ただいまSENTA(特別支援補助員)の修行中

私は昨年9月から自閉症児専門の小規模な私立校で、週に1回TA(教育補助員)の研修をさせてもらっています。できれば緘黙児の支援をしたいんですが、緘黙だけでは予算がおりないため、学校が専属の支援員を雇うことは殆どありません。ASD児に対する支援員の需要が多いのと、ASDの二次障害として緘黙を発症するケースが知られているため、まずはASD児支援の現場で経験を積みたいと思いました。

この学校には8歳~18歳まで、30名ほどの子ども(殆どがアスペルガー症候群)がいますが、SM児はひとりもいません。子ども達を見ていると、少人数のためか教師と生徒、生徒同士の交流が多く、子ども達がのびのびしている様に感じます。でも、時々切れて暴れる子もいて、怪我をしないようにパッディングした特別室も…。

私が研修している日は放課後に勉強会を開くことが多く、知識と英語力のなさで落ちこぼれながらも、学ぶことがいっぱい。ふと気がついてみれば、今週からもう3学期に突入…。緘黙児にも使えそうな支援も多いので、忘れないうちに書き留めていきたいと思っています(話題があっちこっちに飛び、解りづらくてすみません)。

その前に、まずざっとクラスの説明を。配属されたのは、小学校高学年の男児ばかり5名のクラスです。全員が高機能自閉症で、うち4名はアスペルガー症候群ということですが、自閉の度合いも性格も千差万別。これらの生徒5名に対して、クラス担任に加えTAが2名。その他、言語療法士、作業療法士、音楽療法士など専門家も勤務していて、大人の人数が圧倒的に多い!

まず子ども達に接してみて驚いたのは、いきなりやってきた謎の東洋人の私に対して、すんなり馴染んでくれたこと。少人数で落ち着いた学校生活をおくっているためか、はたまたスタッフへの信頼が厚いためか…。いきなり「ねえ、これ見て、見て!」とよってくる子が多く(われ関せずという子もいましたが)、みんな友好的で嬉しかった!どの子も本当に可愛いくて、今では身内になったような気分です(笑)。

教室のレイアウトから時間割まで、子どもの特性や能力、年齢に合わせて、こんなにきめ細かな学習&生活支援をしてるんだと驚ろくことばかり。彼らは日々成長していて、急にぐーんと伸びることも。それを見て驚きと喜びを感じるとともに、何も変わっていないようにみえても、毎日の積み重ねが大事なんだなと思い知らされます。

私はASD児に対して、

  • 視線が合わないことが多い
  • 変化を嫌い、初対面の人には馴染みにくい
  • 他人に対する興味が薄い
  • 会話がなりたたないことが多い
  • 社会性がなく、友人関係が育ちにくい
  • 話し言葉やイントネーションにクセがあることが多い
  • 表情が乏しいので何を考えているのか判りづらい
  • 積極奇異型、受動型、孤立型などがある

こんな知識を頭に入れていたのですが、実際に接してみると、視線は合うし普通に話せるおしゃべりな子が多い。ぱっと見ではASDと判らない子も多いです。スペクトラム(連続体)なので、そんなに単純明快に特徴が分かれている訳じゃないんですね。

ネットで調べてみると、高機能自閉症の定義は知的な発達が正常で、アスペルガーの場合は言語の発達においても遅延や遅滞が見られないというもの。でも、5人いれば5通り、本当にそれぞれ違うんです。これは緘黙児も同じですよね。だからこそ、それぞれの子どもの特徴や性格を把握して、一番合う支援をすることが大切なんだなと痛感しています。

(私はASD関連の知識が殆どないので、トンチンカンなことを書いているかもしれません。間違いがあったら、指摘してくださるとありがたいです)。

 

春休みとEaster(復活祭)の大型連休(その2)

復活祭は十字架にかけられて死んだキリストが3日目に蘇ったことを記念する、キリスト教徒には最も重要な祝日のひとつです。Good Friday(聖金曜日)、Holy Saturday(聖土曜日)、Easter Day(復活祭の日曜日)、Easter Monday(復活祭の月曜日)と週末を挟んで4連休。クリスマス同様に家族で祝うのが習慣でしたが、今では長い週末を利用して旅行にでかける人も多いよう。

復活祭の日曜日、敬虔なクリスチャンである義両親は午前中に教会に行きました。残念ながら、イギリスでもキリスト教徒の数は減少する一方…。かつての教会の建物が、住居やパブに改造されていることも珍しくありません。

最近ではとみに商業化が進み、イースターエッグとバニーのチョコレートやお菓子商戦がものすごいことになっています(笑)。かつて復活祭の日曜日はどこの店も休業していたらしいのですが、今やそんな習慣は消えてしまったかも…。

私達家族は午前中の空いた時間を利用して、バース郊外にある義妹夫婦宅から車で20分くらいの村、チェダーに行ってきました。ここはチェダーチーズの発祥の地。12世紀にチーズ造りが始まり、長年山峡の洞窟を熟成に利用してきたのだとか。

IMG_20140420_112344ドライブの途中で田園風景から急変し、いつの間にか切り立った崖の狭間を走行。ゴツゴツした岩の間に洞窟がたくさんあって、洞窟内では1年を通して温度が一定なんだそうです。チャダーチーズは6ヶ月以上熟成させる必要があるため、天然冷蔵庫として最適だったんですね。

山渓の道を進んでいくと、チェダー村が見えてきます。村の中央にきれいな川が流れ、大通りはティールームやお土産物さんが並ぶ、可愛らしい観光地でした。ブリストルと同様、丘面の住居には石段がたくさん。

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IMG_20140420_123903現在、この村で自家製チーズを製造しているのはChedder Gorge Cheese 社のみということで、チーズ製造のデモンストレーションを見学してきました。

IMG_20140420_115322IMG_20140420_115049かなり大きいですね。下の写真は熟成室です

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  中央が今も洞窟で熟成しているCave Maured。ナッツ系の濃~い味わいです。

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伝統的な手造りスウィーツのお店でも飴造りを実演中

昼過ぎに義妹宅に戻り、午後2時頃一族揃ってチキンとラム肉のローストディナーをいただきました。義妹お得意のライムケーキが美味。

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休暇最後の月曜日は、ヴィレッジフェスティバルがあるというので再びMells村へ。好天に恵まれ、大勢の人で賑わってました。

IMG_20140421_121633イギリスらしい可愛らしいコテッジ

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   ミニコンサート会場やバウンシーカッスルなどの遊具も登場

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豚の丸焼きは、ほぐして野菜と一緒にパンに挟みアップルソースで

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2日前に行ったThe Walled Gardenも大盛況

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近くの聖アンドリュー教会

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夫の家族と庭園の花々に別れを告げ、3時前に帰途につくことに。サテナビが交通渋滞を避けてソールズベリーを抜ける道を選んだため、再び遠くからストーンヘンジを眺めることができました。

 

春休みとEaster(復活祭)の大型連休(その1)

2週間前にスタートした息子の春休みは、この月曜日まで続いたイースター連休で終了し、今日から3学期に突入しました。イギリスの学校では1学期の半ばにハーフターム(1週間の休み)があるので、何だか休んでばかりの感じです。

春休みのハイライトは、まず第1週目の日曜日に挑戦した初カーブーツセール。これは車のトランク(Car Boot)に不用品を積み込み、フリマで販売するというもの。私はなかなかものを捨てられない性質なのですが、息子も同じです。脱捨離を目指し、長いこと屋根裏部屋に放置されていたミニカー類(幼少期に集めていたもの)やDr. Who のフィギュアなどの玩具を、着れなくなった服や靴などと一緒に始末することにしたのでした。 しかし… ものすごい低価格なのに、靴、ダイカストの飛行機模型、ダーレックのフィギュアは、ディーラーとおぼしき玄人達にごっそり買い叩かれてビックリ。それでも、1万円くらいの収益がありました。

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広々とした野原に車と出店がズラリと並び結構な人手。右側は我が家の売り場です

次のハイライトは車の運転。 11~17歳までの子どもが教官について運転を習えるスキームがあり、メカ好きの息子は初めて挑戦しました。実は、事前にかなり不安になり、申し込 まなければよかったと後悔したとか…。でも、やってみたら「めっちゃ楽しかった」そう。

IMG_20140416_100818大型ショッピングセンターの屋上でGo!(通常イギリスでは即路上で練習します)

4月18日(金)から昨日21日(月)までは復活祭の連休でした。主人は木曜日も休暇を取り、まずストーンヘンジとその近くに住む友人一家を訪ねて車で出発。高速から降りて田舎道をドライブすると、菜の花畑やひろびろとした牧草地の景色がきれいです。

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             緑の平原が続く中、忽然と現れた巨大なストーンサークル。              4500年も前に、どのようにして上に石を乗せたのか今も謎です

翌日は、西部にある港湾都市ブリストルまで足を延ばし、長年会っていなかったもう一組の友達家族宅に宿泊。丘陵地帯にある都市なので丘の斜面に建つ住宅が多く、彼らの家の庭の段々をあがっていくと、一番上は2階の屋根と同じ高さでした!

IMG_20140418_134959料理好きの旦那様が作った復活祭のシムネルケーキ

ランチの後に、世界一古い吊橋として有名なクリフトン・サスペンションブリッジを見に行ってきました。エイボン河の渓谷にかかっているので絶景!

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翌日は、サマセット州のメルズ(Mells)という小さな村にあるガストロパブ、The Talbot Inn に立ち寄ってランチを楽しみました。フィッシュ&チップスの盛り付けもおしゃれで、美味しかったです。

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パブの向かい側にあるThe Walled Garden at Mells の庭園にも立ち寄りました。小さな庭ですが、自家栽培の植物を混ぜたカントリースタイルの花アレンジが好評で、多くのウエディングを手がけているそう。

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園内の花を堪能した後は、カフェで伝統的なイギリスのケーキを。左はレモンケーキ、右のアップルケーキは濃厚なクロテッドクリームと一緒に。

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犬がお昼寝しているフラワーコーナーで義妹に白い花束を購入し、義妹夫婦宅へと出発しました。

息子の緘黙・幼児期1~2歳(その3)

感覚過敏の兆候?

息子は3kgの標準体重で生まれてきましたが、乳児の頃から食が細いのが気がかりでした。週に一度体重を測りに行く度に、平均くらいだった体重が少しずつ少しずつ下がっていって、ついに「痩せすぎ」の部類に…。(以来、ずーっとガリガリ体型なものの、私も似たような感じだったし、アレルギー以外は殆ど病気もせず健康なので、あまり心配しなくなりました)。

離乳食で好きだったのは、特に潰したバナナと野菜、フルーツ類でした。こちらには初期の離乳食にBaby Riceなるものがあり、薄いライスフレークをミルクに混ぜてトロトロにして食べさせます。息子はこれが全然駄目でした。お粥をすりつぶしたのも不評….。この子はお米が苦手なんだと思っていたら、数カ月後に柔らか目のご飯を食べ始め、??? どうもお米が嫌いなわけではなく、お粥の食感が嫌だったようです。

また、肉や魚類についても、すり潰した状態の時期には野菜を加えても殆ど食べず…。こちらも、噛めるようになったら、ちゃんと食べ始めました。やはり、独特のブツブツ感が嫌だったのかな?

小さい子って熱いものが苦手ですが、息子は特に敏感で、ちょっと熱いくらいで怒って大泣きする時期がものすごく長く続きました。また、1歳を過ぎて初めて市販の甘いジュースを飲ませてみたところ、ものすごくテンションが高くなり、その後酷いグズグズ…。「この子は他の子と比べて、人工的な添加物に対する反応が激しいんだ」と悟りました。

ちなみに、1歳半くらいからうどんやカレーが大好きになったのですが、市販のカレールーやうどんに付いてくる液体や粉末の汁の素を使うと(もちろん薄めてます)、口の辺りや胸にばーっと赤いブツブツが…。

(余談ですが、当時のイギリスのベビーフードといえば瓶詰めのみ。見た目もイマイチで、魚や肉入りのもは匂いからして不味そうで….結局息子が喜んで食べたのは果物だけでした。だから、いただきものの日本の離乳食を息子がパクパク食べた時は大感激!種類も豊富で大人の私が食べても美味しい、優秀なベビーフードだと思いました。よくイギリスの食事は不味いといいますが(最近は随分変わってきました)、赤ちゃん時代から舌が肥えるようなものを食べていないように思います…)。

忘れられないのは、息子が1歳3ヶ月の時に里帰りで初めて飛行機に乗った時のこと。「寝てばっかりいたよ」という友人達の言葉とは裏腹に、息子は通路を歩き周り、興奮してちっとも眠らず…。ヤバイなと思っていたら、疲れすぎて超大泣き!寝ている人たちに迷惑にならないよう、トイレの辺りで一所懸命なだめたのですが一向に泣き止まず…。驚いたスチュワーデスさんに、「どこか悪いんですか?」と訊かれる始末。やっと眠ったかと思ったら、着陸時に気圧の関係で耳が痛かったのか、またもや超大泣き — 本当に穴があったら入りたかったです。

あと、太陽の光を眩しがる傾向も強かったような気がします。赤ちゃん時代もそうでしたが、息子の過敏さは相変わらず健在で、徐々に他の子との差が明確になってきた時期だったかもしれません。

関連記事  息子の緘黙・幼児期1~2歳(その1)

       息子の緘黙・幼児期1~2歳(その2)

 

花便り

イギリスは今週金曜日から例年より遅いイースター(復活祭)の連休を迎えます。学校は先週から2週間の春休みに入り、子ども達はのんびり、ゆったり。毎日天気のいい日が続いているので、外に出るとそこかしこで春爛漫の花景色を楽しめます。

桜といえば日本の花という印象がありますが、ロンドンでも沿道に桜の樹がたくさん植えられています。日本では花びらが一重のソメイヨシノが主流で、ほんのり淡い桜色の花びらはどこか儚げ。満開に咲きほこる姿からは幽玄な美を感じます。一方、イギリスは濃いピンクの八重桜が多く、薄緑の葉とともにぼんぼりの ような花が固まって咲くのです。とても華やかな反面、日本の桜のような情緒は感じられません。

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左のタイプが主流。右は白の二重ですが、やはり葉も一緒

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沿道はこんな感じ

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公園の散歩道にも桜やりんごの花がいっぱい

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近くのパブではビオラとパンジーが花盛り

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ムスカリや忘れな草など小花が可愛いご近所の前庭

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我が家の中庭で一番最初に咲くのは、あけびの蔓の小さな花です

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     クレマチスと西洋オダマキも咲き始めました。オダマキはこちらでAuntie’s Bloomer(叔母さんのブルーマーパンツ)と呼ばれています:)

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フロックスの花は夕暮れ時になると強い芳りとともに開きます

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昼間はこんな感じ

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         前庭に2種類、中庭に4種類あるイングリッシュローズの蕾も膨らんできました。               複数種の虫が次から次へとつくのでこれから格闘の季節です(笑)

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              最後まで見てくださってありがとうございました。最近ちょっとグレード               アップした息子のパンケーキでお茶をどうぞ

息子の緘黙・幼児期1~2歳(その2)

引っ込み思案のはじまり

1歳を過ぎると自我が芽生えてきて、子どもの感情表現や個性がはっきりしてくるといいます。息子も2歳近くになると、かなり性格が固まってきたようでした。

うちは息子が1歳9ヶ月の時に、現在の家に引越してきました。日本人駐在員の家族が多いエリアの端っこに越してきたため、公園やプレイグループで日本人の子どもと顔を合わせる機会が多くなり、ちょっとしたカルチャーショック(笑)。それまでは、家では日本語、外では英語という感じだったのが、初めて仲の良い日本人の友達ができ、日本語を聞く・話す割合がぐっと増えたのです(話すといっても、まだ一語文でしたが)。

(主人はというと、実は日本語を話せるのですが、「バイリンガルに育てたいから英語に徹底してね」という私のリクエストなど全く無視。いつの間にか、息子と会話ができる方の言語に切り替えてるのでした…)。

引越し前、プレイグループや赤ちゃんグループ仲間と遊ぶ際に、気になってきたことがありました。新しい玩具やゲームに挑戦させようとすると、他の子は乗り乗りなのに息子はやりたがらないんです…。でも、家に帰って私と二人だったらやるという…。

あと、プレイグループなどで、自分が遊んでいる玩具を取られてベソをかくことが多くなりました。でも、みんなの前ではそれほど大泣きはしません — (よほど気に入っている玩具でない限り)取り返そうと怒ったり、泣き喚いたりできないようでした。反面、家で思い通りにならずに癇癪をおこす時の泣き方は、それはもうすごかった(笑)。こだわり屋で頑固な性格は、私にだけストレートに出るようでした。

そして、場の雰囲気が変わることや、場所が変わることを極端に嫌がるのです。例えば、家で機嫌よく過ごしているのに、どこかへ連れて行こうとすると急に抵抗して泣き始める…。でも、そんなに泣いて騒いだ割に、目的地に着く頃にはすっかり機嫌がなおっていることが多いのです。何ですか~?という感じで、不思議でした。

(幼稚園(3歳から)で「幼い子どもでも、急にしていることを止めさせるのは理不尽だから、事前に警告しましょう」と教わり、以来実践しています。例えば、「もう夕方だから家に帰るよ。あと5分だけね」という感じです。効き目はあったように思います)。

対人的には、1対1の関係を好む傾向が強く、3人以上の集団で遊ぶのが苦手というのが明らかになってきました。日本人の友達とは、車&電車好きという趣味がピッタリ合い、毎週互いの家を行き来しては、道路と鉄道を繋げてコレクションを駆使したごっこ遊びに没頭(彼のトミカコレクションと息子のダイカストの車&電車コレクションはとってもマニアックでした)。それなのに、そこにもうひとり彼の友達が入ると、息子は途端に引っ込み思案になり、遠慮の塊のように…。

引っ込み思案な性格は、引っ越した頃から頭をもたげてきたように記憶しています。初めての場所に馴染むのに少し時間がかかる…でも、声がでないということはありませんでした。不思議なのは、引っ込み思案な割に、すっと馴染む人や場所もあり、そういう時には自分をアピールできること。親しい親戚の集まりなんかでは、「社交的な子」と言われてたこともあるんです — 緘黙になった時、そんなイメージは消え去ってしまいましたが…。

息子は、どういう訳か大人の女性に甘えるのがすごく上手でした(今も…かな)。一度、グラニーと遊んでいるところに私が入っていったら、露骨に嫌な顔をされたのを覚えています…(涙)。また、時々仕事で家を空ける時はママ友達に子守をしてもらっていたのですが、引っ越し後に日本人の女性に子守をお願いしたことがありました。帰宅した時、息子が彼女にもたれかかって本を読んでもらっているのを見てびっくり。彼女が帰る時には、「行かないで~」と大泣きしたのでした。

そして、2歳になるちょっと前に、忘れられない???な事件が起こりました。赤ちゃんグループ仲間のひとりの誕生パーティに招かれた時のことです。彼女は大きなマンションに住んでいて、誕生会には赤ちゃんグループの仲間だけでなく、マンションに住む子ども達も。広い中庭に遊具をいっぱい広げて、子ども達は駆け回り、大人も大勢おしゃべりしていました。息子はこのシチュエーションがすごく嫌だったようで、どういう訳か動きがとてもぎこちないのです(今思えば緘動っぽい?)。

それでもなんとか慣れてきて遊具で遊び、お菓子とケーキを食べた後のこと。「皆で記念撮影をするから集まって~」と言われたのに、息子だけ断固拒否。いくら言っても動かないので、その時の集合写真に息子は写っていません…。とても切なかったです。今だからこそ、「初めて行った場所・初めて会った子ども達」に馴染めなかったから仕方ないと思えますが、その時は「知ってる子がいっぱいいるのに???」という感じで…(これほど強く反応したのは初めて。引越したため赤ちゃんグループ仲間とそれほど頻繁に遊んでなかったことも原因だったでしょう)。

関連記事 息子の緘黙・幼児期1~2歳(その1)

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話は変わりますが、ミスイングランド&ミスUKのカースティさんが、昨日のロンドンマラソンに参加し、見事完走したようです。ツイッターより写真をお借りしました。

カースティさん、王冠をつけて走ったんですね~。

息子の緘黙・幼児期1~2歳(その1)

やけに用心深い子ども

息子は1歳の誕生日を1週間ほど過ぎてから歩き始めました。赤ちゃんグループの中では誕生日前に歩いた子も数人いて(息子の誕生日は遅い方)、「すぐ走るようになって、もう目が離せないよ~!」と忠告されていました。

が、歩けるようになってから1週間くらいは、おそるおそる、ゆっくりゆっくりという感じだったような記憶が…。「あれっ?何で?」と不思議に思ったことを覚えています。その後は、どういう訳か急にしっかりした足取りで歩き始めたのでした。(もしかして、転ばないように練習してた?)

私が小さい頃は、いつもヒザ小僧に赤チン(古い!)や絆創膏を貼っていた記憶があり、写真にもばっちり残ってます。転ぶことが多くて、擦り傷が絶えなかったんですね。一方、息子はというと、あまり転んだことがなく、擦り傷も殆どありませんでした。今の子どもってそうなんでしょうか?

そういえば、滑り台(幼児用の低いもの)を腹ばいになって頭から滑り降りるのが一時期好きになり、ある日勢いあまって地面に顎を強く打ちつけ、擦り傷を作ったことがありました。でも、それを除けば、怪我らしい怪我をしたことがなかったような(つかまり立ちの頃はバランスを崩してよく転んでましたが…)。

幼児って目を離した隙にとんでもないことをしでかすものと思っていたんですが、「とんでもないこと」が起こった記憶がないんです。グラニー(祖母)の家で、暖炉で火傷しないよう「アッチチ、アッチチだから、近づいちゃ駄目!」と言うと、半径1メートル以内に近づかないような子どもでした…。現在では幼児用の安全グッズが充実しているし、子どもに細心の注意を向けるような風潮があるので、事件らしい事件は起こらないのかもしれませんが、怖がりで慎重な性格が既に出始めていたような気がします。

ママ友からは、知らない犬に抱きついて吠えられたとか、子どもが棚の上によじ上って危なかったとか、トイレの内側から鍵をかけてしまい、とんでもない騒ぎになったとか(これはもう少し大きくなってからですが)、いきなり走り出して危なかった、というような事を耳にしていました。うちでは、鍵を忘れて家に入れなかったなど、私自身がやらかしたことの方が多かったです。

息子が歩けるようになって、プレイグループや公園での行動範囲が広がりましたが、玩具の取り合いとか、子供同士でトラブルになったことも、あまり記憶にありません。いつも行かないプレイグループで、少し年上の子にいきなり頬をわし掴みされて大泣きしたことがあり、この頃から被害を受ける側ではありました…。

今思うと、「危ないから○○しちゃ駄目」と注意することが多い子育てだったような気がしています。もしかしたら、抑制的な気質に生まれつき、怖がりで用心深い息子の冒険心を抑制してしまったかも…。もっと褒めて育てていたら、自己評価が高くなったかもと反省しているのですが、日本人の私にはそれは難しい。子どもの性格によって、育て方や合う学校というのも違ってくるとは思うものの、最終的には自分たちが置かれた状況・環境でベストを尽くすしかないですよね。

 

イギリスでも大気汚染がニュースに

日本では中国から飛来する黄砂や有害物質MP2.5が騒がれてますが、今週はロンドンでも大気汚染が大問題に!火曜日、路上に駐車してある車に乗ろうとしたら、まるで細かな泥の雨が降ったかのように、うっすらと埃に覆われていました。原因はサハラ砂漠から飛んでくる砂塵で、それにヨーロッパ大陸からの汚染物質が混じっているらしいのです…。長年ロンドンに住んでいますが、こんなに騒動になったのは初めて。

ニュースでは、呼吸器系や心臓に疾患のある子どもやお年よりに注意するよう呼びかけが。花粉アレルギーの私もモロに影響を受けています。でも、イギリスでマスクをしていたら’怪しい人’になってしまうので、ホメオパシーの錠剤と目薬で何とかやりすごす日々。車にこびりついた埃をみて、自分たちの肺もこれを吸い込んでいるんだと思うと、かなりコワイです。

アレルギーの人って損ですよね。普通の人は何ともないのに、過敏なゆえに免疫が反応してしまう…アレルギーのない人には解らない辛さがあります。場面緘黙になる子どもは抑制的な気質を持つことが多いと言われますが、彼らも似ている部分があるかもしれません。普通ならちょっと恥ずかしくてもこなせる「人前で話す」という行為を、過度に怖ろしく不安に感じてしまう…。そして、一度口をつぐんでしまうと、次に話すことがもっと怖くなり、反射的に黙ってしまう。そうしているうちに、沈黙することで不安から自分を守るという行為が定着してゆく…。

SMIRAコンファレンスでのマギー・ジョンソンさんの話にもありましたが、「緘黙は自分ではどうにもできない病気ではなく、自分がコントロールできる症状」と意識することが大切なようです。アレルギーと同じで、自分なりの対処法を見つけて、コントロールし克服していくことができるものという本人の意識の転換が、小学校高学年以上は必要になってくるかもしれません。

話は変わりますが、先日ロンドンブリッジ近辺で仕事をしたついでに、「ロンドンの台所」と呼ばれるバラ・マーケット(Borugh Market)に立ち寄りました。久しく見ないうちに駅側がガラス張りになっていてビックリ。その起源を13世紀まで遡るという歴史ある食材マーケットは、毎週水曜から土曜日まで。100を超える店舗がひしめき合い、青果、肉、魚介類、パン、チーズ、ケーキ、ハム、飲み物など、国産品のみならず各国のグルメ食材が勢ぞろいします。

IMG_4094多分、Stony Street 側が正面

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                 駅側から見るとこんな感じ。モダンなガラス張りのビルの向こうに見えるのはサザーク大聖堂

IMG_4073 みるからに美味しそうなパンがいっぱい

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巨大なチーズと骨付きハムが目を惹きます

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彩りも美しい絞りたてのジュースいろいろ

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有名パティシエ、Oliver Favrel のおしゃれなベイカリーも出店

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インドのパンジャブ地方特有の手作りチャツネとピクルス

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オーガニックトマトの専門店

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花屋さんもあります

マーケットの周囲には常設店やストリートフーズのストールも並びます。スイス名物のラクレットが美味しいKappacasein、本場スペインのチョリソロールで知られるBrindisa、日本の味そっくりのプリンが人気のReal Franceなど、列ができるほど有名な店も多く、食べ歩きするにはもってこい。天気のいい日には、お隣のサザーク大聖堂の中庭に座り込んで食べてる人が多いみたいです。

IMG_4081ストリートフードの露天はただいま準備中

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 パエリアを売るお兄さん

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               「自家焙煎のコーヒーはロンドン一」と呼び声も高いMonmouth Coffee にはいつも行列が。薫り豊かで本当に美味です

ロンドンブリッジ駅の西側には、ヨーロッパ一の超高層ビル、ザ・シャードが登場。今年3月から、87階あるビルの展望台に登れるようになりました。ロンドンの中心部を流れるテムズ河南岸は、かつては荒廃した倉庫街だったんです。それが、2000年を記念するミレニアムプロジェクトで大開発され、リバーサイドは今やロンドンで1、2を争う人気観光スポットに。国会議事堂から東へ、大観覧車ロンドンアイ、テ-トモダン美術館、グローブ座など、タワーブリッジまで散策を楽しめます。

IMG_20140227_130421歴史的な景観の中に威風堂々とそびえ立つガラス張りのザ・シャード

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               テートモダンとセントポール寺院を結ぶミレニアムブリッジからの風景。中央に見えるのはタワーブリッジです

今朝まで3日間、我が家はインターネットが繋がらない状態で、ブログの更新ができませんでした(で、記事が長くなってしまったのですが…)。先週日本ブログ村に登録したせいか、昨年夏にブログを開設して以来初めて「いいね」を押していただき、とっても励みになりました。ツイートしてくださった方も、どうもありがとうございます。