場面緘黙とASD(その3)ASDの女性

8月もすでに半ばを過ぎてしまいました。イングランド南部では先週金曜日から6日間30度を超える(ロンドンは32~36度)猛暑日が続き、1961年以来の記録だそう!日本はもっと暑い毎日が続いているようですが、ちょっと想像がつきません。みなさん、熱中症にはくれぐれもお気をつけて!

夏の花がそこかしこに咲き誇っています

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先回、最近までASD(自閉症スペクトラム障害)の女性は、典型的なASDの特質が見えにくいため、見過ごされたり、診断の網の目を潜り抜けてしまうケースが多かったことを書きました。

これは診断を受けずに成人し、何とか社会生活を切り抜けている人も大勢いるということ。じゃあ、それでいいじゃないかと思われるかもしれませんが、そうではないことを学びました。

目立たなくても、彼女たちが実生活で多くの困難を抱えていることに変わりはないのです。

「なぜ自分は皆と違っているのか?」「どうして人並みにできないのか?」「なぜ対人関係が上手くいかないのか?」「どうして社会的な場面にストレスを感じるのか?」

何とか毎日をやり過ごすことができても、コミニュケーションの問題や社会的な困難を克服することはできません。困難を抱え続けることで自分に自信が持てず、自己評価が下がり、二次障害を発症しやすくなるといいます。

診断名がつくことで、なぜ自分が困難を抱えているのか理解できます、自分の存在について納得し、受容することができるのです。これは生きていくうえでの大きな力。

2013年に改訂されたDSM-5では診断基準やスクリーニングツールが見直され、それが診断改善の鍵になっているとのこと。

DSM-5 autism criteria relevant to gender is reviewed, along with the role diagnostic screening instruments play in perpetuating gender bias. Finally, the sensitivity of DSM-5 criteria to females on the autism spectrum is considered within the context of social work practice and research.

DSM-5においては、性別に関連する自閉症基準が、性別のバイアスを恒久化させる診断用スクリーニングツールと共に見直されます。最終的に、自閉症スペクトラムの女性に対するDSM-5基準の感度は、ソーシャルワークの実行および研究の範囲内で考慮されるようになります。

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ASDの女児・女性にも様々なタイプがいますが、私が気になったのは下記の2つ。

  • おとなしくて行儀がいい
  • 内気で受動的

内気、臆病、大人しい、受動的、あまりしゃべらない――世間は「女の子だから」と受容し、男児・男性ほどにはASDを疑いません。内向的な性格というよりも、どう行動・対応していいのか判らないため、黙っていることで対処しているケース。また、後ろの方でみんなのすることを観察・分析しているケース。間違えたり、目立つことを嫌い、大人しくしていれば注目されないことを学習したケースなどがあるよう。

それから、ASDを隠している二次的なメンタルヘルスの問題として、下記の例が挙げられていました。

  • 不安障害
  • 拒食症
  • 統合失調症
  • うつ病
  • 自傷癖
  • 場面緘黙

場面緘黙が出てきたのでハッとしたのですが、ASD児と同じようにSM児にも感覚過敏な子が多いですよね…うちの子もそうでした(成長とともに過敏さは鈍化したようですが)。

ASD児は感覚過敏のために授業や遊びに集中できないことも多いといいます。また、これは別問題かもしれませんが、会話や授業の内容(データ)を処理するのに時間がかかるため、すぐ会話に加われなかったり、答えられなかったりすることもあるよう。

SM=ASDではありませんが、もしかしたら場面緘黙の裏にASDが隠れているかもしれません。

でも、世間話ができなかったり、社交が苦手だったりするのは、長年緘黙で人と関わる体験を積んでこなかったせいもあるのかも…ASDはスペクトラムなので境界線は不明確ですよね…。

実生活で支障がなければそれでいいんですが、悩んでいる場合はやはり周囲の理解と支援が必要だと思います。

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