9月に入って息子の学校が始まると同時に、秋もどんどん深まってきました。夏休み最後の週末に主人の実家に行ってきたんですが、そこでなんとも不思議なものを見ることに…。
夕飯にスパニッシュオムレツを作ろうと、卵のパックを開けた時です。6つある中のひとつに目が釘付け――なんですか、この卵?!
表面がクレーターのようにデコボコ――まるで恐竜の卵みたい!よく見たら、もうひとつ表面がザラザラしてちょっと割れてるのも。今まで数えきれないほど卵料理を作ってきましたが、こんな卵を見たのは生まれて初めてでした。
これらはファームショップで購入した農家直売の Free range の卵です。多分、スーパーだったら規格外で棚に並ばないと思うのですが、直売だから農家の判断で普通にパック詰めしちゃったんでしょう。
それにしても、卵といえばつるんとした表面と滑らかな曲線が特徴なのに、これはあまりに違いすぎる…。森茉莉さんがエッセイ集『貧乏サヴァラン』の中で、卵の形を「《平和》という感じがする」と記述していて、その通りだなと思っていたんですが、この卵は平和というよりも不気味…。
聞くところによると、若い雌鶏の卵は少し細長かったり、いびつだったり、黄身が2つになる二黃卵になったりするんだそう。(昔、農家の庭先に「卵売ります」という看板を見つけ、そこで買った半ダースの卵が全て二黃卵でビックリ)。このデコボコ卵も新米の鶏が産んだ可能性が大きいですね。こういうのって、養鶏場ではよくあることなんでしょうか?
この春日本で出会った細長い卵
ちなみに、イギリスでは大きく分けて3種類の鶏卵を販売。卵を産ませる環境によって、値段や品質が異なります。安い順に、狭い檻の中に大量の鶏をつめこむ Battery-farmed、次に放し飼いにする Free-range、一番高いのは放し飼いで有機栽培の餌のみ与える Organic。サルモネラ菌が怖いので、生で食べても安心なのは有機卵だけ。
それから、こちらでは茶色の卵が普通で、白い卵は殆ど見かけません。かなり前に、有名な女性料理家、ディリア・スミスがTVの料理番組で白い卵を使って一躍話題になりました。
知人が誤って冷凍してしまった卵を、殻を割って解凍中の写真。ちゃんと元に戻って、普通に卵焼きができました
話を戻すと、このデコボコ卵はオムレツには使わず、その後どうなったのかは不明…。でも、夕飯の時にみんなに見せたら大受け。それぞれの反応が違っていて面白かったです。
「これを産むのは苦しかったに違いない」と、義母の思いは卵を産んだ鶏の方に。私は「こういう卵から、どんなヒヨコが生まれるの?」と、そっちの方に興味が(まあ無精卵なので無理ですが…)。男性陣はというと、「見たことない!珍しいね」で終わっていました。
ところで、中国では人造偽卵が出回っているという話…。先日、息子が教えてくれて、一緒に見た映像です。