声を出す練習を!

場面緘黙の人は、自分から話しかけるのが苦手です。でも、自分から言葉を発しないと、話す機会がかなり減ってしまいます。学校で話せない分、家で家族と話せているでしょうか?

中学生にもなると、親と話すのはかったるいかもしれません。干渉されたくない気持ちも強いでしょう。でも、兄弟姉妹とは気軽にオシャベリできていますか?学校外でもあまり話さないでいると、だんだん自分が話せないような気持になってしまいませんか?

私は緘黙ではありませんでしたが、ものすごい恥ずかしがり屋でした。特に、小学校の頃は授業中に発言するのが怖ろしく、緊張して声が小さくなりがちでした。先生に、「もう少し大きな声で」と言われると、余計恥ずかしくて、声がくぐもってしまうことも…。休み時間に親友と話している時は普通なのに、先生が近づいて来たりすると、途端に小声になったり。今思うと、意識しないうちに、身体が緊張してしまっていたのかな…。

緊張すると、音量の調整をするのが難しくなるような気がするんです。シャイな人にとって、適切な音量でハッキリ発音することって、結構難しいんじゃないでしょうか?私は大人になって随分面の皮が厚くなりましたが、まだたまに「えっ、聞こえない」と言われてアセルことも。

緘黙になる人は不安が強いため、あまり話さないでいると、人に話しかけるのが余計に怖くなる傾向があるよう。話しかけるタイミングとか、音量とか--自信がないので、うまくできないような気持ちに陥ってしまうのです。

少しずつ自信を回復するには、やはり実際に声を出して話す必要があると思います。家でも黙っていることが多い人は、なるべく意識して声を出してください。勉強してる時は声を出して暗記したり、教科書や本を音読したり、歌でもいいんです。

あと、声を出す練習に、携帯やPCの音声操作アプリが使えます。私が知ってるのは、iPhoneとiPadのSiriとOK Googleくらいですが、もっとありますよね?これらのアプリを操作するには、ハッキリものを言わなければなりません。自分が言った言葉が即座に文字化されるので、目で確認できます。特に、Siriは返事が返ってくるので、会話の練習にはちょうどいいのでは?なかなか面白い返事がかえってきたりして、結構楽しめます。 

アプリで話すことに慣れてきたら、次はあまり家の近くじゃない、気軽に入れるお店(コンビニ、本屋、ドラッグストア等)に行って、頑張って店員さんに話しかけてみましょう。「すみません」「○○はどこにありますか?」「ありがとう」という感じで。

これを何度か繰り返し、自信がついてきたら、もう少し長い質問をしてみたり、言葉を増やしてみてください。駅に行って観光地までの行き方を訊ねるとか、電化製品のお店で新しい製品について訊ねるとか、図書館で本を推薦してもらうとか。

知らない人に何かを訊ねるのは、知っている人より気楽だと思うのですが、人によってそれぞれです。まずは自分が一番楽な人・方法を探してみてください。(良かったら、サキ君のビデオを参照してくださいね https://www.youtube.com/watch?v=lA4-GSJxUac)。

今は誰もが携帯やPCを持ち、電話でオシャベリすることも減ってしまいました。でも、リアルで会話をすることは、本当に大切だと思います。

もちろん、SNSで友達などとメッセージのやり取りをすることも大切。コミュニケーションの手段を色々使いこなして、少しずつ緘黙を克服していけるといいですね。

 

癇癪が悪化-息子の緘黙・幼児期4~5歳(その1)

またまた記事の更新が遅れてしまいました。息子の緘黙記、やっと4歳に突入します。

イギリスでは5歳になる年から小学校が始まります。新学期は9月からなので、8月生まれの息子は学年でも一番若い早生まれちゃんのひとり。入学予定の小学校では、6月以降に生まれた子ども達を、9月ではなく翌年1月に入学させるいうシステムでした。そのため、幼稚園にもう1学期だけ行くことに。

ラッキーにも、4歳になった9月から週に2回延長保育してもらえることになりました。イギリスでは公立幼稚園の保育時間は1日2時間半。延長保育だと朝9時半から午後3時半まで預かってもらえるので、仕事で外出しなければならない時は大助かり。

園にいる時間が2倍になって、初めての給食も食べることになったのですが、割とすんなり順応できました。日本人の親友T君が一緒だったので、不安が少なかったと思います。また、夏休み中に、お弁当持参でT君、M君と一緒にサマープレイグループ(幼児を預けて、様々な活動を楽しませるもの)に参加できたのも、プラスになったかもしれません。

ただ、4歳を過ぎた頃から、家で癇癪を起こすことが多くなりました。夕飯前に遊んでいて切り上げるように促すと、嫌がって大泣きしたり、外出させようとするとものすごく抵抗したり――ささいなことで頻繁に腹を立てていたような…。何がそんなに嫌なのか、どうしてそんなに抵抗があるのか訳が解らず、私のほうが困惑して腹を立てることも多かったです。

これについては、「息子の緘黙・幼児期2~3歳(その1)」でも触れましたが、息子は行動や場面を切り替えるのがすごく苦手でした。自分のこだわりが強いとき――「こうしたい」「こうなるはず」と思い込んでいる時や、その時の状況が気に入っている場合は特に。

まあ、子どもだから当たり前といえばそうなんですが、癇癪が激しすぎ…。そして、癇癪をおこすのは、だいたい家にいる時や家族と一緒にいる時に限られていました。今思えば、幼稚園や友達の前では我慢していたのかな。あるいは、公の場でそんな大それたことはできなかったんでしょうね。幼稚園に長くいるようになって我慢することが増えて、それが家で爆発してたのかも…。

今でもハッキリ覚えているのですが、一度だけ園の前庭で大癇癪をおこして、周囲にいた子どもやママ達を驚かせたことがありました。園を出たところでミルクを飲もうとして、パックにストローを刺したら、曲がって入らなかったんです。見かねて代わりに刺してあげたら、いきなり大泣き!大人しいと思われてる息子がめっちゃ大声でわめいたので、皆さん目が点になってました(笑)。

後日、幼稚園で心理士の講演があり、癇癪について相談してみたら、次のようなアドバイスをしてくれました。

  1. 子どもは急に切り替えをするのが難しいので、事前に警告する
  2. 癇癪を起こしている間は何か言っても無駄。落ち着いてから、静かに話をする

大人でも何かに夢中になっている時、いきなり制止されたら頭にきますよね?だから、子どもが何かしてる時には、傍まで行って顔を見ながら「ご飯だから、もう少しで遊びはお終いね」と警告するといいそう。「あと1回ゲームしたら終りね」という風に、具体的に言ってあげると解りやすいですね。

また、泣き叫んでいる時に、なだめたり怒ったりしても、子どもは聞いてません。少し距離をおいたり、黙っている方が早く泣き止むそう。少し落ち着いたら、必ず声をかけて泣いた理由を訊いたり、子どもの行動が何故いけないかを話すといいようです。

切り替えが苦手なのは、新しい場所や行動に対する不安もあったと思います。ただ、実際にその状況に遭遇すると、割と平気なんですよね。「こうなったらどうしよう」と考えすぎてものすごく不安になるものの、イザやってみたら「な~んだ」と安心するパターンが多かったような。

心配性というか、想像しすぎというか――子どもなのに取り越し苦労が多い…。なんかとっても損な性格だなと思うのですが、考えてみると息子ほどではないにせよ、私もその傾向が強かったです。

子どもが癇癪をおこすと大人は困りますが、自分でどんな風にコントロールしていくのかを、学んでいく過程でもありますよね。うまく援助してあげられるといいですが、なかなか難しいです。

 

 

北欧の夏休みーストックホルム編(その4)

ロンドンはもうすっかり秋の気候ですが、北欧の夏休みの続きをハイライトで。

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現国王一家の住居、ドロットニングホルム宮殿(Drottningholms slott)はストックホルムの西側、メーラレン湖の畔にあります。フェリーでも行けるんですが、友達が車を出してくれることになり、この日は庭園でピクニック。城内の見学は有料なものの、バロック庭園を含む広大な庭は無料で一般公開しています。今回の北欧の旅で感心したのは、観光スポットも公共交通機関も、大体18歳まで子ども料金が使えるところ。子どもの教育のためと思うのですが、随分助かりました。

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    左は宮殿内のチャペル。「北欧のベルサイユ」と呼ばれているそうですが、コペンハーゲンのフレデリクスボー城と比べるとごくシンプル

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窓の向こうはメーラレン湖

フォーマルなバロックガーデンを超え、小さな丘の上に敷物を広げてさあピクニック。友達は何やら重そうなリュックを持ち歩いていたのですが、中から大きなメロンと30cmくらいあるナイフ、コーヒーポット、ミルクのパック、スモモなどが出てくる出てくる..。イギリス人も同じですが、重くて嵩張るのをものともせず、家で使ってるのをそのまま持ってくるんです。大らかというか、あまり気にしないというか…。ちなみに、イギリスでは化粧品やら歯磨きやらの旅行用ミニサイズが登場したのは、ここ10年位のことなんです。

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6羽ほど子どもを連れた白鳥カップルに遭遇

庭園内には中国風の離宮があって、ちょうど時間が合ったのでガイドツアーに参加。アドルフ・フレドリク王が、1753年に妃の33歳の誕生日のサプライズとして建てたんだそう(当初は木造、後に石造りに)。こんなに大きな建物を長期間隠しておけるって、いかに庭が広いかが解りますね 。2階はプライベートな空間になっていて、窮屈なコルセットもクリノリンも着けずに寛げる空間だったとか。1階で食事をセットし、舞台装置のごとくテーブルごと2階に吊り上げていたそうです。

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シノワズリ趣味の離宮の壁紙が素敵でした

市内に戻る途中、夏季しか営業しないという人気のオーガニックアイスクリーム店に立ち寄りました。なんの変哲もない田舎の町並みに、いつも長蛇の列ができるとのこと。

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ヘーゼルナッツとブルーベリーのダブル。濃厚な味でとっても美味

私たちが滞在したソーダマルム島の東側にある写真博物館は、私設のためか何と午前1時までオープン!併設しているレストランの閉店時間に合わせたのかな?メインの展示会はイギリスの写真家、ニック・ブランドの”INHERIT THE DUST”。埃っぽいアフリカの都市部や開発中の荒れ地に、かつてそこに生息していた野生動物の巨大パネルをセットした白黒写真がパワフルでした。ミュージシャン、ブライアンアダムスが撮影したセレブの友人たちのポートレート写真も印象的。

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  夕食は伝統的なスウェーデン料理店で。やっぱり量が多い

モダンアートが好きな方には、シェップスホルメン(Skeppsholmen) 島にある現代美術館もお勧め。数は多くないですが、印象派からダダイズム、アバンギャルドまで20世紀のアートを無料で鑑賞できます。

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小さめのフェリーで出発

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庭にあったピカソの彫刻

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マン・レイとデュシャン(レプリカ)などダダが充実。ムンクもありました

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    中庭のカフェはシナモンロールなどケーキ類が豊富。主人が注文した海老のオープンサンドはとんでもない量でした~

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スウェーデンの嫌われもの、カナダ系ガチョウ。可愛いと思うんだけど…

最後の日に出かけたのは、ノーベル賞の記念晩餐会が開かれるストックホルム市庁舎。毎日河(というかメーラレン湖でした)のこちら側から見ていたので、やっぱり行くべきかなと。朝ボートでガイドツアーのチケットを予約しに行き、ホテルに戻ってパッキングを終えてから、家族全員で出かけました。
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   晩餐会が開かれる青の間。壁につけた星のレリーフを見ながら降りると、姿勢よく見えるんだとか

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              天井の梁と壁の模様が特徴的な市議会場

 

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    晩餐会のダンス会場となる2階の黄金の間は、金箔のモザイクの壁が眩しい!右の食器類は晩餐会で使われるもの

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   おまけ。ストックホルムのアロットメント(市民農園)。イギリスでは野菜や果物畑が中心なのに対し、スウェーデンでは寛ぐための小屋に力を入れているような…

これで、北欧の夏休み紀行はおしまいです。長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

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北欧の夏休みーストックホルム編(その3)

 

北欧の夏休みーストックホルム編(その3)

ふと気づけば既にもう9月。イギリスでは8月末には夏らしい気候が戻ってきましたが、昨日から急に気温が下がり、今日は午後に入ってから雨が降り始めました。夏休みもすっかり終わってしまいましたが、今しばしお付き合い下さい。

ボートで島めぐり

市内からストックホルム群島を巡るボートツアーは地元民にも人気。私たちは、フェリーで一番近いFjäderholmarna島(なんと読むのか不明)へ行ってきました。複数のレストラン、ガラスや陶芸などの工房、手作りチョコのショップ、地ビール醸造所やパブ、小舟の展示館などがあって、30分もあれば一周できる大きさ。夏は海水浴を楽しむ人も多いそう。

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   島行きのフェリー。ガムラ スタン(Gamla Stan旧市街)の船着場から25分ほど

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昔の漁民の生活が忍ばれて

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船の形をした滑り台

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       趣のある可愛らしい工房が7、8軒並んでいます。動物の編みぐるみや、洋服、絵なども販売

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     お土産に購入した 小皿は少々 難ありで60クローネ(約 800円)。きざぎざ部分でニンニクをおろし、オリーブオイルと香草を混ぜてパンのソースに

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海に面したレストランでランチ

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息子はサーモン、私たち夫婦と友達はサバのサラダを堪能

夕方、ソーダマルム島の南のÅrstaにある友達のアパートへ。郊外の田園都市というか、緑豊かな公園の中に小さなアパート群が点在している感じ。かつて王家の果樹園だった土地で、近くには森や池がある自然保護地区なんだとか。今年は、森の野生のブルーベリーが豊作だと言ってました。

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    どことなくIKEAを連想させる居間と愛猫のコスモス君

スウェーデンでは何かお祝いごとがある時は、ニシンの酢漬けの前菜にミートボールというメニューが定番だそう。前菜にニシンの酢漬け3種類、メインはミートボールと茹でたジャガイモ、デザートは息子くんが作ってくれたブルーベリーパイをご馳走になりました。

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お肉が柔らかくて美味しかったです

翌日、友達が「しまった~、今ザリガニ解禁の季節だから、ザリガニ料理にすればよかった!」と…。レストランで注文すると5、6000円するので、近くで見つけたスーパーのデリでサラダと一緒に購入。イギリスでもよく見かける食材ですが、海老とはまた違った味わいがあって大好きです。

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北欧の夏休みーストックホルム編 (その2)

ボートで島めぐり

スウェーデンの首都ストックホルムは、14の半島や小島で構成されています。市の面積の30%が運河、30%が公園や緑地なんだそう。主な半島は橋で繋がっていて、バス代わりにひょいとボートに乗れば、お隣の小島まで約10分という手軽さ。

一番印象に残った島は、かつて王家の別荘地だったというユールゴーデン島(Djurgården)。ここには遊園地やスカンセン野外博物館など主要博物館が林立してるんですが、私達が向かったのは森の奥にあるローゼンダールガーデン(Rosendals Trädgård)。私の花好きを知っている友達が、「この庭とカフェは絶対行くべし」と教えてくれたのです。

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私たちはボートを使いましたが、トラムでも行けます

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森の入口

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ワイヤーで書かれた文字は何て書いてあるのかな?

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5000平方メートルの庭園内に、花畑や果樹園、菜園などが広がります。

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  自分で花を摘めるPYOガーデンは、100gにつき36クローナ(約440円)という値段。友達のウエディングブーケを作っていた女性に写真を撮らせてもらいました

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温室の中にカフェあって、温室内外にテーブルが並んでいます

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      採れたてのオーガニック野菜のサラダなど、日替わりのランチは3種類。焼きたてのケーキも美味しかったです(でも、量が多い!)

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   カフェのお隣のガーデンショップPLANTPODにはセンスのいいガーデングッズや雑貨がいっぱい

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    果樹園では真っ赤なリンゴがたわわに実って。主人は落ちてるのを勝手に食べてました。ピクニック用のベンチも並べてあります

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    庭園を後に、1時間ほどお散歩がてら北側のDjurgårdsbrunn にあるテレビ塔へ。途中こんな可愛らしい家を発見

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IMG_8114   テレビ塔から見たストックホルム市の展望。夜フィンランド行きのフェリーに乗船すると、翌朝到着するんだそう

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北欧の夏休みーストックホルム編(その1)

 

 

北欧の夏休み-ストックホルム編(その1)

旅行3日目は特急列車を使ってコペンハーゲン空港からストックホルムへ。朝、空港へ向かう電車が途中で15分も停止し、焦りまくり…。そして、空港の売店でミネラルウォーターを買おうとしたら、硬貨は使えないといわれ…なぜ、何故??

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とにかく、何とか間に合ってスウェーデンで3番めに大きい都市、マルメ行きの列車に乗り込むことができました。ここで乗り換えた特急の車内は、座席の手すりやテーブルが木製。4人向き合うタイプの座席にはコンパクトな木製の延長テーブルが。シンプルで機能的、かつ温かみのあるデザインは北欧ならではです。

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   車中からノルウェイの森ではなく、スウェーデンの森

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  マルモの駅で買ったお昼ごはん。サンドイッチのサイズも具の量も半端ない…。

ストックホルム中央駅まで友達が車で迎えに来てくれたのですが、もうすぐ13歳になる息子さんの身長が180cm位まで伸びててビックリ!3年前会った時はまだ小っちゃかったのに、子どもの成長は早いですね。北欧の建物は天井も鴨居も高いんですが、それでも「2mまでは伸びないよう祈ってるの」とのことでした。

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「北欧のベニス」とも言われるストックホルムは、水に囲まれた島群といった印象。バルト海は内海なので津波の心配も全くなく、気候も夏はイギリスと変わらない感じでした。夜になってもそれほど冷え込んだりしません。

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まずは、ホテルで荷物をおろすために、ソーダマルム島(Södermalm)へ。今回選んだホテルは岸辺に停泊している船。ハイシーズンなのでホテル代が高く、どうぜ狭い部屋なら記念に船内に泊まってみることにしたんです。対岸にあるクングスホルメン島への船着場がすぐ傍にあって、とっても便利でした。

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    レセプションで「部屋が狭いから、上階のレストランを気軽に使って」と言われてちょっと不安…でも閉所恐怖症になりそうな狭さではなかったです

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ホテルの朝食の写真もついでに

ホテルからガムラスタン(Gamla Stan 旧市街)までは歩いてすぐ。友達母子の説明を聞きながら、古い石畳の路地をブラブラお散歩しました。

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     中央の緑のボックスはかつての公衆電話。右はストックホルムで一番狭い路地ですが、落書が…

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王様の公邸、ストックホルム宮殿。近衛兵の青いユニフォームが素敵

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     聖ジョージとドラゴン像。街の中心にあるストールトルゲット広場は、1520年に多くの貴族が虐殺された「ストックホルム血浴」の舞台だったとか

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     紅茶専門店で久々のアイス・フルーツティーを楽しみました

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夕暮れ時になるとホテルのレストランに灯りが

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対岸にあるクングスホルメン島の風景

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暗くなってくると、レストランの電飾がより華やか

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北欧の夏休み-コペンハーゲン編(その2)

 

北欧の夏休み―コペンハーゲン編(その2)

コペンハーゲン2日目は、スウェーデン人の友達が「絶対行くべき」と勧めてくれた、ルイジアナ近代美術館(https://en.louisiana.dk/visit-louisiana)へ。都心部を通り抜けて電車で北へ40分ほど。Humlebæk駅で降りると大勢の人が同じ方向にゾロゾロ歩いていて、道に迷う心配は全くありませんでした。

12分ほど歩いて「やっとついた~!」と思ったら、門の外まで長蛇の列が…。でも、コペンハーゲンカード(公共交通機関乗り放題&主要観光スポットが無料)を買っておいたお陰で、並ばなくてすみました。

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    海辺の丘に建つ個人の邸宅を改造・増築したという美術館。正面から見ると小さそうですが、回廊が延々と繋がっていてすごく広いんです

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        草間彌生のインスタレーション『Gleaming Lights of the Souls』。一度に4人しか入れないため列ができていました

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     目の前に海がキラキラ光っていて、芝生の上でのんびりする人もいっぱい。複数のドアから簡単に外に出られるようにデザインされています

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     海が見えるレストランのビュッフェランチは129DKK(約2000円)でお代わりもOK。海老のカクテルと野菜が美味でした

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ポップアートの作品も充実

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ピカソのコレクションもありました

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彫刻の庭にあったミロの作品。右は湖へと下っていく小径

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戸外の自然と融け合うような建築デザインが印象的

次の予定が迫っていたため全部周ることができず、途中で切り上げて駅へ。雨に降られながらも、電車とバスを乗り継いでなんとかフレデリクスボー城(http://www.dnm.dk/UK/Frederiksborg_Castle.htm)に到着できました。17世紀初頭に建てられた王宮は、現在国立歴史博物館になっています。

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 パラス湖に浮かぶ小島に建てられた、北欧最大のルネサンス様式の宮殿

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荘厳な「勲位のチャペル」は地元の教会として使われているとか

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     豪華絢爛だったのですが、宮殿内の見学時間が1時間しかなくて、ほとんど早歩き…。右の大ホールが圧巻

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広~い部屋の真ん中に豪華な天蓋付きベッド。こんなところで一人で眠るのは緊張しそう…

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      上は宮殿内から見たバロック様式のフォーマルガーデン。庭は公園になっていて誰でも自由に入れます

この後、電車で市内に戻って、前日ボートから見たペーパーアイランドでストリートフードの夕食を楽しむ予定でした。が、遠出して家族全員が疲れてしまい、地下鉄ノアポート駅近くの屋内マーケット”Torvehallerne KBH”で食料を買い込んで、ホテルに戻ることに…ああ、残念。

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        2011年にオープンしたコペンハーゲンのグルメスポット。地下道の壁には食をテーマにした写真が

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      パンとスイーツ、チーズ、サラダ、惣菜から新鮮な花、果物、野菜まで何でも揃うマーケット。見ているだけでも楽しい

ホステルに戻って、買い込んできたパンやチーズ、完熟トマトとシーザーサラダ、苺とブルーベリーでピクニック風の夕食。イギリスだとホテルには必ずケトルが常備されているので紅茶のパックを持参したのですが、北欧はそういう風習はないよう…。ロビーのドリンク販売機まで行くガッツもなく、早々とシャワーを浴びて就寝したのでした。

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北欧の夏休み-コペンハーゲン編(その1)

北欧の夏休み ― コペンハーゲン編(その1)

今年の夏休みの家族旅行は、かねてから希望していた北欧に行ってきました。私が初めてロンドンに来た時、ホステルで3日間だけスウェーデン人の女の子と部屋をシェアしたんです。それ以来20年以上も交友があり、彼女がロンドンに来た際に何度か再会。会う度に「ストックホルムにも来て」と誘われてました。

それで「今年こそ北欧へ!」と思いたった訳ですが、とにかく物価が高そうなのが心配の種。彼女から「ノルウェーは物価が高くて、フィンランドは食事がマズイ」ときかされ、憧れていたフィヨルドの旅とムーミンランド行きは即却下(笑)。

結局、消却法でコペンハーゲンに2日間、そこから特急列車でストックホルムに移動して6日間を過ごす計画を立てました。5月に決めて飛行機のチケットとホテルを予約したんですが、航空運賃はなんと3人で往復4万円ちょっと!(今円高なのも影響してますが)

ご存知のように、6月にEU離脱が決まった途端、英ポンドが下落!その前に予約しておいて、大正解でした。でも、旅行中は為替レートが悪かったので、どっこいどっこいかな。世の中、いつどうなるか分からないものですね…。

北欧の夏は日が長いことを想定し、午後2時過に着く便でゆっくり出発。空港で48時間使えるコペンハーゲンカードを購入し、まずはホステルへ(似たような価格の他のホテルに比べると間取りが断然広いという理由で、空港に近い市街のホステルを選びました。ロンドンも宿泊費が高いけど、北欧も相当です…)。

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空港のカートがおしゃれ。自動運転の地下鉄は車内が広くてゆったり

荷物をおいてちょっと休憩した後、地下鉄で5駅くらいの中心部へ。月曜日だったので博物館などは休館のところが多く、お城などの観光名所もだいたい5時で終わり。まず、クルーズボートに乗って運河からざっと観光することにしました。

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      運河のクルーズツアー発着所を探して街中をウロウロ。右側は現在国会議事堂になっているクリスチャンスボー城。時間切れで行けず…

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やっとボートに乗り込み出発。尖った塔は証券取引所

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ちょっと剽軽なガイドさんが英語とフランス語で解説

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デンマーク建築センター。行きたかった~

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倉庫街ペーパーアイランドにある人気のフードコート

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カステレット要塞付近には軍艦も

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有名な人魚姫の像

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中央はフレデリック教会のドーム

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個人所有の豪華なボートやヨットがいっぱい

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      螺旋階段で塔のてっぺんまで登れるという救世主教会を通りすぎ、最後の橋の下をギリギリ通り抜け、拍手喝采でツアーは終了

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次は、アンデルセン像を探してチボリガーデン付近をウロウロ

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   8時まで開いてたアンデルセン童話館に入るも、「子供だまし」と家族に大不評

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さすがに9時近くになると夕が暮れ始めます

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    北欧最大の会議場Bella Centreに隣接する、めっちゃ奇抜な建築が売りのベラ・スカイホテル。私たちが泊まったホステルはその向かい側。他はな~んにもない辺鄙なところでした(笑)

3人付き合い - 息子の緘黙・幼児期3~4歳(その7)

昨年秋から途切れていた、息子の緘黙記録の続きです。

時間の経過とともに、T君とM君は園の内外でかなり地が出てきました。T君は一見おとなしそうですが、しっかり自己主張するタイプ。活発なM君は体を動かす遊びが大好きなイタズラっ子。息子はというと、自我はとても強いのに1対1でもなかなか自己主張できず、相手に合わせるという感じでした。

例えば、T君がうちに遊びに来ると、真っ先に自分の好きなオモチャを取ります。それらは息子のお気に入りのことが多く、本当は先に自分が遊びたいんです。が、「次は僕」と言えないまま、ずーっと譲りっぱなし(諦めっぱなし)なのでした。

また、T君宅に遊びに行くとなぜか萎縮してしまい、なかなかオモチャに手が出ません。T君は自分のお気に入りは「これはダメ!」と釘を刺すので、違うものにソロソロと手を伸ばすという具合…見かねたT君のママが、「貸してあげなさい」と気を利かせてくれることも多かったです。

(入園以前に仲良しだった日本人の友達はひとつ年上。今考えてみると、精神的にもすごくお兄ちゃんだったなと思います。この子と2人で遊ぶときは、全く萎縮することなどなどなかったんですが…)

台湾人のM君宅に行く時は、だいたいT君もいっしょ。家の中でも外でも活発な遊びが中心なのですが、息子は躊躇するので、なかなか順番が周って来ないことも…。庭にビニールプールを出した際、M君がふざけて周囲にバシャバシャ水をかけるので、息子だけプールに入らなかったこともありました。

公園の遊具では普通に遊ぶものの、木製の汽車の屋根に登って飛び降りるというような新しい遊びが出てくると、最初は見ているだけ。そのうち、ゆっくり登って慎重に地面に降りるという感じで、怖がりの性格が反映されてました。

我が物顔で自由にふるまう幼児が多い中、なんでうちの子は友達に遠慮するのかな?と当時とても不思議に思ったこと、そんな息子にフラストレーションを感じたことを今でもよく覚えています。でも、これって抑制的な気質のせいだったんですよね…。

「3人集まれば社会の始まり」といいますが、1対1の場合と3人の場合では、人間関係の複雑さやダイナミズムが随分違ってきます。自分と相手だけだったのが、そこにもう1人加わることで、第三者のことも考えて行動しなければなりません。

息子は1対1のコミュニケーションは取れてましたが、そこに誰か加わると萎縮してしまう傾向がありました。多分、自分の立ち位置というか、どう振る舞えばいいのか分からなかったんでしょうね。

また、息子は状況を変えることがとても苦手でした。自宅で楽しく遊んでいるのに、どこか違う場所に行かなければならないような場合は特に。でも、行ってしまえば、割りと平気なことが多かったです。ある時、息子とグラニーが仲良く話しているところに私が加わろうとしたら、息子の態度が急変。「マミーあっちに行って!」と睨まれた時は、ショックでした~。

蛇足ですが、私自身も小さい頃から仲の良い友達と1対1で、深くべったり付き合うタイプでした。保育園の時の親友とは家が近く、近所の子たちと集団で遊ぶ時も、2人でくっついてました。小2まで同じクラスで、その後もしばらくは一緒に登下校し放課後もお互いの家で遊んでたんです。そんな風だったので、複数での友達関係を学び始めたのは、小4になる頃だったような…。どう行動すればいいのか、やっぱり戸惑うことが多かったように記憶しています。

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息子の緘黙・幼児期3~4歳(その1)

息子の緘黙・幼児期3~4歳(その2)

息子の緘黙・幼児期3~4歳(その3)

息子の緘黙・幼児期3~4歳(その4)

息子の緘黙・幼児期3~4歳(その5)

息子の緘黙・幼児期3~4際(その6)

 

今できることは、今やっておこう

家族で8日間ほど北欧を旅行していて、またまた更新が遅れてしまいました。ストックホルムからロンドン行きの便が遅れ、火曜日の午前0時半頃にやっと自宅に帰りついて、即ベッドへ。翌日からいつもの日常生活に戻ったと思っていたら、突然の訃報が舞い込んできました。

ここ2年ほど、お誕生日のサマーガーデンパーティーに招待してくださった年上の友人が、病気で急逝されたとのこと…。

あまりに突然だったので、一瞬何のことか理解できず…。その時一緒にいた友達にも心配をかけてしまいました。旅先で倒れられて入院され、手術のかいもなく亡くなられたそうです。

 昨日、お葬式と自宅でのお別れ会に行ってきました。昨年の誕生パーティーの時のように、空は青く澄み渡り、雲ひとつない快晴。明るいチャペルに彼女の好きだったプッチーニの曲が響き渡り、とても温かで親密な雰囲気の中で、式がとり行われました。

お棺の上には白と黄色のバラの花。いつも朗らかで明るく、とてもチャーミングだった彼女にふさわしいアレンジでした。イギリス国内だけでなく、日本やヨーロッパから駆けつけた参列者もいて、人との繋がりを大切にしていた彼女の温かな人柄が忍ばれました。

でも、直接お顔を見てお別れした訳ではないので、なんだか白昼夢をみているよう…。

 彼女が大事にしていたお庭で行われたお別れ会は、いつものホステス役がいなくて、ぽっかり空洞が空いたみたいな感じでした…。キッチンで料理の腕を振るい、にこやかに庭に運んでくる姿がどこにもない。手伝いの指示をだしたり、賑やかに話題を振りまいてくれる人がもういない。

 庭のテーブルに並べられた外注の料理や使い捨ての紙皿を見て、いかに彼女が心をこめて料理を作り、細やかな心遣いで盛り付けや食器選びをしていたか、思い知らされたような気がしました。もうあんな風に、彼女の手料理がここに並ぶことは二度とない--ご自慢の菜園も雑草におおわれ、主人不在の大きさを物語っているかのようで…。

 どうしてもっと頻繁に連絡しなかったのか、悔やんでも悔やみきれず。いつもあると思っている当たり前の日常の脆さ、危うさを思い知った気がしています。当然と思っていたらいけないんですね

突然病に冒され、不安に陥れられたご本人のショックや思い、そしてご家族の悲しみはどれほどのものか…。彼女のご冥福を心からお祈りしたいです。

これからでも遅くない。今できることは、できるだけ今やっておこう。後回しにするのは、極力やめようと自分に言い聞かせています。