを書かなくてもいいので、やっと安心して作文に取り組めるようになったのではと思ったのでした。
2)「この人は大丈夫」と思うと、1対1なら本性を出す
息子の「話せる人ヒエラルキー表」では、大人の女性や子どもがけっこう話しやすい人に含まれています。
若くてきれいなベビーシッターさんが家に来てくれると、調子に乗って甘えまくり(『息子の緘黙・幼児期2~3歳(その3)』をご参照下さい)。
また、小2の夏休みに、当時16歳位だった友達のお兄ちゃんに半日ほど息子のベビーシッターを頼んだことがありました。その彼にも我儘をいって色々やらせ、私達が帰宅した際、二人は庭で水遊びをしてびしょぬれ状態(^_^;)
私が時々会う日本人の友人が遊びに来た際は、すぐに打ち解けて話しだし、調子に乗って歌ったり踊ったり、自慢の玩具を披露したりしてました。
3) 人が大勢いる場所でも、日本語でなら私と話す
日本語だったら周囲には何を言っているか分からないためか、大抵は知らない人の中で秘密の暗号のような感じで使うことが多かったです。
英語(外国語)でなら声が出やすいという日本人のお子さんも多いかも。
4) 転校生に自分から話しかける
息子の小学校は転校生が多かったのですが、小2の頃から転校生に自分から話しかけるようになりました。後で訊いたところ、「転校生は僕が話せないことを知らないから」とのこと…。
普段学校でほとんど話さない子が、いきなり転校生にアプローチして話しかけたら、皆に変だと思われますよね?でも、そこまでは頭が回らなかった様…。
そういえば、転校生のG君を家に連れてきたことがあったのですが(G君の希望)、お母さんがお迎えに来た際、「◯◯君は学校では喋らないんだよ!」と告発!「まあ、そんなはずないでしょ?!」と驚かれ、説明に困ったのでした(^_^;)
傍から見たら変でも、子どもは色々考えたり、感じたりしながら、自分なりに緘黙打開策を練っているのかもしれませんね。
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子どもの可能性
もう7月も明日で終わりですね。夏休みの仕事の調整をしている内に、あっという間に1ヶ月が過ぎ去ってしまいました。イギリスの夏は日が長く夜10時頃まで明るいのですが、6月21日の夏至を過ぎてから少しずつ日が短くなって、最近では9時すぎると薄暗闇に…。今年も半分以上過ぎてしまったのだなと、淋しい気持ちになります。
先週末ケント州の友達を訪ね、美味しいランチをご馳走になっておしゃべりを楽しんできました。ラムズゲートの海岸で午後の海風に吹かれ、夏休み気分満載
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昨年夏、日本語のGCSE(国家試験)で良い成績を収め、秋からカレッジでITの勉強も始めた教え子のC君。以来、カレッジ(週3日)とうちの学校(週1/2日)とで二足の草鞋を履く忙しい日々でした。この1年間、カレッジの課題をこなすため、日本語の授業に来れないこともしばしば(^_^;) でも、両校で「今年一番頑張った生徒」と表彰され、6月に私が勤めている特別支援学校を無事卒業していきました。
来年度(9月)からは、うちの学校からの支援無しでカレッジのコースを終えることになります。でも、この1年で学業だけでなく、初めて友達を作り、人前で食事ができるようになり、一般のボランティアもこなすなど、ものすごい進歩!
授業の一環として最後に日本食を食べに行ったのですが、食わず嫌いだった彼が寿司、ラーメン、餃子に挑戦したのにまずびっくり!そして、日本人スタッフと日本語で会話をする挑戦も、ぎこちなくはありましたが大成功!
うちの学校は高機能自閉症の子ども/ティーンを専門としているんですが、彼は書字障害他の困難も抱えています。それでも、17・18歳でこんな風にぐ~んと伸びることができるんだなと実感し、すごく嬉しくなりました。
「カレッジ2年目から独りでもやっていける様、自宅からは遠いけど学校に近いカレッジを選んだ」と言っていたC君。自宅に近いカレッジだとうちの学校からの支援が受けられないため、わざわざ遠くのカレッジに通う選択をしたのでした。独り立ちできるように頑張るという決意と、今年はサポートしてもらえるという安心感の中で(殆ど必要なかった様ですが)、カレッジでの生活や勉強に適応していけたんだと思います。
彼と話していると、言葉の端々に自信をつけたのを感じ、気力が充実しているのがビンビン伝わってくるのです。どんな子でも、良い環境と機会さえあれば、もっともっと成長できる可能性を持っているんだなと思わせられました。
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PDA(病理的要求回避)の具体例
6月ももうすぐ終わり…ということは2024年がすでに半分過ぎ去ってしまったんですね。早っ!イギリスでは10日ほど前から天気が回復し、やっと初夏らしい気候になってきました。ここのところ夜9時半過ぎまで明るいのですが、6月20日の夏至から徐々に日が短くなっていると思うと、なんだか淋しいです。
6月は果物が美味しい季節。露地栽培の国産の苺が出回り、時おりヘタに花びらがついた苺も。忘れた頃に芽吹いた鉢植えの苺は、5年連続で小さな実をつけました。ブルーベリーの実は、今年こそ小鳥に盗られないようにしないと…。イギリスでは甘みの強いフラットピーチ(平たい桃)が人気です
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これまで3回にわたってPDAの説明をしてきましたが、実際にはどんな症状なのか?文章を読んだだけでは良く判りませんよね。
9年前にイギリスで放送されたTV番組シリーズ ”My Aggressive Toddler/ Born Naughty?(うちの攻撃的な子ども/ 生まれつき反抗的?)” で、PDAと診断された子がいるので映像を観ていただければと思います(英語ですが、彼の行動を目で追うだけでもかなり参考になるはず)。
この回に出演したのは、3歳のビリーと8歳のチャーリー、そして家族たち。両家の保護者は、ともに子どもがASD(自閉症スペクトラム)ではないかと疑っています。
注目していただきたいのは、8歳のチャーリー(7:19-/ 15:18-/ 20:10-/ 28:17-/ 34:37-/ 34:40-)の方。母親のマキシーンさんは、彼の行動は発達上の問題に起因するものと確信し、支援を求めて4年のあいだ不毛な戦いを続けてきたそう( 15:18-)。番組の終わりに、ようやく「ASDのPDAプロフィール」という診断が降りました。
撮影時点では、チャーリーはホームスクーリングを余儀なくされ、ほとんど家で過ごす毎日(7:19-)。ゲームで負けると不機嫌になり、母親がスイッチを切った途端、叫んで母親を攻撃し始めます。自分の意向にそわないと態度が激変――そんな彼をマキシーンさんは「ジキル博士とハイド氏みたい。全く予測不可能」と告白。
ラビ医師が家を訪問し、まず祖父にインタビュー(17:09-)。祖父母には懐いていますが、祖父いわく「チャーリーは私達を側にいさせるけれど、いつもひとりで遊んでいる」とのこと。ソーシャルスキルの問題を示唆していますね。
学校や友達について聞かれると(17:38-)、チャーリーは「やってないのにいつも怒られるから学校は嫌い」「友達はX Boxの仲間たち。喧嘩しても実際に殴り合いにならないから」と答えました。ラビ医師は「思考や行動に柔軟性がなく、曖昧な言葉や冗談が理解できない。変化を嫌い、社交性がない」とASDの疑いを強めます。
私が気になったのは、ASD児の5人に1人が学校システムから排除されているというナレーション(20:10-)…チャーリーもそのひとりで、週に数時間は家庭教師がつくものの、ほとんどの時間をTVやPCゲームに費やしているのです。外出は極度に嫌うそう。
「犬の散歩に行くから靴を履いて」と頼む母親を拒絶するチャーリー。なんとか玄関まで来させると、チャーリーは止める母親を無視して外へ猛ダッシュ。いつも公園の樹に登り、母親が犬を散歩させている間中ずっとそこにいるのが習慣なんだそう。今まで母親や犬と一緒に歩いたことは一度もないとか…。
次に、児童心理士のケネリーさんと言語聴覚士のヘレンさんがチャーリーを訪問(21:52-)。一人がアセスメントを行う間、もう一人はボディランゲージ他を確認します。体を揺らす、思考が狭い範囲に限定されている、非言語コミュニケーションを使わない――ASDの特性が見て取れます。
また、いつもと違うビスケットを出されたチャーリーは、彼女たちと視線を合わせたり、問いかけたりしません。食べかけのビスケットを口から出して「おいしくない」とテーブルに戻しました。
チャーリーの睡眠のパターンを調べてみると(28:17-)、寝かせようとする母親に対してメルトダウンを起こし、暴力を振るっています…。ここで心理学者のケネリーさんが着目したのは、チャーリーが何度も体を揺らしていたこと。
複数のアセスメントの結果、常同行動や思考の狭さから、専門家チームはチャーリーがASDであると診断(40:00-)。加えて、新しくできたPDA問診を行ったところ、通常よりかなり高い数字が出たため、ASDのPDAプロフィールであることも同時に診断されました。診断結果が出ると、母親のマキシーンさんは安堵の涙を浮かべました。これでやっと皆に理解してもらえ、適切な支援をしてもらえると希望を持てたからです。
診断後、この情報は地方自治体に通達され、チャーリーは新しい学校に受けいられることに(TVで取り上げられたため、上手く行った部分も大きいかと思います)。家庭でも家族がPDAについて学んだことで、状況は好転。以前より笑顔が増え、かなり落ち着いて暮らせているよう。
朝チャーリーを起こす時(44:50-)、マキシーンさんは大きな砂時計を枕元に置き、「今から10分、砂が全部下に落ちたら起きるのよ」と告げます。こうすることで母親の要求は砂時計の要求にすり替わり、彼女が攻撃されることはないのだとか。
砂時計はゲームをやめさせる時や、寝る時にも使えそうですね。また、「◯◯をしなさい」ではなく、「何分で◯◯ができるかな?競争しよう」とゲーム感覚にすれば、要求の様には聞こえません。
緘黙もそうですが、子どもに合う支援を見つけることの重要性を感じました。
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PDA(病理的要求回避 Pathological Demand Avoidance)とは?