ヨークシャーの夏休み(その3) ハワード城と高架橋

もう10月も半分を過ぎてしまいましたね。イギリスでは日がどんどん短くなって、今月27日には夏時間から冬時間に変わります。天気が悪い日が続くので、お日様が顔を出すとほっとします。これからもっと暗くなると思うと、ちょっと憂鬱…。

さて、またまたヨークシャーの夏休みの続きです。

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カースルハワード(Castle Haward)

家族旅行の5日目は、朝早めにアパートを出て車でヨーク郊外へ。数多くのTVドラマや映画のロケ地になっているカースルハワードは、イギリスでも稀にみるバロック様式の壮麗なカントリーハウス。18世紀初頭に3代目カーライル伯爵、チャールズ・ハワード氏が建て、その後10世代に渡って受け継がれてきた私邸です。1940年に火災があり、現在の建物の大部分は20世紀に復元されたものだとか。ちなみに「カースル(城)」と名がついていますが、軍事的な機能はなく厳密には城ではありません。 

現地で北イングランドに住む友だちと待ち合わせ、まずは屋敷内から見学。今も13代目カーライル伯爵の住まいとなっているため、公開されているのは一部のみ。それでも充分広くて見どころ満載!特に、正面玄関にあるグレートホールのドームは圧巻(写真左)で、壁からドームまでギリシア神話をモチーフにした天井画が見事。彫像がずらりと並ぶ大理石の回廊や、豪華な調度品を設えた各部屋から、当時の貴族の暮らしが見えてきます。でも、こんなに広いと冬はめっちゃ寒いだろうな…といらぬ心配をしてしまう私でした。

8800エーカー(約36平方k㎡)の広大な敷地内には、庭園、湖、プレイグランド、森林、寺院、ボートハウス、農地などが。移動の手段として、トラクターが牽引するカラフルなケリーカーが走っています。1850年に造られたアトラスの大噴水が見事なフォーマルガーデン、壁に囲まれたウォールガーデンに加え、ガーデンセンターも。カフェやギフトショップ、地元の食材を売るファームハウスなど、設備が充実しています。

この後、この地方の食の町と言われるマルトン(Malton)へ。ヨークシャーのケーキやクッキーなどを買い込み、カフェでコーヒータイムを楽しみました。

ナーレスボロ(Knaresborough)

翌日は、ヨークの街を後にして西方へ。ハロゲートの東側に位置するナーレスボロ(Knaresborough)という町に向かいました。この日の午後、リーズ北部に住む友達夫婦の家を訪ねることになっていて、その友だちが是非立ち寄るよう勧めてくれたのです。渓谷にかかる高架橋と田舎町の美しい景色が有名とのことで、すごく楽しみでした。

まずは、渓谷の崖の上に建つナーレスボロ城の城趾を見学。崖側に歩いていくと、町のシンボルとなっている高架橋を見下ろす絶景が目の前に!絵葉書のように美しく、思わず激写してしまいました(^_^;) そこから急な傾斜の路を下ってネッド川の畔にたどり着き、川岸のパブでランチタイム。おとぎ話のような風景にすっかり満足し、その後また崖路を登って、駐車場まで戻ったのでした。

初めて訪ねたリーズの友人宅は石造りで、廃材を再生利用した趣味の良い室内や庭造りに感心することしきり。ご主人自ら屋根裏部屋を改装、今は地下室を改造中とのこと。庭で鶏を飼っているとは聞いていたのですが、「えっ、レグホン?!」と驚くほど立派な鶏が!ご主人が作ったという鶏小屋も大きくて立派でした。翌日カナダに出発とのことで、卵が余っているからとその場でバナナケーキを焼いてくれて、お土産に卵を1ダースも!夕食のデザートの苺とバナナケーキ、すごく美味でした。

車で友人宅に行く途中パラパラと雨が降りましたが、夏の北イングランドでは珍しく雨に降られたのはこの日のみ。それでも、一度も傘を使わずにすんだのでした。

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ヨークシャーの夏休み(その2)ヨークシャー彫刻公園とヨークの街

あっという間に10月に突入してしまいました。雨混じりの曇り空が続く中、週2回ほど秋晴れの日がやってきて、樹木の色もだんだん変わりつつあります。今年は冷夏だったから、紅葉は少ないかも…。

さて、駆け足でヨークシャーでの夏休みの続きです。

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ヨークシャー彫刻公園

シェフィールドの次の拠点は薔薇戦争(1455~1485年)で有名なヨークの街。予約しておいたアパートに行く途中、今回の旅行のハイライトのひとつであるヨークシャー彫刻公園(Yorkshire Sculpture Park)に立ち寄りました。この春訪れた箱根の「彫刻の森」では雨に降られたので、リベンジの好機会!運良く花曇りから夏の陽射しがこぼれはじめ、暑いくらいの気候になってラッキー。

なのに、なのに、夫が前夜飲みすぎて体調を崩してしまい、少し歩いただけでダウン。ひとりで車に戻ってそのまま寝込んでしまいした(^_^;) 仕方なく息子と二人で、500エーカー(約2平方km)の広大な敷地を散策することに…。

緑あふれる敷地内には林、湖、そして、羊や牛のいる牧草地があって、自然の中に90の彫刻が点在しています。ビジターセンターには広いカフェやショップ、特別展示会を行う地下ギャラリーなどがあり、私達が行った時はイギリス生まれのインド人女性作家、バールティ・ケールの『錬金術』展を開催中でした(下の写真右)。敷地内(?)には、歴史的な佇まいのホテルも。もし次に行く機会があったら、お弁当持参で1日かけて探索したいです。

ヨーク市内観光

       

ヨークシャー北部に位置するヨークは、紀元前71年に古代ローマ帝国が創設した要塞都市。城壁に囲まれた旧市内には古い街並みが残り、街のシンボルであるゴシック様式のヨークミンスター(大聖堂)が聳え立っています。大聖堂をMinsterと呼ぶのは珍しく、これは格式の高さを表すそう。

旧市街の外にあるアパートから城壁まで歩き、城壁の階段を登って城壁の上の歩道を通って城門の入口へ。旧市内の歴史的な街並みを楽しみながら、13世紀に建てられた大聖堂まで歩きました。比較すると地味なのですが(笑)、2年前にノルマンディー(仏)のルーアンで観たゴシックの大聖堂を思い出しました。

荘厳な雰囲気の教会内を見学した後は、我が家恒例となっている塔登りに挑戦。この塔の螺旋階段はとにかく狭かった!人ひとりしか歩けない幅なので、前の人が立ち止まると、そこで詰まってしまいます。ユニークなのは、まず100段登ったところで一旦外に出て屋根伝いに歩き、そこから更に175段登って塔の頂上に出ること。頂上では四方をぐるりと周って、ヨーク市内外のパノラマ景観を楽しめます。    

ランチは北イングランドの有名なカフェ/ レストラン、Bettysでと思ったら、やっぱり行列ができてました(^_^;) 20分程待って、階下のテーブルへ。ブランチメニューの中から、私は巨大マッシュルーム、ホウレン草のソテーと焼トマト、半熟卵をのせたハッシュブラウン、夫と息子はそれぞれクラブサンドを注文。デザートのイートンメスが3000円位してビックリ😲

食後はフォス河沿いにある木造建築のマーチャント・アドベンチャラーズ・ホール(Merchant Adventurers’ Hall)へ。14世紀に建てられた大ホールは、当時の貿易商が集うビジネスと社交の場だったそう。最後はその起源をローマ帝国時代に遡るシャンブルズ・マーケット(Shambles Market)を散策。中世の面影を色濃く残す石畳の通りは、映画『ハリー・ポッター』のダイアゴン横丁(Diagon Alley)のモデルと言われ、魔法の道具を売るお店も。ファンが大勢詰めかけていて、ちょっとびっくり。

こうして家族旅行の3日目と4日目も雨に降られずに無事過ごせたのでした。

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ヨークシャーの夏休み(その1)シャフィールド

すっかり夏休み気分が抜けたところで、今年の家族旅行について(^_^;) 今年は春に9年ぶりの帰国をはたしたため資金不足だったのと、猛暑を避けるためもあって国内旅行に決定。実は、うちの家族は暑いのが苦手で(主人は日に焼けると水ぶくれ状になるため、夏でも長袖)、酷暑になりそうな夏のヨーロッパ旅行は敬遠中…。何度か訪れたことがありますが、複数の友達との再会もかねて北イングランドのヨークシャーに行くことにしたのでした。

国内旅行、特にイギリス北部の難点は天候が変わりやすいこと。湖水地方を訪ねた時は、真夏というのに肌寒く、雨に祟られました。まあ、雨が降り続かなければ、涼しくて過ごしやすいのですが…。

まず最初の2日間は、主人の出身大学があるシェフィールドへ。大学時代の友達宅に泊めてもらい、街を案内してもらいました。とにかく嬉しかったのが、ペットの4匹のネコちゃん。段々畑みたいに段差のある庭には鶏小屋もあって、のどかな雰囲気。

    バラ香るお庭でランチ。新顔の子猫2匹を筆頭に、ネコちゃん達に癒やされました。少し歩くと、見渡す限りの緑の丘陵

南ヨークシャーにある友人宅は、シェフィールド南西部に位置しています。ピークディストリクト(Peak District)と呼ばれる景観美しい国立公園に隣接し、少し歩くとすぐ緑の田園風景。散歩がてら案内してくれたのが、近くにあるフォージダム公園(Forge Dam Park)でした。

かつてシェフィールドは鉄鋼業で知られ、世界有数のカトラリー生産量を誇っていました。この公園には、その歴史を13世紀に遡る刃物研磨用の水車小屋が保存・無料公開されています。当時は川を堰き止めて水車を回し、その動力を利用して研磨機でカトラリーや刃物を研いでいたんだそう。

     途中にカフェや睡蓮の池などがあって、川沿いに緑の中を歩く散歩コースになっていました

翌日はどんよりした曇り空の元、バスでシェフィールドのシティセンターへ。路面電車が走る街中は、90年代に郊外の工場地後に大型ショッピンセンターができたため少々寂れた雰囲気。新たな都市計画に沿って、ゆっくり変化しつつあるとか。ランチは今春登場したばかりのケンブリッジストリート・コレクティブ(Cambridge St Collective)で。倉庫のような建物の中に多国籍の料理店(主にファストフード)が並ぶ、イギリスで今流行りのフードコート風の空間。パレスチナのソールフード店(?)でLoaded chipsというのを注文したら、スパイスが効いたチキンをどっさりのせた大量のチップス(極太フライドポテト)が!食べても、食べても全く減らず、皆に手伝ってもらってやっと食べ終えたのでした(^_^;)

食後は主人達が学生だった頃に通ったパブなど懐かしの場所を訪ねたり、鋼鉄産業の足跡が残る運河沿いの路をそぞろ歩いたり。実は、この日シェフィールドの南東にある町、ロゼハイムで移民排斥の暴動が起こり、バスの運行が突如停止に! 待っても待っても来ないので、仕方なくタクシーを呼んで帰宅。夜は私と息子が作った手巻き寿司とお味噌汁、野菜等で、友人たちの娘2人を加えた7人で食卓を囲みました。

とても楽しくて、有意義な時間を過ごすことができました。

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ベルリンの夏休みの思い出(その5)

もう3月も半ばに入りますね。ロンドンでは一重の桜が満開に近いんですが、天気は相変わらずぐずぐず。最高気温が12、3度くらいと、まだまだ肌寒いです。

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さて、やっとベルリンの夏休み最終回です。

私はその昔、ロンドンの英語学校で知り合った友達と、欧州7か国をコーチで周る格安ツアーに参加した経験があります。アムステルダムからベルギー経由でドイツに入り、ローレライの歌で有名なライン河下りをし、ハンブルグ駅の近くでフランクフルトを食べ、確かミュンヘンだったと思うのですが、何故か街の一角で見世物の熊を見た記憶が^^;

その旅行はイタリアがメインだったのもあって、ドイツについては記憶が曖昧。昨年夏休みにベルリンに行くことに決めたのは、ドイツという国をもっとよく知りたかったのと、ベルリンがアートの街と聞いていたから。美術館はもちろん、街にアートが溢れていると聞いてワクワクしていました。

 

    噂通り街の至る所にグラフィティやアートワークが。手軽な値段で作品が購入できるギャラリーも多数

     

  バウハウス博物館は閉館中で仮ショップに行ってきました。日曜日にはマウアーパーク(Mauerpark)の蚤の市とその周辺をぶらぶら

ベルリン美術館(Berlinische Galerie)

ここは地元の芸術家による1880~1980年の作品を常設展示(上階)する比較的新しい美術館。お目当ては1910年代に起きたベルリン・ダダイズムの作品たち。他に、新客観性派や東欧の前衛アートなどのレクションも。1階の広い展示スペースでは、現役アーティストのインスタレーションが飾られていました。

森鴎外記念館(Die Mori-Ōgai-Gedenkstätte der Humboldt-Universität zu Berlin)

国会議事堂のガラスドームを訪れた帰り、偶然に森鴎外の記念館を発見。1887年にドイツ留学した鴎外がベルリンで最初に下宿したアパートを、フンボルト大学(旧ベルリン大学)が記念館として運営しているそう。鴎外の寝室が再現され、当時の写真や書籍、手紙に加え、遺書も展示されていました。担当のドイツ人女性の日本語(敬語)がめっちゃ上手でびっくり。

森鴎外といえば著書『舞姫』が有名ですね。物語にはブランデンブルグ門からプロイセン王宮まで続く目抜き通り、ウンター・デン・リンデン(菩提樹の下)が登場するんですが、菩提樹の並木道は思ったほどロマンティックではなかったです^^;

ベルリンの美味しい食べ物?

ベルリン名物といえばカリーヴルスト(Currywurst)ですね。フランクフルトの輪切りにカレー粉入のケチャップソースをかけてあるんですが、う~ん私は一度食べれば充分かな…。ある日、主人がビールを飲みたいというのでビアガーデンに行ってみたら、ランチタイムは山盛りのザワークフトを添えたバーガーとフランクフルト、薄いピザみたいなおつまみしかなくて、ちょっとガッカリ。ケーキ類もちと甘すぎ?

  

主人推薦のドイツ料理はこんな感じ。お肉とポテトの量が半端ない?! 野菜は? メゾネットのキッチンではサラダっぽいご飯ばかり作ってました^^;

        

ベルリンで一番美味しかったものといえば、なんと滞在先のアパートのお隣にあったDump Lingという名の中華料理店。シンプルな内装に品数限定のシンプルなメニューだったんですが、これが美味!! 滞在中に2度食べに行きました。

これでベルリンの夏休みは終了です。最後までお付き合いしてくださった方、ありがとうございました。

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ベルリンの夏休みの思い出(その2)

ベルリンの夏休みの思い出(その3)

ベルリンの夏休みの思い出(その4)

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ベルリンの夏休みの思い出(その4)

春の足音が聞こえてきても、なかなか油断できない2月と3月。早春の花が咲き乱れるイギリスですが、再び寒波がやってくるよう。さて、またまたベルリンの夏休みの思い出の続きです。

パドル蒸気船でシュプレー河下り

シュプレー河では複数のクルーズ会社が多様なツアーを企画しています。私達が乗ったのは、船後尾に大きな赤い車輪がついた古風なパドルスチームボート。ベルビュー宮殿(Bellevue Palace)近くから出発し、博物館島の北東を通ってイーストサイドギャラリーの壁沿いにオーバーバウム橋の前まで航行しました。

ボートからはベルリンを代表する新旧さまざまな建物を見ることができました。中でも、2020年に史上初のスマート商業ビルの一つとして登場した近未来的なキューブベルリン(Cube Berline)は圧巻。アイスキューブのような外観にまず驚いたのですが、このハイテクビルでは、プロセス全てをAIで制御しているのだとか。また、国会議事堂やシュプレー川の中州にある世界遺産、博物館島の伝統的な建物郡も大迫力でした。

博物館島(Museumsinsel)で博物館めぐり

ユネスコの世界遺産に指定されている博物館島には、ベルリン美術館(Staatliche Museen zu Berlin)を構成する5つの博物館・美術館が集結。私達は事前に1日入場券を購入し、ミッテ地区の滞在先から徒歩で博物館島へ。旧博物館、新博物館、旧ナショナルギャラリー、ボーデ博物館、ペルガモン博物館があるのですが、見どころが多すぎて旧博物館はパス…。

     旧ナショナルギャラリーではクリムト展を観覧(左から2番目)。島の先端に位置する豪奢なボーデ博物館(写真右3つ)は、遅い時間だったためかほとんど貸切状態!写真に写っていない新博物館は特にエジプト文明エリアが有名で、『ネフェルティティの胸像』を観るために早足で周りました^^;

ハイライトはペルガモン博物館(Pergamon Museum)

5館の中で最も入場者が多いのがペルガモン博物館。何と現地から輸送した古代遺跡を館内でパズルの様に組み立てて再構築し、展示しているのです^^; あまりのスケールの大きさにもうビックリ!大英博物館も大英帝国の時代に各国から収集(略奪?)した文化財を展示しているのですが、ここは規模が違う!ペルガモン博物館は去年10月から改修工事のために14年間の予定で閉館したので、見学できてとてもラッキーでした。

左から、青と金のタイルが鮮やかな古代バビロニアの『イシュタル門(The Ishtar Gate 紀元前568年)』と輸送されてきたタイルの仕分け作業。別館では古代都市ペルガモンを再現した360度のパノラマ映像が観られます。写真右は『ミトレスの市場門 (Market Gate of Miletus 紀元前120年)』

4館を周っただけでも、疲れ果てた一日でした。

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ベルリンの夏休みの思い出(その2)

ベルリンの夏休みの思い出(その3)

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ベルリンの夏休みの思い出(その3)

バレンタインデーも終わり、2月も半ばを過ぎました。ロンドンの街は早春の花が咲き始め、空気にも春の香りが。

さて、昨年のベルリンの夏休みの思い出の続きです。今回は戦争関連ではない観光ハイライトをご紹介します。

うちは家族旅行する際はホテルではなく、だいたいキッチン付のコテッジやアパートを借ります。その土地に住んでいるような感覚で、地元の専門店やスーパーなどで食材を買って料理するのが楽しみの一つ。

今回はベルリン中心部のミッテ区にあるメゾネット(2階層のアパート)を借りました。エレベーターがない4階建住宅の最上階ということで躊躇したものの、2LDKの他に広いスペースやバルコニーがあるのに惹かれて決めたのです。

   入口はお洒落なブティックやカフェ、レストランが並ぶ大通り。気になっていた路面電車の線路は現在使用されておらず、交通量も少ない静かな環境でした。

とはいえ、4階までの階段は想像以上に大変^^;  更に、初日に階下で大音響の音楽が鳴り響き、注意する羽目に…でも、家族それぞれ好きなことができ、暑い中、扇風機が2台置いてあって快適でした。

最寄り駅はアレキサンダープラッツとハッケシャー・マルクト駅。後者は駅周辺にレストランが並び果物などの露店もあって良い雰囲気。

  ハッケシャー・マルクト駅の北側には、お洒落なカフェやブティックが立ち並ぶアール・ヌーヴォー建築の中庭集合住宅街、ハッケシェ・ヘーフェ(Hackesche Hofe)があります

ベルリンの街を展望できるスポット

戦勝記念塔(Siegessäule)

ブランデンブルク門の西側に位置し、総面積210ヘクタールを誇るベルリン最大の公園、ティーアガルテン(Tiergarten)。公園内のロータリーにそびえ立つのが、頂上に黄金の勝利の女神像が輝く戦勝記念塔です。デンマーク戦争の勝利を記念して1872年に完成した、首都ベルリンのシンボルマーク。285段の螺旋階段を登って展望台へ。森の緑の向こうにブランデンブルグ門や街の遠景が。

ベルリン大聖堂(Berliner Dom)

世界遺産となっている博物館島に位置するベルリン大聖堂は、ネオバロック様式の壮麗な佇まい。ホーエンツォレルン王家の記念教会で、ターコイズブルーのドームまでの高さは約114m。階段を270段上り、ドームの周囲をぐるりと周って街を眺めることができます。内部の装飾やステンドグラスも必見。

ドイツ連邦議会国会議事堂(Reichstags)の屋上ガラスドーム

元ネオゴシック様式の建物を1999年に英国人建築家、ノーマン・フォスターの案で修復。事前予約が必須ですが、ガラス張りの屋上ドームは必見。ドームの階段を登りながら会議の様子を見たり、ベルリンの街を360度展望することができます。ガラス張りにすることで開かれた国会と会議の透明性を象徴しているのだとか。

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ベルリンの夏休みの思い出(その2)

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ベルリンの夏休みの思い出(その2)

1月もそろそろ終わりですね。すべきことが多くあるのに、あっという間に時間が過ぎていってしまう…かなり焦っています。

さて、ベルリンの夏休みの思い出の続きです。

この旅行で訪ねてみたかった場所のひとつが、強制収容所跡でした。歴史の時間に学んだこと、アムステルダムで訪ねたアンネフランクの家、プラハで訪れたユダヤ博物館、映画で描かれたホロコースト…。そして、SMiRAの創始者でチェコからひとりイギリスに亡命された、故アリス・スルーキンさんとの会話ーーご家族はアウシュビッツ強制収容所で亡くなられました。

また、小さい頃読んだ『アンネの日記』や息子に買い与えた『The Boy in the Striped Pyjamas(縞模様のパジャマの少年)』が強く心に残っていて、ベルリン近郊に追悼博物館があると知り、是非行ってみたいと思ったのです。

ザクセンハウゼン強制収容所(Konzentrationslager Sachsenhausen)

ベルリン中央駅から北へ、電車とバスを乗り継いで1時間強。元ザクセンハウゼン強制収容所(1936~1945年)は追悼博物館として残されています。45年4月にソ連軍とポーランド軍によって解放されたこの広大な博物館も無料で、敷地の地図(無料)とオーディオガイド(€3.5)を借りて周りました。

白い司令塔を通って中に入ると、有刺鉄線がはられた壁と監視棟に囲まれた広大な敷地に、ぽつんぽつんと簡素なバラックが。中央奥にそびえ立つのは40mの記念碑ですが、それもひどく小さく見えました。殺伐とした風景の中、見学者たちはグループで言葉少なめに移動していました。

ここはアウシュビッツのように大量殺人を目的とした収容所ではなかったそうですが、9年間で20万人を収容。確認されているだけで2万3000人が強制労働、飢餓や病気、虐殺実験などで命を落としたそう…。その中には、ユダヤ人だけでなく、ロマなどの少数民族、反ナチス政治犯、同性愛者、犯罪者なども含まれていたといいます。

まず左側にあった診療バラックから見学。ここでは人体実験や女性囚人の不妊手術などが行われていたとか…。囚人たちの医療記録、彼らが描いた絵・手紙などが展示されていました。

中央にある「囚人のキッチン」がメインの展示室になっていて、1936~1945年までの収容所の様子を垣間見ることができます。印象に残ったのは囚人が着ていた青い縞のパジャマ。ゴワゴワした布地に、名前ではなく番号と印(ユダヤ人、同性愛者などの)が…人としての名前を剥ぎ取られ、人格も性格も喜びも悲しみも剥奪されてしまったんだなと…。右から2番目の写真(下)は食事として出されたパンを少しずつ貯めて作った作品(靴と花)です。

正面左側の壁の向こう側には、写真左から処刑場や遺灰の埋葬地。火葬場跡に建てられた白い建物は追悼施設となっていて、当時の設備が残され、資料が並んでいます。

全部を見て回ることはできませんでしたが、負の歴史の重みにどどっと疲れました。でも行って、自分の目で確かめることができて良かったと思います。あってはいけない現実がちゃんと存在していて、いつまたどこで現実となるか分からないから。昨日までお隣さんだった、友達だった、同僚だった人が、社会の空気の変化である日突然「忌むべき存在」となってしまう…そういうことが起こるのが戦争なんだと思います。

カイザー・ヴィルヘルム記念教会(Kaiser Wilhelm Gedächtnis Kirche)

ベルリン西部のショッピング街の近くに、1943年に空撃された教会堂と鐘楼が記念碑としてそのまま残されています。1961年には右隣にカイザー・ヴィルヘルム新教会堂を建設。2万以上のガラス窓を組み合わせた青いガラスの壁で知られています。また、新教会前のブライトシャイト広場では、2016年末に催されていたクリスマスマーケットにトラックが突っ込み、12人が死亡、50人が重軽傷を負うテロ事件が発生。広場への階段には追悼碑が設けられ、私達が訪れた時もロウソクが手向けられていました。

ポツダム会議が行われたツェツィーリエンホーフ宮殿(Schloss Cecilienhof)

1945年7月中旬~8月初頭までソ連の占領下だったポツダムのツェツィーリエンホーフ宮殿に、イギリスのチャーチル首相とアメリカのトルーマン大統領、ソ連のスターリン書記長が集合。意外にも、この宮殿はカントリーハウスの様な素朴な造り。トピアリーを配した中庭は広くはありませんが、可愛らしい雰囲気でした。ポツダム会議が行われたのは天井の高い大広間で、その両隣には各国首脳が泊まった部屋が。天気が良かったので、敷地の外の草原でピクニックランチを楽しみました。

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ベルリンの夏休みの思い出(その1)

遅まきながら、明けましておめでとうございます。元旦はゆっくり起きて、さてお雑煮でも作ろうかとのんびり構えていたら、能登半島大地震のニュースが!2日には海保機との衝突事故でJAL機が炎上している映像がトップニュース!日本では新年早々大変な年になってしまいましたね…亡くなった方々のご冥福をお祈りします。また、被災された方々、負傷された方々、家族を亡くされた方々に心からお見舞い申し上げます。

昨年の夏は家族旅行でベルリンに行ったのですが、旅行記を書いていなかったので、学校の冬休みに想い出して書き始めました。年が明けても、ウクライナ戦争もパレスチナ・イスラエル戦争(イスラエルのガザでの戦闘)も止まることを知らず…温暖化で地球が悲鳴をあげているのに、人間同士が憎み合って戦い合ってどうするのか…。ちょっと重い内容ですが、ベルリンの街に数多く残されているナチス恐怖政治や冷戦時代の爪痕をまず紹介させてください。

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戦争の過ちを繰り返さない精神

ドイツといえば、すぐ頭に浮かぶのはナチス政権とホロコースト(1933年~1945年 欧州のユダヤ人迫害・虐殺)ですよね? 首都ベルリンにはホロコーストの歴史や記憶を後世に伝える数々の慰霊碑や記念碑があります。学生や旅行者に学んでもらうためか、殆どが入場無料なのに感心しました。

ベルリンに着いた夕方は、まず冷戦時代に東西ドイツを隔てたベルリンの壁(1961~1989年)を観に、壁博物館(The Wall Museum)とイーストサイドギャラリーへ。博物館では当時の様子を写真パネルや映像で説明。西ドイツは英米仏の、東ドイツはソ連の支配下に置かれていたのは知っていましたが、東から西へと逃亡した約200名もの人たちが射殺されたとは知りませんでした…。

シュプレー河(Spree)にかかる赤煉瓦造りのオーバーバウム橋(Oberbaumbrücke)は東西ドイツを隔てる境界線でした。河沿いのミューレン通り(Mühlenstraße)に約1.3km続くイーストサイドギャラリーは、壁崩壊後の1990年に21カ国、118人のアーティストによって壁に描かれた作品が並ぶ世界最長のオープンギャラリー。特に有名なのはソ連のブレジネフ書記長と東ドイツ国家評議会議長ホーネッカーの『独裁者のキス』ですね。シュプレー河岸は市民の憩いの場となっていて、沈んでいく夕日が綺麗でした。右端は橋から見た元東ドイツの風景。

翌日は有名なブランデンブルク門((Brandenburger Tor)から出発する無料ツアーに参加。事前に予約しておいたのですが、勝手に観光名所巡りだろうと思い込んでいたのです^^;

すると、まず案内されたのが「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑(Denkmal fur die ermordeten Juden Europas)」でした。約2万㎡の敷地に、高さの異なる灰色のコンクリートブロック 2,711基がグリッド状に並ぶモノクロの光景。曇り空の下、石碑の間の狭い通路を歩いていると、なんともいえない閉塞感を覚えました。

  

    左からブランデンブルク門と自由に歩き回ったり、腰掛けたりできる記念碑。記念碑の向こう側に見えるのは国会議事堂のガラスドーム

場所が特定できないのですが、次に行ったのはロシア様式の住宅街の中にある草の茂った駐車場。ガイド氏から、「ここはヒットラーとエヴァ・ブラウンが自決した総督地下壕の跡地」と説明されてびっくり。観光地化しないため、記念碑も看板も付けずにいるんだとか。次に、元ドイツ航空省本部で現在は財務省の建物、デトレフローヴェッダーハウス(Detlev-Rohwedder-Haus)へ。建物の前には第二次世界大戦時の巨大なモノクロ写真を配した記念碑が、回廊の壁にはロシアのプロパガンダ絵画が。

                    

    左から、デトレフローヴェッダーハウスと、チェックポイント・チャーリー(東西の境界線に置かれていた国境検問所)

ツアーの最終地は敷地がベルリンの壁と面する情報センター「テロのトポグラフィー(Dokumentationszentrum Topographie des Terrors)」。ナチス政治の中枢施設の跡地に、その恐怖政治の歴史を伝える情報センターが解説されたのは2010年のこと。センター内外に写真や文書で当時の記録が残されています。

ガイドの説明によると、壁の西側は西ドイツ政府の建物で、東からの逃亡者のため、就業後にトイレの窓からロープがたらされていたそう。壁沿いに歩いてみたら、壁に穴が空いて鉄骨がむき出しになっている箇所がいくつか…。ここで熱く語ってくれた南米出身のガイド氏に20ユーロお支払いして解散。センターを見学する前に、近くのチェックポイント・チャーリーに寄ってランチとコーヒー。ヘビーな内容に備えました^^;

   

     初日の夜は疲れ果てて、壁博物館の隣のレストランでバーガーを食べました^^; 中央はベルリン名物のカリーヴルスト(カレーパウダーをかけたソーセージ)。最寄り駅の果物屋台でビタミン補強

う~ん、ベルリンに着いて約1日半、予期せずなかなかヘビーな内容!でも、ナチス政権の責任を問うだけではなく、ドイツ国民がそのプロパガンダや勢いに同調してしまったことを反省し、自国の負の歴史に正面から向き合っているんだなと感じました。ここまで徹底してるとは驚きでした。

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SM H.E.L.P. 2023 10月サミット(その3)腸内環境を改善して不安を低減

今日はクリスマスですね。いつもは義両親宅に行ってお祝いするのですが、昨年は初めてコロナ感染してしまい、自宅でのぼっちクリスマスに(夫と息子は陰性)。今年は2月に義父が亡くなり、義妹とその子ども達も一緒に義母宅に集まる予定。が、昨朝コロナ検査をしてみたら、何とまた陽性(2度目)!! 自覚症状が全くなかったので、もうビックリ!実は、土曜日に会った友達が前日に会ったクライアントがコロナ感染したと連絡がきて、念のための検査でした😲 2年連続でクリスマスにコロナ感染するなんて、めっちゃ確率低いですよね…😢 それで、今年もぼっちクリスマスとなってしまったのでした….。

      ロンドン中心地のXmasツリー。トラファルガー広場も買い物を楽しむ人でごったがえしていました

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腸内環境を改善して不安を低減

場面緘黙でなくても、不安が強い子ども/ 人は緊張するとお腹が痛くなったり、胃腸の調子が乱れたりすることが多いですよね?これまでの研究で、IBS(過敏性腸症候群)はストレスによって引き起こされたり、悪化したりすることが分かっています。

ニュージーランド在住のトニ・パクラ(Toni Pakula)さんは、心理学の修士号をはじめ、ホリスティックウエルネスのコーチ、メンタルヘルスやマイクロ栄養素のアドバイザーなど多数の資格を持つ3人の子どもの母親です。

トニさんが子育てを経験するなか、程度の差はあれ子ども全員が不安に悩まされたといいます。その中にはSM(場面緘黙)も含まれていましたが、自国ではSMに関する情報が少なく、専門家も殆どいない状態。手探りで模索していた時、「腸の健康」という概念に出会ったのだとか。

トニさんのウエブサイト:https://www.calming-voice.com/about-me

「第2の脳」と呼ばれる腸の健康は、感情やメンタルヘルスに直接影響を与えます。内臓と脳の健康、そしてメンタルヘルスは密接に繋がっており、人の感情と行動にも直結しているのです。トニさんはそれを理解することの大切さ、腸の健康の大切さを学んだといいます。

マイクロバイオロジー(微生物学)とは?

マイクロバイオロジーは微生物を研究対象とする学問。 対象によってウイルス学・細菌学・菌類学・原生動物学などに、また、応用微生物学・病原微生物学・土壌微生物学などに分けられます。 私たちの体には100兆個を超える数の微生物(主にバクテリア)が存在しており、内臓のバクテリアのバランスが取れていることが重要となります。

マイクロ栄養素とは?

マイクロ栄養素とは、毎日の生活で身体が機能するために不可欠なごく少量のビタミンとミネラル。体内に留まらず排出されるため、毎日摂取することが必要とされます。ビタミンBやオメガ3などは内臓の膜を健康に保つ他、メンタルヘルスとも密接に関係しています。

不安と内臓の関係

不安や悩みを抱えている状態だと、ストレスによって腸内バクテリアのバランスが崩れてしまいます。また、全ての栄養素は総合的に働くため、一つの要素が足りないだけでも身体は上手く機能しません。脳が上手く働くためには内臓の健康が不可欠。内臓の壁が荒れて栄養素が漏れている状態だと、栄養を吸収できず脳も働きません。

また、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」や「ドーパミン」といった神経伝達物質を作っているのは、実は脳ではなく殆どが内蔵なのです。腸内環境が整っていないと、これらを上手く増やすことができません。

最近になって、プロバイオティックという言葉をよく聞きます。プロバイオティックスは、腸内に生息するバクテリア(善玉菌)の餌になる食品成分で、豆類や緑黄色野菜、発酵食品などオリゴ糖や食物繊維を多く含む食品に含まれています。サプリメントとしてカプセルで購入できますが、注意しなければいけないのは、内臓のバクテリアは人それぞれ異なるということ。ある人に効くからといって、他の人に効くとは限りません。トニさんは専門家に相談することを勧めています。

この続きは次回へ。

 

     老舗店フォートナム&メイソンやシャネルなどの有名ブティックのデコレーションが綺麗でした。もしかしたら、電車の中で感染したのかも…

  

      絶対に感染していないと信じていたので大ショック!症状は殆どありません。昨日マスクして慌てて買い出しに行き、本日ローストディナーを作りました

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ウィーンの旅・珍道中(その2)

滞在3日目は、ウィーンパスを思い切り活用して主に美術館巡りをする予定でした。まずベルヴェデーレ宮殿でクリムトの『接吻』を観てから、アルバティーン美術館で印象派絵画を。そこから歩いて、ホーフブルグ王宮内にある国立図書館へ。世界一美しいと言われるバロック様式の図書館は、大理石の円柱や天井画が見事。が、なんか既視感があるなと思ったら、昨年見たダブリン大学の図書館と酷似してました^^;

   宮殿内の美術館にはクリムトの『接吻』や風景画、他アーティストの作品が

 

   アルバティーン美術館では大好きなエルンストの作品も発見。豪華絢爛な図書館は高さ20m、蔵書は20万冊以上だそう

お次は、これも世界的に有名な国立オペラ座の劇場内ガイドツアーへ。30名ほどのグループだったんですが、最後にステージ前で写真撮影をしているうちに(他の人達からも頼まれた)、なんと取り残されてしまいました!! 残った6人で迷路のような廊下を右往左往し、10分位かかって外に出たのでした^^;

この時すでに午後1時半近く。オペラ座の前がホップオンバスの発着場なので、2つ先のミュージアムクォーターまではすぐ。と思いきや、友達のひとりが「このまま1周して観光スポットを全部網羅しよう」と言い出して…。

「え~っ、この暑いのに!!」と思ったものの、前日フェリーの船着き場に2人を引っ張っていったのは私…文句は言えません。プラスティックの屋根越しにガンガン陽の当たるダブルデッカーバスの2階で、耐えること1時間ちょっと(私だけ少し日陰になる席に座ったんですが^^;) それでも、暑い!暑すぎた!!

やっと美術館が集まるミュージアムクォーターで下車した時はもうクタクタ…。友達もやっぱり暑すぎたそうで、大失敗でした(バスは一方通行で循環してるので、途中で降りて引き返せない)。

まずは、世界最大のエゴンシーレ・コレクションを誇るレオポルド美術館に入ったのですが、ここでまたひと悶着。 私のパスが何故か作動せず…。なんとかゴネて入れてもらい、目的のシーレ作品群を観ることができました。他にも、クリムトやウィーン工房の工芸品なども展示されていて見どころいっぱいだったものの、もうグッタリ…。

    1階コンコースではローマ法王が回って踊るパフォーマンス(写真1枚め)が😲 シーラの作品群は風景画もお馴染みの色調と筆遣いでした

お隣の近代美術館mumokに行く前に、手前のカフェで軽食と冷たい飲み物で一息ついくと、もう動きたくな~い!友達が近代美術館に行っている間、ひとりで休憩してました^^;

  

夕方、予約してあった近くの人気レストランGlacis Beislへ。 緑がいっぱいのテラス席は雰囲気がすごく良かったんですが、うーんメニューが少ない…。伝統的なビーフグーラッシュを注文したら、味が濃くて野菜がぜんぜん入ってない….。その後、レオポルド美術館の屋上にあるテラスバーで夕陽を眺めてから帰途についたのでした。

最後の日の午前中は、オーストリアの画家・建築家、フンデルトヴァッサー(1928-2000)がデザイン・設計したクンストハウス博物館とカラフルな市営住宅のある地区へ。 残念ながら、博物館は改装中で入れませんでしたが、近隣地区で彫刻などの野外展示会を開催中。グレーを基調にした伝統的な街並みに、カラフルで遊び心あふれる建物が印象的でした。

   ガラスや金属、木材、陶器などの多様な素材遣いやミロの絵のような色遣い、曲線や不規則なラインが楽しい

ラテを飲んで一休みしてからトラムでホテルへ戻り、電車で空港へ。こうして私たちのウィーンの旅は終わりを告げたのでした。

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