SMIRAのパーティでカースティさんにお会いしました(その1)

何だかあっという間に時間が経ってしまいました。遅ればせながら、先月19日にレスターで行なわれたSMIRA(イギリスの場面緘黙支援グループ)の創設21周年パーティーのご報告です。ミスイングランドのカースティ・ヘイズルウッドさんとお母さんのケリーさんにお会いしてきました。

IMG_3336欧米では20歳ではなく、21歳の誕生日が成人になった日とされ、特別なお祝いをします。今年はSMIRAの創設21周年ということで、特別に記念パーティが開かれました。カースティさんは、ミスイングランドの任務の一環としてSMIRAの支援をすることになり、この日はゲストとして招待されていました。

出席者はSMIRA運営チーム、SMIRA委員会のメンバー、そして緘黙児と家族の方々。加えて、地方紙の記者と緘黙の小説を書きたいという作家の方も参加されてました。総勢35名くらいかな--かなりこじんまりした会だったので、みなさん和気藹々とおしゃべりに花を咲かせていました。

記念パーティといっても、教会のホールを借り、食べ物は自分たちで調達。準備も後片付けも全て自分たちで行なうという、いつも通りのスタイル(笑)。今年94歳になられた会長のアリスさんの生き方に通じるというか、シンプルで質実剛健ともいえるSMIRAのスタイルには、すごく好感が持てます。

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ちょっと遅れて会場に入った途端、ティアラとミスイングランドのサッシュをつけた長身のカースティさんが目に入り、おお~っと感動してしまいました。週中にSMIRA事務局のリンジーさんから、カースティさんの予定は不明と聞いていたので、参加しても1時間くらいのことかなと予想していたのです。そうしたら、皆さんが帰る頃まで残って、お見送りまでしてくれました。

お母さんのケリーさんと、ミスイングランド事務所のアンジーさんに挟まれてにこにこ微笑んでいるカースティさんは、本当に「いい娘さん」という言葉がぴったり(すっかり母親目線でスミマセン)。イギリス人女性には珍しく、どこか控えめな感じで、純粋で真っ直ぐな印象を受けました。もちろんすごい美人だけど、それを鼻にかけるような様子は全く見られず。誰にでも丁寧に対応し、話をしていると温かな人柄が伝わってくるようでした。

彼女が「場面緘黙」という言葉に出遭い、その症状について知ったのは、本当にごく最近だったそうです。きっかけは、2010年2月に放映されたBBCのTV番組”My Child Won’t Talk”を観たこと。現在24歳なので、21歳になるまで自分が場面緘黙だったことを知らなかった訳です。モデルにスカウトされた16歳頃、やっと緘黙から抜け出せたかなと感じ、本当に克服できたと思ったのは、昨年ミスハートフォードシャーに選ばれた時だったとか。

彼女はSMIRAの存在など知りませんでした。かつての自分と同じ緘黙の子どもと対面したのは、このパーティが初めてだったそう。ということは、場面緘黙の知識を全く持たないまま家族はカースティさんを支え続け、カースティさんは自力で一歩一歩緘黙を克服していったのです。(『ザ!世界仰天ニュース』では、クラスメートも学校も随分理解があるように描かれていましたが、実は事実と異なる部分も結構あるよう)

カースティさんから、かんもくネット宛にメッセージをいただいたのですが、緘黙に苦しむ子どもと保護者へのアドバイスは緘黙治療の真髄ともいえるもの。自ら不安と向き合い、できることから少しずつ克服し、経験値をあげて自信をつけていく--彼女は自分の経験から認知行動療法を体得していました。それによって自己評価を高め、様々なことに挑戦できるようになったのは、本当に素晴らしいことだと思います。

カースティさんからのメッセージは、緘黙に苦しむ日本の子どもと大人、そして保護者全員に宛てられたものだと思います。よかったらご覧になってくださいね。

カースティさんからのメッセージ

 

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        『ザ!世界仰天ニュース』(その2)

        『ザ!世界仰天ニュース』(その3)

P.S. 私はデジカメの使い方が良く解っておらず、今回は予め息子に頼んでオートフォーカスにしておいてもらったんです。が、何故かISO感度が最高値になっていて、めっちゃ粒子が粗くなってしまいました。下手にいじると余計に混乱するので、そのまま撮影して家族に見せたら、「サイテー」とコテンパンに言われて、がっくり…。かんもくネットに掲載されている写真は、ミスイングランドのアンジーさんにお借りしました(恥)。