サンドウィッチの秘密の花園

今週の火曜日、イングランド南東部にあるケント州のサンドウィッチという町に行ってきました。この海辺の町に「秘密の花園(Secret Garden of Sandwich)」があると聞き、ずっと前から訪ねてみたいと思ってたんです。ケント州に住む友達にも会えたし、一石二鳥でした。

ところで、サンドイッチの語源は四代目のサンドウィッチ伯爵、ジョン・モンターギュにちなんだもの。トランプゲーム好きの伯爵が、ゲーム中に片手で食べられるようパンに具を挟んだものを作らせたのがその始り――だと思っていたら、実はこれは間違いでした。サンドイッチ状の食べ物は18世紀前からあって、当時は単に”bread and meat”や”bread and cheese”と呼ばれていたとか。よって、発明者はサンドウィッチ伯爵ではないのですが、この食べ物に彼の名がつけられたのは事実のようで、1760年代から1770年代にかけて一般にも普及したようです。

これが四代目サンドウィッチ伯爵。著名な政治家で海軍卿や国務大臣も務めており、多忙でカード賭博(?!)なんかする暇はなかったという説も。忙しくて食事を摂る暇がなく、サンドイッチを常用していたんでしょうか?彼は探検家ジェームス・クックを支援したことでも知られ、ハワイ諸島の旧名「サンドウィッチ諸島」と南大西洋のサウスサンドウィッチ諸島は、彼を記念して名付けられたそうです。ちなみに、サンドウィッチ伯爵は代々貴族議員を務めていて、現在の11代目伯爵も上院議員なんだとか。

ロンドンのセントパンクラス駅からサンドウィッチへは急行で1時間20分ほど。ここのところお天気が悪く、最高気温が20度前後の曇った日が続き、この日も曇り空。無人の駅で友達が待っててくれて、16世紀に建てられたギルドホールのある広場でランチを食べました。それから、中世の趣を残す田舎町をのんびり散策しつつ花園へ。

人口5000人ほどの小さな町ですが、チューダー様式の建物がそこかしこに残り、当時イギリスの主要港だった面影が忍ばれます。13世紀、イギリスに初めて象が運びこまれたのはこの港だったとか。石畳の狭い通りをけっこうなスピードで車が行き交うので、よそ見してるとちょっと危険。ストゥー川にヨットが停泊する風景は情緒たっぷりでした。町中からサンドウィッチ湾までは少し距離がありますが、世界的に有名なゴルフコースが2つあります。

秘密の花園の本名(?)はサリュテーション・ガーデン(The Salutation Garden http://www.the-salutation.com)。高い壁に囲まれた瀟洒な屋敷と3.7エーカーの広大な庭園は1912年にエドウィン・ラッチエンスによって設計され、近年復元・改良されたもの。赤煉瓦の邸宅は現在レストランとカフェを併設するブティックホテルになってます。

季節柄か植物が奔放に生い茂っているという感じで、伝統的なボーダーにワイルドな植物が混じってるのがユニーク。私達の前にいたグループの一人は、テッポウウリを勝手に触って中身を噴射させてました。

野草を想わせるような花も多く、天候のせいか何となくそこかしこに秋の気配。

一番奥には温室や菜園もあり、美味しそうなリンゴや野菜が実り始めていました。そんな中に赤紫蘇発見!今までガーデンセンターでも、ハーブガーデンや菜園でも見たことがなかったので大感激。入口付近で植物の販売もしていたので、もしかしたらあるかもと期待が膨らみました。

二重のコスモスですが、こんなのは初めて。

その後、この写真の一番奥に写っているベンチに座って久々のオシャベリを楽しみました。

メインの庭から屋敷を望むとこんな感じ。家屋敷の周囲は仕切られていて、「白黒の庭」など異なるテーマの複数の庭(部屋)を楽しめます。

ティータイムは園内のカフェではなく、来る途中で見つけたScrumalicious Cake Company(http://www.scrumaliciouscakecompany.co.uk)で。ほんのり酸っぱいルバーブケーキがめっちゃ美味でした!

お土産はこの£2(約280円)の赤紫蘇。すでに何度かサラダに入れて食べました。以前、青紫蘇の種を日本で購入し、毎年栽培してた時期があったのですが、種が古くなったためか発芽せず…だから嬉しいサプライズでした。

ジャコメッティ展と足元のアート

先々週、ハーフタームの中休みがあったので、友達とテートモダン美術館にアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966年)展を観に行ってきました。スイス生まれのジャコメッティは、20世紀を代表する彫刻家のひとり。針金のように細長い人物像は、ひと目見ただけで彼の作品と解る独創的な造形です。

 

 入口の壁に投射された展示会のロゴデザイン。右は以前撮影した常設展示の作品

ジャコメッティは1920年代半ばにパリにアトリエを構え、キュービズムやシュールレアリズムに傾倒した後、第二次世界大戦後の1950年頃から独自の作風を確立。ピカソやサルトルなど第一線の芸術家や作家らと交わりながら、どんどん人間の本質に迫るミニマルな方向へと向かったよう。

興味深いなと思ったのは、助手でもあった弟のディエゴや妻のアネットなど、限定された一握りのモデルだけを使って作品を作り続けたこと。会場では晩年の制作風景とインタビュー映像が流されていたんですが、「向き合えば向き合うほど、本質に迫れば迫るほどわからなくなる」というようなことを言っていて、すごく興味深かったです。厳選した身近な人だけを対象に、時間と労力を積み重ねながら深く迫る――彼は一体何を見て、何を求めていたんでしょう?

全然知らなかったのですが、1955年から仏国立科学研究センターの研究員だった哲学者、矢内原伊作をモデルにと所望し、何度も滞在費を負担してパリに招待していたんだそうですね。(後に、矢内原はジャコメッティの生活や芸術をつぶさに観察した『完本 ジャコメッティ手帖』を出版しています。機会があったら是非読んでみたいです)。

 

  どことなくコクトーに似た風貌?右写真の左側の人物が矢内原伊作氏。ジャコメッティと20歳以上も年が離れた妻、アネットと関係を持っていたそうですが、彼の何に惹かれてモデルにしたんでしょう?

お茶をして一息ついてから、ドイツ生まれの写真家、ウオルフガング・ティルマンズ展も覗いてきました。1968年生まれ、音楽誌などでもお馴染みの写真家ですが、日常の何でもないシーンを切り取っただけのように見えるのに、妙にインパクト大。展示方法や構成にも工夫が凝してあって、現役アーティストの持つ熱や想いが伝わってきました。

     

テートモダン美術館に行くときは、たいていセントポール寺院をぐるっと周って、2000年に建設されたミレニアムブリッジを渡ります。以前息子と橋を渡った際、「この足元にあるのもアートだよ」と言うんです。

    

     左はセントポール寺院を背にして、テートモダン美術館を望む風景。右はテートモダンから見たセントポール寺院

「えっ?」と思ってよく見たら、金属製の床に何やら小さな絵(?)が! よく見ると、人の名前やら国旗やら、シンボルマークやらが描かれているのです(息子は昔から人が気づかないような細かいことに目がいきます)。ガムを踏みつけて金属の凸凹部分を埋め、その上に彩色したのかな?

誰が創っているのか判りませんが、この小さなガムアートが橋の上に点々と続いているのです。常にひっきりなしに人が行き交うので、座り込んで絵を描くのは難しいはず--ということは、早朝とか夜間の静かな時間帯に制作してるんでしょうか?

 

そういえば、2年ほど前に家の近くの大通りの歩道で、似たようなミニチュアの絵を描いているホームレス?/ 大道芸人の人がいました。傍らに置かれた帽子に小銭を入れる見物人も。もしかしたら、そういう大道芸人がテートモダンを訪れた旅行者を相手に、名前や日時を描き込んでお小遣いをかせいでいるのかもしれませんね。

  

誰も気づかなかったら、踏みつけられて消えていくだけのガムアート。目前に広がる巨大な美術館の建物や橋から見えるロンドンの風景に気を取られがちですが、ちょっと目線を変えただけで、こんな風に違う風景が見えてくることもあるんですね。

 

バラの季節がめぐってきました

ここ3週間あまり、マンチェスターとロンドンのテロ事件で、イギリスは騒然としています。テロリスト達の年齢が20、30代と若く、しかも英国籍を持つ移民2世が多いこと、若者や女性をターゲットにしたことなど、考えると気が滅入るばかり…。気候も晴天が続いた後に急に寒くなり、夜間はまた冷え込むようになりました。

我が家は郊外にありますが、主人はロンドン中心地で働いているし、私達も地下鉄で気軽に街に出られる距離。たまたま今週末、イングランド北部に住む友達とテムズ河南岸の散歩を楽む予定だったのですが、雲行きが怪しくなってきました。今後はテロの恐怖と隣り合わせで暮らさなきゃならないのかなと思うと、本当に気が重いです。

それでも、人生は続いていく ”Life goes on” ですよね。

今年の5月はものすごく天気が良く、土曜日の森の中のウォーキングコースは緑が鮮やか。少し早めのバラの季節も到来しました。

   

白い野草が咲き誇る緑の散歩道。右は新しい校舎に行く途中で咲いていた白バラ

うちの庭のイングリッシュローズももう満開に近い感じです。一昨日の強風を伴う雨で随分散ってしまったのですが、もう次の蕾たちが待機中。残念ながらアーチの左側に植えていたClaire Austin が枯れてしまい、新しく植え替えたものの成長が悪いです…。このコーナーは陽当りが悪いためか、どの花もイマイチ。アケビの蔓だけが唯一めっちゃ元気に伸びまくっているので、もしかしたらアケビの根が原因かも(でも、バラのところまでは伸びてなかった…)。

   前庭の Mary Rose は今年も元気に咲いてくれました。でも、鉢植えにしているWinchester Cathedral は花のサイズが半分に…どうしたらいいものか…

どちらも同じ株から咲いたClaire Austin なのに、微妙に色味が違います

    ずっと植えっぱなしの植物も一斉に開花。2年前に植えた鉢植えのジャスミンはぐんぐん育って花までジャンボに。紫色のルビナスは昨年植えて、今年初めて花が咲きました

どんな時代でも季節はめぐり、花々は無言で咲いて私達の心を慰め、豊かにしてくれますよね。

 

 

イースター休暇

イギリスではイースター(復活祭)の祝日の前後に学校の春休みが2週間ほどあります。ちょっとややこしいのですが、イースターは「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」という決まりで、毎年日付が変わるんです。今年は4月16日で、先週の金曜日から月曜日までが4連休。ちょうど春休みの終わりと重なりました。

今年のイースターは、3年ぶりにバース南郊外の義妹夫婦宅に家族が集結。久しぶりに姪っ子と甥っ子に会ったらスラリと背が高くなっていて、特に足が長~い!残念ながら息子は私や父に似てしまい、ハーフなのに足が短くて可哀想…。ごめん!土曜日に着いて、その夜は子どもたちと一緒に巻きずし作りをしました。

イースター当日は、近くにあるナニー(Nunney)という村にイースターパレードを見に行くことに。実は、今回は義母が腰を痛めていて、あまり歩けない状態だったんです。でも、「なるべく近くに車を駐めれば、ほとんど歩かずに済むよ」と義弟。行ってみて、その言葉に納得--本当に小さな村なんです。

     ちょっと暗いですが、17世紀の馬車宿を改造したパブ/ホテルがある村の大通り(中)。パブの向かい側には中世の城の廃墟があります

運良く、大通りのパブ The George の駐車場に空きスペースをひとつ発見。そこからパレードが行われるという広場まで2分ほど歩くと、なにやらカラフルな帽子を被った人たちが集まっていました。広場の真ん中には、三角旗を飾り付けたトラクターと荷車が…。

川沿いにあるNunney村の広場

この村のイースターパレードというのは道を行進するのではなく、荷車の上にあがってイースター飾りを施したボンネット(帽子)を競い合うというもの。老若男女みんなそれぞれ個性的でしたが、今年はティーンの部の参加者はゼロ。「こんなの恥ずかしくてやってらんない」っていうお年頃なんですかね…。

  年齢別に荷車にあがってボンネットのできを競います。左は年少の部、右は5~7歳の部。

8~11歳の部では、ファッションショーよろしく荷台のうえでウォークも

 成人男性と女性の部。圧巻だったのは本物の花飾りとウサギをのせたこの方(中央)

イギリスらしくワンちゃんの部も!みんな凝ってる割にのんびりムード

パレードが終わった後は、川にプラスティックのアヒルを浮かべて順位を競うダックレース。残念ながら、私たちが着いた時にはアヒルは既に売り切れてました。

 川に浮かぶ500匹のアヒル。仲々流れないなと思ったら、ちゃんと流す係の人が

アヒルが橋の向こうに行ってしまうと、ダックレースの途中ですがここで解散という感じ。ぞろぞろ歩いてパブで喉を潤し、家路につきました。ランチの後、ダイニングテーブルの上は箱入りのイースターエッグ型のチョコレートの山。これでもかというほど食べましたが、全く食べきれず…。

夜はお決まりのローストディナー

イースターマンデー(復活祭の月曜日)のお楽しみは、ゆで卵に絵を描いてぶつけあう遊び。息子はもうとっくの昔に卒業しましたが、姪っ子と甥っ子は嬉しそうに興じてました。こうやって伝統が受け継がれていくんですね。

春の海

学校のイースターホリデーが始まった先週末、主人の友達の誕生会に呼ばれて、家族でブライトンまで行ってきました。過去3回ほど行ったことがあるのですが、いずれも結婚する前のこと。街のシンボルとして有名なパビリオン内を見学したことがなかったので、今度こそと楽しみにしてました。

ブライトンの象徴ともいえるロイヤル・パビリオン

運良く好天に恵まれ、そぞろ歩きにちょうどいいくらいの暖かさ。土曜日だったので、歩行者天国でマーケットも開かれてました。

可愛いらしいショップがたくさんあって寄りたかったのですが、男性陣は目もくれず…カフェを探してどんどん先に行ってしまうんです

お昼はイタリアンカフェでお得な3コースランチ。前菜のエビのカクテルはすごいボリュームでした。メインは久しぶりにカルボナーラのパスタを食べたのですが、こちらもたっぷりした量。

  エビのカクテルとスライスしたバナナに甘いトフィーと生クリームをたっぷり加えたバノフィーパイ(右)。1972年にイギリスで発明されたスィーツなんだとか

腹ごしらえした後、ロイヤル・パビリオンへ。元々は18世紀後半にまだ皇太子だったジョージ4世が建てた別荘だったそう。その後、海水浴が流行しブライトンの街はファッショナブルな保養地に発展。国王になったジョージ4世は、1815年に建築家ジョージ・ナッシュに依頼して、手狭になった別荘を現在のオリエンタル趣味の離宮へと大改装させました。

外観はインド・イスラム風ですが、内装はシノワズリ趣味で豪華絢爛。そこかしこに龍のモチーフがあしらわれ、これでもか(笑)というほど金襴の飾りが--当時の東洋に対する興味と憧れに満ちています。あと、召使たちが通る長い廊下が延々と続いているのが興味深かったです。

     天井が高くて明るいキッチン。蓮の花を模った巨大シャンデリアが見事な宴会室へと続きます

ヴィクトリア女王は狭くてプライバシーが守れないという理由で、1850年にこの離宮をブライトン市に売却しています。当時、殆どの家具はロンドンに移されたそうですが、後になってシャンデリアや壁紙などを戻したんだとか。第一次世界大戦時には、イギリス軍として戦い負傷したインド人兵士たちのための病院として利用。インド風の外観から親しみを感じてもらえると考えたそうなのですが、中は中国風でビックリだったかも…。

次はパビリオン内にあるブライトン博物館を見学。陶器、20世紀の家具調度、古代エジプト文明、パフォーミングアートなど、雑多なコレクションが。主人の友だちによると、昔は無料だったそう。

この後、観光客のメッカでもあるブライトンピアーへ。天気がいいので家族連れや若者でいっぱい。ピアーの一番先は遊園地になっていて、ジェットコースターやメリーゴーランドなども。こんなところに造り付けちゃって、安全面は大丈夫なのかな…。

 

ブライトンの海岸は砂浜でなく小石の浜です

  日暮れにホテルのカフェで少し休んで、徒歩で丘の上にある友達宅へ

翌日の朝は、まずサウスダウンズ・ヘリテージセンターに向かいました。展示とかは少なくて、巨大なガ―デンセンターとカフェという感じ。気候が良くなったのでガーデニングを始める人が多いのか、巨大な駐車場が結構いっぱい。

白い蔓バラのクレア・オースティンが枯れてしまったので、代りをゲット

お昼過ぎにブライトンマリーナで主人の友達家族と合流。白い絶壁に沿ってぶらぶら散歩し、先端近くにある小さなカフェでランチとおしゃべりを楽しみました。

その後、ブライトンの北側にあるエドワード王朝時代の屋敷、プレストンマナーに寄りました。閉館時間に近かったためか、ビジターは私たちだけ。他に誰もいなくて、規模も小さかったためか、誰かの家に招かれたような親密な雰囲気。当時の上流家族の暮らしが、肌で伝わってくるようでした。

 

メインの寝室の向こう側には、夜中でもすぐアテンドできるようメイド長の部屋がありました。他のメイド達の部屋は屋根裏に、バトラーを始めとする男性召使いの部屋は中地下にあったそう。地下室では、洗濯やアイロンかけ、靴の手入れ、食事の支度などが行われ、各室で用事がある時は、地下でベルが鳴るという仕組み。

家族の優雅な生活を支えるため、召使いたちが頑張ってたんでしょうね…。

春爛漫

久しぶりに近所のガーデンセンターに行って、「もうすぐ水仙が咲く!」と嬉しくなった先週の土曜日。でも、その翌日に地区で行われたウォーキングに参加したところ、陽当りのいい丘の上ではもう水仙が満開になっていました。

  

ハイゲートの森の入口。野生(?)のスノードロップが咲いてました

このウォーキングは、ヴィクトリア王朝時代から1950年代なかばまで存在していた鉄道の跡(Highgate駅からAlexandra Palace駅間)に沿って歩くというもの。リーダーの男性による説明の他、常連のメンバーによる詩の朗読も。ママ友たちとウォーキングが目的で参加したのですが、どちらかというと地区のスポットを巡るお散歩みたいな感じでした。

小高い丘になっているマズウエル・ヒル地区からはロンドン中心部が一望できます

これは桃の花? この上を列車が走っていたというアーチ

丘の上にあって陽当りのいいアレキサンドラ・パークではクロッカスと水仙が満開

   1875年に建てられAlly Pally(アリー・パリー)の愛称で親しまれるアレキサンドラ・パレスには、展示会場やスケートリンクがあります

公園ではスミレや名前不明の可愛い小花を発見

先週の木曜日が私の誕生日だったのですが、2月末生まれの友達と合同誕生祝いということで、テイトブリテン美術館に行ってきました。お目当てはデビッド・ホックニーの個展。

   私はホックニーの舞台美術が大好きなんですが、常に新たな挑戦をしてスタイルをどんどん変えているのがすごいです。個性的なフォルムと色彩の美しさが際立ってました

   先週ガーデンセンターで購入した水仙が咲きました! そして、昨年花が終わった後シェッドに置きっぱなしにしていたヒヤシンスの鉢から芽が出てました~!

芽吹きの季節

毎日あっという間に時間が過ぎて、もう3月に入ってしまいました。イギリスでは2月中旬あたりから空気に春の兆しが感じられ、家々の庭先に早春の花が咲き始めています。2月はじめにはスノードロップのベル型の白い花、それから黄色と紫のクロッカス。いつの間にか淡いピンクの梅や早咲きの桜も花を開き、水仙の硬いつぼみも大きく膨らんでいます。

近所のお宅の前庭に咲いていた梅とマンサクの花。我が家のバラの木にも芽がいっぱい

春の訪れとともに、嬉しい知らせが。昨年秋から不登校気味で1月は一度も学校に来なかった生徒さんが、新たにできた6フォーム(6th Form 16 ~18歳の子が通う2年制の学校)の校舎に通うことになったというのです。

今までは、小学4年生から高校3年生くらいまでの子どもが、同じ校舎で学んでいました。30名と生徒数は少ないんですが、普通の家を改造・増築した建物なので、教室の配置が入り組んでいて、階段も狭く、いつも込み合っていて、窮屈な感じが否めませんでした。

彼はまだ14歳なので、6フォームに通うべき年齢ではないんですが、本人と学校の話し合いで「そこだったら通う」と決めたそう。

同級生や下級生のことを「ガキばっかり」「騒がしい」と称していたので(笑)、年上の子と一緒の方が落ち着くんでしょうね。今度の校舎は広々としていて、スタッフと共同で使える広いキッチンも。給食がないため、生徒がめいめい自分でランチを作るんだとか。即席スープやカップラーメンからサンドイッチ、パスタの材料までいっぱい揃えてあります。ライフスキルを身に着けるのに最適ですね。

しばらく休んでいたし、本当に登校できるのかなと心配だったんですが、彼は先週からちゃんと学校に来始めました。やった! お母さんもほっとしてると思います。

私の授業も再開した訳ですが、しばらく会っていないのに、照れた様子など全くなし。まるで何事もなかったように、ほんとうに普通なんです。こういうところが、やっぱりASDならではなのかな…。(でも、興味のある話題だったら、嬉しさを分かち合えるASD児もちゃんといます)。

「この学校はどう?」

「まあ、悪くない」

「家で退屈してなかった?」

「ううん、すごくハッピーだったよ。また学校に来なきゃいけなくなっちゃったけど」

彼は表情をあまり変えません。というか、表に出す感情の幅がすごく狭い…。一見しただけだと、「つまらなさそう」に見えます。でも、ボディランゲージや言葉から、今度の校舎や人間関係が気に入っていること、不安な状態ではないことが伝わってきました。彼の「悪くない」は「気に入った」なんですね。まあ、「嫌」だったら断固として動かないはずなので。

他の生徒と一緒の大教室でも、落ち着いて勉強しているのを見て大感激。年齢が上の子達はワーワー騒いだりしないし、先生達も静かに話すし。前の校舎と比べると、静かでゆったりとした雰囲気が気に入っているんだろうなと思います。

「サンドイッチ用のトマトを切らせたら、とんでもない切り方だったわよ」と、作業療法士が苦笑しながら教えてくれました。きっと家でもやったことがなかったんでしょう。でも、スタッフ全員が彼の復帰を心から歓迎しているのが伝わってきます。

このまま、問題なく学校生活を楽しめますように。

そうそう、昨日やっと屋根裏の工事のために組んだ足場が撤去されたので、久しぶりに近所のガーデンセンターに行ってきました。

 

早春の球根花と色とりどりのプリムラ

もう咲く寸前の水仙と葉が出てきたチューリップ

クリスマスローズの種類も豊富

こんな日時計が欲しいけど、うちの狭い庭では無理。プランターやかご類も充実してます

窓辺に飾る水仙と勿忘草を買いました

 

明けましておめでとうございます。

新年、明けましておめでとうございます。あっという間に2017年ももう3日目。イギリスでは今日から学校も会社も通常運転です。といっても、私は木曜日から始動なので、まだまだノンビリしているのですが。

こちらでは大晦日のカウントダウンで盛り上がって、お正月はオマケみたいな感じ。新年を迎えたんだなあという感慨はあまりありません。でも、せっかくのお正月なので、我が家ではお雑煮と里芋の煮っころがしだけは作るようにしています。

   近所の大型スーパーでEddoesという里芋のそっくりさんを発見。調理してみたら、ちとヌメリが少ないんですがまさに里芋でした

クリスマス料理と比べると、随分質素でヘルシーですよね。主人の実家では毎日大量に料理して、みんなで食べまくるを繰り返していたので、ちょうどいいダイエットになるかも。でも、ついお菓子を食べちゃうからダメかな…。

    今年のクリスマスは七面鳥ではなくラムのもも肉のロースト。5人で半分も食べきれず、翌々日にカレー、残りはチャーハンの具に。最後の写真は恐るべき銀色のクリスマスプディングーー重くてめっちゃ甘かった

ずっと暖冬だったのに、クリスマスの翌日から冷え込んできました

昨年の29日夜に主人の実家からロンドンに戻ってきたんですが、息子は咳き込み私は顔がザラザラに…。工事の始めもそうだったけど、多分アレルギー症状ですよね。翌日、ブラシとビルダーのでっかい掃除機を勝手に使って大掃除。壁土の粉塵が山盛りで、ふと気づくとマスクが壁土色になってました。

大晦日の夜はなぜか黒澤明監督の『乱』を、元旦の夜は『レヴェナント:蘇りし者』を観ることになったんですが、とってもとってもヘビーでした。

元旦は森林公園ハムステッドヒースに散歩に行く予定だったものの、雨に降られてあえなく中止。ヘルシーな1年にしようと思っていたのに、最初からくじけてますね。(これではいかんと思い、今日友達と一緒に2時間くらい歩いてきました)。

散歩の代わりにTrivial Pursuitというゲームをしたんですが、あまり盛り上がらず…

2017年がみなさんにとって充実した年となりますように。

 

まったりクリスマスイヴ

昨日主人の実家に着き、まったり静かな時間を過ごしています。居間の水漏れも思ったほど酷くなく、家具や本を動かしたのは部屋の半分ほど。天井に穴を開けて、専用の乾燥機で24時間乾かしている状態なのですが、工事中の我が家と比べたら全然マシ。平和です。

イヴの朝の風景

偶然にも、義母もローリエの木をクリスマスツリーにしていました!(残念ながらiPadで写真の編集ができないので、お見せできません)。

居間はこんな感じです

一昨日、クリスマス休みに入った息子を誘って、久しぶりにテートブリテン美術館に行ってきました。目的は2016年のターナー賞の展示会。この賞はイギリスを拠点に活躍する50歳以下のアーティストを対象にしていて、現在のモダンアートの動向をうかがうことができます。

テムズ河南岸にあるテートブリテン美術館

入口のホールには、逆さまに飾られたクリスマスツリーが

今年のターナー賞候補に選ばれたのは女性3名、男性1名。賞を手にしたのは、ロンドン在住のアーティスト、ヘレン・マーテンさん(31歳)でした。

スクリーンプリントや彫刻に、何気ない日用品や毎日の暮らしの中で見つけた珍しいアイテム、ハンドメイドの手芸品やオブジェなどを組み合わせたインスタレーション作品は、どこか懐かしさが感じられました。

      最も話題をさらったのは、アンテア・ハミルトンさんのこの作品”Project for a Door”。

同じくアンテアさんによる、煉瓦のスーツと午後3時のロンドンの空

マイケル・ディーンさんの作品”The Work”。イギリスで大人2人と子ども2人が1年間暮らすのに最低必要な生活費は、20,436ポンド(約307万円)。この金額を全て1ペンス硬貨で作品に使い、最後に1ペンス(約1・5円)を取り除いたんだそう。4人家族の貧困の風景?

地下鉄までの帰り道は、ちょうど黄昏時でした。冬至を過ぎたばかりなので、これからは少しずつ日が長くなりますね。

テムズ河沿いの風景

ハンドメイドジュエリー店とパブのクリスマス飾り

明日のクリスマスは、世界中平和な1日となりますように。

明日はイヴですね

イギリスではクリスマスが1年最大のイベント。今年は12月24日から27日までがクリスマスの祭日です。日本でも忘年会シーズンだと思うのですが、イギリスでも12月はクリスマスディナーやパーティで盛りあがります。職場や所属するグループ、友人同士など、大規模なクリスマスイベントも多く、パブやレストランは大盛況。

私も先週学校のクリスマスパーティーに参加してきました。人気のパブでクリスマスディナー&ディスコ大会だったのですが、18ポンド(約2600円)の参加料で、3コースディナー+食前のシャンペン、そしてワイン(私は飲めないのでノンアルコール・カクテルを2杯)。食後にはコーヒーとミンスパイも付き、学校側がかなり負担してくれたよう。

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パブのクリスマス飾りとメインのラム肉&マッシュポテト

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帰りのバス停で見上げた空

でも、我が家は下の写真のような状態になっていて、クリスマスの雰囲気とはほど遠く…。外もスゴイですが、家の中(玄関から屋根裏への通り道)もスゴイんです。

  img_20161220_110340仕事を総括するプロジェクトマネージャーは人当たりがよくしっかりしてるんですが、実際に仕事を行うチームはまだ若いイギリス人のお兄さん達。これまで、キッチンの改装は熟練したイギリス人大工さん、部屋の増築はインド系チーム、庭はポーランド人の造園チームと様々だったんですが、若いイギリス人のチームは初めて。

冬季で日が短いためか、彼らは毎朝7時半くらいにやってきます。そして、なかなかよく働いているよう。が、ガサツというか、配慮に欠けてるというか…。大音量でラジオをかけて歌うし、どうも人の家という意識が抜けているような。

たとえば、「あっ、新品の階段が届いてる」と思って見たら、既に黒い足跡がいっぱい!通り道におかずに他の場所に置いておけばいいのに…。工事の始めにバスルームの天井が壊れかけ、古い漆喰が床にパラパラ落ちてくる状態。その上をそのまま歩くものだから、床は傷だらけ、バスタブの中には毎日土埃が。そして、洗面台は汚れ放題、タオルには毎日真っ黒な手の跡がクッキリ、シャワーカーテンも埃だらけ。

どういう訳か、全部家の中で作業をしてるんですよね…。屋根を取り壊して骨組みだけにした時点で、家中土埃や粉塵だらけになった訳ですが、その後片付けをしっかりしないまま、次の作業へと移るわけです。どうせ汚れてるから、最後に片付ければいいやということなのかな?まあ、一日の終りには一応業務用のでっかい掃除機をかけて帰るんですが…。

でも、真ん中の目立つところだけ掃除してるだけなんですよね…。床は常に粉塵だらけだから靴も汚れるし、手も真っ黒なので、新しく買ったものが取り付ける前にもう汚れてるという…悲しい。職人としての自覚はないのでしょうか?

私は彼らが帰った後、毎日マスクをかけて怒りながら掃除をしています。でないと、2階のバスルームは使えないという…。昨日は天井に漆喰を塗る作業をしていたようですが、最高に汚れてました!何故床がこんなになっちゃうのか?! 

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粉塵を吸い込みすぎたためか、ついにうちの掃除機が途中でダウン! 仕方ないので、途中から手動でやりました~。

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でもって、明日がクリスマスイヴなので、今日の午後主人の実家に行く予定です。あ~、やっと寛げる! と思っていたのですが、なんと先週2階のバスルームから水漏れして、リビングの天井が水浸しに…。現在、家具や書籍を全部移動して、大きなドライヤーで部屋を乾燥してる状態だそう。

でも、昨年増築したガーデンルームが使えるので、それほど悲観することはないかも…。

工事が始まって以来、週末に大量の洗濯をして除湿機で乾かさねばならず、今年はクリスマスツリーを飾るスペースがありません。でも、ツリーなしではあまりにも淋しいので、小さなローリエの鉢植で代用しています(今後、料理に使えるし)。

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それでは、みなさん素敵なクリスマスをお過ごしください。

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      一応、ドアにもクリスマスリースを飾りました