教え子が緘黙だった!!

すでに9月も半ば。イギリスでは冷夏で8月から秋っぽい気候だったのですが、9月に入ってから晴れの日がまた少し戻ってきた感じです。

      先日、1年以上ぶり(?)にロンドン市内のアートギャラリーに行ってきました。Camden Art Centre はコロナ対策も万全。平日で人も少なく、雰囲気のいいカフェの庭でのんびり

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先週から新学年が始まり、まだ夏休みボケの頭をひきずりながら、日本語の授業を再開させました。私が働いているのは、高機能ASD(自閉症スペクトラム障害)の子ども(7歳~19歳)を専門とする私立の特別支援学校の高等学部です。

うちの学校は3年前までは場面緘黙の生徒は一人もいなかった(ハズ)のですが、今日初めてスタッフルームに長居し(昨学年はコロナ禍で人が集まる場所を避けていた)、現在場面緘黙の女性徒が二人いることが判明! しかも、私が教えているAちゃんも場面緘黙だったというのです!(◎_◎;)

えええ〜っ!!! 1年も教えてきたのに、全然気がつかなかった︎!!

灯台下暗しとは、このことですね…(;^_^A

Aちゃんは昨年10月に転入してきて日本語を専攻することになったんですが、担任から彼女のパスポート(生徒の特性を記載した書類)を送ってきたり、事前に問題を指摘してくれることもなく…。授業をやってみて、パスポートを見る必要はないと判断した私 (;^_^A

(うちの学校では、ほとんどの生徒がASDの他に複数の併存障害(ADHD、特定の不安障害、読字障害などの学習障害、話し言葉・言語・コミュニケーションの問題など)を抱えていて、セラピーと薬物療法を並行して行っている子が多いです)。

日本語3年目の男子生徒と彼女を同じ時間内で教えることになり、一方を教えている間、もう片方は書く課題をひとりで行うという寺子屋形式に。

Aちゃんは初めから返事も復唱もできていました。

ロックダウンで学校閉鎖になった時期も、普通にオンライン授業(どの生徒も自分の画像はオフ。普段の授業よりリーディングとQ&Aが増加)をしてましたが、全く問題はなかったし。

いや、緘黙だったとは〜!!!!

そういえば、最初の授業で日本語の挨拶を復唱させた時から、声が出るまでに少し時間がかかっていました。今でも、必ずワンテンポ遅れます。

が、私は「この子は緊張し~なんだな」と思ってたんですね。気長に待っていれば言葉は出てくるし、「これを言うぞ」という決意が全身からうかがわれるので(;^_^A どうしても言葉が出ない時は、単語やフレーズが思いつかないんだなと思って、ヒントを出して応えを促してました…。

あややや〜。知らなかったとはいえ、「言わせる」姿勢を貫いてきてしまった訳です(まあ、その方が彼女にとってはプラスでしたね、きっと)。

思えば、Aちゃんは応えても、応えなくても、頷きをすることがクセのようになっています。(前の学校では、言葉がでないとき頷いて返事をしていたのでしょう)。

多分、Aちゃん自身が転校することで、「自分を変えたい」「絶対に話したい」と決心していたんだと思います。クラスメイトより2歳ほど年上なので、元の学校(多分、公立のマンモス校)で色々あったんだろうなと。今度、担任かTAに詳細を聞いてみようと思っています。

ちなみに、もう一人の子(女生徒が増えて来たのはここ3、4年くらいのことです)は、現在16歳で緘黙の期間が随分長かったとか。でも、うちの学校に来てからは話しているそう。

彼女もAちゃんも1対1だったら大丈夫とのこと。二人とも、グループ活動になると緊張して声が出なくなるようです。

まずは一番仲の良い子とスライディングイン法をしてみて、と提案しておきました。(これからは、時間がある時にスタッフルームをのぞいて、もっと人とのコミュニケーションを増やそうと反省)

やはり、学校がかなり小規模でクラスの人数が少ないことが決め手になっているよう。イギリスの公立セカンダリースクール(12〜16歳)はマンモス校が殆どなので。また、TAの人数が多く、生徒ひとりひとりへのサポートが徹底していることも大きいと思います。

(若くて生徒に年齢が近いTAが多い(大学の修士課に進む前に1年休学して働いているなど)ことが、ASDの生徒のコミュニケーションや社会的スキルの向上にものすごく役立っているはず)。

そういえば、夏休み前に時間の関係で男子生徒と一緒に会話の練習をしたことも。男子生徒の方が知識も慣れも豊富なのですが、Aちゃんは臆さずにしっかり(いつもより?)大きな声で答えていました。「あっ、負けず嫌いの面があるんだな」とちょっと驚いたのですが、もっとこういう機会を増やしていければいいな、と思っている次第です。

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場面緘黙とASD(その1)

場面緘黙とASD(その2)

場面緘黙とASD(その3)ASDの女性

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湖水地方の夏休み(その2)雨にけむるダーウェント湖

ホリデー2日目の朝、起きてみるとやはり雨でした。湖水地方といえば湖や山や渓谷など景観が美しく、世界遺産にも登録されているイギリス屈指の観光地。緑豊かな自然のなかでのハイキングが醍醐味(イギリスは平野が多くて殆ど山がありません)なんですが、いかんせん雨天ではちょっと…。

私が家族に提案したのは、湖水地方の北西部にある町、コッカーマス(Cockermouth)まで行くこと。そこで詩人ワーズワースの生家を訪ね、帰りは南下しながら湖水めぐりができたらと考えたのです。途中で古風なパブでも見つけて、美味しいランチにありつけたらと。

ところが、美しい景観を楽しみながらドライブ、という訳にはいかなかった…。

雨でけむってしまい、窓の外の景色はほとんどモノクローム。おまけに道も混んでるし。

ケズィック(Keswick)という北部の町まで行ったころ、雨がちょっと小やみに。この町では木曜と土曜日に青空マーケットが開かれるので、息子の誕生日(木)に行くつもりでした。が、息子の提案で車を降りて足をのばすことに。

まず、キャッスルリッグ・ストーンサークル(Castlerigg Stone Circle)へ。のどかな緑の牧草地に48個の岩がぐるりと円をなすこのサークルは、紀元前3000年に造られたものだとか。イングランド南部の有名なストーンヘンジと比べると規模はぜんぜん小さいですが、なんせ無料だし触ってもOKだし。

左はお借りした全体像の写真。岩は高いもので2.5mほど

着いた時は人がまばらでしたが、あとから中高年のハイカーグループがガヤガヤとやってきて、なんと古代遺跡に座ってお弁当を食べはじめたという(;^_^A 進入禁止のストーンヘンジとは雲泥の差。

小雨がふる中、次は地元のダーウェント鉛筆工場へ。1832年から続くこの会社は色鉛筆で知られ、小さな鉛筆博物館を経営しているのです。マスク着用でしたが、人が多くてちと閉口…。

 

      ギネス認定、世界最大の鉛筆(左)と精巧な細工の鉛筆削りの数々

この後、ランチを食べようとケズィックの町をさまようこと1時間。雨天のためか町は観光客であふれかえり、まだ1時になっていないのに(イギリスでは昼食はだいたい1時から)、どこも満席。結局スポーツパブでフィッシュ&チップスを食べる羽目に。うう~ん、お味は今一つ。

湖水地方の名物ってぐるりと巻いたカンバーランドソーセージくらい?今回の旅行ではそれほど美味しいものに巡り合えなかったのが残念…。

ランチの後は町の南側にあるダーウェント湖(Derwentwater)の東側を散策。ナショナルトラストが管理する石造りのアッシュネス橋(Ashness Bridge)から、ダーウェント湖のパノラマ景観が見られる高台、サプライズビューまで雨の中を歩きました。

  

イギリスの橋の写真で紹介されることが多いというアッシュネス橋。けっこう降ってるのに、カメラマンを連れて写真撮影をしている美形インド人カップルが。新婚旅行かと思ったら、ウエディングアルバム用の婚前撮影会でした~(;^_^A

サプライズビューに到達するも、湖に靄がかかって良く見えない…

が、一瞬陽がさすと、その瞬間だけモノクロからフルカラーの世界に!

 ダーウェント湖の北側にバッセンスウェイト湖(Bassenthwaite Lake)も見えます

やはり、太陽の光はメンタルヘルスに影響大だなと思わされた瞬間でした。

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湖水地方の夏休み(その1)イングリッシュローズの花園へ

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