今年は世界各国で暖冬のようですね。イギリスでも、今年に入ってから霜や氷は数日見られた程度です。先日久しぶりにハイゲートの森を散歩したら、もう野生のスノードロップが咲いていました。
………………………………………………………………………………………………………………………………イギリスの公立小学校では、通常子どもに特別支援の必要性が認められると、その生徒のためにIEP (Individual Education Plan 個別指導プラン)を作成します。息子の学校では、1学期に1回ほどの頻度でSENCo(特別教育支援コーディネーター)と担任、保護者がプランの有効性を評価し合い、次のターゲットを決定していました。
言語療法士や心理士など専門家が関与している場合は、専門家も可能な限りミーティングに参加。息子の場合、レセプションクラスの終わり頃に小児クリニックで発達テストを受け、学校でSLT(言語聴覚士)の指導を受けられることに。そのため、School Action だったIEPの名称が、1年生ではSchool Action +に変わりました。
夏休み後の9月に新学年が始まり、担任やTA、教室が変わるめ、1年生の1学期は前学年のIEPを継続(詳しくは『息子の緘黙・幼児期5~6歳(その7)1学期の個別指導プラン』をご参照ください)。
そのIEPの効果を評価すべく、2005年11月末にミーティングが行われました。
<2005年6月~10月までのIEP>
ターゲット1:学校内でひと言、もしくはジェスチャーやサインで自分の意思を伝える
- 達成目標:10回以上 ← 達成
ターゲット2:自発的なコミュニケーションを促す
- 達成目標:?回(数字ナシ)← 達成
ターゲット3:大人+子ども数人による小グループで、インタラクティブなゲームを行う
- 達成目標:8回 ← 達成
<備考>
- この1学期間でかなり進歩があった
- 学業に関する問題はなくなったが、まだ自信が持てないよう
- 担任やTAのところに行って、文章で話す(囁くだと思います)ようになった
レセプション時代には緘黙だけでなく緘動もあり、課題に取り組むのが困難でした。それが、ちゃんと授業についていけるようになり、先生や親しい友達に囁くように。急速に改善したのは、教室内での不安が減った結果だと思います。学校の対応も良かったですが、プレイデートでB君と親しくなったことが大きかったかなと。
この頃には担任とTA、一部の友達に囁けるようになっていたため、次のIEPでは更なるステップアップを目指しました。
<2005年12月~3月までのIEP2>
ターゲット1:囁きで声なく、聞こえる声で大人と話す
- 達成目標:5回
- リソース&テクニック:パペットや模型を使った遊び、ストーリーを利用
- 作戦:小グループや1対1で
- 担任とTAへの提案:目立たない静かな場所で、1対1で少しずつ大きな声が出せるよう促す
ターゲット2:質問に対して長い返答をする/ 答えにもう少し情報を加える
- 達成目標: 5回
- リソース&テクニック:例文を示す/ 開かれた質問(Open Ended Question 答えが自由な質問)をする
- 作戦:個人、小グループ、クラスで答える機会を与える
- 担任とTAへの提案:1対1で取り組む時間を作る
ミーティングに言語療法士が加わったため、支援がより具体的・専門的になっています。「囁き声」から「聞こえる声」へ、「はい、いいえ」や「ひと言」の短い答えから、「長め」の返答へと、スモールステップで徐々に進めることに。また、「はい、いいえ」で答えられる質問・閉じた質問(Closed Question 答えが一つの質問 )から、 開かれた質問(Open Ended Question)に切り替えて、長い答えを促すよう指示が出ました。
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