第2回 場面緘黙 H.E.L.Pオンラインサミットから(その1)

イギリスでは相変わらず雨模様のさえない天気が続いています。それでも、昨年コロナで中止になったイベントが、今年はポツポツ再開されるように。先の日曜日、昔住んでいた町のフェスティバルで個人宅の庭が複数公開されたので、曇り空のもと庭巡りに行ってきました。

<5月中旬に開催されたオンラインサミット、第2回Selective Mutism H.E.L.Pから>

◎ゲイ・ジェイムスさん:保護者で緘黙本『Living beyond Silence』の著者

ジェイムスさんの息子、トレバー君が場面緘黙を発症したのは4歳のころ。今から20年近く前のことで、アメリカでもまだ専門家は殆どいませんでした。

別州で緘黙治療の経験がある小児心理士を探し当て、まず「しゃべるか、しゃべらないかで大騒ぎしないこと」とアドバイスを受けました。残念ながら治療はうまく行かず、自ら支援に乗り出すことに。多くの資料を参考に、手探りしながら下記の支援を行っていきました。

最初に行ったこと(幼児期)

  • エクスポージャー法で不安に向き合う機会を多く作る
  • フラストレーションを発散できるよう、スポーツクラブなどに参加させる
  • 同年代の子どもと接する機会を作る

友人や家族への説明

  • いくら説明しても解ってくれない人はいる。全員を説得するのは無理
  • 緘黙児は周囲の反応に敏感なので、子どもがいる場では話題を変える(「今日は話すの?」と的外れな反応をし続ける人もいたとか

園・学校が楽しいところだと教える

  • 兄がいたため、学校がどんなに楽しいかを話して聞かせていた(話さなくても友達は多かったそうで、「いい聞き手だったんだと思う」と回想)

園・学校と情報を共有する

  • 園の先生たちが緘黙に気づき、どうしたらいいか訊ねてきた(「無理に話させないこと」と伝えることができた)

帰宅後のメルトダウン(怒りやフラストレーション)対策

  • 一人になれる時間・空間が必要
  • 子どもの気持をなだめてくれる活動・対象を探す(好きだった絵を習わせ、音楽や身体を動かす活動にも参加させた)
  • 猫を飼うことで、帰宅を待ちわびるようになった

家では普通に行動し話せているのに、なぜ外では他の子と同じようにできないのか?自分の子どもに障害(心の病)があると認めるのが難しかったそう。

大きなターニングポイントが来たのは7歳のころ。誰とでも話せる訳ではありませんでしたが、先生から名前を呼ばれると応えられるように。それからも、親子での取り組みは長く続きました。

ジェイムスさんの著書『Living beyond Silence』の表紙は、グラフィックアーティストになったトレバー君の手によるもの。闇の中に立つ少年は、自分が緘黙だった頃のイメージを描いたそう。その先には明るい光があり、適切なステップを踏めば未来は明るいことを暗示しています。

現在、トレバー君は家を出て自立し、主に音楽活動を通して世界中を旅しているとか。話すことには全く問題はありませんが、緘黙は不安障害のひとつ。将来も不安が消え去ることはないだろうとジェイムスさんは考えています。

ジェイムスさんの話で特に印象に残った箇所:

1) 場面緘黙の資料や情報を集めた時、息子の立場で考えることができるようになった。大きな不安のために、声が出せないのだと共感できた。子どもがどれだけ苦しい思いをしているか――まず共感してあげることが重要。「あなたの気持ちは分かるよ」「長い間声を出せなくて、フラストレーションがたまるよね」など、頻繁に声掛けすること。

2) 子どもの気持ちを蔑ろにしないよう十分注意が必要。不安を感じたり、人目を気にしたりする子どもに、「そんなこと気にしなくていい」「そんな風に思わなくていい」というのは逆効果。自分の子どもでも、人として尊重してあげて欲しい。

3) 自分達だけで治すのは無理。子どもが不安に感じる場面で話すチャレンジをするには、周囲の協力が必要不可欠。保護者だけでは解決できない問題なので、話せる人のサークルに参加したり、第三者の専門家を巻き込むことが重要。

(ここからは私の感想です)

大人でもそうですが、口に出して共感してもらえると嬉しいものです。特に、今は世界中がコロナ禍であまり明るいニュースがない状況。緘黙児は周囲の空気に敏感なので、自分を取りまく不穏な空気に大きな不安を感じているかもしれません。厳しいロックダウンを何度も繰り返してきたイギリスでは、専門家が子どものメンタルヘルスの悪化に警鐘を鳴らしています。

日本には言葉に出さずに人の気持ちをくみとる文化が根付いていますよね?はっきり言うと角が立つことも多いし、親しい仲だと「そんなの言わなくても解る」と思いがち。反対に、欧米では「ちゃんと言わないと伝わらない」文化で、カルチャーチョックを受けたことも多くありました。「言ったもん勝ち」感も強いです(笑)。

イギリスでは母親が子どもに対して、「愛してるよ」「ダーリン」などと、常に愛情を言葉で表現します。子どもが何かできた時は、もうべた褒め(笑)。初めて見た時はちょっと抵抗感があったのですが、子どもが安心でき、自信を持つのに寄与してるかなと。「一度言ったからもう解っているはず」と思わず、何度でも言葉がけをして安心させてあげたいものです。

なお、この記事はかんもくネットが発信しているnoteの記事に手を加えたものです。

https://note.com/kanmoku_net/

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SM H.E.L.P主催者、ケリーさんのスモールステップ(その2)

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SM H.E.L.P.主催、ケリーさんのスモールステップ(その2)

イギリスでは1週間ほど前から急に天候が崩れて、雨、雨、雨の毎日。最高気温も16度くらいまで下がってしまい、肌寒い日が続いています。コロナのデルタ変異種が全国に蔓延してきていますが、ロックダウン疲れとワクチン信望から規則に従わない人も多いよう…。これからどうなってしまうのか、まったく見当がつきません。

 

激しい雨が来る前に庭のイングリッシュローズを切りました

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さて、ケリーさんのスモールステップの続きです。

ケリーさんは買い物の時だけでなく、幼稚園や自宅でのプレイデート、公園遊びなどでも同時進行でスモールステップを行ってきました。

●幼稚園でのチャレンジ(例)

娘さんは幼稚園で口をきくことができませんでしたが、友達と話したい気持ちが強かったそう。そこで以下のような作戦をたてました。特に園で緘黙状態が深刻だったので、ゆっくり時間をかけたようです。

  1. 誰が一番話しやすいかリストを作成。まず、一番話したい子と視線を合わせる
  2. 「ハイ」と書いたフラッシュカードを友だちに見せる 失敗  カードを持つことも拒否 ← 娘さんに謝罪
  3. 登園時に駐車場で友だち家族の車が来るのを待ち、車の窓から友だちに手をふる
  4. 園の待合室で、やってきた友だちに手をふる  これは長期間かかったとか

先生に慣れさせるため、入園前(夏休み)に週1で先生が話しかけてくれるビデオを見せた。また、園にスモールステップ計画と成果表を渡し、できたらステッカーを貼ってもらって進歩をチェック。

●プレイデート

  1. 先生や他の保護者に連絡して娘の状態を説明し、遊びに来てもらう(一番話したい子ひとりから)
  2. どんな会話をするか娘に事前に相談し、練習する。ゲームを利用して、どうしたら子どもに合うステップを踏んでいけるかを考える

話題:好きな動物、好きな色、やりたいゲームなど

●カードゲームでのスモールステップ例(話す言葉を多くするためのステップ)

  1.  「はい」「いいえ」をうなずきで答える
  2.  色を言う、色の種類の数を言う等
  3.  閉じた質問に答える(「はい」「いいえ」/ 数語で返答可)
  4.  開かれた質問に答える(「はい」「いいえ」/ 数語で返答不可)

●公園で年下の子と話す練習(小さい兄弟がいたので、年下の子どもにアプローチするのに慣れていた)

  1. 公園で見つけたケムシを見せる
  2. 母親もついて行って「このケムシ何色?」「蝶々になるのかしら?」など、間に入って子どもたちに話しかける。娘の不安が下がったら、話し始めるきっかけを作る
  3. 他の子どもや保護者が集まってきたら、娘の様子を見ながらコミュニケーションの機会を作っていく

みく注:うちの息子もそうでしたが、同年代の子より年下の子の方が話しやすいという緘黙児は多いよう。母親がすぐ側にいてアシストすることで、子どもの不安は随分下がります。また、相手の視線を自分ではないもの(この場合はケムシ)に集めることにより、不安を下げることが可能に。それ故、猫や犬などのペットを飼うこともお勧めです。

買い物チャレンジでも、進歩に合わせたスモールステップを。ステップ毎に子どもに合う目標を立て、慣れるまで同じステップを踏むことがコツ。

●店員に挨拶する

  1. レジに置いてある募金箱にコインを入れる
  2. レジの店員と視線を合わせる
  3. 募金箱にコインを入れる時に視線を合わせる
  4. 店員に挨拶する

●ショップで話す練習

  1. まずは周囲の人や店員の前で母親と話す ①決まった質問:「兄弟は何人?「歳はいくつ」など指で答えられるもの ②「名前は何?」など言葉で答えなくてはいけない質問   まずは車の中で練習 → 外で → 人が聞いてない店の中で → 人の近くで  → 店員の近くで
  2. レジの店員に「Brave voice の練習をしているんだけど、娘に名前を聞いてくれる?」とお願いし、チャレンジ開始  最初は口の中でモゴモゴ → 少しずつクリアに → 慣れてきたら「もう一回言ってみて?」と、慣れるまで何度も繰り返す。口の中でモゴモゴ言っているだけでも大進歩と捉え、チャレンジできたらその都度褒める。

そのうち娘さんもやりたがるようになったとか。店員に名前を言えるようになるまで1年ほどかかったそうで、工夫と忍耐と根気が必要ですね。

スモールステップの際、成功したら勇気券 (brave ticket) をわたし、チケットが何枚かたまったらご褒美。スモールステップの梯子を細かく細かく組み立てたといいます。

ケリーさんは娘さんの診断が下りてから2、年間エクスポージャー法を実践(4歳半~6歳半)。その後ミネソタ州に引っ越して転校することに。小学校では2日目にクラスメイトや先生と話すことができたとか。

ケリーさんの例を見ていても、常にチャレンジし、スモールステップを踏み続けることの大切さが解ります。スモールステップは発話だけが目的ではありません。それぞれの子どもの苦手意識を克服し、自信を持たせることが重要。まず苦手な場面(人前にでる)ことから始めて。発話が最終目的ではなく、不安や緊張を感じずに人とコミュニケーションを取れるようになることがゴールです。

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SM H.E.L.P.主催者、ケリーさんのスモールステップ(その1)

 

イギリスは晴天のいい天気が続いています。が、やはりデルタ変異種が蔓延傾向にあり、6月21日のロックダウン完全解除は4週間ほど延期となりそう…。政府はワクチン頼みですが、ワクチンだけでは予防できません!分析によるとデルタ変異種で亡くなった方43人中14人は1回以上の接種済。その中には、2回接種済みの方も複数。ファイザー社のワクチンだと1回接種で予防効果率は50%くらい、2回目で90%近くになるよう。でも、接種後2週間経たないと効果がでません。みなさんも、どうぞお気をつけて。

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Selective Mutism H.E.L.Pは米国の保護者ケリー・メルホーンさんが主催するオンラインサミット。2年目となる今年は5月中旬に開催され、専門家や緘黙体験者9名が場面緘黙や不安に関して話した他、ケリーさん自身がスモールステップ体験を語ってくれました。

ケリーさんの娘さんは現在7歳。4歳半で場面緘黙と診断され、すぐ専門家を探して治療を始めました。治療法のひとつがCBTのエクスポージャー法で、実践して学びながら娘さんのペースをつかんだよう。前回までがエクスポージャー法の話題だったので、ケリーさんのケースと照らし合わせてみました。

エクスポージャー法でスモールステップに取り組むにあたり、大切だと思われる点:

1)  子どもの不安度を人・場所・環境に分けて細かくチェック(学校の内外)

2)  その子に合うスモールステップを計画・実行する(子どもを参加させ、高学年からは主導権を握らせる)

3)  ステップ毎に克服できそうな目標を定める(無理な目標は禁物) 

4)  モチベーションや明確な目標を持たせる

5) 1回10~15分ほど、推進力を失わないため週に3回以上(『場面緘黙リソースマニ ュアル』より)

6)  不安度の低い挑戦から始め、徐々にハードルをあげていく

7)  そのつど柔軟に修正しながら、小さな成功体験を積み重ねていく

8) 実践の後には必ず振り返りをし、成功・不成功の内容を分析。反省点を次のステップに生かす

ケリーさんのスモールステップ

最初の挑戦:お店でお菓子をひとつ選び、レジカウンターまで持って行く。

結果:カウンターまで行くことができず、通路に座り込んで泣き出した

振り返り:「自分はいったい娘に何をしてしまったんだろう?!」と、驚きと困惑でいっぱいに。母娘ともに、次のチャレンジが怖くなった。

1)  子どもの不安度を人・場所・環境に分けて細かくチェック

ケリーさんは娘さんの不安度を把握しておらず、これなら簡単にできるだろうとステップを設定。ハードルが高すぎたことが判明したと同時に、子どもの緘黙の深刻さも理解することに。緘黙児はひとりひとり違うので、試行錯誤しながら模索していくしかないと思います。

でも、そんなことでは怯まなかったケリーさん。SNSで他の保護者たちに相談し、娘さんができそうな、もっと細かなステップを考案し、実践していきました。

二度目の挑戦:一緒にカートを押してレジカウンターまで行き、ケリーさんがカートから買うものを出して隣にいる娘に渡し、娘がそれをレジのコンベアベルトに置く

結果:成功

振り返り:できたけれど、娘はまだ不安な様子 → 慣れて不安がなくなるまで、数週間続ける

2)  その子に合うスモールステップを計画・実行  

~   8)  実践の後には必ず振り返りをし、成功・不成功の内容を分析。反省点を次のステップに生かす

娘さんに合う挑戦を見つけ出し、娘さんのペースに合わせてそれを繰り返しています。子どもによって不安度も進みぐあいも異なるので、とても重要なことですね。ステップ実行の前に、「どのくらい難しい?」「私が隣にいたらできそう?」と確認し、一緒に計画を立てたとか。

モチベーション:4回できたらアイスクリームがご褒美、少しずつ難しいステップへ。

4)  モチベーションや明確な目標を持たせる

4歳半の子どもなので、好きな食べ物や玩具をご褒美に。ステッカーチャートなどでも効果があります。

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<ケリーさんのスモールステップ計画全容>

① ひとりでお菓子をレジまで持っていく  失敗

② 一緒にレジに行き、ケリーさんがカートから買うものを出して隣りにいる娘に渡し、娘がそれをレジのコンベアベルトに置く  数週間繰り返し  クリア

③ 母親の隣でなく向かい側に娘を立たせ、買うものをコンベアベルトに乗せさせる(母親のほうが店員に近い位置) しばらく練習   クリア

④ 娘が店員の近くまで行って、買うものをコンベアベルトに乗せる クリア

⑤ 最終目標: 店員にクレジットカードを渡す ← ここでも更に細かな計画を立て、時間をかけた  クリア

ケリーさんの言葉:

子どもが成長していく段階ごとに、これほど幅広いエクスポージャー法があると知らなかった。また、娘のSMがどれだけ深刻なのかもやってみるまで判らなかった。

スモールステップは一回でうまくいくものではない。マラソンのように長期戦になると心得たほうが良い。子どもが慣れるまで何度も繰り返す必要も出てくる。子どもを励まし、小さいステップができたら褒めること。常にチャレンジし続けることが重要。

本当に小さなチャレンジでいいんです。週に3回くらい、買い物などのついでに親子で頑張ってみてください。不安に対する耐性を身につけるには、不安と向き合うしかないのです。

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CBTってどうやるの?(その5)

5月末から急に初夏の気候に変わり、庭のイングリッシュローズが一気に咲きそろいました。例年は1輪ずつ開く花を楽しむところ、今年は複数のつぼみが一斉に開花した感があります。

Abraham Darby、Queen of Sweden、Mary Rose とピンク系バラが先に開花

同時にピクニックシーズンが到来。やっと緑の中で寝そべったり、ピクニックランチを楽しんだりできるようになりました。

   

ロンドン南部にある鹿のいる王立公園、リッチモンドパーク

今週は学校のハーフターム休み(1週間)だったので、久しぶりに泊りがけで旅行を楽しんだ家族も多かったよう。でも、その間あっという間に変異種デルタのコロナ感染が広がり、6月21日のロックダウン完全解除は無理そう…。ワクチンだけに頼らず、感染予防をしっかり強化して安全第一でいってほしいです。

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さて、自己流CBTの続きです。

5) 定期的にコツコツ成功体験を積み重ねる

『場面緘黙リソースマニュアル』では、推進力を失わないよう1回10~15分ほど、週に3回以上のスモールステップ実施を勧めています。というのも、時間が空くと抑え込んだはずの「恐怖」や「不安」が頭をもたげ、以前の状態に逆戻りしてしまう傾向が強いから。

「なーんだ。それほど怖くなかった」「できた」を繰り返し実感することで、だんだん自信がついて、次の段階に進むことができるのです。同時に自己肯定感も育っていきます。

6)  不安度の低い挑戦から始める

ステップは不安度の低い挑戦から始め、徐々にハードルをあげていくのが基本。いきなり高不安度のステップに挑戦したら、できてしまったという子もいるかもしれません。でも、失敗してショックを受けると自信を失い、次に挑戦するのが怖くなってしまいます。

でも、同じ挑戦の繰り返しではなく、少しずつハードルを高くしていくことが求められます。毎回少し不安だけれど、可能なステップを計画すること。

次のハードルに進むのか、それとももう少し同じ挑戦を繰り返して自信をつけるのか、子どもを良く見て柔軟に判断して。

7)  そのつど柔軟に修正を加える

スモールステップの意義は、小さな成功体験を積み重ねて自信をつけていくこと。だから、「できたね」と声を出して褒めたり、「あとちょっとだよ」と励ますことも忘れずに。

子どもが自分で進歩を確認できるようチャートを作成するのも一案です。毎回、子どもが「できた」「次はできるかも」と肯定感をもって終われるようにできればベスト。

失敗した時は、大体はハードルが高すぎることが多いのです。人・場所・環境や子どもの特性をチェックしなおし、子どもと相談しながら、さらに細かいステップに組みなおす必要があります。

なお、もっと挑戦したいという意欲が高い時は、ハードルを少し高めに設定しても大丈夫かも。でも急がせるのは禁物、子どものペースに合わせて。

8) 実践の後には必ず振り返りをする

実践した後は、振り返って成功・不成功の内容を分析しましょう。成功の理由を確認したり、反省点を次のステップに生かしたりすることができます。

緘黙児は繊細で敏感な子が多いので、親や伴走者の失望を鋭く感じ取ります。失敗も前向きに捉え、次からのステップのヒントに。子どもが安心できるよう、声掛けを忘れないようにしましょう。

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