花便り

イギリスは今週金曜日から例年より遅いイースター(復活祭)の連休を迎えます。学校は先週から2週間の春休みに入り、子ども達はのんびり、ゆったり。毎日天気のいい日が続いているので、外に出るとそこかしこで春爛漫の花景色を楽しめます。

桜といえば日本の花という印象がありますが、ロンドンでも沿道に桜の樹がたくさん植えられています。日本では花びらが一重のソメイヨシノが主流で、ほんのり淡い桜色の花びらはどこか儚げ。満開に咲きほこる姿からは幽玄な美を感じます。一方、イギリスは濃いピンクの八重桜が多く、薄緑の葉とともにぼんぼりの ような花が固まって咲くのです。とても華やかな反面、日本の桜のような情緒は感じられません。

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左のタイプが主流。右は白の二重ですが、やはり葉も一緒

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沿道はこんな感じ

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公園の散歩道にも桜やりんごの花がいっぱい

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近くのパブではビオラとパンジーが花盛り

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ムスカリや忘れな草など小花が可愛いご近所の前庭

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我が家の中庭で一番最初に咲くのは、あけびの蔓の小さな花です

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     クレマチスと西洋オダマキも咲き始めました。オダマキはこちらでAuntie’s Bloomer(叔母さんのブルーマーパンツ)と呼ばれています:)

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フロックスの花は夕暮れ時になると強い芳りとともに開きます

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昼間はこんな感じ

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         前庭に2種類、中庭に4種類あるイングリッシュローズの蕾も膨らんできました。               複数種の虫が次から次へとつくのでこれから格闘の季節です(笑)

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              最後まで見てくださってありがとうございました。最近ちょっとグレード               アップした息子のパンケーキでお茶をどうぞ

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息子の緘黙・幼児期1~2歳(その2)

引っ込み思案のはじまり

1歳を過ぎると自我が芽生えてきて、子どもの感情表現や個性がはっきりしてくるといいます。息子も2歳近くになると、かなり性格が固まってきたようでした。

うちは息子が1歳9ヶ月の時に、現在の家に引越してきました。日本人駐在員の家族が多いエリアの端っこに越してきたため、公園やプレイグループで日本人の子どもと顔を合わせる機会が多くなり、ちょっとしたカルチャーショック(笑)。それまでは、家では日本語、外では英語という感じだったのが、初めて仲の良い日本人の友達ができ、日本語を聞く・話す割合がぐっと増えたのです(話すといっても、まだ一語文でしたが)。

(主人はというと、実は日本語を話せるのですが、「バイリンガルに育てたいから英語に徹底してね」という私のリクエストなど全く無視。いつの間にか、息子と会話ができる方の言語に切り替えてるのでした…)。

引越し前、プレイグループや赤ちゃんグループ仲間と遊ぶ際に、気になってきたことがありました。新しい玩具やゲームに挑戦させようとすると、他の子は乗り乗りなのに息子はやりたがらないんです…。でも、家に帰って私と二人だったらやるという…。

あと、プレイグループなどで、自分が遊んでいる玩具を取られてベソをかくことが多くなりました。でも、みんなの前ではそれほど大泣きはしません — (よほど気に入っている玩具でない限り)取り返そうと怒ったり、泣き喚いたりできないようでした。反面、家で思い通りにならずに癇癪をおこす時の泣き方は、それはもうすごかった(笑)。こだわり屋で頑固な性格は、私にだけストレートに出るようでした。

そして、場の雰囲気が変わることや、場所が変わることを極端に嫌がるのです。例えば、家で機嫌よく過ごしているのに、どこかへ連れて行こうとすると急に抵抗して泣き始める…。でも、そんなに泣いて騒いだ割に、目的地に着く頃にはすっかり機嫌がなおっていることが多いのです。何ですか~?という感じで、不思議でした。

(幼稚園(3歳から)で「幼い子どもでも、急にしていることを止めさせるのは理不尽だから、事前に警告しましょう」と教わり、以来実践しています。例えば、「もう夕方だから家に帰るよ。あと5分だけね」という感じです。効き目はあったように思います)。

対人的には、1対1の関係を好む傾向が強く、3人以上の集団で遊ぶのが苦手というのが明らかになってきました。日本人の友達とは、車&電車好きという趣味がピッタリ合い、毎週互いの家を行き来しては、道路と鉄道を繋げてコレクションを駆使したごっこ遊びに没頭(彼のトミカコレクションと息子のダイカストの車&電車コレクションはとってもマニアックでした)。それなのに、そこにもうひとり彼の友達が入ると、息子は途端に引っ込み思案になり、遠慮の塊のように…。

引っ込み思案な性格は、引っ越した頃から頭をもたげてきたように記憶しています。初めての場所に馴染むのに少し時間がかかる…でも、声がでないということはありませんでした。不思議なのは、引っ込み思案な割に、すっと馴染む人や場所もあり、そういう時には自分をアピールできること。親しい親戚の集まりなんかでは、「社交的な子」と言われてたこともあるんです — 緘黙になった時、そんなイメージは消え去ってしまいましたが…。

息子は、どういう訳か大人の女性に甘えるのがすごく上手でした(今も…かな)。一度、グラニーと遊んでいるところに私が入っていったら、露骨に嫌な顔をされたのを覚えています…(涙)。また、時々仕事で家を空ける時はママ友達に子守をしてもらっていたのですが、引っ越し後に日本人の女性に子守をお願いしたことがありました。帰宅した時、息子が彼女にもたれかかって本を読んでもらっているのを見てびっくり。彼女が帰る時には、「行かないで~」と大泣きしたのでした。

そして、2歳になるちょっと前に、忘れられない???な事件が起こりました。赤ちゃんグループ仲間のひとりの誕生パーティに招かれた時のことです。彼女は大きなマンションに住んでいて、誕生会には赤ちゃんグループの仲間だけでなく、マンションに住む子ども達も。広い中庭に遊具をいっぱい広げて、子ども達は駆け回り、大人も大勢おしゃべりしていました。息子はこのシチュエーションがすごく嫌だったようで、どういう訳か動きがとてもぎこちないのです(今思えば緘動っぽい?)。

それでもなんとか慣れてきて遊具で遊び、お菓子とケーキを食べた後のこと。「皆で記念撮影をするから集まって~」と言われたのに、息子だけ断固拒否。いくら言っても動かないので、その時の集合写真に息子は写っていません…。とても切なかったです。今だからこそ、「初めて行った場所・初めて会った子ども達」に馴染めなかったから仕方ないと思えますが、その時は「知ってる子がいっぱいいるのに???」という感じで…(これほど強く反応したのは初めて。引越したため赤ちゃんグループ仲間とそれほど頻繁に遊んでなかったことも原因だったでしょう)。

関連記事 息子の緘黙・幼児期1~2歳(その1)

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話は変わりますが、ミスイングランド&ミスUKのカースティさんが、昨日のロンドンマラソンに参加し、見事完走したようです。ツイッターより写真をお借りしました。

カースティさん、王冠をつけて走ったんですね~。

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息子の緘黙・幼児期1~2歳(その1)

やけに用心深い子ども

息子は1歳の誕生日を1週間ほど過ぎてから歩き始めました。赤ちゃんグループの中では誕生日前に歩いた子も数人いて(息子の誕生日は遅い方)、「すぐ走るようになって、もう目が離せないよ~!」と忠告されていました。

が、歩けるようになってから1週間くらいは、おそるおそる、ゆっくりゆっくりという感じだったような記憶が…。「あれっ?何で?」と不思議に思ったことを覚えています。その後は、どういう訳か急にしっかりした足取りで歩き始めたのでした。(もしかして、転ばないように練習してた?)

私が小さい頃は、いつもヒザ小僧に赤チン(古い!)や絆創膏を貼っていた記憶があり、写真にもばっちり残ってます。転ぶことが多くて、擦り傷が絶えなかったんですね。一方、息子はというと、あまり転んだことがなく、擦り傷も殆どありませんでした。今の子どもってそうなんでしょうか?

そういえば、滑り台(幼児用の低いもの)を腹ばいになって頭から滑り降りるのが一時期好きになり、ある日勢いあまって地面に顎を強く打ちつけ、擦り傷を作ったことがありました。でも、それを除けば、怪我らしい怪我をしたことがなかったような(つかまり立ちの頃はバランスを崩してよく転んでましたが…)。

幼児って目を離した隙にとんでもないことをしでかすものと思っていたんですが、「とんでもないこと」が起こった記憶がないんです。グラニー(祖母)の家で、暖炉で火傷しないよう「アッチチ、アッチチだから、近づいちゃ駄目!」と言うと、半径1メートル以内に近づかないような子どもでした…。現在では幼児用の安全グッズが充実しているし、子どもに細心の注意を向けるような風潮があるので、事件らしい事件は起こらないのかもしれませんが、怖がりで慎重な性格が既に出始めていたような気がします。

ママ友からは、知らない犬に抱きついて吠えられたとか、子どもが棚の上によじ上って危なかったとか、トイレの内側から鍵をかけてしまい、とんでもない騒ぎになったとか(これはもう少し大きくなってからですが)、いきなり走り出して危なかった、というような事を耳にしていました。うちでは、鍵を忘れて家に入れなかったなど、私自身がやらかしたことの方が多かったです。

息子が歩けるようになって、プレイグループや公園での行動範囲が広がりましたが、玩具の取り合いとか、子供同士でトラブルになったことも、あまり記憶にありません。いつも行かないプレイグループで、少し年上の子にいきなり頬をわし掴みされて大泣きしたことがあり、この頃から被害を受ける側ではありました…。

今思うと、「危ないから○○しちゃ駄目」と注意することが多い子育てだったような気がしています。もしかしたら、抑制的な気質に生まれつき、怖がりで用心深い息子の冒険心を抑制してしまったかも…。もっと褒めて育てていたら、自己評価が高くなったかもと反省しているのですが、日本人の私にはそれは難しい。子どもの性格によって、育て方や合う学校というのも違ってくるとは思うものの、最終的には自分たちが置かれた状況・環境でベストを尽くすしかないですよね。

 

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イギリスでも大気汚染がニュースに

日本では中国から飛来する黄砂や有害物質MP2.5が騒がれてますが、今週はロンドンでも大気汚染が大問題に!火曜日、路上に駐車してある車に乗ろうとしたら、まるで細かな泥の雨が降ったかのように、うっすらと埃に覆われていました。原因はサハラ砂漠から飛んでくる砂塵で、それにヨーロッパ大陸からの汚染物質が混じっているらしいのです…。長年ロンドンに住んでいますが、こんなに騒動になったのは初めて。

ニュースでは、呼吸器系や心臓に疾患のある子どもやお年よりに注意するよう呼びかけが。花粉アレルギーの私もモロに影響を受けています。でも、イギリスでマスクをしていたら’怪しい人’になってしまうので、ホメオパシーの錠剤と目薬で何とかやりすごす日々。車にこびりついた埃をみて、自分たちの肺もこれを吸い込んでいるんだと思うと、かなりコワイです。

アレルギーの人って損ですよね。普通の人は何ともないのに、過敏なゆえに免疫が反応してしまう…アレルギーのない人には解らない辛さがあります。場面緘黙になる子どもは抑制的な気質を持つことが多いと言われますが、彼らも似ている部分があるかもしれません。普通ならちょっと恥ずかしくてもこなせる「人前で話す」という行為を、過度に怖ろしく不安に感じてしまう…。そして、一度口をつぐんでしまうと、次に話すことがもっと怖くなり、反射的に黙ってしまう。そうしているうちに、沈黙することで不安から自分を守るという行為が定着してゆく…。

SMIRAコンファレンスでのマギー・ジョンソンさんの話にもありましたが、「緘黙は自分ではどうにもできない病気ではなく、自分がコントロールできる症状」と意識することが大切なようです。アレルギーと同じで、自分なりの対処法を見つけて、コントロールし克服していくことができるものという本人の意識の転換が、小学校高学年以上は必要になってくるかもしれません。

話は変わりますが、先日ロンドンブリッジ近辺で仕事をしたついでに、「ロンドンの台所」と呼ばれるバラ・マーケット(Borugh Market)に立ち寄りました。久しく見ないうちに駅側がガラス張りになっていてビックリ。その起源を13世紀まで遡るという歴史ある食材マーケットは、毎週水曜から土曜日まで。100を超える店舗がひしめき合い、青果、肉、魚介類、パン、チーズ、ケーキ、ハム、飲み物など、国産品のみならず各国のグルメ食材が勢ぞろいします。

IMG_4094多分、Stony Street 側が正面

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                 駅側から見るとこんな感じ。モダンなガラス張りのビルの向こうに見えるのはサザーク大聖堂

IMG_4073 みるからに美味しそうなパンがいっぱい

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巨大なチーズと骨付きハムが目を惹きます

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彩りも美しい絞りたてのジュースいろいろ

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有名パティシエ、Oliver Favrel のおしゃれなベイカリーも出店

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インドのパンジャブ地方特有の手作りチャツネとピクルス

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オーガニックトマトの専門店

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花屋さんもあります

マーケットの周囲には常設店やストリートフーズのストールも並びます。スイス名物のラクレットが美味しいKappacasein、本場スペインのチョリソロールで知られるBrindisa、日本の味そっくりのプリンが人気のReal Franceなど、列ができるほど有名な店も多く、食べ歩きするにはもってこい。天気のいい日には、お隣のサザーク大聖堂の中庭に座り込んで食べてる人が多いみたいです。

IMG_4081ストリートフードの露天はただいま準備中

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 パエリアを売るお兄さん

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               「自家焙煎のコーヒーはロンドン一」と呼び声も高いMonmouth Coffee にはいつも行列が。薫り豊かで本当に美味です

ロンドンブリッジ駅の西側には、ヨーロッパ一の超高層ビル、ザ・シャードが登場。今年3月から、87階あるビルの展望台に登れるようになりました。ロンドンの中心部を流れるテムズ河南岸は、かつては荒廃した倉庫街だったんです。それが、2000年を記念するミレニアムプロジェクトで大開発され、リバーサイドは今やロンドンで1、2を争う人気観光スポットに。国会議事堂から東へ、大観覧車ロンドンアイ、テ-トモダン美術館、グローブ座など、タワーブリッジまで散策を楽しめます。

IMG_20140227_130421歴史的な景観の中に威風堂々とそびえ立つガラス張りのザ・シャード

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               テートモダンとセントポール寺院を結ぶミレニアムブリッジからの風景。中央に見えるのはタワーブリッジです

今朝まで3日間、我が家はインターネットが繋がらない状態で、ブログの更新ができませんでした(で、記事が長くなってしまったのですが…)。先週日本ブログ村に登録したせいか、昨年夏にブログを開設して以来初めて「いいね」を押していただき、とっても励みになりました。ツイートしてくださった方も、どうもありがとうございます。

 

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SMIRAコンファレンスに行ってきました。

先週の土曜日、イングランド中部のレスターで行われた2014年SMIRAコンファレンスに行ってきました。(もとは「全国保護者会」という名前だったのが、規模が大きくなって「コンファレンス」と改名されたそう)

レスター駅で、同じロンドンからの電車に乗ってきた言語療法士(SLT)のアリソン・ウィンジェンズさんに遭遇!会場までご一緒して、お隣の席に座らせていただきました。アリソンさんは、SM治療のバイブルと呼ばれる『場面緘黙リソースマニュアル(Selective Mutism Resource Manual 2001年)』をマギー・ジョンソンさんと共著した方です。現在は現役から退き、時々大学などで講師をされているとか。

この夏(多分8月頃)、SMIRAから新書『(仮題)場面緘黙克服の取り組み:専門家と保護者のガイドTackling Selective Mutism: A Guide for Professionals and Parents (Alice Sluckin, Benita Rae Smith編)』が出版される予定なんですが、アリソンさんは場面緘黙とASD併存のケースの支援について寄稿。他にもマギーさんなど多数の専門家が寄稿していて、今回はKnetも関与しています。(まだ入稿前の昨年秋くらいに、この本が既にAmazonにエントリーされていて、ちょっとビックリしました)。

さて、10時から午後4時まで、ぎっしり詰まったプログラムは下記の通り。

・ 事務局長リンジーさんの挨拶
・ SLT マギー・ジョンソンさん  『小学校中学年以上と10代の子どもの支援』
・ SMIRA会長 アリス・スルーキンさん 『認知行動療法(CBT)の利用法』(簡単な説明)
・ 保護者 ジェイン・ディロンさん 『ローカンとジェシーキャット』
・ ディスカッション

リンジーさんの挨拶では、ミスイングランドのカースティさんから激励の言葉も。今年は参加者が70名を超え、その中の27人はSLTやTAなどの専門家や学校関係者。秘書役のヴィッキー・ロウさんほか、SMIRA事務局のメンバーを入れると合計で約80名ほどだったでしょうか。

マギー・ジョンソンさんの講演が、年齢が上の子どもの支援だったためか、緘黙のティーンエイジャーが両親と一緒に何人か参加していました。会場に足を運ぶだけでも勇気がいったと思うんですが、親との信頼関係が強いんでしょうね。ランチタイムにその一人と筆談したところ、筆談のスピードも速く、自分の意見をしっかり持ってました--学校がマンモス校だったこと、敏感すぎて騒音に耐えられなかったこと、登校できず今は家で学んでいること…。同年代の友達が欲しいという文を見て、とても切なかったです。

『ジェシーキャット - 少年の心を開いた猫(Jessie Cat: The cat that unlocked a boys heart)』の著書、ジェイン・ディロンさんの講演はかなり短く、ご紹介した新聞記事やTV番組と大体同じような内容でした。あれ以来、それほど大きな変化はなく、毎年担任が代わるごとに少し後退して、3学期には改善するというパターンが続いているとか。まだまだ自由に話せるという訳ではありませんが、仲のいい友達とは継続的に話せているそう。

IMG_4117ローカン君とジェシーキャットの話をするジェインさん

個人的に少しだけお話したのですが、ローカン君の小学校は規模が小さく1学年ひとクラスのみ。27人のクラスメイトとはずっと一緒なので、安心しているということでした。会場にはローカン君本人とお父さん(医師)も来ていて、ジェインさんの隣で本当に大人しく座ってました。写真で見る通りの、細くてきゃしゃな感じの男の子でした。

2時間あったマギーさんの講演は、すごく興味深かったです。支援を始める前に、まず自己評価をあげ、場面緘黙に向き合う必要があると強調。それから、支援者(第三者)を確保し、環境を整え、できたら専門家の支援を得、しっかりした戦略を立てて「話す恐怖」を克服していくというもの。全部の条件を満たすのは無理なので、できるだけ多く組み合わせてということでしたが、日本ではかなりハードルが高そう…。

IMG_4116マギー・ジョンソンさん(写真がブレててスミマセン)

ディスカッションでは、ASDの緘黙児のケースや薬についての質問などが出ました。「緘黙は症状であって、何故その症状が出ているかにスポットをあて、何か根本的な問題があればそれにも取り組まなければいけない。そうでないと、喋れるようになっても、根本にある問題はそのまま残ってしまう」というマギーさんの言葉が印象に残りました。例えば、子どもがコミュニケ-ションに問題を持っているとしたら、喋れるようになっても、自然にコミュニケーションが取れるようになる訳ではないんですね。まずは、喋ることばかりに焦点をおかず、子どもの全体を見ることが大切なんだなと思いました。

関連記事 ローカン君とジェシーキャット(その1)

      ローカン君とジェシーキャット(その2)

 

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ローカン君とジェシーキャット(その2)

2012年にジェシーキャットがキャット・オブ・ジ・イヤーを受賞し、ジェインさんとローカン君は新聞やTVなどのメディアで何度も取り上げられました。その中のひとつ、BBCのインタビュー番組を見つけたので、内容の翻訳と一緒にご紹介ます。

左側がお母さんのジェインさん、真ん中に座っている男の子がローカン君(多分、この時7歳)、右側にいるのは兄のルーク君です。ローカン君にはもうひとり、アダム君という父親の違うお兄さんがいて、彼もアスペルガー症候群と診断されています。

アナウンサーに質問されてるのに、我関せずという感じで猫を撫でてるところとか、どこを見てるのか分からない感じ、腕や体の特長のある動かし方など、やはりASD傾向が見られるような気がしますね…。兄のルーク君の方は、かなりカメラを意識していて、所在なさげで目が泳いでる箇所も。でも、アナウンサーに答える時はきちんと視線を合わせています。

現在ローカン君は9歳になっていると思うんですが、明日SMIRA全国保護者会の講演でジェインさんからどんなお話を聞けるのか楽しみです。どんな内容だったかは、また追ってお伝えしますね。

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BBC News – Meet the cat helping a boy with Selective Mutism 場面緘黙の少年を助けている猫

http://www.bbc.co.uk/news/health-19293190

途中までの映像がありましたので、お借りして貼り付けます。残りは上記のBBCサイトからどうぞ。

男性アナ: みなさん、ようこそ。ちょっと待って、ジェシカ(猫)はどこにいるのかな?ああ、ローカンの後ろに隠れてるね。では、まず最初に家族に何が起こったか、順を追って教えてください。

ジェイン: 分かりました。ローカンは3歳半の時に幼稚園に入園したんですが、子どもにも大人にも話さないので、スタッフに心配されました。それで、調べてみたら場面緘黙だということが分かったんです。これは不安からおこる症状で、子どもが話すことを恐れたり、話せる人や誰の前だったら話せるかなど異なるルールがある様です。それが何年も続きました。ある時、ツィッターかなにかでキャッツコントロール(猫の保護団体)の広告を見たんです。どうして猫が素晴らしいのか - もちろん…あら(ジェシーキャットがソファから移動しようとする)

▲50秒

男性アナ: ローカン、猫が良く見えるように膝に抱いてくれる?落ち着かせられる?

女性アナ:あら、我慢強い猫ね。

ジェイン: そうです、すごく忍耐力があります。ローカンは感情を表現するのが苦手で、お判りのように、会う人誰にでも話すような子ではありません。まあ、今学校ではかなり改善されてきてますけど。ローカンはジェシーになら話すし、行動をともにすることが多いんです。ご覧のように、ローカンはジェシーと遊んだり、抱っこしたり、「ジェシー、大好き」とも言います。彼らの間には特別な絆があるんです。

▲1分23秒

男性アナ: (兄のルークに向かって)ルーク、ジェシーが来てから、君や弟の生活がどう変わったか教えてくれる?

兄ルーク: (弟は)以前よりも先生に話すのが好きになって、友達みんなに話してます。

男性アナ: (ローカンに向かって)猫に話すってどんな感じ?どうやって猫に話すのか、知りたいな、ローカン。どうやって話すの?

ローカン: (猫の耳に口を近づける)

男性アナ: 耳に囁きかけるんだ。そうやって話すんだね?猫はちゃんと分かるの?…そういえば、僕自身も自分の猫に話しかけるな。

女性アナ: ローカンにとっていいのは、猫は返事をしないことかしら。

ジェイン: あら、返事はしますよ。

女性アナ: そうなんですか?

ジェイン: とても大きな声でニャーニャー鳴きます。

▲1分58秒

女性アナ: ルークが学校で大きな変化があったといいましたが、どんな変化ですか?

ジェイン: 大人とは全く話さない状態から、この2、3ヶ月はクラス担任に話し、彼女の前で声を出して本を読めるようになりました。これはすごいことなんです。なんといっても、子どもが話せなければ、どのくらいの学力があるのか解りませんから。もっとすごいのは、この9月にクラス担任になる予定の先生にまで話せたんです。明らかに、猫はすごく助けになっていて、息子に自信をつけさせてもくれます。幼稚園でも小学校でも、言語療法をするなど、努力してくれましたし…。

▲2分34秒

男性アナ: この番組で今までに色々な動物をスタジオに招いたけれど、君の猫はものすごく行儀がいいね。いつもこうなの?いつもこんなに大人しい?

ジェイン: いいえ(笑)。犬に追いかけられているような時は、家を壊しかねない勢いよ。

男性アナ: 犬も飼ってるんですか?

ジェイン: ええ。

女性アナ: 猫と犬では違いがありますか?ジェシーキャットは特別だと思います?

ジェイン: ええ、思います。よく、猫はよそよそしくて独善的という人がいますが、私はそうは思いません。ローカンはうちの犬とよく取っ組み合うんですが、う~ん犬は猫より知性が劣るというか…あら、酷い言葉ね。でも、猫がとても温厚なのに対し、犬は食べることとラフな遊びにしか興味がないんです。ジェシーはもっと優しくて、ローカンの隣に座って前足をのせたり。

▲3分18秒

女性アナ: ジェシーは賞をとったんですよね?

ジェイン: ええ、二つの賞を獲得しました。昨日、ベストフレンドのカテゴリーで受賞し、最後にキャット・オブ・ジ・イヤーに選ばれたんです。アナウンスされた時は、びっくりしました。(猫がジェインさんに噛み付いて、スタジオ内が和む)

男性アナ: こんな風に猫との絆が助けになった子どもの話を聞いたことはありますか?

ジェイン: もちろんあります。通常は自閉症のケースですね。これもコミュニケーションの障害ですが、とても似ているところがあります。場面緘黙はその症状の出方から自閉症と間違えられることも多いですし…。でも、明らかに、大人から子どもまで様々なケースの話を、特に猫と子どもの話はよく聞きますね。猫はとても温厚で愛情深く、よくしてあげれば愛情を返してきますから。

▲4分08秒

男性アナ: 聞いたところでは、ローカンは今僕たちとは喋らないけれど、スタジオの外では…。

ジェイン: お喋りが止まらなかったわ(笑)。

女性アナ: (ローカンに向かって)今朝はずっとお喋りだったんですって?

男性アナ: TVに映ってるからだよね?その違いだよね?今日はどうもありがとう。

関連記事 ローカン君とジェシーキャット(その1)

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ローカン君とジェシーキャット(その1)

動物を飼うことで緘黙児が話し始めたという例はけっこう多いようです。自分のペットのことが話題になったり、褒められたりするのは、子どもにも大人にとっても嬉しいもの。実際に、”Show & Tell”(自分の好きなものを家から持ってきて見せ、クラスに説明する)で飼い猫のことを話し、大きく前進した子を知っています。

動物だけでなく、得意分野は発話の後押しをしてくれます。もし、友達や先生との会話を促す時は、子どもの得意分野を話題にしてみてください。うちの息子は地下鉄マニアだったのですが、課外授業で地下鉄の話題になった時、皆の前で手を挙げて答えたのにはもうビックリ!(たまたまクラスの付き添いをしていて目撃しました)

話が逸れましたが、今週の土曜日(29日)に開催されるSMIRAの全国保護者会では、言語聴覚士のマギー・ジョンソンさんと、猫を飼うことで沈黙を破ったアスペルガーの緘黙児の母親、ジェイン・ディロンさんが講演する予定です。

ジェインさんと息子のローカン君については、飼い猫のジェシーキャットが2012年にコンテストで最優秀賞「キャット・オブ・ジ・イヤー」に輝き、”緘黙の少年と猫の絆”が話題になりました。その後、ジェインさんは2013年に『ジェシーキャット - 少年の心を開いた猫(Jessie Cat: The cat that unlocked a boys heart)』を出版しています。

booksSMIRAではメンバーにASD児が少ないせいなのか、今までASDとSMが併存するケースはあまり話題になっていませんでした。今回ジェインさんがゲスト講師ということで、ASDで緘黙の子どもの支援について聞けるのが楽しみです。2013年にガーディアン紙に掲載された記事”The cat that gave a boy his voice back” を訳してみたので、よかったら読んでみてください。

なお、SMIRAなど複数のチャリティをサポートしているミスイングランドのカースティさんは、残念ながら今回の保護者会は欠席とのこと。彼女の次なるビッグベントは4月13日のロンドンマラソンです!’Variety’ という子どもためのチャリテイを代表し、42kmのフルマラソンに向けて現在トレーニング中だそう。日テレの『ザ・世界仰天ニュース』の続編に関しては、続編という形ではなくもっと大きな企画が実現するかもしれません。

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2013年8月31日ガーディアン紙

The cat that gave a boy his voice back

– 少年の声を取り戻した猫 –

8歳のローカン・ディロン君は話すことが難しい場面緘黙です。しかし、新しいペットが転機をもたらしました。

 

わが子の満面の笑顔を見て大抵の親は嬉しくなるものですが、8歳のローカン・ディロン君が笑うと、母親のジェインさんは感慨でいっぱいになります — 例えその笑みがペットの猫にだけ向けられたものだとしても。

ローカン君は3歳の時、社会不安障害の場面緘黙と診断されました。彼の笑顔の裏には内なる会話が隠されているため、母親のジェインさんは常に息子の気持ちを読み取ろうとします。「みんなの警戒を解こうとアピールしてるのかしら?それとも、不安を緩めるために嬉しそうなふりをしている?」– こんな風に45歳の元助産婦は推測するのです。

場面緘黙の人達はある場面では流暢に話しますが、その他の場面では凍りついたように黙ってしまいます。家庭では早くから的確に話せていたローカン君の発達の様子からは、幼稚園に入園して話すのを止めてしまうまで、寡黙になる兆候など見当たりませんでした。

「家ではいつも声が大きくて自己主張が強いので、園に入った時はものすごいショックでした。どうして喋らないのか訊ねても全く説明できず、喉を指さすばかりだったんです」。

3歳児が園生活への適応を拒むのは良くあることです。しかし、息子が園で話すのを拒否し続けていることは、ジェインさんを悩ませました。というのも、その頃長男のアダム君がアスペルガー症候群と診断されたばかりだったのです。「場面緘黙について何かで読んだおぼえがあって、ローカンの先生に話したら、先生はもうその可能性を探っていました」。

SMIRAによると、この症状は165人にひとりを超える割合で発症します。ローカン君もそうであることが、言語療法士によってすぐに確認されました。

ローカン君の幼稚園では、園で話せない理由を見つけようとプレッシャーを与えたりせず、自信をつけさせるために遊びをベースにしたプランを遂行。ローカン君の症状は徐々に改善していきました。しかし、2009年9月に小学校にあがり、その12ヵ月後にレセプションクラスから1年生に進級した時点で、彼の歩みは逆転し、また口をきかなくなってしまいました。

さらに、ローカン君が自閉症スペクトラム障害ではないかという兆候もありました — 触られたり、抱かれたりするのを嫌がり、ほとんど共感を示さず、言われたことを言葉通りにとらえがち —  両親にも兄弟たちにも、愛していると口にしたことはありませんでした。

2010年9月にジェインの年老いた猫、フローが死んで新しい子猫がやって来たことが、ディロン家にとって予期せぬ転機となりました。ジェインさんによると、子猫のジェスはすぐさま変化をもたらしました。「彼らはお互いに惹かれあってました。ジェスは大きな青い目の、新しいふわふわした素敵な毛玉の固りで、ローカンの言うことに反応して鳴くんです。二人には深い絆がありました」

ローカン君は、出合ってすぐにジェスを抱くようになりました(名前もジェシーキャットに改名)。もっと驚いたことに、初めて保護者的な感情を見せ始めたのです。二人はすぐに切っても切れない仲となり、猫がやってきてから6ヵ月後、ジェインさんは息子から聞くことはないだろうと思っていた言葉を耳にしました。

「猫がお気に入りの玩具で遊んでいた時、ローカンがかがみ込んで、『ジェシーキャット、大好き』と。そして、『お前は僕の親友だね』と付け加えたんです。彼が”I love you(大好き)”の三語を話すのを初めて聞きました。涙が出るほど嬉しかったわ」。

「よく、私でなく猫に『大好き』と言ったことに対して、がっかりしてるんじゃないかと訊かれます。でも、最終的に人にも愛情を持つよう学んでくれたら本望です」

ローカン君はまだ学校で自由にコミュニケーションが取れる訳ではありませんが、ジェシーキャットとの絆が深まるにつれ、どんどん自信をつけてきています。ジェインさんは、ローカン君が最善の支援を受けられるよう仕事を辞めました。息子の不確かな将来や長期に渡るであろう家族へのインパクトについては、冷静に受け止めようとしています。

「思春期に入ってからのことは想像がつかないわ。上手くいけば、ちょっと変わってるくらいで治まるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。全く分かりません。でも、これは私にではなくローカンに起こる問題。私たちには選択の余地がないから、悲観にくれても仕方ありません」

母親が話している間、ローカン君は黙りこんでiPadに夢中になっていました。彼に簡単な質問をしてみましたが、始終ニャーニャー鳴いて私たちの会話を中断させるジェシーキャットと違い、お行儀よく沈黙を守ったままでした。

もし、彼の情緒の発達や育成に欠かせないジェシーキャットがいなくなったら、ローカン君はどうなるのでしょうか?

「ジェシーはまだ3歳。彼女が命を全うする頃には、ローカンが成人していることを願うわ」

 

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赤ちゃん時代まとめ(0-1歳)

7ヶ月の終わりには夜12時間くらい続けて眠るようになり、私の子育ては本当に楽に(というかマシに)なりました。また、この頃は午前中と午後に各1時間~1時間半ほどお昼寝をしていたのですが、ちゃんと眠れば眠るほど機嫌がいいのです。この頃、赤ちゃん用のスリーピングバッグが登場し、3歳くらいまで買い換えながら愛用してました。

赤ちゃんの生活って、基本的に食べる、眠る、遊ぶ、排泄するの繰り返し。息子は食べる・眠るのバランスが崩れていて、すぐ疲れやすくキレやすい状態だったんだと思います。多分、通常は多少の寝不足や空腹はカバーできるところを、過敏で神経質な息子にはそれが難しく慢性化してしまったんじゃないかな…。(ちなみに、排泄に関しては優秀(?)で、オムツかぶれは殆どなく、服を汚すこともめったにありませんでした)

とにかく息子の生活のリズムを崩さないよう、毎日食事と眠る時間はできるだけ規則正しくがモットーでした。4月になると、プレイグループの他に公園の遊び場に通うようになり、活動の場が広がりました。それほど子どもが多い地区ではなかったため、大体集まる顔ぶれは同じ。遊具で遊ぶことの楽しさに目覚めた時期でもあり、人見知りとか引っ込み思案という感じは全くなかったような。

この頃、生まれて初めて仲良しの友達ができました!赤ちゃんグループの男の子のひとりが、何故かうちの子をいたく気に入ってくれたのです(彼のママ曰く)。公園で会えば一緒に遊び、お互いの家を行き来することも多くなりました。彼の家には猫がいたので、恐る恐るなでることを覚え、公園では子ども好きのお婆ちゃんの犬に触らせてもらったり(なのに、3歳過ぎてから猫アレルギー発症、4歳頃に犬恐怖症になるのでした…←3歳になる頃の間違いでした)。

8ヶ月検診では、社交性とか微細運動スキルなどを含む全ての項目で問題なし。母子手帳の所見欄には、「活発で健康な赤ちゃん」と書かれています。「活発」と書かれたのは、息子の人生の中でこの時だけかも…。新米ママグループに入れてもらえたお陰で、赤ちゃんの成長の目安や他の子の様子がわかり、身内が近くにいない私はすごく助かりました(それぞれペースがあるので比較すべきではないですが…)。確か、お座りだけはグループの中で一番早く(3ヶ月年上の子を除き)、ハイハイは遅めで最初ズリバイ、歩いたのは1歳の誕生日を過ぎてからでした。

大泣き虫だった息子も、なんとか赤ちゃんグループの一員として無事1歳の誕生日を迎えることができました。5月~8月生まれの赤ちゃん仲間(?)が7人いたので、次から次へと誕生会ラッシュ(笑)。親友の家で開かれた誕生パーティでは、最初は楽しく遊んでいたものの、お昼寝の時間が近づいてきたら大泣きが止まらず!グループだけでなく、他のママ友と子ども達も招いた大き目のパーティだったため、人の多さや騒音が影響したかも…。

8月生まれの息子は誕生会も最後でしたが、同月生まれの3人が一緒に友達宅でお祝いすることに。ここでは何とか泣かずにやり過ごせて、ほっと一安心。自宅でもお昼寝の合間に小さなパーティを開き、機嫌よく過ごすことができました。

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翌日の土曜日、私は隣人たちに事情を話して回りました。そしてその晩、意を決して息子をコットに寝かしつけ、泣き声に背を向けて部屋を出たのです。戸を2つ隔てたダイニングキッチン兼居間(その頃は私たちの寝室でもあった)に夫と二人で立てこもり、ベビーモニターとにらめっこ。当時のモニターはまだ映像はなく、泣くだびにモニターのランプが点滅し、スピーカーから泣き声が響き渡るという代物でした。

息子は声を限りに大絶叫。叫びすぎて喉が詰まっちゃうんじゃないか、声が涸れちゃうんじゃないか、と気が気ではありません。途中でしゃくりあげながら40分くらい泣き続け、呟き声みたいになってから、ようやく止まりました。それから、しーんと静まりかえってしまい、私は急に心配になりました。もしかしたら何かあったのかも….でも、見に行こうとする私を夫が止めました。

「今行ったら、起きちゃうだろ。そうしたら、これまでの努力が水の泡だ。大丈夫、後で確かめてくるから」 – そういわれて思いとどまりましたが、ベッドでぐったりしている息子の姿を想像すると正直怖かったです…。心配性の私に比べ、夫は正反対ともいえる性格。あまり物事に動じず、どーんと構えているというか、論理で割り切るのが早いというか — お互いの性格がかなり違うことで意見が喰い違うこともありますが、そういう見方もあるんだと救われることも多いかも。

とにかく、夫が「大丈夫」というのを信じて、ひたすらモニターを監視。30分後くらいに夫がしのび足でのぞきに行き、息子が眠っていることを確認できました。寝付いてから4時間ほどで1回、明け方に1回泣きましたが、最初ほど長く泣き続けることはありませんでした。2度目の泣き声の後でさっさと寝てしまった夫を横目に、私はモニターに耳を傾けながら、まんじりともせずに夜を明かしたのです。

そして日曜日の朝、おそるおそる息子を見に行くと、コットの中で目を覚ましていました。でも、泣いてなかったんです!夫と二人で抱き上げて、「頑張ったね~!いい子、いい子」と褒めまくり、抱っこしまくり。2日目からは、寝かしつけた時や目が覚めた時に泣く時間がだんだん短くなり、5日目からはひと晩中眠るようになりました!やった!

泣いても誰も来ないことがトラウマになるのでは?– 専門書には何も書いてありませんでしたが、少々心配でした。が、そうでないことは、寝起きの息子の表情に現われていました。私の顔を見てニッコリ笑うようになったのです!また、ひとりで機嫌よくお喋りしていることも。そして、一日を通して機嫌のムラが少なくなりました(といっても、他の赤ちゃんに比べたら、まだまだ泣き虫の方だったと思います)。

一晩中眠るようになってから、色々なことが改善されました。ベビーカーや車の中でも眠るようになり、哺乳瓶でもミルクを飲むように。これは、8ヶ月頃からハイハイが始まり運動力が増えた時期とも重なりますが、充分な睡眠が取れている証拠だったと思っています。多分、息子は睡眠の量や質にものすごく敏感に反応するタイプなのでしょう。入眠のタイミングを逃すと眠れなくなったり、夜中に何度も起きたりして、慢性的な睡眠不足で機嫌が悪かったのかなと推測しています。それに、母乳が足りなかったこと、アトピーの悪化が拍車をかけていたと。

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今年一番のポカポカ陽気

今日は朝からよく晴れ渡り、今年一番の温かさとなりました。午後には最高気温が20度近くまで上がり、歩いていると汗ばむほど。

実は、今日は私の誕生日でした。夫はサプライズギフトで祝ってくれるタイプではないので(両親が海外赴任族で8歳から寄宿学校暮らしだったため、そういった経験に乏しく、今でも誕生日や記念日が苦手です)、いつも自分でさっさと計画を立てます。

最初、テートモダン美術館にポール・クレー展を観に行くつもりだったのですが、最高気温が16度まで上がるという予報を聞き、予定を変更。この間ウォーキング中に発見したカフェでブランチを食べ、森林公園ハムステッド・ヒースにお散歩に行くことにしました。

 IMG_3925

         シャビーシックな内装が素敵なカフェ内には、ギフト雑貨も置いてあります。                        込み合っていたので店内が撮影できなくて残念。

IMG_3933IMG_3932      所謂イングリッシュブレックファーストの具を積み上げたブレックファースト・スタック。ヴィンテージの食器が可愛くて、とっても美味。オリーブ入のパンと一緒に。

ハムステッド・ヒースの近くに駐車したのですが、陽気がいいためかヒースを目指して歩くカップルや家族連れがいっぱい。みんな考えることは同じですね。公園内は人で賑わい、午後2時過ぎには芝生に寝そべる人が続出。イギリス人はちょっと陽気がいいと、季節に関係なく、いきなり半袖になるんです。さらに、少し暑いくらいの陽気だと、公園には上半身裸になる男性が続出!–今日も数人いました(笑)。

IMG_3954修復工事が終わったばかりのケンウッドハウス

3月に入って春の花が咲き始めていましたが、この陽気で色々な花が一斉に開花した感じ。例年より3~4週間早いような気がします。

IMG_3934イギリスの春の風物詩、ラッパ水仙は6分咲くらい

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 クロッカスはすでに盛りを過ぎたかな

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 桜も満開に近い感じ

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 何とシャクナゲまで咲いていてビックリ

車を止めたのは、”Billionaires Row(億万長者通り)”と呼ばれ、10億単位の屋敷が連立する通り。コリント式の円柱がついた美術館のような建物や、バッキンガム宮殿のごとく立派な鉄柵がある家屋も。贅を凝らした屋敷はたいてい高い塀や鉄柵で囲まれていて、人が出入りしているのを見たことがありません。

IMG_3961建築様式もサイズも様々ですが、この様にでかくて立派なお屋敷ばかり

が、今日はある家の門にピンクの風船が飾られ、ゲートが開いているではありませんか!風船はこの家の女の子の誕生会が催されているという印です。「マミーと同じ誕生日の女の子がいるよ」と息子がいうので覗いてみると、およよ…。門の横に怖そうなバウンサー(警備員)が2人立っているではありませんか!お金持ちのお嬢さんになるのもナカナカ大変そうです。

IMG_3960帰り際に覗いてみたら、2人のバウンサーは門の前から奥へと移動してました!

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