海辺の家の週末

今週末は、3年ぶりに南イングランドのサセックス州に住む友達の家に遊びに行ってきました。彼女の家は海岸に建っていて、中庭にあるアトリエを出ると、そこはすでに砂利の浜辺なのです。

IMG_20140810_135624文字通り海に面した家(写真のアトリエの奥に家があります)

IMG_20140809_174630

満潮のときは水際までわずか10数メートルたらず!

土曜日の1時ごろ着いてランチをご馳走になり、食後のコーヒーの後で浜辺に出たのが3時頃。ちょうど引き潮で、かなり遠くまで浅瀬が続いていました。観光地ではない小さな町なためか、天気がいいのに人出はまばら。泳いでいるグループとウィンドサーファーが数人、散歩している人がちらほら、という感じ -- まるっきりプライベートビーチ状態でした。

IMG_20140809_154450IMG_20140809_161117

       海水に足をつけると、思いのほか暖か…。浅瀬には柔らかそうな藻や海草がプカプカ。引き潮で出現した中州(?)まで歩くと、緑の藻(写真右)がいっぱい張り付いてました

IMG_20140809_154437

中州から岸側を見た風景

IMG_20140809_171901

          海岸沿いに散歩していたら、かわいいパステルのBeach Hut(海小屋)が並ぶ風景に遭遇。この小屋を借りて着替えたり、休んだりできます

夜は近くのLittlehampton という町にあるシーフードで有名なレストラン、East Beach Cafe に行ってきました。海辺に突如現れるフランスパンを切ったような斬新な形のレストランです。

IMG_20140809_204342IMG_20140809_202039

IMG_20140809_205036IMG_20140809_212954

地元産のビールとシーフードで乾杯(って、私は飲めないんですが)

今日の日曜日は、アメリカで猛威を振るったハリケーン「バーサ」が勢力を弱めながらもイギリスに上陸ということで、各地に警報が出ていました。サセックス州にも警報が出ていて、海が荒れるかもと、土曜の夜からドキドキ。朝5時ごろ風の音で目が覚め、何度も窓から海を眺めました。7時頃に真っ黒な雲が地平線に垂れこめ、暴風に加えて雨も降り始めて、「いよいよ高波が押し寄せてくるかも!」と待ち構えていたのですが、その後もあまり変化なし…。午後2時頃にはカラリと晴れ上がり、もう一度まったり散歩を楽しんでからロンドンに戻ってきました。

IMG_20140810_135654午後からも波が高く水が濁ってました

 

Spread the love

オリンピックパークに行ってきました

2012年のロンドン五輪いえば、エリザベス女王がジェームス・ボンドにエスコートされ、パラシュートでスタジアムへ降下するという演出が記憶に残っているのではないでしょうか?

その瞬間を、私は日本の実家のTVで観ていました。オリンピック開催中ずっと帰国していたので、せっかくロンドン開催だったのにもかかわらず、実際に見る機会はありませんでした。

ちなみに、ロンドン市民はオリンピック税を徴収されたんですが、何ら恩恵はなし…。各学校でチケットの抽選会をしたものの、クジ運のない息子はまたもやハズレ。スポーツに殆ど興味がない夫と息子は、地元を通過した聖火リレーと、自転車男子ロードレースをロンドン中心部に見に行ったのみだったそう。

それが、先週日曜日に地下鉄で東ロンドンを通過した際、五輪の建築物がチラリと見えて、息子が「行きたい」と興味を示したんです。偶然にも、久しぶりに会う友達親子からの提案と重なって、一緒に出かけてきました。

オリンピックパークの入口までは、Stratford駅から徒歩5分ほど。Westfieldsという大型ショッピングセンターを通り抜けると、正面にオリンピックスタジアムが見えてきます。

今年4月に『クイーンエリザベス・オリンピックパーク』と改名され、中央にリー川が流れる2.5k㎡の美しい公園としてリニューアルオープン。メインスタジアムと水泳会場など4つの競技施設を残し、家族で散歩やピクニック、スポーツや遊びを楽しめる場となっています。そぞろ歩きで1時間半もあれば1周できる大きさでしょうか。

IMG_5346

         スタジアムは今も改造工事中。2016年に地元のサッカープレミアリーグ、            ウエストハム・ユナイテッドのホームスタジアムになる予定

IMG_5347

       スタジアムの隣はロンドン五輪のシンボルタワー、アルセロールミッタル・オービット(Arcelormittal Orbit)。全長約115m、2つの展望台があります

 IMG_5367IMG_5359

            スタジアム前の広場では、水着姿の子ども達が歓声をあげながら遊んでいました。       地面から吹き上がる噴水が名物です

IMG_5393

              左側の建物は水泳競技会場だったアクアティクスセンター。一般利用もできますが、時間帯が不規則なので予約してから行くのがベター

IMG_5379IMG_5391IMG_5383

息子、クライミングウォールに挑戦中。至るところにモダンなアートワークや建造物が

IMG_5394IMG_5370

              公園内は美しく整備され、川縁には野草風の花や植物が生い茂っています。            五輪前は廃棄物処理施設が建ち並ぶ荒廃したエリアだったとか

公園内のあちこちに売店がありますが、我々は北東側のカフェ『ティンバーロッジ』でお昼を食べようと楽しみにしていたんです。でも、行ってみたら何の変哲もないサンドイッチ中心の軽食メニューしかなくて、う~ん…。周りを見回してみると、ピクニック派が圧倒的に多く、納得という感じでした。

「何か美味しいものが食べたい!」と食い意地の張った母親2人(特に私)は、文句を言う息子達をなだめつつ、カフェが沢山あるショッピングセンターへと歩いて戻ったのでした(笑)。

IMG_5398            M&Sのカフェでやっとランチにありつきました!3種類のサラダに大きなローストチキンが        ついて4.50ポンドはかなりお得。ラズベリーとザクロのジュースも美味でした

たくさん歩いて、美味しいものも食べて、大満足で家に戻ったんですが、かなりヘトヘト。運動したから痩せたかもと、翌日体重計に乗ってみたら何と1.6kgも太ってました~。最近、ちょっと食べすぎかも…。

Spread the love

地下鉄のアクシデント

昨日の日曜日、古くからの知り合いの誕生パーティに家族で呼ばれ、地下鉄で行くことになりました。我が家はロンドン中心部から30分ほどかかる郊外で、地下鉄が地上を走っています。

IMG_20140803_131618

知人へのプレゼントはパープル系の花束とチョコレート。これらに加えて、前日ホリデーに出かけた友達から譲り受けた蘭の花も持参することに。で、その蘭の花を息子に持たせたのが事件のはじまりでした。 IMG_20140803_132048

電車に乗り込んでふと息子を見たら、「あれっ、蘭がない?!」。そうです、置き忘れてきちゃったんです。

電車を待っている間、夫と息子はwifiが繋がる待合室に入って携帯ゲームに夢中になってたんですね。外にいた私に呼ばれて急いで電車に乗ったため、息子は自分が興味のない欄のことなどすっかり忘れてしまったよう…。

咄嗟に「降りよう!」と家族を促し、先に降りた息子に続こうとした時、私達夫婦の目の前でドアがピシャリと閉まりました。次の駅で降りて、「う~ん、あの子が機転をきかせて、次の電車でこの駅まで来れるかな?」と二人で顔を見合わせ、まずは電車を待ってみました。

携帯電話は学校で禁止されているため、息子は携帯を持ってません(友達との連絡はipodで間に合ってるよう)。連絡の取りようがないので、2台待ってみたんですが、やっぱり乗っておらず…。

(小学校時代は、「電車に乗り遅れたり、みんなと逸れた時は、その駅で迎えが来るまで待つこと」が鉄則でした。きっと、小学校のこの教えをしっかり守ったに違いなく、こういうところは生真面目なんですよね)。

仕方がないので夫が迎えに行き、家族が合流できた時には、予定より既に30分以上も遅れてました!(日曜日なので電車の本数も少なかった)。

やっと知人宅に辿り着いた時は、2時の集合時間を45分も回っていたのですが、集まった皆さんは庭でカナペを食べながら和やかにおしゃべり中。3時を過ぎてから、とっても美味しい手料理の数々をご馳走になり、食後はふわりと軽くフルーツたっぷりのクリームケーキとミントティーも堪能。お陰さまで、それまでのトラブルが吹き飛びました。 IMG_20140803_151314

          この写真ではよく見えませんが、お刺身をのせた大皿が2枚あって、握ったご飯に好きなお刺身をのせて食べるという趣向。イギリス人にも大人気でした。

東の郊外から北の郊外まで中心部経由の移動なので、7時前においとまを告げて家に戻ったのは夜の8時半過ぎ…。遅い夕飯を食べながら何となく反省会になり、下記のルールを決めました。

  • 自分の持ち物には必ず責任を持つ → 息子
  • 無茶な電車の乗り降りはしない/させない → 私
  • 誰かが電車に乗り遅れた場合は、次の駅で集合 → 家族全員

ちなみに、息子は、私達が乗った電車を見送ってから、駅の事務所に行って事情を話し、どうしたらいいか相談したんだとか。いつもなら無人駅のところ、昨日はたまたま駅員さんがいて、「事務所で待ってれば?」と誘ってくれたそうです。追記:後から解かったんですが、駅員さんと一緒にCCTVを観ながら、「次の電車で君の両親が来なかったら、隣の駅にアナウンスを入れよう」と話してたんだそう。ひえ~っ、間一髪でした。

こういうところは随分成長したなと思います。しかし、昔からマルチタスクが苦手な息子…大丈夫かな。そういう母親の私も、昔からオッチョコチョイで失敗が多いので、親子で注意せねばと気持ちを引き締めたのでした。

 

Spread the love

篇桃体(アミグダラ)のスイッチを切る

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その6)

この3月に開催されたSMIRAコンファレンスで、イギリスの緘黙治療の第一人者、マギー・ジョンソンさんが、小学校中・高学年&ティーンのための支援方法について講演されました。その内容をKnetと拙ブログに公開する許可をマギーさんから得ましたので、概要を少しずつ翻訳してご紹介しています。

内容の著作権はマギーさんに属しますので、この記事の転記や引用は固くお断りします。なお、年が上の子どもへの支援は、緘黙支援のバイブルと呼ばれるマギーさんとアリソン・ウィンジェンズさんの著書『場面緘黙リソースマニュアル(Selective Mutism Resource Manual Speechmark社)』に詳しくカバーされています。

《緘黙に苦しむ小学校中・高学年&ティーンへの支援》 

場面緘黙 アドバイザリーサービス 言語療法士マギー・ジョンソン著                  ケント州コミュニティヘルスNHSトラスト

篇桃体(アミグダラ)のスイッチを切ることは可能です

  • 自らの恐怖について理解する
  • リラクゼーション – 笑い、深呼吸、(ほどよく)忙しくする、身体を動かす
  • スモールステップで恐怖と対峙し、危険がないことを篇桃体に示す
  • 怖いと感じるからといって、脅威となるものが存在するに違いないと思い込むのをやめる – 「自分は嫌われている。もし話したら、みんなに笑われる」といった愚かな理由に結びつけるだけです

次に、

  • 自分自身の考え方や行動によって、恐怖が現実のものとなり、危険な状況を創りだしていることに気づくこと(例えば、微笑みかけられた時に顔を背けたら、その人たちはあなたに嫌われていると思い、次は無視するでしょう)
  • (最大の恐怖である)ネガティブな思考を、肯定的または中立的な考え方(事実)に置き換える

このディスカッションを進展させるのに、2〜3回以上のセッションが必要かもしれません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みく注: ここでマギーさんが強調しているのは、まず身体と心をリラックスさせて、ネガティブな思考から抜け出すこと。簡単なようですが、感受性が強く、気にしいの抑制的な性格の人には、なかなか難しそうです。

私自身そうなんですが、何か事件が起きると、悪いほうへ悪い方へと考えてしまう…。そして、人の何倍も凹んだり、落ち込んだりする傾向が強いように思います。誰かにちょっと何か言われると、ずーっとそのことが気になってしまう訳ですが、相手の人は既に忘れてたりして(笑)。

小学校の卒業式の前に、息子がちょっと情緒不安定になった時期があったんです。寝つきが悪くなったので理由を訊いてみたら、「あの時○○君にあんな風に接しちゃった。どうしよう」と、過去の出来事を心配してました。相手の子は元気に家にも遊びに来てたし、明らかに「気にしすぎ」…。

「くよくよせず、ぱっと切り替えなさい」と言っても、不安になりやすい気質は変えられない。でも、周囲の理解があったり、家族や友達との信頼関係ができていれば、ひとりでずっと落ち込むことはないのでは?そう考えると、学校で緘黙していても、友達がいたり、趣味があったり、家庭で楽しい時間を過ごせることが、本当に重要だなと思います。

マギーさんは「自己評価をあげること」を緘黙克服の第一歩にあげていますが、それが気持ちの持ち方に大きく影響してくるんですね。何でもいいので、趣味、特技、得意科目があったら、どんどんやらせて自身をつけさせましょう。

あと、好きなアニメを観るとか、ペットの世話をするとか、美味しいものを食べるとか、人生の「小さな喜び」を感じられる一時があると、気分転換できますね。実は、昨日嫌なことがあってずっとクヨクヨしてたんですが、先ほど黒澤映画『夢』を観たら、気分がすっかり晴れました。

関連記事:

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その1)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その2)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その3)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その4)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その5)

Spread the love

マギー・ジョンソンさんの講演から『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その5)

● 恐怖症はどのようにして起きるか?

パニックや激しい恐れを引き起こす何かが起こり、その恐怖が「害のない」ものや出来事と関連づけられます。次にそのものや出来事に遭遇した時、同じ恐怖やパニックの感情が蘇えります。そのものや出来事がもとの恐怖の原因ではなかったにせよ、それらを極度に嫌がるようになるのです。

恐怖症を持つ人の「怖い」という感情はリアルなものですが、それが危険かというと、そうではありません。危機感は心の中で創られたものなのです。

以下は子ネコを極端に怖がる女性の話です。どうして彼女が子ネコを危険なものと信じるようになったか、探偵になったつもりで推測してみてください。

(http://omensalam.blogspot.co.uk/2008_05_01_archive.html)

 

 

 

 

 

 

 

「この絵は、小さなネコや子ネコを見ると起きる私の反応です。普通のネコは大丈夫なのに、子ネコは死ぬほど怖い…。まずその大きさ、そしてふわふわの肌を想像しただけで、気分が悪くなるんです。

私はネコとの最悪な出会いを、今でも覚えています。それはある晴れた昼下がりのことでした。4歳だった私は、何日か病気をしたためベッドで休んでいました。そこへ、子ネコをくわえた親ネコが、生まれたばかりの子ネコの隠し場所を探して、突然私の部屋に飛び込んできたのです。母によると、私はパニックを起こして、気絶するまで叫び続けたそうです。それ以来、子ネコを見るのも触るのも全く駄目で、絵やTVで見るだけでも嫌なんです」

● ヒント

 「この絵は、小さいネコや子ネコを見ると起きる私の反応です。普通のネコは大丈夫なのに、子ネコは死ぬほど怖い…。まずその大きさ、そしてふわふわの肌を想像しただけで、気分が悪くなるんです(マギーさん注: この描写は変ですね?多分、恐怖症は柔らかくふわふわした子ネコではなく、肌に起因しているのでは?)。

私はネコとの最悪な出会いを、今でも覚えています。それはある晴れた昼下がりのことでした。4歳だった私は、何日か病気をしたためベッドで休んでいました。そこへ、子ネコをくわえた親ネコが、生まれたばかりの子ネコの隠し場所を探して、突然私の部屋に飛び込んできたのです。母によると、私はパニックを起こして、気絶するまで叫び続けたそうです(マギーさん注: 母親がすぐ彼女のところに行かなかったのは明らか。それは何故?)。それ以来、子ネコを見るのも触るのも全く駄目で、絵やTVで見るだけでも嫌なんです」

● あり得るシナリオ(マギーさんの推測)

母親は洗濯物を干すため外に出て、娘には「何かあったら窓から大声で呼びなさい」と伝えてあった。そのため、娘は家の中にひとり残され、誰かが自分の部屋に入ってくるとは考えもしなかった。ドアが開いたとき、彼女は恐怖に襲われた — 泥棒?人さらい?妖怪? ドアが開いた瞬間に、パニック反応と運命を感じた — 一体どんな恐ろしい侵入者が入ってきたのか?ドアのところに現れたのは、彼女が生まれてこのかた見たことがないもの — ピンク色でシワシワの生まれたばかりの子ネコだった – そして、無意識のうちにそれを恐怖と結びつけた。

● 篇桃体(アミグダラ)

脳の篇桃体(アミグダラ)は、恐怖反応を制御します。

恐怖を感じるとストレスホルモンを分泌し、身体に物理的な変化を与えます。例えば、心臓の鼓動が早まったり、喉の筋肉が締まるなど。これでは話せない訳です!体と喉がリラックスするよう、制御反応のスイッチを切れることができれば、言葉は楽に出てくるはずです。

● 良い知らせ

  •  場面緘黙は恐怖症
  • 恐怖症は治すことができる

*みく注: 恐怖症についての説明 → 恐怖症とは?コトバンク (http://kotobank.jp/word/%E6%81%90%E6%80%96%E7%97%87)

関連記事:

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その1)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その2)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その3)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その4)

 

 

Spread the love

ブログ開設1周年を迎えることができました

イギリスでは、先週木曜日から殆どの公立校が夏休みに入りました。そういえば、このブログを始めたのは昨年の夏休み中だったなとチェックしてみたら、昨年の7月28日がブログ開設日。細々とですが、何とか1年間続けることができました。読んでくださっている方、どうもありがとうございます。

私自身、抑制的気な質が強いためか、FBやTwitterなどのソーシャルネットワーキングはどうも苦手です。まあ、年齢的なものもありますね(汗)…。時々、こんなブログ書いてて何の意味があるのだろうと自問しつつも、やはり自己表現の場のひとつなので、今後も続けていきたいと思っています。

昨年9月から週1回のペースで研修させてもらっているASD児専門学校では、2週間ほど前に終業式がありました。18歳の3名にとっては卒業式でもあり、スタッフの激励の言葉に照れている彼らを見て、私のほうがうるうる。予期せず、ボランティアの私も両手いっぱいの大きな花束と感謝の言葉をいただきました。お世話になったクラス担任とTA達からもカードとチョコレートをいただき、大感激。教室で子ども達やスタッフとハグを交わし、3学期の最後の日を終えたのでした。

IMG_5289IMG_5307

IMG_5305            うちの庭に咲いている白アジサイのアナベルを加えてアレンジしました。                    ヒマワリ、グラジオラス、ユリ、ガーベラ、バラなどカラフルな花が多かったのですが、      活けきれず半分以上お隣へ。

9月の新学期からは、クラス担任もTAの2人もそれぞれ新しいクラスに配属されるとか。スタッフの皆さんから、「来期もまた来て」と言われ、かなり複雑な気持ちになりました…。そろそろボランティアを卒業したいと思うものの、どんどん自分の駄目さ加減が解ってくるうえ、いまだ仕事も見つからず…。

実は所属しているエージェントから、9月から近くの小学校でTAの仕事があると打診されたんです。特別支援ではなく、普通クラスの担任補佐です。でも、パートタイムとはいえ、8時半から午後1時半まで毎日勤務となると、今までやってきたフリーの仕事を続けるのが難しい…。悩んだ末にお断りしてしまい、どっぷり自己嫌悪(その前は、かなり遠方の学校の仕事が来て、どうしても車の運転に自信がなく、これも断ってしまったのでした…)。もう仕事を回してもらえないかも…。

もともと場面緘黙の子ども達を支援をしたいと思い、SENTAになりたいと思ったのですが、特別支援というとASD児のサポートが主流です。また、週2、3日のTAの仕事って殆どないような…。英語力は足りないし、他のTAのようにバシっと子どもを叱れないし、諦めた方がいいのかなと弱気になってます。

うだうだ悩む毎日ですが、天気はいいし、息子も夏休みでのんびりムード。やっと日本語を勉強する気になってくれたので、少しずつ漢字を覚えさせています。

 IMG_5308

        息子が夏休みに入った週末、クロアチア人の友達と彼女の甥っ子たちを招いて、         手巻き寿司ランチをしました。アジとタコとイカは食べないかもと少量にしたんですが、やっぱり駄目でした。でも、生まれて初めてお刺身に挑戦した12歳と21歳男子は、サーモンとマグロをいっぱい食べましたよ。

IMG_20140727_120716        先週の日曜は、春休みに引き続き、2回目のカーブーツセール(フリマ)に挑戦。         車を止めてトランクを開けた途端、玄人バイヤーがわさわさ寄ってきて、転売できそうなものを買い叩いていきました。洋服をいっぱい詰めた大きなバッグを「全部で10ポンド(1700円くらい)だね!」と叩かれ、「いや、20ポンドじゃないと譲れない!」と戦って、勝ちました~(笑)。

IMG_20140727_132207店番中の息子。最初の10分が勝負で、後はボチボチという感じでした

IMG_20140727_133026 お昼ごはんのバーガーとチップス(イギリスではフライドポテトがチップスです)

日本は猛暑続きと聞いていますが、皆さんも体調を崩さず素敵な夏休みをお過ごしください。

Spread the love

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その4)

この3月に開催されたSMIRAコンファレンスで、イギリスの緘黙治療の第一人者、マギー・ジョンソンさんが、小学校中・高学年&ティーンのための支援方法について講演されました。その内容をKnetと拙ブログに公開する許可をマギーさんから得ましたので、概要を少しずつ翻訳してご紹介したいと思います。

なお、内容の著作権はマギーさんに属しますので、この記事の転記や引用は固くお断りします。年が上の子どもへの支援の詳細は、緘黙支援のバイブルと呼ばれるマギーさんとアリソン・ウィンジェンズさんの著書『場面緘黙リソースマニュアル(Selective Mutism Resource Manual Speechmark社)』に掲載されていますの第二版(2015年春/夏出版予定)に新項目として掲載される予定です

《緘黙に苦しむ小学校中・高学年生&ティーンの支援》

場面緘黙アドバイザリーサービス 言語療法士マギー・ジョンソン著/ ケント州コミュニティヘルスNHSトラスト

恐怖症

セカンダリースクールの子ども(12~16歳・日本では中1~高1に当たります)と、恐怖症について話し合う方法。子どもの承諾があれば、保護者、友達、兄弟姉妹も参加可能です。

<恐怖症について話し合う>

1) 怖いと感じるもの、感じないものを分類

下記の中から怖いと感じるもの、感じないものを、子どもに分類させる(正しい答えはないので、自分の気持ちに正直に答える)。

(例) サメ、水、車、トラ、ピエロ、子ネコ、橋、野菜、ボタン、警察官など

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        怖くない                   水、ピエロ 、子ネコ、野菜、ボタン、警察官                                 怖い           サメ、車、トラ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・          2) ディスカッション1

上記に挙げた全ての項目は、現実的な危険の有無に関係なく、ある人たちにはパニックを起こす原因となります。多くの人がボタンやネコ、ある種の野菜などへの恐怖症を持っています。

脳はどんなものでも、危険なもの・脅威としてプログラミングすることができるのです。そのため、私達はパニックをおこし、恐怖を引き起こすものや出来事をなんとか避けようとします。

それと同時に、どのように対処するか学び、コントロールできると感じていれば、サメやトラなどを全く恐れない人もいるのです。

3) ディスカッション2

次に、あなた自身に起こったこと--「話すこと」をリストに加えます。

あなたは常にパニックを感じている訳ではなく、多分できるだけそれを回避することで、「話すことへの恐怖」に対処することを学んだのです--私がサメが出没する海で泳いだり、子ネコ恐怖症の人がペットショップに行くのを避けるのと同じように。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
怖くない                                  水 、ピエロ、子ネコ、橋、野菜、ボタン、警察官              怖い                     サメ、車、トラ、話すこと

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      4) 結論

危険についての認識は人によって異なる。

安全と感じることができるには:
1) ルールに従う (例: 道路を横断するなど)
2) 知識と経験を得る (例: 綱渡り、ライオンの調教師など)
3) 医学的(例: 喘息、ハチ刺され、ナッツアレルギーなど)もしくは、他の恐怖症と同様に心理的にリアクションを抑制する方法を学ぶ

*みく注: マギーさんは場面緘黙を恐怖症と捕らえると判りやすいとアドバイスしています(イギリスでは場面緘黙は「人前で話すことへの」恐怖のためにおきる症状であり、心理的な病気ではないという捉え方が強いように感じます)。余談ですが、ボタン恐怖症なんて最近まで聞いたことがなかったのに、実はイギリス人のママ友がそうであることが判明。普通に2、3個ついてるのは大丈夫らしいんですが、いっぱい集まってるとゾゾッとするそうで、ボタンのついている服はなるべく避けているんだとか…。私は田舎育ちで、虫とか昆虫とか慣れているハズなのに、ミミズのようなヌメヌメした動物を見るとゾゾっときます。小学校の同級生に蝶が苦手な子がいて、彼女が神経質なまでに蝶を避けていた様子を今でも覚えています。恐怖症って不思議ですね。

関連記事:

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その1)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その2)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その3)

 

Spread the love

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その3)

緘黙を克服したサキ・ギャラクシディス君の動画

  • この動画では、22歳のオーストラリア人の青年、サキ・ギャラクシディス君が、(専門家の支援を得て)15歳の時についに決意を固め、どのように緘黙を克服したかを語っています。
  • 彼は”極端な社会不安”のため、9年もの間両親をのぞいて誰とも話しませんでしたが、今では誰とでも話しています。
  • 「自分を信じて。僕にできたんだから、君にだってできる」、というのが彼の主要メッセージです。

*みく注: 18分の長い動画の中から、マギーさんはサキ君の最大のチャレンジとなった、「学校で初めて言葉を発する」部分のみ抜き出していました。その前にも参考になるアイデアが多々あるので、簡単に説明しますね。

 サキ君は学校で全く話せなかったものの、成績はよく自負心がありました。苛めにもあったそうですが、あまり気にせず、それほど落ち込んだことはなかったとも。将来のことを考えた始めた時、どこかで「話せないバリア」を取り払わなければマズイと真剣に思い始め、それが起爆剤になったそう。少し自信がつけば何とかなると固く信じていたそうで、「本当にやりたいと思えばできる」と視聴者に語りかけています。自分で克服するんだと決心したのは14歳の頃。父親にもそう宣言して、プロの心理士に相談しました。心理士のアドバイスは、簡単なことから始めて、スモールステップで徐々に自信をつけていくというもの。経験値をあげてかなり自信がついたところで、最大のチャレンジに挑戦したことが成功の鍵だったと思います。

<サキ君の緘黙克服方法>

まずは、自分で簡単にできることから、徐々に難度をあげて経験値をあげてゆく。下記は彼が楽だと思った方法なので、それぞれが自分に合う方法を見つける必要があります。彼の人生最大のチャレンジは、学校でひとりの先生にひとこと声を発するというものでした。

  • 作戦1: 普段よりも多く、両親と話す
    学校から帰宅したら両親に話しかけ、徐々に長い会話にしていく
     
  • 作戦 2: 町に出て知らない人と話す練習(道をきく)
    多分、多くの緘黙児が感じることだと思うのですが、彼にとっては知っている人よりも、全く知らない人と話すほうが楽だったそう。「誰も僕のことを知らないし、僕が話せないことも知らない。僕も彼らを知らない」– 失敗しても安心できる状況ともいえますね。
     
  • 作戦 3: 最重要課題の決行 - 学校でひとりの先生に「ハイ」と、ひと言だけ声をかける
     

動画の10分26秒のあたりから、

「今がその時だ!何がなんでも言わなきゃ。僕はありったけの力と自信をかき集めて、最初のひと声を絞りだそうとした。たったひと言 — いうべき言葉は「ハイ」、それだけ…。数分間そこに立って何とか声を出そうとしていたら、自分の中で少しずつ自信が湧きおこってくるのを感じたんだ」

「その僅かな自信に気づくと同時に、すぐさまそれを掴んで離さないようにした。そして、なんとか声を出そうと自分を奮い立たせたんだ。やるしかなかった。己の限界を超えなきゃいけない。安全地帯にいる限り何かを成し遂げることなんかできないから、そこから出なきゃいけない。その時は、すっかり安全地帯の外だったよ!」

「本当に辛くて、ずっと緊張しっぱなしだったけど、なんとかやり終えることができた。ただ、「ハイ」という言葉を発しただけ。でもその言葉は、それほど長く考えなくても出てきた。そんな風に、実現させたんだ」

*みく注: 心理士が学校に働きかけ、ランチタイムに特定の場所で先生と出会えるようにセットアップ。予めこの挑戦について先生に説明してあり、サキ君自身もそれを知っていました。

関連記事:

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その1)

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その2)

 

Spread the love

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その2)

この3月に開催されたSMIRAコンファレンスで、イギリスの緘黙治療の第一人者、マギー・ジョンソンさんが、小学校中・高学年&ティーンのための支援方法について講演されました。その内容をKnetと拙ブログに公開する許可をマギーさんから得ましたので、概要を少しずつ翻訳してご紹介したいと思います。

なお、内容の著作権はマギーさんに属しますので、この記事の転記や引用は固くお断りします。年が上の子どもへの支援の詳細は、緘黙支援のバイブルと呼ばれるマギーさんとアリソン・ウィンジェンズさんの著書『場面緘黙リソースマニュアル(Selective Mutism Resource Manual Speechmark社)』に掲載されていますの第二版(2015年春/夏出版予定)に新項目として掲載される予定です

《緘黙に苦しむ小学校中・高学年生&ティーンの支援》

場面緘黙アドバイザリーサービス 言語療法士マギー・ジョンソン著                         ケント州コミュニティヘルスNHSトラスト

1) 自己評価をあげる - (その1)からの続き

子どもを受容する

  • 学校、そして学校外の活動などで、偏見なしに子どもをありのまま受け入れる
  • 共有体験--場面緘黙に苦しむ他の子どもやティーンと会ったり、連絡を取りあう。言語療法士に対しては、場面緘黙と訥弁の子どもを一緒に活動させたり、グループ活動を検討するよう奨励。FBやインターネット上でSMの子ども/ティーン用のグループに参加する

*みく注: 講演会では、重症の吃音に苦しむティーンの学校での受容例(教師、TA、クラスメイト)を映像で紹介。周囲の理解と支援があれば、学校に居場所ができ、モチベーションもあがることが判ります。 https://www.youtube.com/watch?v=cWeKiZS-dxM&hd=1

担任の取る態度や言葉だけでも、クラスの子ども達が受ける影響や態度は随分変わってくると思います。例えば、うちの息子(当時4歳)は緘動のため課題ができなかった時期がありました。「何でやらないの?」と訊ねるクラスメイトに、担任は「○○君は準備ができたらやるから、いいんだよ」と諭していました。自分のペースでやればいいと言ってもらえて息子も安心できたと思いますし、クラスメイトも「そういうものか」と納得したと思います。子どもがクラスで孤立しないような雰囲気を作ることは必須ですね。

2) 場面緘黙を理解し、自分でコントロールできる”症状″と捕らえる

  • 場面緘黙を外在化させるために必須 - 緘黙は彼らの個性ではない
  • 場面緘黙を克服する唯一の方法は、本人が自ら不安と向き合い、その時々に可能なステップを一歩ずつ踏んでいくこと - これは他の誰でもない、本人しかできないこと

<事例>

1) 場面緘黙とASDを併せ持つ14歳の少年

マギーさんが送ったハンドアウトを使い母親が2)を説明したところ、少年は非常に腹を立てました。(多分、誰かが話しているのを聞いたのでしょう)彼は地方自治体がこの問題に対処し、治療をしてくれるものと思い込んでいたのです。怒って部屋を飛び出し、その後この件については触れませんでした。

その週末買い物に行った際、突然彼の姿が見えなくなりました。母親がパニックに陥りそうになった時、少年は雑誌を手に戻ってきました。生まれて初めてひとりでニュースエージェントに行き、毎週取り寄せている雑誌を自分で取ってきたのです。驚く母親に、少年はすました顔で、「自分でやるようにしたら、怖くなくなるって言ったでしょ」と告げました。

2) 学生時代を通して場面緘黙に苦しみ、その後克服した若者

「最も開放されたのは、場面緘黙が自分の資質ではなく、不運にも罹ってしまった(アトピーのように)ものと捕えるようになったこと。一旦このような見方を始めると、何とかその症状と共存することを学び、さらには対処し、克服できるものと考えられるようになりました。今でも不安になりやすいですが、もはや不安が私をコントロールするのでなく、私が不安をコントロールしています」

3) 学生の頃ずっと緘黙に悩まされたが、現在は回復している若者

「-学校の外で、私の問題を知らない人たちとの間で自信をつけることに焦点を当て、怖いけれどやれそうなタスクを、難度をあげながら自分に課していきました。私のことを、ちょっと大人しい子と思っているだろう人たちと交流すればするほど、自信がつきました。それでも学校では話せませんでしたが、大学に入学して緘黙を克服することができたのです」

関連記事:

マギー・ジョンソンさんの『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その1)

 

Spread the love

マギー・ジョンソンさんの講演から『小学校中・高学年&ティーンの支援』(その1)

この3月に開催されたSMIRAコンファレンスで、イギリスの緘黙治療の第一人者、マギー・ジョンソンさんが、緘黙で苦しむ小学校中・高学年生&ティーンの支援方法について講演されました。その内容をKnetと拙ブログに公開する許可をマギーさんから得ましたので、概要を少しずつ翻訳してご紹介したいと思います。

内容の著作権はマギーさんに属しますので、この記事の転記や引用は固くお断りします。なお、年が上の子どもへの支援については、緘黙支援のバイブルと呼ばれるマギーさんとアリソン・ウィンジェンズさんの著書『場面緘黙リソースマニュアル(Selective Mutism Resource Manual Speechmark社)』で詳しくカバーされていますの第二版(2015年春/夏出版予定)に新項目として掲載される予定です

《緘黙に苦しむ小学校中・高学年生&ティーンの支援》

場面緘黙アドバイザリーサービス 言語療法士マギー・ジョンソン著                         ケント州コミュニティヘルスNHSトラスト

成功の鍵となる指標 (社会不安障害の予防)

  1.  自己評価をあげる
  2. 場面緘黙を理解し、自分でコントロールできる”症状″と捕らえる
  3. 自分が変わるための触発剤(事象/目標/人)
  4. 家庭と学校の協力的な環境
  5. 専門家を含む支援ネットワーク
  6. 話すことへの恐怖を克服する戦略

*みく注: まず自己評価をあげ、子どもを取り巻く環境を整えてから、支援を開始します。その際、子ども自身が自覚を持って場面緘黙に向き合う必要があります。第三者の大人の支援者を得、できれば専門家にバックアップしてもらい、しっかりした戦略を立てて「話す恐怖」を克服していくというのが理想。でも、全部の条件を満たすのは難しいため、できるだけ多く組み合わせて、ということ。

特別支援教育が浸透しているイギリスの学校においても、条件をそろえることはなかなか難しそうです。というのも、学業に支障がなく問題を起こさない緘黙児は、放置されてしまう傾向が強いからです。イギリスでも、特別支援の予算やマンパワーが限られているため、後回しにされるケースが多いよう。まだ特別支援制度が徹底していない日本の学校で、環境を整え、支援ネットワークを作るのは、かなりハードルが高そうです。

1) 自己評価をあげる

★大人のメンター(保護者以外の指導者・支援者)を得る

  • 純粋にその子が好きな人/子どもとの関係を楽しめる人
  • 子どもに自分の価値を解からせることができる人
  • 子どもを信じ、子どもの自信を養わせることができる人

*みく注: 保護者では関係が近すぎるため、第三者の頼れる大人との繋がりを作ることが重要とのこと。保護者以外の大人に認められることは大きな自信になります。また、将来自立していくための足がかりにもなるでしょう。

イギリスでは、運が良ければ学校でTA(教員助手)が緘黙児の支援に当たります。日本では、学校でどんな支援を受けられるかは、担任の力量による部分が大きいかもしれませんね。

学校外で親しい親戚や知人などの協力を得られるといいんですが、多忙な暮らしの中で密に連絡を取るのは難しいかもしれません…。面倒見のいい習い事の先生、信頼できる家庭教師なども助けになりそうです。

★友達関係を広げる

  • 社会的な適性の確認
  • 同世代の子どもとのふれあい/会話の経験

<友達を作る方法>

  • 目的のある活動や共通する興味を通じて
  • 大人の仲介を通して
  • (ASDが併存する場合は)場面緘黙を認識させた後、特定のソーシャルスキルや会話練習のグループを通じて

*みく注: 仲の良い友達がいるかいないかが、子どものメンタルヘルスに影響してきます。子どもが好きなこと、得意なことを伸ばすように努め、共通の趣味や目的を持つ仲間を見つけることができるといいですね。学校の友達もですが、習い事や趣味関係の友達、違う学校に通う幼馴染、従兄弟など、学校外で自分を理解してくれる同世代の子がいれば、自己評価も随分違ってくると思います。

親にはバカバカしいと思える知識が、子どもの間では尊敬されることも。例えば、ASD児専門校に遊戯王博士と呼ばれる子がいるんですが、共通事項があれば違う学年の子とでも話が弾み、方々の大会に参することで行動範囲も広がっています。何より、好きなことが生活の楽しみ・励みになっています。子どものやりたいことを尊重し、奨励しましょう。

ASDやその傾向がある子どもは、将来の円滑な人間関係を築くためにも、ソーシャルスキルを学ぶことが重要になってくると思います。

 

Spread the love