まったりクリスマスイヴ

昨日主人の実家に着き、まったり静かな時間を過ごしています。居間の水漏れも思ったほど酷くなく、家具や本を動かしたのは部屋の半分ほど。天井に穴を開けて、専用の乾燥機で24時間乾かしている状態なのですが、工事中の我が家と比べたら全然マシ。平和です。

イヴの朝の風景

偶然にも、義母もローリエの木をクリスマスツリーにしていました!(残念ながらiPadで写真の編集ができないので、お見せできません)。

居間はこんな感じです

一昨日、クリスマス休みに入った息子を誘って、久しぶりにテートブリテン美術館に行ってきました。目的は2016年のターナー賞の展示会。この賞はイギリスを拠点に活躍する50歳以下のアーティストを対象にしていて、現在のモダンアートの動向をうかがうことができます。

テムズ河南岸にあるテートブリテン美術館

入口のホールには、逆さまに飾られたクリスマスツリーが

今年のターナー賞候補に選ばれたのは女性3名、男性1名。賞を手にしたのは、ロンドン在住のアーティスト、ヘレン・マーテンさん(31歳)でした。

スクリーンプリントや彫刻に、何気ない日用品や毎日の暮らしの中で見つけた珍しいアイテム、ハンドメイドの手芸品やオブジェなどを組み合わせたインスタレーション作品は、どこか懐かしさが感じられました。

      最も話題をさらったのは、アンテア・ハミルトンさんのこの作品”Project for a Door”。

同じくアンテアさんによる、煉瓦のスーツと午後3時のロンドンの空

マイケル・ディーンさんの作品”The Work”。イギリスで大人2人と子ども2人が1年間暮らすのに最低必要な生活費は、20,436ポンド(約307万円)。この金額を全て1ペンス硬貨で作品に使い、最後に1ペンス(約1・5円)を取り除いたんだそう。4人家族の貧困の風景?

地下鉄までの帰り道は、ちょうど黄昏時でした。冬至を過ぎたばかりなので、これからは少しずつ日が長くなりますね。

テムズ河沿いの風景

ハンドメイドジュエリー店とパブのクリスマス飾り

明日のクリスマスは、世界中平和な1日となりますように。

明日はイヴですね

イギリスではクリスマスが1年最大のイベント。今年は12月24日から27日までがクリスマスの祭日です。日本でも忘年会シーズンだと思うのですが、イギリスでも12月はクリスマスディナーやパーティで盛りあがります。職場や所属するグループ、友人同士など、大規模なクリスマスイベントも多く、パブやレストランは大盛況。

私も先週学校のクリスマスパーティーに参加してきました。人気のパブでクリスマスディナー&ディスコ大会だったのですが、18ポンド(約2600円)の参加料で、3コースディナー+食前のシャンペン、そしてワイン(私は飲めないのでノンアルコール・カクテルを2杯)。食後にはコーヒーとミンスパイも付き、学校側がかなり負担してくれたよう。

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パブのクリスマス飾りとメインのラム肉&マッシュポテト

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帰りのバス停で見上げた空

でも、我が家は下の写真のような状態になっていて、クリスマスの雰囲気とはほど遠く…。外もスゴイですが、家の中(玄関から屋根裏への通り道)もスゴイんです。

  img_20161220_110340仕事を総括するプロジェクトマネージャーは人当たりがよくしっかりしてるんですが、実際に仕事を行うチームはまだ若いイギリス人のお兄さん達。これまで、キッチンの改装は熟練したイギリス人大工さん、部屋の増築はインド系チーム、庭はポーランド人の造園チームと様々だったんですが、若いイギリス人のチームは初めて。

冬季で日が短いためか、彼らは毎朝7時半くらいにやってきます。そして、なかなかよく働いているよう。が、ガサツというか、配慮に欠けてるというか…。大音量でラジオをかけて歌うし、どうも人の家という意識が抜けているような。

たとえば、「あっ、新品の階段が届いてる」と思って見たら、既に黒い足跡がいっぱい!通り道におかずに他の場所に置いておけばいいのに…。工事の始めにバスルームの天井が壊れかけ、古い漆喰が床にパラパラ落ちてくる状態。その上をそのまま歩くものだから、床は傷だらけ、バスタブの中には毎日土埃が。そして、洗面台は汚れ放題、タオルには毎日真っ黒な手の跡がクッキリ、シャワーカーテンも埃だらけ。

どういう訳か、全部家の中で作業をしてるんですよね…。屋根を取り壊して骨組みだけにした時点で、家中土埃や粉塵だらけになった訳ですが、その後片付けをしっかりしないまま、次の作業へと移るわけです。どうせ汚れてるから、最後に片付ければいいやということなのかな?まあ、一日の終りには一応業務用のでっかい掃除機をかけて帰るんですが…。

でも、真ん中の目立つところだけ掃除してるだけなんですよね…。床は常に粉塵だらけだから靴も汚れるし、手も真っ黒なので、新しく買ったものが取り付ける前にもう汚れてるという…悲しい。職人としての自覚はないのでしょうか?

私は彼らが帰った後、毎日マスクをかけて怒りながら掃除をしています。でないと、2階のバスルームは使えないという…。昨日は天井に漆喰を塗る作業をしていたようですが、最高に汚れてました!何故床がこんなになっちゃうのか?! 

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粉塵を吸い込みすぎたためか、ついにうちの掃除機が途中でダウン! 仕方ないので、途中から手動でやりました~。

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でもって、明日がクリスマスイヴなので、今日の午後主人の実家に行く予定です。あ~、やっと寛げる! と思っていたのですが、なんと先週2階のバスルームから水漏れして、リビングの天井が水浸しに…。現在、家具や書籍を全部移動して、大きなドライヤーで部屋を乾燥してる状態だそう。

でも、昨年増築したガーデンルームが使えるので、それほど悲観することはないかも…。

工事が始まって以来、週末に大量の洗濯をして除湿機で乾かさねばならず、今年はクリスマスツリーを飾るスペースがありません。でも、ツリーなしではあまりにも淋しいので、小さなローリエの鉢植で代用しています(今後、料理に使えるし)。

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それでは、みなさん素敵なクリスマスをお過ごしください。

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      一応、ドアにもクリスマスリースを飾りました

 

 

 

息子の緘黙・幼児期4〜5歳  もっと重症の子?!

あっという間に、クリスマスが目前に迫ってきました。仕事をしている特別支援校は既にクリスマス休みに入ったのですが、うちの屋根裏大改装工事はまだまだ続きます~。また間が空いてしまいましたが、息子の緘黙話しの続きです。

1月も半ばを過ぎて、いよいよ息子の入学の日がやってきました。といっても、記念になるような儀式は何もなく、私は付き添って教室に入っただけ。

それも、授業が始まって30分ほど経ってから。

子どもたちが朝の挨拶を終えて自由遊びの時間に入ってから、担任が受付まで迎えに来てくれました。息子の手を引いてイザ教室へ。私も後ろから付き添いましたが、新入生というよりは、転校生みたいな感じ。

教室ではみんなそれぞれ好き勝手に遊んでいて、幼稚園とさほど変わらない雰囲気。子どもたちに息子を紹介することもなく、みんなが遊んでいる中に自然に溶け込ませるという方法のようでした。

周りを見回すと、やっぱり8月生まれの息子はちっちゃい。体格だけでなく、みんな振るまいも言葉もしっかりしているような…。先生の隣で小さくなっている息子が、すご~く幼く見えました。

センターパークでのダンマリ事件があったので、担任に「引っ込み思案なので、最初は喋らないかもしれません。どうぞよろしくお願いします」と念をおしました。

すると、担任は「大丈夫、もっと重症の子がいるから」とニヤリと笑うと、ある男の子の方に私の注意を向けたのです!

「もっと重症???」

よく見てみたら、なんとその子はベソをかいていました!

なんか見たことがある顔だなと思ったら、同じ幼稚園で別のクラスにいた子でした。子育て相談会に参加した際、個別相談で彼のお母さんが私の前に並んでいて、かなり待たされた記憶が。その場に彼もいたのです(お母さんがヘッドスカーフを被っていたので、イスラム教徒の家族かな)。

担任は「泣くのは君じゃないでしょ?もう9月からずっとこのクラスにいるんだから。ほら、泣かないの!」と朗らかに言い、その子の肩を優しくポンポン。

「???」 

謎だらけでしたが、息子はなんとか泣かずに、先生に連れて行かれたテーブルに座って遊び始めました。そこで私の役目はおしまい。ファミリールームで待機することも可能でしたが、大丈夫そうだったので家に戻ることに。

まあ最初の1週間は学校に慣れるために午前中のみの登校なので、それくらいだったら持つだろうと思ったのでした。

12時半ころに迎えに行くと、担任に連れられて教室から出てきた息子は、以外に平気そうな顔。でも、帰り道で「ポツン」とこう言ったのです。

「僕の英語、みんなみたいに上手くない…」

それを聞いて、私は愕然としてしまいました。そんなに気にしてたんだ~。

それまで、家の外では英語ばかりだから、英語は教えなくても自然に出来るようになるだろうとタカをくくっていたのです。当時、息子は75%くらい日本語を使っていましたが、英語力もそれなりについてきてました。なので、英語力について気にしてるなんてちっとも考えてなかったのです(というか、親友が日本人だったので本人も気にしてなかったんでしょう)。

(息子の新しいクラスには外国人が多く、渡英したばかりで全く英語ができない子も数人いたのです。だから、息子が一番できないという訳ではありませんでした。でも、その子達のほうが堂々と振るまってたような…)。

入学初日にそんな不安の声を聞き、息子に自信をつけさせるため、家庭でも英語で会話することに方向転換を図ったのでした。

ちなみに、イギリス人の夫は日本語科出身なので、日本語が話せます。息子が生まれた時、「バイリンガルにしたいから、あなたは絶対に英語で話してよ」と約束させました。が、私の願いも虚しく、日本語のほうが上達している息子にあわせて、ずーっとちょっと変な日本語で話し続けていたのです。

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息子の緘黙・幼児期(4~5歳)プール恐怖症になる

すでに今年も1ヶ月を切ってしまいました。息子の緘黙話の続きです。

イギリスの小学校では、毎年の家庭訪問というのはありません。就学前に担任とTAが家を訪問し、子どもに会って性格や家庭環境をチェックするのみ。小学校1年生(5~6歳)の前にあるレセプションクラス(4~5歳)が始まる前に、たった一度きりなのです。

イギリスでは9月から新学期が始まりますが、息子の小学校では早生まれの子どもたちは時期を遅らせて、1月に入学させるという方針。1週間に数人ずつ入れていく方法だったので、8月生れでクラスでも一番若い息子の入学は1月下旬となりました。

9月に入学した子どもたちは、もうその頃には友達関係ができあがっているはず。それに、先に入学した早生まれの子たちも、息子より早くクラスに馴染んで友達ができちゃってるかも…。そんな中に入っていけるのかな?

引っ込み思案の息子には不利なシステムだなと思ったのですが、仕方ありません。まあ、この年齢の子どもを見ると、6ヶ月違うだけで心身ともに成長が随分違うというのは解るんですが…。

1月初めに家庭訪問があり、私が若い女性の担任と話している間、ベテランのTAが息子と遊んでくれました。息子はいつものように好きな玩具で遊びながら、TAの声掛けに英語で受け答えていたと記憶してます。その間、私は息子が引っ込み思案なうえ、幼稚園の親友と離れ離れになってしまうので不安だということを担任に伝えたのでした。

息子の入学がまだまだ先だったので、家庭訪問の後にセンターパークというファミリー用のホリデーパークへ行くことに。学校が休みではない時期、しかも週中だったので格安でした。

森のなかにあるこのホリデーパークは、室内プールや室内スポーツ設備、映画館や各種レストランなどを備える大規模な複合施設。少し離れたところに宿泊用のバンガローが建ち並び、日用品を販売するショップも。野外にはサイクリングやアスレチックコースもあり、子どものためのイベントやクラスもたくさん準備されているのです。

小学校で全く新しいクラスに入る息子が、知らない子と一緒に活動できるチャンス--とも思ったのです。

到着してまず最初に行ったのは、広大な室内プール。5種類ほどの異なるプールがあったのですが、人影はまばら。慣れるまで時間がかかるだろうなと思っていた息子は、以外にも最初から大はしゃぎでした(この時点では全く泳げませんでした)。

2日目もプールに行きたがり、午前中はご機嫌でプール巡り。野外に造られた温泉風のプールが気に入り、アームバンドを付けて水遊びを楽しみました。この日の午後、初めて息子をクラフトのクラスに送り込み、私たちはコーヒータイム。で、2時間後に迎えに行くと、係の人が「ずっと何もしゃべりませんでした。こんな子初めて」と…。

一瞬ドキっとしましたが、クラスで作った紙細工は持ってたし、私たちには普段と全く変わらない態度。幼稚園時代のように片言は話してたのか、それとも一言も話さなかったのか--今思えば、この時が初めての緘黙症状だったのかもしれません。

バンガローに戻ってから色々訊き出そうとしたものの、クラフトの時間のことについては話そうとしませんでした。家にいる時や親と一緒の時は全く普通にしゃべるので、保護者は子どもの緘黙に気づきにくいと思います。

そして翌朝、再びプールへ。この日もまた楽しそうに水遊びに興じ、何と主人の誘いに乗って特大の滑り台に挑戦することに。私は高いところから滑り降りるのが恐いので、隣のプールで見学。すごい勢いで滑り降りてくる二人の姿を眺めていました。

主人に抱っこされて降りてくる息子は、結構楽しそうだったんです。が、水の中に飛び込んでから、しばらく上がってこない…。結構深いプールだったんですね。主人の焦っている様子がうかがえ、やっと息子の頭が出たと思いきや、すごい泣き顔!

フルスピードで水中に落ちたので、主人の手から離れちゃったんだそう――溺れはしませんでしたが、めっちゃ恐い思いをしたようです。で、それからは、絶対に水に入ろうとしません。私が抱っこして入れようとしたら、顔と体がひきつってました…。

「大丈夫、大丈夫」となだめても全然ダメ。公園で複数の犬に追いかけられてから犬恐怖症になったのですが、今度はプール恐怖症になってしまったのでした。

(すぐには恐怖症になってしまったことは判らなかったんですが、後にプールに連れていってみたら水に入るのを拒否…。息子の小学校には珍しく温水プールがあり、1年生から水泳の授業があるため、あちゃ~という感じでした)。

どんな子でも恐い思いをすることはあると思いますが、こんなに簡単に恐怖症になってしまうなんて。やっぱり抑制的な気質が関係してるんでしょうね。

小学校で新しいクラスや授業に馴染めるように、という親心が仇になって返ってきたエピソードでした。

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