息子の緘黙・幼児期1~2歳(その3)

感覚過敏の兆候?

息子は3kgの標準体重で生まれてきましたが、乳児の頃から食が細いのが気がかりでした。週に一度体重を測りに行く度に、平均くらいだった体重が少しずつ少しずつ下がっていって、ついに「痩せすぎ」の部類に…。(以来、ずーっとガリガリ体型なものの、私も似たような感じだったし、アレルギー以外は殆ど病気もせず健康なので、あまり心配しなくなりました)。

離乳食で好きだったのは、特に潰したバナナと野菜、フルーツ類でした。こちらには初期の離乳食にBaby Riceなるものがあり、薄いライスフレークをミルクに混ぜてトロトロにして食べさせます。息子はこれが全然駄目でした。お粥をすりつぶしたのも不評….。この子はお米が苦手なんだと思っていたら、数カ月後に柔らか目のご飯を食べ始め、??? どうもお米が嫌いなわけではなく、お粥の食感が嫌だったようです。

また、肉や魚類についても、すり潰した状態の時期には野菜を加えても殆ど食べず…。こちらも、噛めるようになったら、ちゃんと食べ始めました。やはり、独特のブツブツ感が嫌だったのかな?

小さい子って熱いものが苦手ですが、息子は特に敏感で、ちょっと熱いくらいで怒って大泣きする時期がものすごく長く続きました。また、1歳を過ぎて初めて市販の甘いジュースを飲ませてみたところ、ものすごくテンションが高くなり、その後酷いグズグズ…。「この子は他の子と比べて、人工的な添加物に対する反応が激しいんだ」と悟りました。

ちなみに、1歳半くらいからうどんやカレーが大好きになったのですが、市販のカレールーやうどんに付いてくる液体や粉末の汁の素を使うと(もちろん薄めてます)、口の辺りや胸にばーっと赤いブツブツが…。

(余談ですが、当時のイギリスのベビーフードといえば瓶詰めのみ。見た目もイマイチで、魚や肉入りのもは匂いからして不味そうで….結局息子が喜んで食べたのは果物だけでした。だから、いただきものの日本の離乳食を息子がパクパク食べた時は大感激!種類も豊富で大人の私が食べても美味しい、優秀なベビーフードだと思いました。よくイギリスの食事は不味いといいますが(最近は随分変わってきました)、赤ちゃん時代から舌が肥えるようなものを食べていないように思います…)。

忘れられないのは、息子が1歳3ヶ月の時に里帰りで初めて飛行機に乗った時のこと。「寝てばっかりいたよ」という友人達の言葉とは裏腹に、息子は通路を歩き周り、興奮してちっとも眠らず…。ヤバイなと思っていたら、疲れすぎて超大泣き!寝ている人たちに迷惑にならないよう、トイレの辺りで一所懸命なだめたのですが一向に泣き止まず…。驚いたスチュワーデスさんに、「どこか悪いんですか?」と訊かれる始末。やっと眠ったかと思ったら、着陸時に気圧の関係で耳が痛かったのか、またもや超大泣き — 本当に穴があったら入りたかったです。

あと、太陽の光を眩しがる傾向も強かったような気がします。赤ちゃん時代もそうでしたが、息子の過敏さは相変わらず健在で、徐々に他の子との差が明確になってきた時期だったかもしれません。

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息子の緘黙・幼児期1~2歳(その2)

引っ込み思案のはじまり

1歳を過ぎると自我が芽生えてきて、子どもの感情表現や個性がはっきりしてくるといいます。息子も2歳近くになると、かなり性格が固まってきたようでした。

うちは息子が1歳9ヶ月の時に、現在の家に引越してきました。日本人駐在員の家族が多いエリアの端っこに越してきたため、公園やプレイグループで日本人の子どもと顔を合わせる機会が多くなり、ちょっとしたカルチャーショック(笑)。それまでは、家では日本語、外では英語という感じだったのが、初めて仲の良い日本人の友達ができ、日本語を聞く・話す割合がぐっと増えたのです(話すといっても、まだ一語文でしたが)。

(主人はというと、実は日本語を話せるのですが、「バイリンガルに育てたいから英語に徹底してね」という私のリクエストなど全く無視。いつの間にか、息子と会話ができる方の言語に切り替えてるのでした…)。

引越し前、プレイグループや赤ちゃんグループ仲間と遊ぶ際に、気になってきたことがありました。新しい玩具やゲームに挑戦させようとすると、他の子は乗り乗りなのに息子はやりたがらないんです…。でも、家に帰って私と二人だったらやるという…。

あと、プレイグループなどで、自分が遊んでいる玩具を取られてベソをかくことが多くなりました。でも、みんなの前ではそれほど大泣きはしません — (よほど気に入っている玩具でない限り)取り返そうと怒ったり、泣き喚いたりできないようでした。反面、家で思い通りにならずに癇癪をおこす時の泣き方は、それはもうすごかった(笑)。こだわり屋で頑固な性格は、私にだけストレートに出るようでした。

そして、場の雰囲気が変わることや、場所が変わることを極端に嫌がるのです。例えば、家で機嫌よく過ごしているのに、どこかへ連れて行こうとすると急に抵抗して泣き始める…。でも、そんなに泣いて騒いだ割に、目的地に着く頃にはすっかり機嫌がなおっていることが多いのです。何ですか~?という感じで、不思議でした。

(幼稚園(3歳から)で「幼い子どもでも、急にしていることを止めさせるのは理不尽だから、事前に警告しましょう」と教わり、以来実践しています。例えば、「もう夕方だから家に帰るよ。あと5分だけね」という感じです。効き目はあったように思います)。

対人的には、1対1の関係を好む傾向が強く、3人以上の集団で遊ぶのが苦手というのが明らかになってきました。日本人の友達とは、車&電車好きという趣味がピッタリ合い、毎週互いの家を行き来しては、道路と鉄道を繋げてコレクションを駆使したごっこ遊びに没頭(彼のトミカコレクションと息子のダイカストの車&電車コレクションはとってもマニアックでした)。それなのに、そこにもうひとり彼の友達が入ると、息子は途端に引っ込み思案になり、遠慮の塊のように…。

引っ込み思案な性格は、引っ越した頃から頭をもたげてきたように記憶しています。初めての場所に馴染むのに少し時間がかかる…でも、声がでないということはありませんでした。不思議なのは、引っ込み思案な割に、すっと馴染む人や場所もあり、そういう時には自分をアピールできること。親しい親戚の集まりなんかでは、「社交的な子」と言われてたこともあるんです — 緘黙になった時、そんなイメージは消え去ってしまいましたが…。

息子は、どういう訳か大人の女性に甘えるのがすごく上手でした(今も…かな)。一度、グラニーと遊んでいるところに私が入っていったら、露骨に嫌な顔をされたのを覚えています…(涙)。また、時々仕事で家を空ける時はママ友達に子守をしてもらっていたのですが、引っ越し後に日本人の女性に子守をお願いしたことがありました。帰宅した時、息子が彼女にもたれかかって本を読んでもらっているのを見てびっくり。彼女が帰る時には、「行かないで~」と大泣きしたのでした。

そして、2歳になるちょっと前に、忘れられない???な事件が起こりました。赤ちゃんグループ仲間のひとりの誕生パーティに招かれた時のことです。彼女は大きなマンションに住んでいて、誕生会には赤ちゃんグループの仲間だけでなく、マンションに住む子ども達も。広い中庭に遊具をいっぱい広げて、子ども達は駆け回り、大人も大勢おしゃべりしていました。息子はこのシチュエーションがすごく嫌だったようで、どういう訳か動きがとてもぎこちないのです(今思えば緘動っぽい?)。

それでもなんとか慣れてきて遊具で遊び、お菓子とケーキを食べた後のこと。「皆で記念撮影をするから集まって~」と言われたのに、息子だけ断固拒否。いくら言っても動かないので、その時の集合写真に息子は写っていません…。とても切なかったです。今だからこそ、「初めて行った場所・初めて会った子ども達」に馴染めなかったから仕方ないと思えますが、その時は「知ってる子がいっぱいいるのに???」という感じで…(これほど強く反応したのは初めて。引越したため赤ちゃんグループ仲間とそれほど頻繁に遊んでなかったことも原因だったでしょう)。

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話は変わりますが、ミスイングランド&ミスUKのカースティさんが、昨日のロンドンマラソンに参加し、見事完走したようです。ツイッターより写真をお借りしました。

カースティさん、王冠をつけて走ったんですね~。

息子の緘黙・幼児期1~2歳(その1)

やけに用心深い子ども

息子は1歳の誕生日を1週間ほど過ぎてから歩き始めました。赤ちゃんグループの中では誕生日前に歩いた子も数人いて(息子の誕生日は遅い方)、「すぐ走るようになって、もう目が離せないよ~!」と忠告されていました。

が、歩けるようになってから1週間くらいは、おそるおそる、ゆっくりゆっくりという感じだったような記憶が…。「あれっ?何で?」と不思議に思ったことを覚えています。その後は、どういう訳か急にしっかりした足取りで歩き始めたのでした。(もしかして、転ばないように練習してた?)

私が小さい頃は、いつもヒザ小僧に赤チン(古い!)や絆創膏を貼っていた記憶があり、写真にもばっちり残ってます。転ぶことが多くて、擦り傷が絶えなかったんですね。一方、息子はというと、あまり転んだことがなく、擦り傷も殆どありませんでした。今の子どもってそうなんでしょうか?

そういえば、滑り台(幼児用の低いもの)を腹ばいになって頭から滑り降りるのが一時期好きになり、ある日勢いあまって地面に顎を強く打ちつけ、擦り傷を作ったことがありました。でも、それを除けば、怪我らしい怪我をしたことがなかったような(つかまり立ちの頃はバランスを崩してよく転んでましたが…)。

幼児って目を離した隙にとんでもないことをしでかすものと思っていたんですが、「とんでもないこと」が起こった記憶がないんです。グラニー(祖母)の家で、暖炉で火傷しないよう「アッチチ、アッチチだから、近づいちゃ駄目!」と言うと、半径1メートル以内に近づかないような子どもでした…。現在では幼児用の安全グッズが充実しているし、子どもに細心の注意を向けるような風潮があるので、事件らしい事件は起こらないのかもしれませんが、怖がりで慎重な性格が既に出始めていたような気がします。

ママ友からは、知らない犬に抱きついて吠えられたとか、子どもが棚の上によじ上って危なかったとか、トイレの内側から鍵をかけてしまい、とんでもない騒ぎになったとか(これはもう少し大きくなってからですが)、いきなり走り出して危なかった、というような事を耳にしていました。うちでは、鍵を忘れて家に入れなかったなど、私自身がやらかしたことの方が多かったです。

息子が歩けるようになって、プレイグループや公園での行動範囲が広がりましたが、玩具の取り合いとか、子供同士でトラブルになったことも、あまり記憶にありません。いつも行かないプレイグループで、少し年上の子にいきなり頬をわし掴みされて大泣きしたことがあり、この頃から被害を受ける側ではありました…。

今思うと、「危ないから○○しちゃ駄目」と注意することが多い子育てだったような気がしています。もしかしたら、抑制的な気質に生まれつき、怖がりで用心深い息子の冒険心を抑制してしまったかも…。もっと褒めて育てていたら、自己評価が高くなったかもと反省しているのですが、日本人の私にはそれは難しい。子どもの性格によって、育て方や合う学校というのも違ってくるとは思うものの、最終的には自分たちが置かれた状況・環境でベストを尽くすしかないですよね。