息子の緘黙・学童期6~7歳(その9)同世代ということ

7月ももうすぐ終わりですね。イギリスではどの学校も夏休みに入り、大勢の人が海外のホリデーへと旅立っています。コロナ感染率は相変わらず高いままですが(17人にひとり)、オミクロン種はそれほど悪化しないということで、コロナ規制は全廃されたまま…。秋になったらどうなるか判らないので、みんなこの機にと3年ぶりの海外旅行(といっても近場の欧州が殆どですが)に押しかけている訳です。

     ものすごく久しぶりに、ケント州のラムズゲートにある友人宅へ。美味しいBBQをご馳走になった後、海岸線に沿って海辺を散歩しました

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さて、息子の緘黙話の続きです。

イギリスでは2005年から長寿SFTVドラマ番組『Dr Who』の新シリーズが始まり、デビッド・テナントが10代目のドクターになってから人気が沸騰。小学生の男の子たちの間でカードやフィギュア集めが大流行しました。

息子もご多分に漏れず毎週欠かさずTVを観て、グッズやカードも集めていました。でも、熱狂的なファン&コレクターというより、周りに感化された部分が大きかったような…。(仲良しのB君はそれはマニアックなファンで、その知識や集めたカードの数は学校で一二を争うほどでした(^^;)。

(ちなみに、このブームのお陰で学校外での取り組みに熱が入ることに。近くの文房具店で Dr Who のカードを店員さんに直接手渡して購入し、「これください」「ありがとう」などを言う練習です(詳しくは『買い物作戦』をご参照ください)。「カードが欲しい」という気持ちが、息子の背を押してステップアップに繋がりました)

学校では Dr Who の話題でもちきりで、雑誌やその付録の文房具、フィギュアやカードなどを教室に持ちこむ子も多かったよう(後に問題が発生して禁止となりましたが)。番組を観ていないと話題について行けないし、みんなが競ってグッズ集めをしている中、何も持っていなかったり、関心がなかったりすると、輪から外れてしまいますよね…。

このようなTVや映画、音楽などのサブカルチャーの流行、スポーツイベント、学校での出来事などは、同時代を生きているからこそ分かちあえ、価値観を共有できるもの。そこから独特の流行語やグッズ、スタイルなどーその世代が共有する時代の産物といえばいいでしょうかーが生まれたりもしますよね。

(例えば、プリクラ、たまごっち、『セーラームーン』や『ポケモン』などもそうかな)

同世代の子ども達と共通の話題を持ち、自分がその世界に属していると感じることが、子どもにとっていかに大切か―たとえ話せなくても繋がっていることはとても重要だと思うのです。

大人にとっては取るに足りない、つまらないことでも、子どもにとっては大きな意味を持つことも多いもの。子ども達だけの世界があり、価値観があることを忘れないでいたいものです。それは保護者や大人が与えることができないものだから。

だから、どんなにつまらないもの・ことだと思っても、子どもが興味を示したら、子どもの目線で見てどうするか判断してあげて欲しいと思います。

知らない人同士でも子どものころ好きだったTV番組やバンド、コメディアンなどの話で盛り上がることができますよね。そういう子ども時代の思い出をたくさん持っていることがとても大事じゃないかなと思う今日この頃です。

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息子の緘黙・学童期6~7歳(その8)B君、ありがとう!

先週はイギリスではジョンソン首相の電撃辞任、日本では安倍元総理の暗殺と、予想だにしなかった事件が続きましたね…。世界中そうですが、EU離脱やコロナ禍、ウクライナ戦争などで急激なインフレが起こりつつあり、社会不安が増している今日この頃。生活の中に小さな幸せを見つけて、心を潤したいものです。

   果物や野菜の美味しい季節になりましたね。近所のアフガニスタンの八百屋さんで大好きなアメリカンチェリーを箱買い。庭から極小の苺とブルーベリー、友達の市民農園からは野菜が♡

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さて、息子の緘黙ストーリーの続きです。

仲良しのB君が他のグループに移ってしまい、一時的に孤立してしまったように見えた息子。新しく仲の良い友だち作れるんだろうかと、母親としてはとても心配でした…。

この頃は、B君とその周辺の子達とは学校でも小声で短い会話ができるようになり、クラスの子全員と一応口がきける(呼ばれたら簡単な返事ができる)状態にまできていました。が、その状態で新たに友達を作るのはかなり難しい?

息子は転入生が来ると仲良くなる(自分の緘黙を知らないから、近づきやすいという論理があったらしい)傾向がありましたが、もう小2も2学期。同じ顔触れで3年目なので、仲良しグループはほぼ固まった状態。

先生に相談しても頼りにならないし、どうしたものかと思案に暮れましたが、私のできることといえばB君やS君が空いてる日に家に招くことぐらい。う~ん、どうしたらいいものか…。

そんな悶々とした日々を過ごしていたら、ある日E君のママから「〇〇君、今週の金曜日に家に遊びに来れる?」とお誘いが!!!

え~っ、ありがたすぎる( ;∀;)

息子が自分でE君グループにアプローチできるとは思えないので、B君が誘ってくれたに違いない。B君、本当にありがとう!

それ以来、E君の家に招かれることが多くなり、小学校6年生になるまで「5人組のひとり(キャラ:大人しいやつ)」としてグループから外されることはなかったのです\(^o^)/(その後、息子はE君S君と同じセカンダリースクールに進学しました)。

私もここぞとばかり頑張って、5人組を極力家に招くことに。E君の家で夕食をごちそうになってくることが多かったので、私も週に一度5人組を招いて夕食をふるまうことが定番となりました。

結構面倒でしたが、彼らは食べられるものがほぼ決まっていて(息子も結構偏食気味だと思っていたのですが、その比ではなかった)、メニューはいつもフライドチキンかソーセージ&ポテトかパン、付け合わせの野菜(ニンジン、ブロッコリー、スィートコーン)。簡単にできるものばかりで、こちらは大助かり(^^;

彼らが家に長くいることで、どの子がどんな性格で、息子がひとりひとりとどの様に関わっているのか観察することができました。息子は相変わらずいつも遠慮して一歩引いているのですが、何とかグループの輪の中に溶け込めているよう。というか、他の子達はそんな息子を「そういうヤツ」として受け入れてくれた様でした。

これで、とにかくクラス(学校)での孤立を免れることになり、B君には本当に感謝してもしきれないです。今考えると、B君ママが助けてくれていたのかもですね。

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息子の緘黙・学童期6~7歳(その7)校庭の友情ベンチ

いつまでも小2のまま、息子の話がなかなか先に進まなくてスミマセン。現在21歳になった息子は、大学の夏休みで帰省中です。以前バンドに入っていた関係で、音楽仲間とギグをする羽目になったり、大学の友達に会いに行ったり。昨年はアルバイトをしていたんですが、今年はどうなることやら…。あと、小さい頃は本当に食が細くて心配だった息子が、今も身体は細いままなのに呆れるほど食べるんです。家の冷蔵庫があっという間にカラッポになって、ちょっと怖い^^;

    ロンドンの北にあるハートフォードシャーのラベンダー畑。£3(約500円)の紙袋いっぱいにラベンダーと野の花を摘んできました

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小2の2学期ごろ、息子の友達関係に大きな変化がありました。レセプションクラスから仲良くしてもらっていたB君が、別のグループと行動するようになったからです。それも、クラスで一番目立つグループ…。そこにはクラスの代表格のE君と彼の幼馴染で人気者のQ君、スポーツ万能のサッカー少年F君が。そこにB君が加わりつつあった訳です。

B君は、何というか一番目立つものに心惹かれるという特性がありました。息子と一緒だとおとなし目の目立たない男の子っぽいのですが…。そういえば、B君が仲良くしていたもう一人の友達、S君もクラスで目立つ存在でした。(B君はみんなと違う中学校に進学し、そこで最初にできた友達が学年一の不良だったという…)。

以前も書きましたが、イギリス人ママ達は子どもの意見を第一に尊重します。だから、親が「〇〇君も招こうよ」と主導権を握ることは難しい。親が勝手にプレイデートの相手を決められるのは、せいぜい小2くらいまで。だから、子どもの友人関係に口を出せるうちは、親が動けるなら動いた方がいいかなと思うのです。

息子がちょっと孤立しているらしいことに気づいたのは、お迎えの時間にE君ママが連れて帰るグループにB君が入りはじめたから。幼稚園時代の親友T君は帰国してしまったし、放課後いっしょに校庭で遊ぶ相手もいなくて息子はしょんぼり…。

もしかして、お昼休みとかもひとりぼっち? 一体、どうしているんだろう…。

心配になって息子に訊いてみると、校庭には友情ベンチ(friendship bench)なるものがあり、そこに座っていると…。でも、ポツンとひとりで座っている遊び相手のいない子を、他の子ども達がちゃんと気にかけて仲間に入れてくれるものか?!

遊びに夢中になっている6歳の子ども達がそんなに思慮深いのか--私には疑問でした。滑り台事件(詳しくは『息子の緘黙・幼児期4~5歳(その7)』をご参照ください)以来、忙しいお昼休みに子ども達全員に目を光らせてくれている先生がいるのかどうか、疑わしく思ってたし(^^;

放課後の教室で担任のL先生におそるおそる相談してみたところ、「そうねえ。Q君なんかは面倒見がいいから、友達になるといいかもしれないわね」と。でも、そのあと間伐入れず、

「もう2年生にもなれば自分たちで友達を作っていくから、教師は口を出せないわ」

そうですか…先生に手助けしてもらえるかもと、期待した私がバカでした😢

9歳から寄宿舎学校で育った主人は、昔から「学校は戦場」と言っていましたが…。う~ん、仁義なき戦いなのでした。

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