日本男児と台湾男児現る! - 息子の緘黙・幼児期3~4歳(その6)

 

その後息子は、ミニカー好きのS君とだんだん親しくなっていき、彼のママも時々私に声をかけてくれるようになりました。日本語を話せる研修生は2週間ほどしかいませんでしたが、英語環境にも慣れてきたよう。もう付き添いは全くいらないかなと思い始めた矢先、予期せぬ出来事が起こりました。

ある朝、息子のお絵描きを見守っていた時のことです。私たちの近くに初めて見る東洋人の母子がやってきました。「あれ、日本人?」と思って挨拶をすると、「渡英したばかりです。どうぞよろしく」と、若くておしゃれなママさん。

「あ~、やっと日本人の子に巡り会えた~!」と嬉しかったのですが、お子さんはツヤツヤの黒髪が日本人形みたいに可愛らしい女の子。内心がっかりしていると、「男の子です。Tといいます」と言われ、もうビック!。え~っ、可愛すぎる。

同じ日本人のよしみか、息子とT君はすぐ打ち解けた雰囲気に。それまで教室で小さくなっていたのが、緊張が溶けて少しリラックスしてきたように見えました。当時は「園生活に慣れて仲良しもできたから」と思っていたのですが、今考えるとやはり言葉の問題が絡んでますよね…。

もともと、この幼稚園を希望した理由のひとつは、駐在員のお子さんが複数人いると聞いていたからでした。日本人もいる幼稚園だったら、英語環境の中で日本語もキープできて一石二鳥と思ったのです。でも、蓋を開けてみるとクラスに日本人はおらず、なかなか馴染めず――やっとのことで英語だけの環境に慣れてきたところだったので、少々複雑な心境でした。

T君は息子と同じでちょっと繊細な感じの子。それに加え、何といっても異国での初めての幼稚園生活です。最初はやはりママがいないと不安そうでした。でも、息子と双子のようにくっついて行動しているためか、慣れるのは随分早かったように思います。母親同士も親しくなり、1週間くらいして「もう付き添いはいいよね」と話していた時、またまた新人君が!

今度は台湾人の男の子M君。T君と同じで、M君も全く英語ができず――しかも、3歳になったばかりでした。活発な感じでしたがママから離れられず、まだ赤ちゃんの妹を抱っこしたママはつきっきりで辛そう…。同じアジア人だし、新人さん友の会ということで、声をかけてM君も息子たちと一緒に遊ばせました。

それからすぐ、私はT君のママと一緒にとうとう付き添いを卒業。教室の前で子どもとバイバイして帰宅できるようになり、近くのカフェでお茶を飲む余裕もできました~。M君ママも誘って幼稚園の帰りに一緒に出かけたり、お互いの家を行き来したりと、やっと園生活をエンジョイできるようになったのでした。

蛇足ですが、M君のママが2週間ほど赤ちゃん連れで付き添いをしていたところ、保育士さんに「お母さん、もう帰ってください」と言われたとか。M君はお母さんが帰った途端、大泣きして大暴れ!が、翌日から大泣き・大暴れを受け止めてくれた保育士さんが大好きになり、ママがいなくても全く平気になったのです。

何で私にはそういう提案がなかったのかな――と少々羨ましくもあったのですが、多分息子が入園した当時は新しく入った児童が多くて手一杯だったのでしょう。それとも、息子の性格を見抜いて、「この子は母親が付いてたほうがいい」と判断したんでしょうか?いずれにしても、息子はM君のようにはいかなかったろうなと思います。

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