告知するかしないか(その2)

<息子の場合>

息子が学校で全く話せなくなった/動けなくなったのは、4歳半で小学校に入学してから3週間目のこと。それから「緘黙」という言葉に巡りあうまで、数ヶ月かかりました。

いつの時点で話したのか、はっきりは覚えていません。が、「話す」とか「しゃべる」という言葉を使うと嫌がるかと思い、「怖い」という言葉を選んだのは記憶しています。私自身、小さい頃とても内弁慶で小学校に入学した頃不安だらけだったので、息子の気持ちは理解できるような気がしました。

(うちの場合は似たもの親子ですが、そうでない組み合わせの親子もおられることでしょう。抑制的でない気質の親にとって、抑制的な気質の子どもの行動は、かなり不可解で「何で??」と理解に苦しむことが多いかも…)。

自分の小さい頃を思い出しながら、「マミーが小1の時、学校はすごく怖いところで、先生は知らない大人の人という感じだったな。授業中は当てられないように、いつも小さくなってたよ」という感じで、自分のことに置き換えて話しました。

「○○は誕生日が一番遅いから、みんなよりできなかったり、英語でうまく話せなかったりしても当たり前だよ。マミーは仲良しのA子ちゃんが同じクラスだったけれど、○○はB君と別のクラスになっちゃったから、もっと怖いよね。それなのに、ちゃんと学校に行ってるから偉いよ」。

息子は癇癪を起こすこともなく、黙って聞いていました。何もいいませんでしたが、多分ほっと安堵したのではないかな…。直接自分のことを指摘されるのではなく、私の体験や感情について話しているので、気持ち的にも楽だったと思います。

緘黙児は繊細で完ぺき主義の子も多く、年齢や性格によっては「学校で話せない/しゃべれない」という話題に拒否反応を示す子もいるかもしれません。そういう時は、第三者のこととして話す方がいいかもしれませんね。以前のエントリー( 『どうして声が出ないの?マンガでわかる場面緘黙』 )にも書いたのですが、恥かしがりの子どもや動物を題材にした絵本を一緒に読むという手もあります。また、人形や子どもの好きなキャラクターを使って説明するのもいいかも。

子どもへの告知については、かんもくネットの<Knet資料No.10「子どもと共に話すことへの不安に取り組む」>に詳しく書かれています。

http://kanmoku.org/handouts.html

ちょっとした言葉や態度から子どもの心情を読み取ることができるのは、やはり子どもに一番近い存在である母親だと思うんです。子どもの気持ちに添う方法で、説明してあげられるといいですね。

(ちなみに、うちは「嫌!!」と強くいう時は、絶対駄目なのでその時はストップ。甘えを含む「イヤダ~」くらいだったら、少し時間をおいて再度プッシュ、「う~ん」と迷っている時は、チャレンジしてもいいなと思っている時です)

イギリスの母親って、子どもに”Love you”と声をかけたり、キスしたりハグしたりと、人前でおおっぴらに愛情を表現します。登下校に保護者が付き添うシステム(犯罪や事故防止のため)なので、こういうのは幼稚園やインファント(小学校低学年)では見慣れた風景。日本の習慣ではないですが、緘黙児は自己評価が低いことが多いため、言葉と態度で「あなたが大好き」と示してあげることも大切かなと思います。

子どもを安心させたら、子どもの伴走者として一緒に「話すことの不安」に立ち向かう訳ですが、まずは「話す」ことにこだわらないこと。少しずつでいいので、学校での不安を減らすことから始めましょう。

もしも、「どうして学校で話さないの?! 駄目じゃない」とか「今日学校で話せた?」と子どもを責めたことがあったとしたら、それは仕方ありません。そういう対応をしてしまっても、正直に子どもに謝れば、絶対に解かってくれると思います。子どもが態度に出さなくても、「ママが真摯に謝ってくれた」というのは心に残るはず。

うちは息子の癇癪が酷く、自分もストレスもたまっていたので、時々キレて怒鳴ったことも…。でも、そういう時は子どもに謝りつつ、何とか親子で成長してきたという感じです。緘黙治療は長期戦になることが多いため、保護者にも息抜きや心の支えが必要になってくると思います。相談所やクリニックに信頼できる心理士がいれば力強いですが、同じ悩みを持つ親の会に入るなど、ネット上でもいいので緘黙のことを話せる場所があるといいですね。

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告知するかしないか(1)

 

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リトルベニスの住人

すでに先週末のことになってしまったのですが、ロンドンのリトルベニス(Little Venice)に行ってきました。パディントン駅の北に位置し、2つの運河が交差する水辺の観光スポットです。

イギリスの運河は、産業革命が残した遺産のひとつ。18世紀末に、北イングランドの工業地帯から物資を運ぶため、主要交通網として運河が張り巡らされたといいます。19世紀半ばには鉄道が取って代わりましたが、時代を経た今では人々の憩いの場として愛されています。

「カナルフェスティバルがあるから来て!」と、主人の友達が誘ってくれたので、日曜日の午後に家族で出かけました。彼女はリトルベニスに停泊するカナルボートに住んでいるのです。

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               橋から見たフェスティバルの様子。当日は雨の予報でしたが、午後から天気が良くなりかなりの人手でした

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水際にある公園には出店やエンターテイメントが

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運河の両側には住居として使われているボート(Canal Boat ともNarrow Boat とも呼ばれています)がびっしり。ボート内には水道も電気も備えられていて、なかなか快適です。通路のスペースに花壇を作っている人も多く、郵便も届くとか。主人の友達は右手前の紫のボートに住んでいます。エンジンがないそうなので、本当に住居用なんですね。

IMG_20140504_191113瀟洒な住宅街の中にあるので治安も良いそう。このボートの庭には見事な藤棚が

IMG_20140504_175038友達のボートの上で寛ぎながら、運河を行き交うボートを見物。目が合うと手を振り合います。(ちなみに、リトルベニスからカムデンまでは観光用のボートが行き来しています)

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私達もこの小さなボートに乗って運河を探検しました

主人の友達はクロアチア出身で、イギリス暮らしもかなり長いとか。この冬1ヶ月の休暇をとって、伝統的な手法で造ったオランダ製の木の帆船に乗り込み、サザンプトンから喜望峰まで旅したという兵です。イギリスには本当にいろいろな国の人が住んでいて、世界は広い、こんな人もいるんだ、と驚くことがいっぱいあります。

 

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告知するかしないか(その1)

子どもが場面緘黙だと判明した時、本人にそれを話すべきかどうか、どう話すべきか — 保護者は悩むところだと思います。

子どもの年齢や性格にもよりますが、支援をしていくにあたり(長期戦です)、子どもと問題を共有し一緒に不安に立ち向かう必要があります。スモールステップで少しずつ緘黙を克服していくには、常に本人の気持ちを確かめながら進まなければなりません。

また、年齢があがって小学校中・高学年になると、改善のスピードがゆっくりになるため、子どもが自覚を持って積極的に治療に関わることが重要になるといわれています。そのためには、やはり本人が緘黙や自分の状態について把握しているべきでしょう。

<小学校低学年まで>

緘黙の発症は入園時や入学時に多く、いつの間にか全く話さなくなったというケースもよく耳にします。でも、「ママ、幼稚園でしゃべれない」と、助けを求めてくる子どもは殆どいないのでは?

たいていの親は、先生から「全く話しません」と告げられ、愕然とするのではないでしょうか?家では普通におしゃべりしているから(学校で黙っている反動でうるさいくらいかもしれません)、親は驚いて当然ですね。いくらシャイな子だったとしても、学校で全く話さないとなると、相当ショックです。

子ども自身は、幼稚園や学校で緘黙状態になっていることにネガティブなイメージを持っていると思います。皆と同じようにできないと劣等感を感じ、自己評価が低くなっているかもしれません。親に言ったら怒られると思っているかもしれません。

イギリスの言語療法士、マギー・ジョンソンさんは、場面緘黙を恐怖症の一種と考えると解りやすいと説明しています。例えば、高所恐怖症の人に、「何で高いところが怖いの?」と訊いても理由は分らないんじゃないでしょうか?ただただ、背筋がぞくっとして足がすくんでしまう…生理的な反応。緘黙になるきっかけも、そんな感じじゃないかなと思うのです。

自分が大きな会議に出席していて、周囲は全く知らない人ばかりという状況を想像してみてください。会場はしーんと静まり返り、壇上に立った権威ある著名人が、次々に出席者を指名して発言させています。誰もが立派な意見を述べていますが、あなたには議論の内容がよく理解できていません。

自分が指名されたらどうしよう?ちゃんとしゃべれないに違いない。笑われるかも – 心臓がドキドキして、「私に当てないで~!」と体が縮こまってしまうのでは?緊張して手に汗をかくかもしれません。緘黙児もこんな感じで恐怖を味わい、体がすくんでしまうんじゃないかなと…。そういう状態の時は喉が渇いて、声は出にくいと思います。

息子に、「緘黙状態の時、いつも喉が閉まるような感じになる?」と質問したら、「それは話そうとしてるのに声が出ない時」という答えが返ってきました。怖いけれど、何とか声を出そうとする時、喉に力が入る、もしくは意識がいくのかもしれません。同じ緘黙状態でも、状況によって感じ方は少しずつ違うのかもしれませんね。

周りから見ると、緘黙状態の子どもは不安や恐怖を感じているようには見えないことが多い。これは、緘黙という、恐怖に対する回避行動が習慣になり、その状態でいることに一定の安心感を得ているからじゃないかなと思います。

本題に戻りますが、子どもがなぜだか判らないまま緘黙になり親にも言えずにいる時、親(誰か)が共感してくれて、自分の存在を肯定してくれたらとても安心できますね。また、世界中に同じような子どもがいることが解れば、自分ひとりじゃないと勇気づけらるはず。同時に、自分の不安を誰かと共有できるようになる、誰かに助けを求めることができるようになる、きっかけにもなるのではないでしょうか?

うちの息子は典型的ともいえる抑制的気質の持ち主です。緘黙は克服できても、不安になりやすく心配性のところは変わっていません。でも、自分の不安を突然ポツンと私に言うことで、半分くらい不安が軽減されているよう。口に出していうことで不安を客観視でき、実はそれほど大きな問題じゃないと把握できるからじゃないかな、と思っています。不安を自分の中に閉じ込めておくとストレスになるので、捌け口が必要ですよね。

 

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不安の対処法

PSHEの授業で脳に「心配」と「楽しい」を書き入れた翌週、お試し入学で8歳のM君がクラスにやってきました。私がお世話してたんですが、お昼の時間が近づくにつれて、「ダイニングホールに行くのが嫌だ」と繰り返し言い始めました。多分、今通っている学校のホールが苦手なのでしょう(人が大勢集まる講堂・ダイニングホールの騒音や雰囲気が苦手なASD児は多いよう)。勉強が手につかなくなってきたので、下記のように話してみました。

  • この学校のホールは小さくて人数も少ない
  • 休み時間に実際に見に行ってみよう

休み時間に担任に相談してみたところ、こんな風に対処していました。

担任: 「M君、これは大きな心配かな?それとも小さな心配?」

M君: 「う~ん、大きい心配」

担: さらっと、「例えば、今大嵐が来るなら大きな心配だけど、これは色々対策を考えられるから、そんなに大きな心配じゃないよ。どうしたらいいか、一緒に考えてみようね」

M: 「うん」

担: 「ダイニングルームがガヤガヤ騒がしいから嫌なの?」

M: 頷く。

担: 「このヘッドホンをすると音が聞こえないよ。試してごらん」と、ヘッドホンを持ってくる。

M: 「嫌っ」と即座に拒否!

担: 「じゃあ、一緒にダイニングホールに行ってみようか」と連れて行く — 誰もいなくて静かだったので、M君も落ち着いていました。

担: 「ランチタイムには、ここにテーブルを6つ並べるんだよ。もしどうしても嫌だったら教室でお昼を食べても構わないから、まずここに来て食べてみようね」

M: 「うん」

という会話があって、ランチタイムには皆と一緒にダイニングホールに行くことができたのですが、やはり食べ始める前に教室に戻ってきてしまいました。

ローマは一日にして成らず、ですね。でも、担任は「よくダイニングホールに行けたね」と褒めることを忘れませんでした。

小さなステップで不安に立ち向かい、何らかの成果をあげていくことで、子どもは自信を積み上げていくことができます。スモールステップ方式ですね。最初は大人がアドバイスしてですが、いずれは子どもが自分で不安と向き合い、対処法を考えられるようになることが目標なんだと思います。

ところで、前回の記事に書き忘れてしまったのですが、担任はPSHEの授業を始める前に、心配や不安は誰でも持っているものだと子ども達に説明しました(前記事に青地で追加したので、良かったら確認してください)。「車を駐車するのが苦手」と自分の不安を子ども達に明かし、TAや私達にもそれぞれ不安や困ったことの具体的な例を出させて、「ほら、みんな不安を持ってるね」と。

それから、授業の終わりに各生徒の「大好き」と「心配」を確認。それぞれに言葉をかけ、課題をこなした報酬として3分間のPCタイムを与えました。ブースでひとり離れて課題を終えた子にも、「苦手と思えることでも、ちゃんと終えることができたね」と労いの言葉と報酬は忘れません。

(ちなみに、もし授業で目標を達成できなかった場合や集中できなかった場合など、担任は簡単に問題点を指摘し、報酬やトークンを減らします。また、1日の終わりに反省タイムがあり、こども自身にその日の行動を評価させます。翌日の朝の会でも、前日の行動を振り返って評価し、チャートに信号の色を入れるので、その週の行動評価がひと目で判ります。これって多分ABA(応用行動分析)かな?)。

ブースでひとり課題に取り組んだ子は、すごく知能が高く、実年齢より1~2学年上の学力の持ち主です。ぱっと見た感じは理路整然としていて弁が立ち、とても賢い子という印象。ASD児には見えません。が、対人関係に問題があり、自己防衛のためか常に上から目線でものを言い放ってしまう…キレやすく、嫌なことにはものすごく抵抗します。

プライドが高いため、自分の弱点を見つめること、人前で自分の感情について書くこと(考えること)に大きな抵抗があるのではないかなと…。担任は、大声で異議を唱える彼にタイムアウトの時間を取らせた後、自分のブースに行かせました。どうするかは彼自身に委ねられたのですが、結局すごく小さな字で「心配」と「楽しい」を書き入れることができました。

子どもが嫌がる場合は、無理にやらせないことも大切かなと思います。年齢や性格で反応が違ってくると思いますが、家庭で不安について話したり対処法を考える際は、特に本人の意思や気持ちを大切にして、子どもに合うやり方を見つけてあげられるといいなと思います。無理強いして親子の信用をなくしてしまったら、元も子もないですから。

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不安を可視化する

イギリスの小中学校では、現在や将来の生活に役立つ知識や技術が身につくようPSHE(Personal, Social, Health and Economic Education 個人、社会、健康、経済にまつわる教育?)という科目を設置しています。先学期のPSHEは、「自分の持つ不安とどう向き合うか」というのがテーマのひとつでした。

ASD児は、社会性・コミュニケーション・想像力の問題を抱えているため、人との交流が難しく、気持ちや感情、暗黙のルールや場の空気、時間や空間といった曖昧な概念を理解することが苦手です。脳の構造や機能が通常とは異なるが故に、社会性がない振るまいをしがちになり、周囲から非常識と思われたり、変な目で見られてしまう…。それが大きなストレスになったり、どうすればいいのか判らず不安になることが多いようです。

一方、場面緘黙はDMS-V(アメリカ精神医学会による診断・統計マニュアル)では不安障害のカテゴリーに含まれ、SM児には抑制的な気質の子どもが多いといわれています。ひと一倍敏感で臆病に生まれついているため、新しい状況に慣れにくく、不安になることが多い…他の子どもが何とも思わないようなことが、この子達にとっては大きな恐怖となり得るかもしれません。

また、ASD児には感覚過敏の子が多く、特定の音、質感、味などを苦手とすることが往々にしてあります。程度の差はあれ、抑制的な気質のSM児にも感覚過敏を持つ子が多くいるよう。感覚過敏の子どもにとって、集団のざわめきや、運動会のピストルの音、水に濡れること、特定の食べ物の味などが、他の人には想像もつかないくらい苦痛だったりすることも…。

PSHEの授業では、子ども達が自分の心配と楽しみを、大きな画用紙に描かれた自分の頭のなかに書き入れました。自分は何に不安を感じ、どんなことに困っているのか?それを書くことで、自分の持つ不安を客観視することができます。頭の中では解っていても、文字や絵にするともっと具体的に把握できるよう。ASD児は特に視覚優位の子が多いため、目に見えると理解しやすいようですが、どんな子どもでも理解しやすいのではないでしょうか?

追加情報

絵を描く作業を始める前に、担任は「人は誰でも困ったこと、不安なことを抱えているものです」と切り出しました。そして、自分が不安に思っていることを話し、TA達も私も同じように子ども達に「私はこんなことが心配」という例をあげました。子どもの目には、大人は完璧な存在として映っていることが多いもの。「大人も同じなんだ」と解れば安心でき、心を開いてくれやすいと思います。

<授業で行った方法>

  1. 大きな紙に横向きの子どもの頭のシルエットを2つ、向かい合わせに描く                 授業では、映写機で子どもの横顔をA1の紙に写し、それをマジックでなぞりました(実際に自分のシルエットなので、ASDの子ども達には解りやすかったと思います)
  2. 頭の中に脳を書き入れる
  3. 一方に「ハッピーな脳」、もう一方に「困った脳」と題をつける
  4.  それぞれの脳の中に、自分の「大好き」と「不安・困った」を書き入れる                   簡単な言葉の他に、絵や印刷した写真・ロゴマークなどを入れてもOK

Sm notes2            クリックすると拡大します。実際は言葉や絵を脳の中に書き入れたのですが、スペースの都合上こうなりました(シルエット画は息子作です)。

上記の図の「困った」、「大好き」は私が適当に記入しましたが、「困った」では「ホールの騒音」が共通してました。後は、「評価が悪い時」、「好きなPCプログラムで遊べない時」、「意地悪された時」などなど。「大好き」で共通していたのは、「人」が全く出てこず、「モノ」ばかりだったこと…(人への興味が薄いというASD児の特質が色濃いかも…)。

場面緘黙の支援をする際、まず様々な場面での子どもの安心度をチェック(かんもくネットKnet資料No.13-安心度チェック表・発話状態チェック表  かんもくネットのHPから無料ダウンロードできます http://kanmoku.org/tool.html)しますが、上記の方法だと「大好き」も判るので、そちらも支援の際に使えて便利かなと思いました。

不安の対処法については、残念ながら私のいない時に教えた模様…。でも、それから何度か困った問題に対処している場面に出くわしたので、また別エントリーで書きたいと思います。

 

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ASD児の不安と緘黙児の不安

クラスの5人の子ども達に共通しているのは、「自閉症の三つ組」と呼ばれる特性です。子どもによって三つ組のバランスや現われ方は違いますが、程度の差はあれ全員これらの特性を持ちあわせているなあ、と納得しているところです。

1) 社会性の質的な差異

年齢相応の常識や社会性を身につけるのが難しく、場の空気を読んだり、人の気持ちを察して行動することが苦手

2) コミュニケーションの質的な差異

適切な言葉やボディランゲージを使って人と交流することが難しい

3) イマジネーションの質的な差異

目の前にない事柄(もの・情報・可能性など)について推測したり予測したりすることが困難

研修初日にクラス担任に言われたのは、「この子達は、時間や空間といった抽象的な概念を捉えるのが苦手だから、教室の移動やスタッフの顔ぶれが変わるだけでも不安になりやすいの。だから、スケジュールが変わる時は要注意」ということでした。

「抑制的な気質」を持つ緘黙児も、新しい状況に慣れるのに時間がかかり、未知の体験・環境・人に対して不安になると言われています。また、ASD児と同様に、感覚過敏がある子も少なくないようです。それでは、ASD児とSM児の感じている不安は同種類のものなのでしょうか?

以前、『Selective Mutism in Children(2003)』の著者のひとりであるトニー・クライン教授にこの質問をしたところ、「SM児とASD児では、抱えている不安の質が違う」という興味深い返事が返ってきました。

彼によると、SM児の不安は「自分が話しているところを人に見られたくない=人前で失敗したくない、目立ちたくない」という社会不安であり、ASD児の不安は「予測がつかない事態への不安」だということ。

これまで体験入学でやってきた子のお世話を何度かしたのですが、どの子も「次はなにをするの?」と質問してきます。担任が事前に必ず作成しておくのが、その子用の時間割。最初に時間割の説明は済ませているのですが、訊かれる度にそれを見せて、「今この授業をやってるから、次はこれだよ」と説明すると、みんな安心するのです。

(ちなみに、教室内には仕切りのついた個別のブースが5人分あり、それぞれの子どもに机とPCが与えられ、壁にはラミネート加工したその日の時間割が貼ってあります(曜日毎に貼りかえます)。驚いたのは、子どもによって時間割の表記が異なること。数字と教科を記しただけのシンプルなものもあれば、時計の絵と教科のシンボルマークが入ったもの、1教科終わるごとに閉じて、その時やっている教科と時間が明確になるものなど、実に工夫に富んでいて感心します)。

朝の会では、まず最初に担任がその日のスケジュールと変更事項などを説明するのですが、これが子ども達の不安を低減するのに役立っているよう。また、ひとりひとりの子どもに対し、その日の具体的な目標を確認(例えば、発言する時は手を挙げるなど)するのも、どう行動すればいいか解りやすいと思います。

子ども達には、普段心配そうだったり、不安そうにしている様子は見られません。何か嫌なこと、したくないことがあって不安になった場合は、即座に「嫌だ」、「やりたくない」と強い拒否反応を示すことが多いかな…。ASD児はとても正直なので、嫌な時、不安な時、困っている時はストレートに言動に現われるように思います。

学校にはホールがあって、ランチや全校集会、屋内体育の授業などに使用するのですが、全校集会に出ることを嫌がる子がいました(現在はあまり問題ありません)。途中で転校してきたこの子は、ランチの時間は全く平気なのに、全校集会の時だけ時々問題児に…。聴覚過敏で騒音が気になる部分もあったようですが、何をするのか予測がつかない部分と前の学校での嫌な体験が不安に繋がっていたようです。

皆と一緒にベンチに座っていたのに急に立ち上がって教室に戻ろうとした時もあれば、問題なく話を聞いていた時、嫌がってホールに入らず教室のドアを蹴飛ばして大声で叫んだ時もあり、何が原因なのか??? そうかと思うと、うちのクラスが発表会をした時には、皆の前でPCを操作し、堂々と発言するという…。

その時々の雰囲気や心理状態などが強く影響しているという印象で、すごく波がありました。人にどう思われるかを気にする面は、あまり大きくなかったような…。

一方、息子も全校集会を酷く嫌がっていた時期(小3の頃)があったのですが、理由を訊いてみたら、「もし校長先生に呼ばれたら、何か訊かれるかもしれない。怖い」と。更に、様々なシチュエーションを想像して、もし何か失敗したらどうしようと、心配しているのです。ちょっと考えすぎ、想像しすぎじゃないのと思えるくらいに。

全校集会では、その週に頑張った子ども達を校長先生が表彰(といっても、とても簡単なもの)する習慣があって、大勢前に出て行って簡素な表彰状をもらい、大抵は”Thank you”を言う程度だったと思います。何とかそういう場でも返事ができるくらいまで回復していた時期でしたが、まだまだ不安は大きかったよう。実際に体験してみて、「あっ、思ったほど大変じゃなかった」と実感することで、徐々に慣れていくことができたように思います。

この2つのケースを比較してみて、不安の質が違うというのはこういうことなのかなと考えていますが、どうなんでしょうか?

 

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ただいまSENTA(特別支援補助員)の修行中

私は昨年9月から自閉症児専門の小規模な私立校で、週に1回TA(教育補助員)の研修をさせてもらっています。できれば緘黙児の支援をしたいんですが、緘黙だけでは予算がおりないため、学校が専属の支援員を雇うことは殆どありません。ASD児に対する支援員の需要が多いのと、ASDの二次障害として緘黙を発症するケースが知られているため、まずはASD児支援の現場で経験を積みたいと思いました。

この学校には8歳~18歳まで、30名ほどの子ども(殆どがアスペルガー症候群)がいますが、SM児はひとりもいません。子ども達を見ていると、少人数のためか教師と生徒、生徒同士の交流が多く、子ども達がのびのびしている様に感じます。でも、時々切れて暴れる子もいて、怪我をしないようにパッディングした特別室も…。

私が研修している日は放課後に勉強会を開くことが多く、知識と英語力のなさで落ちこぼれながらも、学ぶことがいっぱい。ふと気がついてみれば、今週からもう3学期に突入…。緘黙児にも使えそうな支援も多いので、忘れないうちに書き留めていきたいと思っています(話題があっちこっちに飛び、解りづらくてすみません)。

その前に、まずざっとクラスの説明を。配属されたのは、小学校高学年の男児ばかり5名のクラスです。全員が高機能自閉症で、うち4名はアスペルガー症候群ということですが、自閉の度合いも性格も千差万別。これらの生徒5名に対して、クラス担任に加えTAが2名。その他、言語療法士、作業療法士、音楽療法士など専門家も勤務していて、大人の人数が圧倒的に多い!

まず子ども達に接してみて驚いたのは、いきなりやってきた謎の東洋人の私に対して、すんなり馴染んでくれたこと。少人数で落ち着いた学校生活をおくっているためか、はたまたスタッフへの信頼が厚いためか…。いきなり「ねえ、これ見て、見て!」とよってくる子が多く(われ関せずという子もいましたが)、みんな友好的で嬉しかった!どの子も本当に可愛いくて、今では身内になったような気分です(笑)。

教室のレイアウトから時間割まで、子どもの特性や能力、年齢に合わせて、こんなにきめ細かな学習&生活支援をしてるんだと驚ろくことばかり。彼らは日々成長していて、急にぐーんと伸びることも。それを見て驚きと喜びを感じるとともに、何も変わっていないようにみえても、毎日の積み重ねが大事なんだなと思い知らされます。

私はASD児に対して、

  • 視線が合わないことが多い
  • 変化を嫌い、初対面の人には馴染みにくい
  • 他人に対する興味が薄い
  • 会話がなりたたないことが多い
  • 社会性がなく、友人関係が育ちにくい
  • 話し言葉やイントネーションにクセがあることが多い
  • 表情が乏しいので何を考えているのか判りづらい
  • 積極奇異型、受動型、孤立型などがある

こんな知識を頭に入れていたのですが、実際に接してみると、視線は合うし普通に話せるおしゃべりな子が多い。ぱっと見ではASDと判らない子も多いです。スペクトラム(連続体)なので、そんなに単純明快に特徴が分かれている訳じゃないんですね。

ネットで調べてみると、高機能自閉症の定義は知的な発達が正常で、アスペルガーの場合は言語の発達においても遅延や遅滞が見られないというもの。でも、5人いれば5通り、本当にそれぞれ違うんです。これは緘黙児も同じですよね。だからこそ、それぞれの子どもの特徴や性格を把握して、一番合う支援をすることが大切なんだなと痛感しています。

(私はASD関連の知識が殆どないので、トンチンカンなことを書いているかもしれません。間違いがあったら、指摘してくださるとありがたいです)。

 

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春休みとEaster(復活祭)の大型連休(その2)

復活祭は十字架にかけられて死んだキリストが3日目に蘇ったことを記念する、キリスト教徒には最も重要な祝日のひとつです。Good Friday(聖金曜日)、Holy Saturday(聖土曜日)、Easter Day(復活祭の日曜日)、Easter Monday(復活祭の月曜日)と週末を挟んで4連休。クリスマス同様に家族で祝うのが習慣でしたが、今では長い週末を利用して旅行にでかける人も多いよう。

復活祭の日曜日、敬虔なクリスチャンである義両親は午前中に教会に行きました。残念ながら、イギリスでもキリスト教徒の数は減少する一方…。かつての教会の建物が、住居やパブに改造されていることも珍しくありません。

最近ではとみに商業化が進み、イースターエッグとバニーのチョコレートやお菓子商戦がものすごいことになっています(笑)。かつて復活祭の日曜日はどこの店も休業していたらしいのですが、今やそんな習慣は消えてしまったかも…。

私達家族は午前中の空いた時間を利用して、バース郊外にある義妹夫婦宅から車で20分くらいの村、チェダーに行ってきました。ここはチェダーチーズの発祥の地。12世紀にチーズ造りが始まり、長年山峡の洞窟を熟成に利用してきたのだとか。

IMG_20140420_112344ドライブの途中で田園風景から急変し、いつの間にか切り立った崖の狭間を走行。ゴツゴツした岩の間に洞窟がたくさんあって、洞窟内では1年を通して温度が一定なんだそうです。チャダーチーズは6ヶ月以上熟成させる必要があるため、天然冷蔵庫として最適だったんですね。

山渓の道を進んでいくと、チェダー村が見えてきます。村の中央にきれいな川が流れ、大通りはティールームやお土産物さんが並ぶ、可愛らしい観光地でした。ブリストルと同様、丘面の住居には石段がたくさん。

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IMG_20140420_123903現在、この村で自家製チーズを製造しているのはChedder Gorge Cheese 社のみということで、チーズ製造のデモンストレーションを見学してきました。

IMG_20140420_115322IMG_20140420_115049かなり大きいですね。下の写真は熟成室です

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  中央が今も洞窟で熟成しているCave Maured。ナッツ系の濃~い味わいです。

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伝統的な手造りスウィーツのお店でも飴造りを実演中

昼過ぎに義妹宅に戻り、午後2時頃一族揃ってチキンとラム肉のローストディナーをいただきました。義妹お得意のライムケーキが美味。

IMG_20140420_134455IMG_20140420_135958IMG_20140420_143722IMG_20140420_144715義両親から贈られたエッグ&バニーチョコ

休暇最後の月曜日は、ヴィレッジフェスティバルがあるというので再びMells村へ。好天に恵まれ、大勢の人で賑わってました。

IMG_20140421_121633イギリスらしい可愛らしいコテッジ

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   ミニコンサート会場やバウンシーカッスルなどの遊具も登場

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豚の丸焼きは、ほぐして野菜と一緒にパンに挟みアップルソースで

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2日前に行ったThe Walled Gardenも大盛況

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近くの聖アンドリュー教会

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夫の家族と庭園の花々に別れを告げ、3時前に帰途につくことに。サテナビが交通渋滞を避けてソールズベリーを抜ける道を選んだため、再び遠くからストーンヘンジを眺めることができました。

 

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春休みとEaster(復活祭)の大型連休(その1)

2週間前にスタートした息子の春休みは、この月曜日まで続いたイースター連休で終了し、今日から3学期に突入しました。イギリスの学校では1学期の半ばにハーフターム(1週間の休み)があるので、何だか休んでばかりの感じです。

春休みのハイライトは、まず第1週目の日曜日に挑戦した初カーブーツセール。これは車のトランク(Car Boot)に不用品を積み込み、フリマで販売するというもの。私はなかなかものを捨てられない性質なのですが、息子も同じです。脱捨離を目指し、長いこと屋根裏部屋に放置されていたミニカー類(幼少期に集めていたもの)やDr. Who のフィギュアなどの玩具を、着れなくなった服や靴などと一緒に始末することにしたのでした。 しかし… ものすごい低価格なのに、靴、ダイカストの飛行機模型、ダーレックのフィギュアは、ディーラーとおぼしき玄人達にごっそり買い叩かれてビックリ。それでも、1万円くらいの収益がありました。

IMG_20140413_120413IMG_20140413_100735(1)

広々とした野原に車と出店がズラリと並び結構な人手。右側は我が家の売り場です

次のハイライトは車の運転。 11~17歳までの子どもが教官について運転を習えるスキームがあり、メカ好きの息子は初めて挑戦しました。実は、事前にかなり不安になり、申し込 まなければよかったと後悔したとか…。でも、やってみたら「めっちゃ楽しかった」そう。

IMG_20140416_100818大型ショッピングセンターの屋上でGo!(通常イギリスでは即路上で練習します)

4月18日(金)から昨日21日(月)までは復活祭の連休でした。主人は木曜日も休暇を取り、まずストーンヘンジとその近くに住む友人一家を訪ねて車で出発。高速から降りて田舎道をドライブすると、菜の花畑やひろびろとした牧草地の景色がきれいです。

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             緑の平原が続く中、忽然と現れた巨大なストーンサークル。              4500年も前に、どのようにして上に石を乗せたのか今も謎です

翌日は、西部にある港湾都市ブリストルまで足を延ばし、長年会っていなかったもう一組の友達家族宅に宿泊。丘陵地帯にある都市なので丘の斜面に建つ住宅が多く、彼らの家の庭の段々をあがっていくと、一番上は2階の屋根と同じ高さでした!

IMG_20140418_134959料理好きの旦那様が作った復活祭のシムネルケーキ

ランチの後に、世界一古い吊橋として有名なクリフトン・サスペンションブリッジを見に行ってきました。エイボン河の渓谷にかかっているので絶景!

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翌日は、サマセット州のメルズ(Mells)という小さな村にあるガストロパブ、The Talbot Inn に立ち寄ってランチを楽しみました。フィッシュ&チップスの盛り付けもおしゃれで、美味しかったです。

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パブの向かい側にあるThe Walled Garden at Mells の庭園にも立ち寄りました。小さな庭ですが、自家栽培の植物を混ぜたカントリースタイルの花アレンジが好評で、多くのウエディングを手がけているそう。

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園内の花を堪能した後は、カフェで伝統的なイギリスのケーキを。左はレモンケーキ、右のアップルケーキは濃厚なクロテッドクリームと一緒に。

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犬がお昼寝しているフラワーコーナーで義妹に白い花束を購入し、義妹夫婦宅へと出発しました。

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息子の緘黙・幼児期1~2歳(その3)

感覚過敏の兆候?

息子は3kgの標準体重で生まれてきましたが、乳児の頃から食が細いのが気がかりでした。週に一度体重を測りに行く度に、平均くらいだった体重が少しずつ少しずつ下がっていって、ついに「痩せすぎ」の部類に…。(以来、ずーっとガリガリ体型なものの、私も似たような感じだったし、アレルギー以外は殆ど病気もせず健康なので、あまり心配しなくなりました)。

離乳食で好きだったのは、特に潰したバナナと野菜、フルーツ類でした。こちらには初期の離乳食にBaby Riceなるものがあり、薄いライスフレークをミルクに混ぜてトロトロにして食べさせます。息子はこれが全然駄目でした。お粥をすりつぶしたのも不評….。この子はお米が苦手なんだと思っていたら、数カ月後に柔らか目のご飯を食べ始め、??? どうもお米が嫌いなわけではなく、お粥の食感が嫌だったようです。

また、肉や魚類についても、すり潰した状態の時期には野菜を加えても殆ど食べず…。こちらも、噛めるようになったら、ちゃんと食べ始めました。やはり、独特のブツブツ感が嫌だったのかな?

小さい子って熱いものが苦手ですが、息子は特に敏感で、ちょっと熱いくらいで怒って大泣きする時期がものすごく長く続きました。また、1歳を過ぎて初めて市販の甘いジュースを飲ませてみたところ、ものすごくテンションが高くなり、その後酷いグズグズ…。「この子は他の子と比べて、人工的な添加物に対する反応が激しいんだ」と悟りました。

ちなみに、1歳半くらいからうどんやカレーが大好きになったのですが、市販のカレールーやうどんに付いてくる液体や粉末の汁の素を使うと(もちろん薄めてます)、口の辺りや胸にばーっと赤いブツブツが…。

(余談ですが、当時のイギリスのベビーフードといえば瓶詰めのみ。見た目もイマイチで、魚や肉入りのもは匂いからして不味そうで….結局息子が喜んで食べたのは果物だけでした。だから、いただきものの日本の離乳食を息子がパクパク食べた時は大感激!種類も豊富で大人の私が食べても美味しい、優秀なベビーフードだと思いました。よくイギリスの食事は不味いといいますが(最近は随分変わってきました)、赤ちゃん時代から舌が肥えるようなものを食べていないように思います…)。

忘れられないのは、息子が1歳3ヶ月の時に里帰りで初めて飛行機に乗った時のこと。「寝てばっかりいたよ」という友人達の言葉とは裏腹に、息子は通路を歩き周り、興奮してちっとも眠らず…。ヤバイなと思っていたら、疲れすぎて超大泣き!寝ている人たちに迷惑にならないよう、トイレの辺りで一所懸命なだめたのですが一向に泣き止まず…。驚いたスチュワーデスさんに、「どこか悪いんですか?」と訊かれる始末。やっと眠ったかと思ったら、着陸時に気圧の関係で耳が痛かったのか、またもや超大泣き — 本当に穴があったら入りたかったです。

あと、太陽の光を眩しがる傾向も強かったような気がします。赤ちゃん時代もそうでしたが、息子の過敏さは相変わらず健在で、徐々に他の子との差が明確になってきた時期だったかもしれません。

関連記事  息子の緘黙・幼児期1~2歳(その1)

       息子の緘黙・幼児期1~2歳(その2)

 

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