湖水地方の夏休み(その5) 洞窟探検&詩人ワーズワースの足跡を訪ねて

10月ももう半ばを過ぎてしまいましたが、まだ夏休みの旅行の続きです。

夏休み5日目も朝から雨になりそうな曇り空。この日は早めに出発し、ウィンダミア湖とグラスミア湖の間にある小さな湖、ライダル湖(Rydal Water)を目指しました。

目的は湖ではなく、その近くにあるライダル洞窟(Rydal Cave)。かつて建材に使うスレート(湖水地方の石造りの家はこの粘板石を使用)の採石場だった人口洞窟なんですが、早めに出たのは駐車スペースを確保するため。でも、アンブルサイドの町を通る道は一本しかなくて、やっぱり渋滞していました(;^_^A

草地の中の駐車場に車を乗り入れると、20台くらいしか停められない大きさ。樹の横にひとつだけスペースを見つけて停めたんですが、ぎりぎりセーフ!

そこからライダル湖へと続く路を歩き、湖が見えてきたところで山側の小径へ。10分ほどで洞窟の入口にたどり着きました。

 

ライダル湖の南側の丘をハイキング

  入口にはかなりの人。洞窟内には水が溜まっていて、飛び石が敷いてあります

ライダル湖の岸辺を散歩してから駐車場に戻ると、空きスペースを探す車が複数台ウロウロ。見知らぬ親子連れにスペースを譲ったら、ものすごく感謝されました。この辺りからポツポツと雨が降り出し、グラスミア湖(Grasmere Water)の北畔に位置するグラスミア(Grasmere)の町に着いた頃には本降りに。ちなみに、町の大駐車場にはたっぷりスペースがありました(笑)。

グラスミアは英国ロマン派の詩人、ウィリアム・ワーズワース(William Wordsworth)1770~1850年)ゆかりの地。1799年、まだ無名だった29歳の時に妹ドロシー(Dorothy Wordsworth 1771~1855年)と町はずれにあるダヴコテッジ(Dove Cottage)に居を構え、ここに住んだ9年間で多くの代表作を生み出しています。

実は、15年以上前に一度訪れたことがあり、今回はワーズワースが晩年までを家族と過ごした屋敷、ライダルマウント(Rydal Mount)を訪問すべきか迷いました。でも、私のダヴコテッジの記憶は、ワーズワースの洋服や寝台を見て「当時のイギリス人は随分小柄だったんだな」と感心したことのみ….。それで、やっぱりもう一度見ておきたいと思ったのでした。

まだ12時前だったので、早くテーブルを確保しようと目についた目抜き通りのカフェへ。グラスミアの町を流れるロセイ川に面するテラス席があったのですが、案内されたのは室内のテーブルでした(このグラスミアティーガーデンズは結構有名なことが後から判明)。

 

温かいスープ&パンのランチとアップルパイ(味は普通)を食べてから、雨のなか水仙の庭(Wordsworth Daffodils Garden)やロセイ川沿いの散歩道をそぞろ歩き。それから、ワーズワースと妻が眠る聖オズワルド教会の墓地へ。

 

すると、墓地の入口になにやら長蛇の列が…。ワーズワースのお墓(写真右、左端)を詣るために並んでいるのかと思ったら、有名なジンジャーブレッドを求める行列でした(写真左)。ヴィクトリア時代のお菓子職人、セーラ・ネルソンが1854年に創業したこのお店では、当時のメイド衣装を着たスタッフがホームメイドのお菓子を販売。でも、私は生姜のお菓子があまり好きではないのでパス(;^_^A

次に、予約してあったダヴコテッジのツアーに参加。現在、ダヴコテッジはワーズワースのグラスミア(Wordsworth’s Grasmere)という組織が管理していて、ワーズワース博物館とツアーが込みになっています。

総勢12人くらい(マスク着用)が集まり、ガイドさんの話とビデオを観てから、コテッジ内へ。ダヴ(Dove)とは野生の鳩のことですが、灰色の石造りの家並みが続く通りでこの家だけが白塗。ガイドさんの説明によると、かつてはパブだったそうで遠くからでも目立つように白く塗ったのだとか。

 

かつてはパブだったという白いコテッジ。室内は当時の灯を再現して薄暗い

ワーズワースといえば、「子どもは大人の父(The Child is father of the man)」という節が出てくる『虹(The Rainbow)』が有名でしょうか?湖水地方の自然をこよなく愛し、「人が見出すことのできる最も美しい場所」と称賛した彼は、友人サミュエル・コールリッジと共に、自然を賛美する情熱的・感情的な詩で、英国文学史に新風を巻き起こしました。

 

ワーズワースを語るうえで、忘れてはならないのが妹、ドロシーの存在。自らも日記や詩を綴りながら、生涯結婚することなく献身的に兄を支え続けたのです。彼女の作品は死後出版され、その才能を認めらることになりました。

 

   ワーズワースと妹ドロシーが書き物をした書斎のテーブル。2階のドアから直接庭に出られる

庭はなだらかな斜面になっていて、上まで登ると東屋があり、ワーズワースはここで緑美しい丘や湖、町を眺めながら詩作に耽ったといいます。この日は残念ながら遠くの風景は雨にけぶって見えませんでした。

短大時代にゼミでワーズワースの詩を学んだ際、『水仙(雲になって独り彷徨う)Daffodils(I Wandered Lonely as a Cloud)』を暗記した遠い日の想い出…。イギリスに来て、早春の光の中に群れ咲くラッパ水仙を見て、「ああ、これが黄金のラッパ水仙か!」と感激したのを覚えています。できたら春にグラスミア湖畔に群れ咲く水仙を見てみたいです。

      雨に濡れてひっそり静まり返ったよそ宅の庭

そぼ降る小雨の中、当時の面影を残す町並みをゆっくり散策してから、帰途に着きました。

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湖水地方の夏休み(その4)ピーターラビットを探して

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湖水地方の夏休み(その4) ピーターラビットを探して

ホリデー4日目のハイライトは、『ピーターラビット』本の著者、ビアトリクスポター(1866 –1943)が仕事場として使った17世紀のファームハウス、ヒルトップと絵本の原画を展示しているホークスヘッド村のギャラリーを訪問すること。予報が雨だったので事前にチケットを予約しておいたのですが、運よくいいお天気に恵まれました。

湖水地方西部の田舎道をどんどん進み、「え~っ、こんな裏道から行けるの?」と心配になるような細~い道を通って(ナビが近道を選んだ?)、絵本の舞台にもなったニアソーリー(Near Sawrey)という小さな村に到着。ナショナルトラストの駐車場に車を停め、チケット売場に寄ってから歩いてすぐのヒルトップへ。

  

     ヒルトップへの標識とニアソーリー村。バス停には「ピーターラビットに注意?」の標識が

  写真左の庭から家へと進みます。途中、ミツバチが密集している花があったのですが、ポターが養蜂用に植えた木(中)だそう(名前は不明)。ファームハウスを下りたところには菜園が

良家の子女としてロンドンで生まれ育ったポター

『ピーターラビットのお話』が出版されたのは1902年、ポターが36歳の時のこと。幼少期からスコットランドの自然の中で休暇を過ごし、16歳の時に湖水地方を訪れてその魅力にとりつかれたポター。39歳の年に絵本の印税と叔母の遺産でヒルトップを購入しますが、まだまだ未婚女性の自立が難しかった時代。当初は小作人の家族を住まわせて管理を任せていたとか。

売れっ子の絵本作家となったポターは足しげく湖水地方に通い、ヒルトップだけでなく家畜や農地、土地や建物を次々と購入。この頃からナショナルトラストを支援し、湖水地方の自然環境や歴史的な遺産の保護に乗り出したのです。

47歳の時にこの地方の弁護士と結婚し、晴れてニアソーリー村に移住。近くのカッスルコテージに夫と住む傍ら、ヒルトップの2階に創作のための仕事場を構えました。

     『こねこのトムのおはなし』に登場した玄関ポーチ。応接間の暖炉と寝室の天蓋付きベッド

階段の踊り場からは村が見渡せます

    2階には『2ひきのわるいねずみのおはなし』の挿絵に使われたドールハウスや当時の陶器人形が飾られた部屋も。オリジナルグッズの特許を取るなど、ビジネスの才覚もあったんですね

ポターはまた農場主としての才覚も発揮し、伝統的な自然農法や農地の管理・保存に力を注ぐように。視力の低下もあって創作活動を断念したとされていますが、村での暮らしにすっかり慣れて農業に傾倒していったよう。家庭教師の教育を受け、庭仕事すらしたことがない箱入り娘だったことを思うと、本当にたくましいですね。

ポターが77歳で亡くなった後、16の農場と農家や家畜、4000エーカーを超える土地は彼女の遺志によりナショナル・トラストに遺贈されました。

ヒルトップを出て、ニアソーリーの村をぶらぶら散策。絵本に描かれたパブや石垣に嵌められた赤い郵便ポストなどがあって、感慨深かったです。ある家の前で手作りケーキの無人販売をしていたので、おやつに購入してホークスヘッドに行く途中立ち寄ったエスウェイト湖で食べました。

ポターが散歩したり、魚釣りをしたエスウェイト湖(Esthwaite Water)

ニアソーリーからホークスヘッド(Hawkshead)までは車で5分ほど。村の入口に手書きで「駐車場」と書かれた看板を見つけて車を乗り入れると、そこは地元の小学校(笑)。夏休み中に駐車場を開放して、お金を稼いでいるんですね(設置した料金箱に現金を入れるしくみ)。

ビアトリクスポター・ギャラリーの予約は午後だったので、まずは詩人のウィリアム・ワーズワースが寄宿したグラマースクールへ。室内の見学はせず、学生だったワーズワースがよく散歩したという教会と墓地を散策(学校に隣接)。

    今は博物館となっているホークスヘッド・グラマースクールと教会。村のアイスクリームショップには長蛇の列が

人口600人ほどのホークスヘッドはニアソーリーに比べると随分大きくて、古い石畳の通りにショップやレストランが連立しています。とはいえ、歩いてすぐ回れる大きさですが…。観光客があふれていましたが、時間制のためもあってかギャラリーはガラガラ。

 

ポターの夫、ウィリアム・ヒーリスの弁護士事務所があった建物がギャラリー。数は多くないですが、原画や手紙、写真などが飾られています。葉書大の原画は緻密なタッチや色使いが素晴らしかったです。

   

  ナショナルトラストの創始者で、湖水地方の自然保護に努めたハードウィック・ローンズリー司祭と。充実した表情がうかがえる晩年の肖像画

ホークスヘッドを後にして、次はポターが1882年に初めて湖水地方を訪れた時に宿泊したという、レイカッスル(Wray Castle)へ。城の中をぐるっと見学し(一部のみ公開)、ウィンダミア湖へと続く散歩コースを歩きました。

    ウィンダミア湖畔にたたずむネオゴシック様式の城。若き日のポターはここで湖水地方に魅了されたんですね

天気にも恵まれ、とっても得をした気分になった一日。ホリデーアパートの窓からはきれいな夕焼けが見えました。

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湖水地方の夏休み(その3) ウィンダミア湖で島巡り

9月もすでに半ばを過ぎてしまいましたね。秋が深まる前に、駆け足で夏休みの記録を綴っておきます。

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ホリデー3日目は、イングランド北東部に住む友達と合流。イングランド最大、そして湖水地方で一番大きい自然湖、ウィンダミア湖(Windermere 長さ約18km、幅約1.6km)でクルーズ船に乗りました。

私たちが選んだのは湖にうかぶ島を周回するコースで、発着は湖畔の町ボウネス(Bowness on Windermere)。天気は今ひとつでしたが、とにかく雨が降っていないのがありがたかったです。

これと同じクルーズ船で出発、所要時間は45分

   沖には無人のボートがたくさん浮かんでいました。どうやってボートまでたどり着くのか?

クルーズ船をおりた後は、景色がいいという湖沿いの小道をハイキング。やっと湖水地方らしい活動ができました~。

 

    やたら水鳥が多く、白鳥もカモもめっちゃ人懐こい。土産物店では水鳥用の餌を販売しています

 

 切り株になにやら金属が…と思ったら記念にコインが差し込んであるんです!

ショップやレストランが立ち並ぶボウネスの町中までいったものの、前日と同じく席が取れない!今回の旅行は天候が読めなくて細かな予定が組めず、事前にレストランの予約を入れてなかったんですが、こんなにも大変だとは…。

で、やっと入れたカフェの席はカウンター前の小さなテーブル。他のテーブルは空制ながら、予約のカードが立てられていました。

  

  息子が注文したピザとチキンがどーんと入った私のシーザーサラダ。なかなか美味でした

ランチの後は、高台にあるアーツ・アンド・クラフツ建築の館、ブラックウェル邸へ。腹ごなしに50分ほどかけて歩いて行ったのですが、登り坂なのでけっこうキツかったです。

 

 うまく撮れなかったので、外観とメインホールの写真をお借りしました

この屋敷は1898年から1900年にかけてアーツアンドクラフツ運動で知られる建築家、ベイリースコットによって、マンチェスターの大富豪の別荘として建てられたもの。屋敷からはウィンダミア湖が見渡せます。

      壁や暖炉回り、ウィリアムモリス柄の壁紙やカーテン、家具・調度品、ステンドグラスなど、アーツアンドクラフツの装飾や工芸デザインが随所に

ちょうど、”House of the setting Sun” と題し19世紀に海を渡ってきた日本の着物、帯、浮世絵などの展示会も開催中。日本の工芸やデザインがアーツアンドクラフツ運動に与えた影響も少なくなかったよう。

その他、雰囲気が全然あってませんでしたが、子供向けにこの屋敷の妖怪の絵探しトレイルも(『妖怪ウォッチ』と提携して描いてもらったらしい)。

屋敷をぐるっと見て回った後、館内のカフェでお茶しながら長~いおしゃべり。コロナ禍でなかなか遠方の友達と会う機会がなかったので、顔を見ながら話せたのが嬉しかったです。

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湖水地方の夏休み(その2)雨にけむるダーウェント湖

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湖水地方の夏休み(その2)雨にけむるダーウェント湖

ホリデー2日目の朝、起きてみるとやはり雨でした。湖水地方といえば湖や山や渓谷など景観が美しく、世界遺産にも登録されているイギリス屈指の観光地。緑豊かな自然のなかでのハイキングが醍醐味(イギリスは平野が多くて殆ど山がありません)なんですが、いかんせん雨天ではちょっと…。

私が家族に提案したのは、湖水地方の北西部にある町、コッカーマス(Cockermouth)まで行くこと。そこで詩人ワーズワースの生家を訪ね、帰りは南下しながら湖水めぐりができたらと考えたのです。途中で古風なパブでも見つけて、美味しいランチにありつけたらと。

ところが、美しい景観を楽しみながらドライブ、という訳にはいかなかった…。

雨でけむってしまい、窓の外の景色はほとんどモノクローム。おまけに道も混んでるし。

ケズィック(Keswick)という北部の町まで行ったころ、雨がちょっと小やみに。この町では木曜と土曜日に青空マーケットが開かれるので、息子の誕生日(木)に行くつもりでした。が、息子の提案で車を降りて足をのばすことに。

まず、キャッスルリッグ・ストーンサークル(Castlerigg Stone Circle)へ。のどかな緑の牧草地に48個の岩がぐるりと円をなすこのサークルは、紀元前3000年に造られたものだとか。イングランド南部の有名なストーンヘンジと比べると規模はぜんぜん小さいですが、なんせ無料だし触ってもOKだし。

左はお借りした全体像の写真。岩は高いもので2.5mほど

着いた時は人がまばらでしたが、あとから中高年のハイカーグループがガヤガヤとやってきて、なんと古代遺跡に座ってお弁当を食べはじめたという(;^_^A 進入禁止のストーンヘンジとは雲泥の差。

小雨がふる中、次は地元のダーウェント鉛筆工場へ。1832年から続くこの会社は色鉛筆で知られ、小さな鉛筆博物館を経営しているのです。マスク着用でしたが、人が多くてちと閉口…。

 

      ギネス認定、世界最大の鉛筆(左)と精巧な細工の鉛筆削りの数々

この後、ランチを食べようとケズィックの町をさまようこと1時間。雨天のためか町は観光客であふれかえり、まだ1時になっていないのに(イギリスでは昼食はだいたい1時から)、どこも満席。結局スポーツパブでフィッシュ&チップスを食べる羽目に。うう~ん、お味は今一つ。

湖水地方の名物ってぐるりと巻いたカンバーランドソーセージくらい?今回の旅行ではそれほど美味しいものに巡り合えなかったのが残念…。

ランチの後は町の南側にあるダーウェント湖(Derwentwater)の東側を散策。ナショナルトラストが管理する石造りのアッシュネス橋(Ashness Bridge)から、ダーウェント湖のパノラマ景観が見られる高台、サプライズビューまで雨の中を歩きました。

  

イギリスの橋の写真で紹介されることが多いというアッシュネス橋。けっこう降ってるのに、カメラマンを連れて写真撮影をしている美形インド人カップルが。新婚旅行かと思ったら、ウエディングアルバム用の婚前撮影会でした~(;^_^A

サプライズビューに到達するも、湖に靄がかかって良く見えない…

が、一瞬陽がさすと、その瞬間だけモノクロからフルカラーの世界に!

 ダーウェント湖の北側にバッセンスウェイト湖(Bassenthwaite Lake)も見えます

やはり、太陽の光はメンタルヘルスに影響大だなと思わされた瞬間でした。

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湖水地方の夏休み(その1) イングリッシュローズの花園へ

  

もう8月も終わりですね。天候不順が続いたイギリスの寒い夏は、ここに来て少し回復。今週末は3連休なので全国で野外フェスティバルが行われていて、9月から新学年が始まる学校でのコロナ感染拡大が心配されています。

イギリスではここ1か月ほど、感染者数が連日3万人を超える勢い(現在、再び世界トップ5を暴走中)。死者数は平均100人と少しずつ上昇しているものの、過去のピーク時と比べるとかなり減っているため、政府はこのままコロナとの共存政策でいくようです…。

感染がおさまっていた去年の夏と比べたら、かなり怖い状況。でも、人々の我慢にも限界があるし、経済も回さなきゃいけないし。とにかく、厳しいロックダウンが解除された夏の間にすこしでも羽を伸ばしたいというのが、みんなの本音。

私たちも息子の誕生祝をかねて湖水地方に行ってきました。この夏、国内観光はコーンウォールと湖水地方が人気だったんですが、双方とも感染率が急上昇していて、なんだかうしろめたい気持ちです…。

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私たちがホリデーを取った8月7~14日は、前半は大雨警報が出ていてほとんど雨の予報。家を出発した時点ですでに雨でした😢

ロンドンから湖水地方までは車で4時間半くらい。途中、バーミンガムの近くにあるデヴィッドオースティン社のバラ園に立ちよってお昼ごはんを食べたり、庭を散策したりする予定でした(全景がないので、興味のある方は下記のリンクをご覧ください)。

https://www.davidaustinroses.co.uk/pages/plant-centre-and-gardens

創設者のデヴィッドオースティン氏(2018年没、DAジュニアが後継者)はいわゆるイングリッシュローズの育種家。彼が生み出したバラは今やイギリスの庭に欠かせない存在で、世界中で愛されています。

 

イングリッシュローズの魅力は、オールドローズの優美な咲き姿や薫りに加え、繰り返して咲き、色のバリエーションが豊富な現代バラの特性を併せもつところ。四季咲きなので、6月に一番花が咲きそろった後も、夏から秋の終わりまで次々と花を咲かせてくれます。

ずーっと行きたかったので、すごく楽しみにしていたのですが、あいにくの雨天。なんせ花びらが多くて重いバラが多いので、雨がふると頭を垂れてしまうんですよね…。途中で大降りになったり、やんだりで、う~んもどかしい。

高速道路M1からM6に乗りかえて順調に進んでいたのに、バーミンガムにさしかかる前にいきなり大渋滞。なんと道路工事で高速道路が全面通行止になっていたという…。サテナビは何故か迂回せず、あと30分のところが1時間半もかかってしまいました。やっと渋滞を抜けて目的地に着いた時は、すでに1時半。

幸いなことに雨はやみそうだし、まずは腹ごしらえをと瀟洒なレストランへ。でも、すでに満席でした(イギリスでは通常昼食は1時頃から)…。ティールームでひとつだけ空いていたテーブルにすべりこみセーフ。余裕を持って12時半からの入場券の予約をしておいたのに、ああ残念!

サンドイッチ類しかなくて、残念感がぬぐえず…

ポツポツと雨が降るなか、紅茶とケーキで話しこんでいる夫と息子をおいてひとりバラ園へ。我が家のイングリッシュローズは二番花がまだの状態だったので、多分花が少ないだろうなとは予測してましたが、案の定かなり淋しい感じ。

    

 次に機会があったら、絶対に6月に行きたいです!

それでも、けっこう二番花が咲いていて、様々な種類のイングリッシュローズを楽しむことができました。一番花が多かったのはバラを販売しているプラントセンターかな(笑)。オリジナルグッズが並ぶギフトショップもあります。

高い塀の向こう側には温室群が並んでいて、「あの中で10年かけて新たな品種を開発したり、バラを一株ずつ育ててるんだ」と感慨深かったです。今でも手作業が中心なんだとか。

  プラントセンターでは美しく花をつけた株を販売

今回の宿泊先は、湖水地方があるカンブリア地方とその南に位置するランカスター地方の境目にある町、カーンフォース(Carnforth)。夕方、運河のマリーナ沿いにあるホリデーアパート(自炊型施設)に到着したのですが、暗証番号を受けとっていなかったことが判明し、ちょっとドタバタ。天気も悪いしこの先大丈夫かなと、ちよっと不安なスタートを切ったのでした。

地図の右下にあるのがカーンフォース。アパートのリビングからの眺め

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喜びも悲しみも

先週の日曜日は私の23回目の結婚記念日でした。ロンドン北部のハムステッドにある歴史記念館、Burgh Houseで式を挙げた私たち。記念日にはそのガーデンカフェでランチを楽しむのが恒例となっています。コロナ禍が続く中、今年も木陰のテーブルで家族そろって記念日を祝うことができました。

     イギリスは先週末から猛暑(最高気温30度前後)が続き、私が小学生だったころの日本の夏を思い出しています

下の写真はBurgh Houseの向かい側に飾られていたストリートアート。パネルの上部はピンクの造花のバラで埋め尽くされ、下部には詩/ 言葉が。読みながら、「うんうん、これって人生の哲学だなぁ」としみじみ。

   

良いことは悪いことと共に受けいれなければならない

悲しい時は微笑んで

今持っているものを愛しみ、かつて持っていたものを記憶しておこう

常に許そう、でも忘れないで

過ちから学ぼう、でも後悔はしないで

人は変わり、状況は悪くなるもの

ただ、これだけは覚えていよう――それでも人生は続く

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話は変わりますが、私が勤めている特別支援学校は先週水曜日に終業しました。5年間日本語を学んでくれたアニメ好きの教え子2人が卒業。それこそ、良い時も悪い時もつきあってきたので、とても感慨深い別れとなりました。

驚いたのは、それぞれの最後の授業で2人とも送別のギフトをくれたこと!!  ひとりは出るはずだった運動会をドタキャンして「最後だから」と授業に来てくれました。予期していなかったので、本当に感激しました。

(私からは手紙と日本食・雑貨店の商品券を贈ったのですが、彼らからなにかをもらうなんて思ってもみませんでした)

カードとポルトガル語のフレーズブックをくれた生徒は、幼少期をポルトガルで過ごしてからイギリスに移住(元は中東から?)。TVでポルトガル語版『ドラエモン』を観て育ち、日本に興味を持ったんだとか。

私が「いつかポルトガルに行きたい」と言ったのを覚えていてくれたんですね。

彼がお母さんと片面ずつびっしり書いてくれたカードには、こんな言葉が、

「日本語を始めた時は個人的にすごく大変な時期だったから、真面目にやらない時もあったし、いい生徒じゃなかった。でも、それでも忍耐強くつきあってくれたよね。日本語の授業もだけど、会話をしてる時が一番楽しかった。大好きな日本のアニメや音楽や文化について話すと、いつも興味を持って耳を傾けてくれたから」

この子は小学部の騒がしい雰囲気やクラスになじめず、うつ状態になって一時期不登校に(詳しくは『ひとりじゃない』をご参照ください)。

高等部用の別校舎ができてから登校できるようになったのですが、最初は普通の授業は無理…。そのころ何をしていたかというと、折り紙をしてたんです!

私は紙風船やツルしかできないのに、彼が興味を示すのはクノイチの短剣とか龍とかなんですよね (;^_^A ハードル高すぎ! で、動画を探して練習して、折り方の説明を英訳して。彼は手先が不器用なので、細かい部分は全部私がやらねばならず、とくかく形になるように必死だったなあ…。でも、喜んでくれるのが嬉しかったし、彼の忍者や龍についての知識には舌を巻きました。

そうこうしている内に、彼は新しい校舎と学友に馴染み、アニメ好き&日本食好きの友達ができたのでした。おまけに日本語の国家試験にも合格したんです。

もう一人の子はADHDと微細運動発達障害も併発していて、14歳ころかな、ちょっと荒れた時期がありました。私の授業では特に問題を起こしませんでしたが、一度だけフラストレーションを爆発させて壁をおもいきりパンチ!壁にボッコリ穴をあけたことが…。

どちらも今では良い思い出。来年はカレッジで新コースに挑戦しますが、学校やTAの補助はありません。その後、無事に社会に出ていけるよう、健闘を祈りたいです。

ところで、普通だったらシミジミと別れを惜しむところですが、2人とも「それじゃ、バイバイ」と、とってもドライ(;^_^A でも、そこが彼ららしいんです。

 

追記:ネットで東京オリンピック・パラリンピックの開会式音楽を担当していた小山田氏の辞任騒動を知りました。

うちの学校は高機能ASD児&ティーン専門の特別支援校で、公立校にうまく馴染めず転入してくる子も多数。この間、「好きな/ 嫌いな+名詞」の練習をしていて、たまたま「嫌いな人は誰ですか?」と生徒のひとりに訊いたんです。そうしたら、「キランです」ときっぱり。

この子は大人しくてあまり感情を外に出さず、ぱっと見ただけではASDとは判りません。前の学校ではこのキランという子にずっといじめられていたと教えてくれました。みんなに知られない様に、陰に隠れて執拗にいじめ続けたと…。

いじめられた側は、それが心の傷になって一生残ります。特に、ASD児&ティーンはフラッシュバックで追体験することが多く、嫌な記憶が昨日のことのように蘇ることも。

コロナ禍で人々の心が荒涼としている現在、誰もいじめたり、いじめられたりしないような世の中になって欲しいと心から思います。

子どもの心の健康を守る7つの方法

強い寒気が去り、イギリスに早春を告げるスノウドロップが満開

イギリスでは昨年1回目のロックダウンで学校を閉鎖したため、多くの子ども達が3月末から一度も学校に通うことなく学年を終えました。それもあって、9月の新学期からは学校優先の政策がとられたのですが、1月から3度目のロックダウンで再び学校閉鎖中。

NSPCC(National Society for the Prevention of Cruelty to Children英国児童愛護会)によると、学校や友達など社会的なネットワークから切り離され、孤立したり、自信を失ったり、不安を感じている子ども達が増えているといいます。

なかでも、うつ症状、過食症や拒食症などの摂食障害、自傷行為、OCD(強迫性障害)が目立ってきているよう。かなり低年齢化してきているようで、保護者も気が気ではないと思います。

苦しみや不安を親や友達に打ち明けることができず、一人で悩みを抱え込んでいる子も多いとか。ソーシャルメディアの普及によって、みんなと同じように見え、同じように行動しなければというプレッシャーが大きくなっているのです。

また、コロナ禍で仕事を失ったり、家計が苦しくなったりした家庭では、子どもの情緒が不安定になる傾向が強いそう。大人が苦悩しているのを見れば、子どもも影響を受けざるを得ませんよね…。

不安になっても誰にも相談できな子ども達――NSPCCの相談室にコンタクトできる子はまだいいのかも…。子どものメンタルヘルスは将来にも大きく影響してくるので、少しでも寄り添ってあげれればいいなと思います。

BBCの子供番組を担当するCBBCが、子どもの心をリラックスさせる7つのシンプルなテクニックを提案しています。特に、幼児と特別支援が必要な子どもに効果があるよう。

https://www.bbc.co.uk/cbeebies/joinin/seven-techniques-for-helping-kids-keep-calm

7つのシンプルなテクニック

1) マインドフルネス

<親子でトライ>

レーズンやビスケットなど、小さな食べ物をまず手にのせて観察。初めて見て食べるかの様に、形、感触、におい、口に入れた時の触感、味、噛んだ時の音などをしっかりと確かめる。

<効果>

五感の全て使って「今この瞬間」を体験し、現在していることに完全に集中することがマインドフルネス。小さい子どもには難しいと思いがちだが、こうしたシンプルなマインドフルネスは、子どもが行動する前に一時停止して考えることに役立つ。

2) 笑い

<親子でトライ>

お子さんの好きな番組を見たり、冗談を言ったり、にらめっこをしたり。リラックスすることは緊張を和らげる最適な方法。

<効果>

笑いや刺激を感じることでストレスホルモンが減少し、筋肉がリラックスする。

3) 深呼吸

<親子でトライ>

息を吸って止めたり、深く息を吐いたりするよう促し、子どもにとって快適な呼吸の感覚を見つける。子どもが落ち着くまで続ける。

<効果>

一連の深呼吸をすることで心拍数が低下し、自分で呼吸をコントロールできていると感じさせる。

4) ストレッチ

<親子でトライ>

腕を頭の上にのばし、つま先立ちで思いきりのびをしてから、元に戻す。

<効果>

猫のように伸びをしたり、両腕を空にむけて思い切りのばして。筋肉をのばし、緊張をほぐすよう促す。

5) 雲を見る

<親子でトライ>

できるだけ動かず、雲が流れていくのを一緒に見つめる。野外に出られない場合は、ベランダからでも。子どもは雲に何かの形を想像できますか?じっと見つめていると、馴染みのものの形が見えてくるはず。

<効果>

このテクニックは、子どもをリラックスさせ、心配ごとを取りはらうことに役立つ。深呼吸といっしょに行うとより効果的。

6) 子ども向けの音源(ラジオ番組)を聴く

<親子でトライ>

落ち着いた音や音楽をリラックスして聴く。

<効果>

リラックスできる音楽は、子どもが立ち止まってリセットするのに役立つ。波、小鳥のさえずり、雨、車の旅、宇宙船、ホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズなど(CBBCチャンネルで提供している音響)。ノッティンガム大学の視聴学部長、クレアベントンは「子ども達の多くはこれらの音を心地よく感じ、聴くことで落ち着いて眠ることができる」と解説する。

7) お絵描きとらく描き

<親子でトライ>

紙とクレヨン、もしくはお絵描きツールで、心ゆくまで絵を描いたり、らく描きしたりする。

<効果>

絵を描くことは、ストレスを減少させ、脳を休ませるのに役立つ。また創造力を刺激する効果も。パブロ(CBBCに登場するキャラクター?)は、絵を描いてアートの世界にひたることで、自閉症によっておこる現実世界の問題に対処している。

  

最近、少しでも青空が見えると心が和らぎます。空や雲にも春の兆しが感じられるような…。

世界中に早く春が来ますように。

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コロナワクチンは危険?

コロナワクチンは危険?

イギリスは先週の日曜日から大寒波に襲われ、大雪と寒波警報が発令中。1995年以来だそうで、スコットランドではなんと-23度を記録しました。が、幸いにもロンドンではそれほど積もらず、昨日(水曜日)の午後にはほとんど溶けました。

  夜間に粉雪が降っては少し積もる、の繰り返し。家の前の道路の凍結が怖い…

これ、私にとっては本当にラッキー!というのも、勤務している特別支援学校が主要ソーシャルワークと認定され、スタッフ全員がワクチンを接種できることになったのです(現在の優先順位は70歳以上と主要ソーシャルワーカー)。私のアポは水曜日の午後で、病院までは車で20分ほど。

雪が積って家の前の道がアイスバーン状態になったらどうしよう、とめっちゃ心配でした。大通りは凍結防止剤がまかれるから大丈夫なものの、車を停めてある家の前の道が大問題。一度スリップして怖い思いをしてから、雪の日は極力運転しない様にしているんです。

(イギリスにはスパイクタイヤやスノーチェーンがない!それほど積雪がないうえ、道路がボコボコになるからかな? なので、ちょっと雪が積もっただけで電車や地下鉄が止まったり、道路が大渋滞したり。学校が休校になることもしばしば)

そんな訳で戦々恐々としていたのですが、病院までスムーズに行くことができました。70歳以上の方が並んでいるかなと思いきや、廊下は働き盛りのソーシャルワーカーばかり。この病院では年齢別は一区切りついたのかな??

質問表に記入してから熱を測って受付を済ませ、待つこと10分。ワクチン接種は4つの個室で行われ、ひとり終わるごとに椅子を消毒。待合室でも隣の人と2mの間隔があくよう工夫されていました。

いよいよ私の番に!ドキドキしながら個室で看護師さん(?)とむきあい、まずアレルギー等の有無をチェック。その前に、NHS番号と名前を確認してPCに入力(情報はGP(主治医)や他のNHS機関内で共有)。

いよいよファイザー社のワクチン接種!となったのですが、チクリともせず…えっ、これで終わり??

思わず口に出すと、「私は子どもの接種に慣れてるから、話をもりあげて本人が気づかない内に打つのが上手いのよ」と。なるほど。

(痛みがなかったのは、ひとつのワクチン容器から6人分取るため、通常より小さい注射器を使用してるからかもしれません)

ワクチン番号を含むデータを書き込んだカードをもらい、接種終了。5分とかからず、とてもスムーズでした。

この後、急な副反応がでないか確認するため、廊下のような場所で待機すること15分。ほんの少~しだけ腕がチクチクしたかなと感じたものの、全く平気でした。

帰宅して、仕事して、夕ご飯を食べた後くらいから、心持ち疲れたな…と。でも、一日中バタバタして緊張したせいかも。

「あっ、今日はワクチン接種したからお風呂に入れない!」と、主人に言ったら、

「ええっ?! そんなの聞いたことがないよ」

イギリスの子どもって、ワクチン接種の後にお風呂に入ってるの?確か、息子の時は大事をとって入れなかったと記憶してるんですが…調べてみたらOKでした(;^_^A 日本でも今はOKのよう。念のため、激しい運動は避けた方がいいようですが。

今朝起きたら少し頭痛がして、ちょっと体がだるい感じ…。鈍い腕の痛みもありました。午前中はそんな感じだったんですが、24時間経過したころからすっかり通常通りに。

先日、日本のTV番組で、イギリスに住む日本人の看護師さんがファイザー社のワクチンを接種し、その後3日間の容体を伝えていました。彼女の場合は、接種後の夕方にすごい寒気がして床に入り、翌日の夕方にも具合が悪くなり、副反応がおさまったのは3日後だったよう。

ということは、私もまた副反応が出てくる可能性があるかもしれませんね。

前の記事にも書きましたが、80歳を超えている義両親、お隣さんを含め、ソーシャルワーカーなど10人ほどの反応を耳にしました。が、それほど酷く体調を崩した人はひとりもいなくて、全員3日後には回復しています。

スペインの老人ホームで接種後に10名を超える死者が出たというニュースも観ましたが、症状がないまま感染しているケースもあるとか。

看護師さんからは、「コロナの症状が出た場合は、ワクチン接種のせいじゃなくコロナ感染だから、すぐNHSに連絡して」と言われました。

色々な噂や情報が飛び交ってますが、世界中で1臆を超える人たちがワクチン接種済みです。なお、国民の半数以上が接種を済ませたイスラエルでは、肯定的なデータが出てきているよう。

日本ではまだ接種が始まっていませんが、他国のデータを参考にしながら冷静に接種の有無を決めて欲しいと思います。まあ、イギリスの様に悲惨な状況ではないので、選択の余地はありますよね。世界中からコロナを撲滅させるためには、やはり予防接種は必要かなとは思うのですが…。

もう変異種が複数出現し、これからも変異し続けると考えると、ワクチンを毎シーズン改良する必要があるかもしれませんが。

一時でも早く、世界がコロナ禍から解放されます様に!

 

 

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コロナ禍のイギリス暮らし(その2)

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先回の続きで、コロナの変異種が猛威をふるうイギリスでのロックダウン生活をご紹介します。

 雪の中、まだ咲き続けている我が家のイングリッシュローズ

この3度目のロックダウンは冬季なのもあり、ウォーキングや散歩で外出することが激減。というのも、公園や散歩コースは人だらけで密なんですよね…。そこで、室内での運動が重要になるのですが、私は自主的にできないタイプ。

(一方、仕事も趣味もPC関連の主人は、部屋をひとつぶんどって黙々とウエイトトレーニングを続けています。偉い!バンド活動も続けていて、ドラムを叩くのも気分の発散になっているよう)

  

    先日、日本語科卒の主人に「ネギ買ってきて」と頼んだら、ソフトボール大の巨大玉ねぎが2個! 「大きすぎて使えない」と困ってたら、ローストオニオンに(主人作)! 食べきれなくて、みそ汁とミートソースに再活用しました(;^_^A

ありがたいことに、通っていたジムのピラテス講師が去年春からZoomでクラスを継続してくれています。11月から再びジムが閉鎖され、Zoomクラスは週5回に! 私は週3回、安価でお世話になっているのです。

画面越しですが、講師のセーラさんの元気のいい声と、キビキビした動作、叱咤の言葉に励まされています。彼女のお陰でおこもり生活にメリハリができて、本当に大助かり。

ところで、日本でも今11都府県に緊急事態宣言が出ていますが、暮らしの補償はどうなっているのでしょうか?

イギリスでは政府の Furlough scheme(自宅待機者の補償制度)により、企業は仕事がない従業員を解雇せずにキープできる仕組み。政府から給料の80%が支払われるため、安心して生活できる訳です。加えて、企業に対する支援金も。

フリーランスに対しても過去3年の平均収入の80%を補償。私は去年たまたま学校に加えてSENエージェントも給料制(時給)に変わったため、給料の額がフリーの収入を少し超えたんです。それでハネられて、政府の補償はゼロ😢

SENエージェントの仕事は消滅し、コロナ禍でフリーの仕事は目減りしてしまったのに…今まで払った税金は何だったのか?! フリーランスの友人達が1年近く80%の補償をもらい続けているのを見ると、やっぱり不公平だなと思わずにはいられません。

でも、ついこの間までFurlough schemeで自宅待機していた友達は、「結局は解雇されるかも。社会に必要されてない気がする」と悩んでいました。こういうのもメンタルに良くないですよね…。

実は、主人は昨年1月に解雇され、3月のロックダウンが始まる直前に再就職したんです。もしあの時仕事につけていなかったら、コロナ禍での就職は至難の業だったでしょう。超ラッキーでした。

イギリスでは失業手当はなく、仕事を探している間は求職手当(1か月約6万円)しかもえらえません。自分が収めた税金額に関係なく、金額は一律なんですよね。しかも、一定額の貯金があると、それさえもらえないケースもあったりして、う~ん…。

イギリスの経済状況はガタガタで、先期のGDPは20%減と戦後最悪だそう。政府は巨額の負債を抱えているので、コロナ禍がおさまったら即増税になりそう…。12月末のEU離脱でEUとギリギリ条約を結ぶことができ、輸出入品に課税がかからないため、今のところ恐れていたほど物価は上がっていないのですが。

でも、今週はEUにおけるアストラゼネカ社(英&瑞)のコロナワクチン供給遅延問題で大荒れ!このワクチンはオックスフォード大学が開発しイギリスの2拠点、ヨーロッパの2拠点で生産中ですが、ベルギー拠点での生産が遅れてEUへの初回供給量が半減する見込み。これに立腹したEUが、英生産分からEUに回すようアストロゼネカ社に申し入れて、拒否されたのです。

EUはアストロゼネカ社との契約書を公開して権利を主張。同意しなければ、ヨーロッパ内で生産しているファイザー社ワクチンの英輸出を差し押さえると!えええ~っ、突然そんなのありですか?!まるで恐喝😢

その上、金曜日の夜、EUは北アイルランド(英連邦)とアイルランド間のワクチン輸送を一方的に制限すると…。数時間後に撤回されたものの、怖い、怖すぎる…。

EUがアストラゼネカのワクチンを承認したのは29日。なのに、承認前に大騒ぎになって、しかもドイツでは「65歳以上の高齢者には使わない」方針、マクロン大統領も「65歳以上には効果がない」と宣言してるし。だったら承認しなきゃいいのに…。

今世界中でワクチン争奪戦が起こっていて、現在は北米と欧州富裕国の独占状態になっています。イスラエルとアラブ首長国連邦を除くと、イギリスのワクチン接種率は最も高いのですが(現在全人口の11%程度)、WHOは「最も死亡率が高い高齢者と医療従事者への接種が済んだら、ワクチンを貧困国に回すように」と提言してきました。

確かに世界規模で対処しない限り、コロナ禍を終息させることはできません。が、イギリスではまだ一日の感染者が2~3万人と高止まりで、毎日1000人以上の死者が出ているんです!ピーク時より半減したとはいえ、ここ2週間の感染率は55人にひとり。変異種の感染を止めるにはワクチンで集団免疫を得るしかないと思うので、それはちょっと…。また感染が拡大して、いつまでたってもロックダウンを解除できない~!

道義的、人道主義的には正論だけど、国内がまだまだ危機的な状態。それに、「マスク着用の効果は証明されておらず、必要ない」というWHOのアドバイスのせいで、イギリスではマスクの普及が遅れて犠牲者が多数出たんです。

イギリスはWHOが主導して92の中所得国にワクチンを供給するCOVAXプログラムに相当額の寄付をしていて、アストラゼネカ社はワクチンの64%を発展途上国に供給する予定だといいます。お願いだから、感染がおさまるまでは自国優先にさせてほしい!

美術館巡りをしたり、ガーデンセンターで植物を買ったり、友達の家でお喋りしたり、カフェでお茶したり、映画やお芝居を観に行ったり。

これまで当然だと思っていた普通の日常が、今はとんでもなく遠い…。再びのほほんとした暮らしが戻ってくることを夢見て、今は我慢するのみですね。

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隣人の訃報に天候の悪さも加わって、先回の記事はかなり暗くなってしまいました。最悪の数字を更新し続けているイギリスですが、みんなメゲながらもロックダウン下での新しい日常を生きています。

今回のロックダウンの規則は、

  • 必需品の買い物や必須の場合をのぞき、外出禁止
  • 近隣での野外での運動は一日一回のみ。同居の家族と一緒か、もしくは一人で。一人の場合は、家族以外の人ひとりと一緒に運動しても良い
  • 社交は室内・野外ともに一切禁止
  • 他者との距離は2m取る(マスク着用の場合は1m)
  • 学校は医療スタッフなどキーワーカーの子どもと支援が必要な子ども達のために一部継続

ロックダウンも3回目だからステイホーム生活も慣れました――といいたいところですが、この冬のロックダウンはもの凄く辛い!

暗い、寒い、天気悪いーー3悪の時季に加え、変異種の猛攻撃によって運動のための外出もままならず…。週末の日課だったママ友とのウォーキングも一時中止。日暮れが早いため、仕事の後に散歩をと思っても、外はすでに薄暗いのです。

オンライン授業に切り替わったため、学校に行かなくても良くなって安堵したんですが…(なんせ1月初旬のロンドンは20~30人に一人の感染率だったので)。その反面、同僚や生徒達とも会えないし、学校近くの森の散歩もできません。散歩仲間とも会えなくなって、すごく淋しい…😢

    配達人のほか、訪問者はゼロ…。でも、先日ドアを開けたらお向かいのFluffyが。近所の人気猫なんですが、ロックダウンで遊んでくれる人がいない?

私が住んでいるのは、北ロンドンの郊外の小さな町。息子は大学のあるサリー州在住なので、一昨年の秋から夫婦二人きり。主人は在宅勤務ですが、忙しくて朝9時から夕方6時ころまで殆どオフィス(息子の部屋)から出てきません。

私は比較的時間があるので、家事のほとんどを担当する羽目に。

食料の買い出しは、混雑する土日を避けて月曜日の朝早めに行きます。通路が広い近所の大型スーパーは、この時間帯だと空いてるので。バスケット(日本より大型)に食料品を詰め込み、会計はセルフレジでカード払い。スーパーから一旦戻って玄関に荷物を置き、必要な時はご近所の八百屋さんや魚屋さん、ドラッグストアへ。

     運動のため、リュックを背負って歩いてます(;^_^A まるで戦時中みたい?! 昨日は道が凍結していて大変でした…

買い出しの後、買ってきたものをひとつずつ消毒するため、やたら時間がかかります。ドアノブや冷蔵庫などのハンドルも消毒し、使った布マスク(フィルター入)を洗って、干してと…結構忙しい。

寒いのでお昼も夕食も暖かい食事を作るので時間はかかるのですが、気分転換になっています。今は食事が一日のメインイベント?! この間、私の知らない内に主人がチョコを食べてしまい、喧嘩が勃発…なんだか次元が低くなってる…。

 

       急にお汁粉が食べたくなって、小豆缶で栗入りぜんざいを作りました。お気に入りのチョコも買いだめ

朝起きて、学校のサイトやニュースを確認して、仕事して、運動して、食べて、ゆっくりして(TVとPC)、入浴して、寝る…その繰り返し。

実は、不眠症で3日くらい全く眠れなくなってしまう時があるのですが、医者から睡眠薬(入眠剤)を処方してもらっています。眠れない時は薬を半分だけ飲んで、眠りのリズムを整えるのです。

眠れない時は、「どうして眠れないの?」から「またか、まあ薬があるから大丈夫」と気持ちを切り替えて。どうしても眠れない時は、観念して真夜中でも本を読むことにしています。通勤しなくてもいいから、寝不足でもまあ大丈夫と気持ちも楽。

日本も緊急事態宣言が出ていますが、何か楽しみを見つけ出して、辛い時をやり過ごしたいですね。

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