英国のロックダウンは続く(その2)

先回、一向に感染者数が減っていかないという記事を書いたのですが、どうやらロックダウンの成果は出てきているよう。

ロンドンでは入院患者の数が僅かですが減少しつつあります。といっても、まだ1万800人以上が入院して治療を受けている訳ですが…。(注:下の図の900人はICU等に入っている重篤患者数のよう。昨日アップした際に、入院患者数と間違えてました!)毎日、死者数を下回る人数が入院しているということですね…。4月18日までの総感染者数は11万4317人、総死者数は1万5464人😢

それでも毎日の感染者数が減らないということは、自宅療養している人がものすごく多いということ??昨日の検査総数が15,472件、そのうち陽性が5千526人なので陽性になる確率は36%くらいです。

現在、イギリスの病院では新型コロナ患者の急増に対処するため、他の病気や怪我などの緊急でない手術を最小限に抑えています。予定されていた癌の手術が中止になった人たちも。やむをえないことなのかもしれませんが、すでに命の選別がされているという現実…。

感染が怖くてGP(主治医)や病院に行くのも怖いし、大病や大怪我をしても入院できるかどうか…。コロナ禍が続くうちは、なるべく怪我や病気をしないよう、健康に気を付けて生きるしかないですね。

今のところ、あと2週間強ロックダウンが続く予定ですが、いつ解除されるのか見当がつきません。そんな中で、心温まるニュースもありました。

第二次世界大戦で戦った99歳のトム・ムーア大尉が、NHS(国民保健サービス)のために総額£1700万を超える(約23.8億円&いまだ上昇中で現在£2300万!)募金を集めたのです!! 4月末の100歳の誕生日までに歩行器で自宅の庭を100周(1周25m)することに挑戦し、クラウドファンディングで寄付を募りました。当初の目標は£1000(約14万円)だったとか。

日本では国産のアビガンの実験的な投与が高い効果を発揮しているということで、正式に効果が証明されれば世界的な推進が期待できそうですね。また、真偽は定かではありませんが、結核予防のための日本株BCGワクチンの摂取が新型コロナの重症化を防ぐという説も。

世界各国で新型コロナウイルスのワクチン研究・開発が進められていますが、イギリスでは政府の補助金を受け、オックスフォード大学の研究チームが来週からワクチンの人体実験に入る予定です。新型コロナ以前から新ワクチンに着手していて、遺伝子工学により基礎を作るチンパンジー・ウイルスを開発。それに新型コロナウイルスの部分を結合させたものらしい(?)です。

https://www.bbc.co.uk/news/health-52329659

5月半ばまでに500人に投与し、良い結果を確認できたら9月から大量生産を目指すとか。成功する保証はないそうですが、世界各国で協力すればきっとワクチンができるはず。科学者のみなさん頑張って!

また、各国で人工呼吸器の不足が叫ばれています。新型コロナが重症化して重度の肺炎になった時、最後の砦となるのが人工呼吸器。聞くところによると、病状や患者の状態などに加え、年齢や持病の有無によって人工呼吸器を使うかどうか判断しているとか…。

政府の呼びかけにより、イギリスでは1か月ほど前に重要産業セクターから20社以上の異業種企業が参入するコンソーシアムを結成。国内での大量製造を目指して、新な人口呼吸器の開発を始めました。

嬉しいことに、4月16日にペンロン社の既存のモデルを改良したPenlon Prima ESO2が政府機関からの安全性承認・製造許可を得たそう!シーメンズ、エアバス、フォードやF1レーシングカーの部品を製造する会社などが協力し、大量生産に乗り出すようです。実は、政府はサイクロン式掃除機で有名なダイソン社にも開発・製造を要請したのですが、こちらはまだ製造許可が下りていません。

https://www.bbc.co.uk/news/business-52309294

また、医療スタッフのPPE(個人防護具)の不足も世界中で深刻ですね…。昨夜、病院のICUを紹介するドキュメンタリー番組を観たんですが、PPEはN95マスク、手袋、ゴーグル、エプロン、キャップ、ガウン、フェイスガードと多種に渡ります。こんなに着込んで仕事をするのは動き難くて暑いし、本当に大変そう。

医療スタッフが現場を離れる毎に破棄するため、生産(というか輸入が中心?)が追い付いていません、グッチやアルマーニなど各国の一流ブランドがPPEの生産に乗り出していますが、イギリスではバーバリーとバブアーがガウン縫製の担い手となっているよう。

危機的な状態ですが、地類が協力して新たな知見や技術が生まれますように!

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使い捨てマスクの消毒法

英国のロックダウンは続く

英国のロックダウンは続く

先週末はイースター(復活祭)の4連休で、汗ばむほどの陽気が続きました。例年は親族が集まるのですが、今年はそれぞれ家で自己隔離。息子は大学のあるサリー州の町に友達と残っているため、我が家では主人とふたりっきり。あまり天気が良かったので、春爛漫の公園に散歩に行ってきました。

快晴の空の下、白い八重桜が満開でした

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全国ロックダウン4週目に入ったイギリスでは、現在新型コロナの総感染者数は9万3873人、総死者数は1万2107人(4月15日午前の数字です)。ここ2週間ほど、毎日の感染者は4000~5000人台と高止まりが続き、今なお減少の兆しが見えません。

先週イランと中国を抜きさり、総感染者数は世界で6番目に…。一昨日のニュースでは、まだ感染拡大のピークは過ぎておらず、ヨーロッパで最悪の事態となる恐れがあるとの警告――大ショックです😢

ICUで治療を受けていたジョンソン首相が無事退院という朗報はあったものの、一体いつになったらロックダウンの成果が出るのか? ついつい悲観的な気持ちになってしまいます。

私の住んでいる地区は感染率が高いロンドン市内でも2番目に感染者が多く、日々その数が増え続けて昨日は何と931人に!人口39万人ほどのエリアなので、すごく多いですね…。

今やテレワークが主流になっているし、通勤しているのはNHS(国民保健サービス)の医療・事務スタッフ、必需品を売る店のスタッフ、デリバリー業者などのキーワーカーに限定されています。なのに、どんどん感染者が増え続けているのは何故??

イギリスではどこの施設で感染者が出たという詳細は公表されず、ただ地区ごとの総計のみ。その数字は病院その他でPCR検査した人のみで、軽症者は検査してもらえず家で養生している訳です。家族のひとりが罹患すれば、家族の感染は免れないですよね…。救急車のサイレンが聞こえると、また誰かが病院に運ばれていくのかと、気が重くなります。

食料品や必需品はオンラインで注文できますが、注文が激増して配達困難に。配達が3週間後だったり、注文した品が品切れで含まれないことも…。なので、どうしても買い出しに出ざるをえません。

感染者と一緒に買い物している可能性が高い――そう考えるとスーパーに行くのも決死隊(^^;) イギリス政府は国民にマスクの着用を奨励していないため(医療用に回したいからだと推測)、マスクをしている人がまだまだ少ないんです。

この3週間で近所の3つの大手スーパーで買い物してみた結果、一番遠くのスーパーが社会的距離を一番保てると感じ、リュック持参でなるべく回数を抑えて行っています。

先週は入口から裏側にある駐車上の入口まで長い列が…

イギリスでは一番打撃を受けやすい70歳以上の高齢者を守ることが、政策に掲げられています。大型スーパーでは高齢者やキーワーカーが優先して買い物できるシステム。例えば、開店30分前はキーワーカー専用、開店後の1時間は高齢者専用(週3日)といった具合です。

ちなみに、うちの隣のご夫婦は90歳と80歳代と超高齢で持病があるため、ロックダウン以来一歩も外に出ていません。私たちを含め友人・知人が買い物を手伝っているのですが、それに地区のボランティアも加わり、ちょっとほっこりできました。

昨日の朝9時頃に近所の大型スーパーに出かけたところ、珍しく外に列がなくてラッキー! お隣さんの分もあるのでカートが必要だったんですが、中に入れるコインがない! 仕方なく、タバコを販売するレジに並んでいだら、前の人がレジの女生と大喧嘩を始めたのです。

お客がレジで前のめりになったので、マスク無しのレジの女性が距離を保つよう頼んだんですね。そうしたらお客が怒りだしたという…。ロックダウンが長引くと、人の心も荒れてきますよね…。

すぐに他のスタッフやマネージャーが駆け付け、お客は暴言を投げ捨てながら退却。でも、レジを開けられなくなって、私は通常のレジに並ぶことに…そうしたら、前の人が2、3週間分?と思えるほどの大量の細かい買い物をしていて、待つこと10分。途中、スタッフが来てくれて元のレジでコインを無事入手することができました。

このスーパーではレジ周りや店内に2mの距離が保てるよう床にテープを貼ったり、買い物カゴやカートのハンドルを消毒する姿が頻繁に見られます。スタッフのマスク&手袋率も高かったのですが、ロックダウンが長引くにつれてマスク姿のスタッフが減少――自腹で購入してたのかな…。

外出禁止令が出てからスーパーではひとりで買い物をする人が急増。子どもの姿を全く見かけなくなりました。私が心がけているのは、

  • なるべく朝早く行く(商品が揃っていて、カゴやカートを消毒したばかりのことが多い)
  • なるべく買い物の回数を抑える
  • だいたいの献立を決め、必要なものを必要なだけ買う
  • 事前に買い物リストを用意し、買い物の時間を短縮

イギリスでは毎週木曜日の午後8時に、NHSの医療従事者に感謝の念を示すため皆が玄関先に出て、拍手を送ります。我が家は屋根裏部屋の窓をあけて、タンバリンとベルを鳴らすんですが、ご近所の人たちの姿を見て連帯感を感じることができる(普段ほとんど見かけない)時間でもあるのです。

NHSの病院の敷地に出需品の出店を構えたり、温かい食事を届けるチャリティー活動も充実してきたよう。イースターの週末には、病院や大型スーパーでNHSのスタッフに花束やチョコレートを贈るなど、心温まるエピソードが多くありました。こういう時こそ、人間同士の温かい触れ合いが大切だなと実感しています。

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手洗いとマスク

使い捨てマスクの消毒法

使い捨てマスクの消毒法

4月5日(日)の今日、都市閉鎖中のロンドンは晴天の良い天気に恵まれています。といっても、まだ中庭で少し日向ぼっこしただけで、外には出てはいないのですが…。

BBCニュースでは、今日外出する人が急増し「2メートルの社会的距離」を保てないようであれば、「一日一回、30分程度の運動」も禁止になる可能性があるとのこと。このくらい徹底しないと、感染拡大を防げないということですね。実は、主人の知り合いが2人感染してしまい、本当に他人ごとではありません。

イギリスでは新型コロナ感染による死亡者数が毎日急増していて、昨日はなんと708人もの方が亡くなりました。その中には5歳の男の子も含まれています。感染予防のため、家族も病室に入れず最期の付き添いはできません。今のところ、参列者10人以内の簡素なお葬式をあげられるようですが、それもいつまで続くか…。

この様な状態なので、NHS(国民保健サービス)の医療関係者が最前線で戦ってくれていることを考えると、外で運動できないことくらい仕方がないのかも。ただ、身体と心の健康のためには良くありませんね。

先週、2回スーパーに買い出しに行ったところ、2回とも咳をしている人(ひとりはマスク着用)を見かけ、心底怖くなってしまいました。前回書いたように、マスクをしても感染予防はできないようです。でも、フィルター代わりにキッチンペーパーを入れた布マスクより、使い捨てマスクの方がまだマシかなと思い、ネットで購入しました。

でも、使い捨てだからすぐになくなってしまうなぁ--と思っていたところ、台湾のデジタル担当大臣、オードリー・タン氏による使い捨てマスクの消毒法に遭遇。オードリー氏はIQ180を超える天才プログラマーとして名を馳せ、台湾における感染拡大の防止や国民へのマスク供給システムに貢献しています。信用度は高いと思われるので、彼のツイッターを紹介させていただきますね。

日本でも感染者数が急増していて、今ロックダウンしないとイギリスの様になるのでは、と心配です。みなさん、どうぞお気を付けて。

手洗いとマスク

新型コロナウイルス感染症が世界中に蔓延し、肺炎によって多くの命が奪われている毎日。私の住むイギリスでは、ここ数週間のうちにまさに世界が一変してしまいました。多分、コロナ以前の暮らしというか、社会の在り方はもう二度と戻ってこないのではないかという気がしています。

3月1日の時点では、イギリス全国の感染者は51人。イタリアで爆発的な感染が始まっていましたが、3月上旬はまだ対岸の火事だった訳です。それが、15日には総感染者数が1500人強、20日には4000人強、25日には9500人を超えました。その後、毎日3000人近くが加算され続け、世界で8番目に。なんと31日の今日は感染者の総数25,150人、死者の総数が1,789人に跳ね上がりました!怖すぎ…。

イギリスで全国的なロックダウンが始まったのは、今月23日のこと。春のうららかな陽気の中、外を出歩く人の姿は殆どありません。目抜き通りに行くと、ところどころ開いているスーパーや薬局などに並ぶ人々の列が。でも、みんな黙りこくっています…。

スーパーなど大型店では人との距離が保てますが、小規模な店では無理…

こちらでも買いだめパニックはありましたが、外出禁止令が出る前に収まりました。各店舗で入店人数を制限しているため20分ほど待つものの、人が少ない店内で大体のものは買えます。イギリスではマスクをつける習慣がないのですが、2週間くらい前からマスク姿の人もちらほら。

現在のところ、家を出ていいのは必要不可欠な買い物と1日1回の運動のみ。私は外に出る際、自作の布地マスクとラテックス手袋をつけて出かけています(花粉防止用メガネは曇っちゃうのでXでした)。マスク、特に布マスクは予防効果がないと解ってはいるものの、つけないよりマシかと…サージカルマスクはネットで購入できますが、短時間の買い物毎に1枚使うのも効率が悪いので。

新型コロナの感染経路は、主に飛沫感染と接触感染といわれています。マスクは感染した人が咳やくしゃみを飛沫させて第三者に感染を拡大させない予防効果あり。でも、感染を防ぐ効果はあまり期待できないよう。私はこれまでマスクの取り扱いについて大きな誤解をしていたので、念のためみなさんにもお伝えしますね。

マスクの正しいつけ方(厚生省のサイトから)
https://www.youtube.com/watch?v=VdyKX4eYba4&feature=emb_logo

<注意>

  • マスク装着後はマスクを手で触ったり、顔を触ったりしない(ドアや手すりなどからウイルスが手に付着している可能性あり)
  • マスクを外す際は、耳に近いゴム部分を持つ
  • マスクを外したらビニール袋に入れて捨て、すぐに手を洗う(私はマスクも即洗います)
  • 原則、マスクの使い回しはしない

帰宅したら、まず20秒手を洗います。それから、除菌ワイプやスプレーでドアノブや手で触ることが多い場所を除菌。もし外でスマホやタブレットを使ったら、これらも除菌(鍵も)。お金にウイルスが付着している可能性もあるので、なるべくコンタクトレスのカードを使用するようにしています。

BBCより正しい手の洗い方は00:41から01:14まで。Happy Birthdayを2回歌うと約20秒です

人は無意識のうちに1時間に23回も自分の顔に触れるそう。ウイルスのついた手でマスクを触って、そのマスクを次も使おうとすれば、感染の危険が高まってしまいますよね…。

ロックダウンの成果は来週明けに判明するようですが、なんとか感染拡大が減るよう祈るのみです。

みなさんも、どうぞお気を付けて。

アイスランドの夏休み(その9)

今年も残すところあと1日。今回、やっとアイスランドの夏休みを完結できそうです。時間が空いてしまいましたが、お陰でまたあの独特の空気や風景を想い出すことができました。皆さん、良いお年をお迎えください。

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9日目(最終日):エイラルバッキ村経由して帰国

最終日は、コテッジの近くにあるナラロス灯台 (Knarraros) に寄ってから、西隣のエイラルバッキ村 (Eyrarbakki) の民族博物館を見学。そこから空港に向かい、午後遅い飛行機で帰途に着くという予定。

 

     灯台に行く途中、アイルランド産の馬が地面に寝ている場面に遭遇。馬の顔がとっても表情豊か

 

      1939年に建設された灯台はアイスランドで初のコンクリート製灯台。この辺りの海岸は砂浜ではなく、湖の畔のように草地になっていました。

 

 

ストックスエイリの町の一本道を走っていたら、なにやら 写真撮影をしているグループに遭遇。車を降りてみると、かつて漁師が使っていた草屋根の宿泊小屋がありました。

横からみると、ただの草の山にしか見えません

中は6人分のベッドが。冬の海へも漁に出かけたのかな…

そこから西隣にある海沿いの村、エイラルバッキへ。ここはアイスランドでも最も古い移住地のひとつで、デンマークからの移民が住み着いた場所。海岸には細かな砂利の浜があり、波に洗われた小さなガラス片が太陽の光にキラキラ輝いていました。

砂利の海岸と北欧風のカラフルな家が並ぶ小さな目抜き通り

村の教会の隣に、なんとも可愛らしい民族博物館が。18世紀に建てられたデンマークの商人の家に当時の調度品や写真が展示され、その豊かな暮らしぶりを偲ぶことができます。こんな寒い国にやってきて、家族はどう感じたのかな…。敷地内には小さな海洋博物館もあり、入場料1000ISK (約940円) で両方見学できます。

居間と屋根裏の子供部屋

    キッチンにはお茶のセットが置いてあって、親切な係員さんが「自由に飲んで」とコーヒーを注いでくれました

鳥の剥製や卵のコレクションを集めたEgg House

その後、博物館の向かい側にあるこの村に唯一のレストラン、Red House でランチをすることに。村のカフェと思って入ったら、テーブルに生花が飾られたきちんとしたレストランでした。若手のシェフが腕を振るうモダンなメニューは、普段の2倍以上の値段!注文してから、なかなか料理が出てこなくて、飛行機の時間が~と焦りました。そして、付合わせのブルガー小麦がなかったことに、後で気付いたのでした…。

    この魚料理は今回アイスランドで食べた中ではピカイチ。お金と時間がある方にはお勧めです

焦りながらも美味しいただき、エイラルバッキ村を後にして一路空港へ。途中、ブルーラグーンの発電所&温泉施設の近くを通りました。

空港内ではガソリンスタンドが軒並み休止中で焦りまくり、チェックインでは追加料金を取られ、ヘトヘトになって飛行機に乗り込みました。大量に残ったコインでコーヒーを買おうと思ったら、「キャッシュレス」と断られガッカリ…。

息子の成人と結婚20周年の旅は、ドタバタのうちに幕を閉じたのでした。あの透明な空気と鏡のような水、そして人を寄せ付けない雄大な自然を、また見られたらいいなと思います。

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アイスランドの夏休み(その8)

アイスランドの夏休み(その8)

今年も残すところあと3日となりました。クリスマスは地方で主人の家族と過ごし、ロンドンで新年を迎えるのが恒例。が、息子は大晦日に友達と泊りがけで出かける予定で、どんどん親離れしていく様が頼もしくもあり、淋しくもある今日この頃です。

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8日目:温泉プールでゆったり

この日は遠くへは行かず、近場でのんびりしようという計画。午前中はセルフォスの北西の地熱地帯にある町、クヴェラゲルジ(Hveragerdi) を探索。午後は事前に予約しておいたフルジール(Fludir)の天然温泉プール、シークレットラグーンに行ってきました。

クヴェラゲルジの地熱地帯では、普通の川に熱湯が流れていてお湯につかれるという情報をゲット。詳しく調べる時間がなかったので、ハイキングがてら探検してみることに。町の駐車場に車を停めて、当てずっぽうに公園から山の方へ歩いて行くと、そこかしこから白い蒸気が上がっていました。

    小規模な地熱発電施設がいくつもありました

    肝心の温泉川は見つからず、小川の温かい水に足を浸してお茶を濁すことに…

町に戻って、地熱料理を味わえるというレストランKjot & Kunstに入ってみました。が、地熱で調理したというミートボールはIKEAのとそんなに変わらず…。やはり値段の割にぱっとしない味なのでした。

 

レストランの外に地熱料理窯があって、期待大だったのですが…

ミートボールセット(左)とお代わり自由のバイキングランチ(お得)

気を取り直して、次はゴールデンサークルのルート中央あたりに位置するフルジールという名の小さな町へ。ここにはアイスランド最古の天然温泉プール、秘密のラグーン (Secret Lagoon 入場料2,800ISK 約2,700円) があります。ブルーラグーンの方が世界的に有名ですが、大幅に値上がりしていたのと(入場料は1ドリンク付9,900ISK 約9,400円)、前回硫黄が強くてアレルギーが出たため、こちらを選択。時間より随分早く着いてしまったのですが、快く入れてくれました。

水温はぬるいくらいなのですが、プールの端に熱湯が沸き出ている箇所があってそこは火傷しそうな熱さ。プールの周囲をぐるりと歩けるようになっていて、小さな間欠泉から熱湯が噴き出る様も見られます。プールに浸かりながらアルコールを飲んでる人が大勢いたんですが、すぐ酔いが回りそう…。

危険な熱さですね…

プールの隣を流れる川の土手には「100度!注意」の標識あり

長湯してすっかり温まリ、帰り道にケリド火山湖 (Kerid Crater) に立ち寄りました。以前来た時と変わったのは、料金場ができていて500ISK(約500円)支払うとパンフレットがもらえたこと。以前は無料だったのですが、今回の旅行では至る所で観光化が進み本当に混んでいました。20年前はホテルもろくになくて、地元民が経営するB&Bに泊ったんです。

   深いグリーンの水をたたえる湖と赤土の斜面のコントラストがきれい。クレーターの上と湖の淵辺を歩けます

アイスランド最後の夜、湖に沈む美しい夕日を堪能しました

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アイスランドの夏休み(その7)

アイスランドの夏休み(その7)

明日はもうクリスマス・イヴですが、まだ夏休みの話題が続きます…。

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7日目:雨の中の滝巡り

今年、ヨーロッパは例年になくいい天候に恵まれました。でも、アイスランドでは悪天候が続き、私たちの旅行期間も殆ど雨という予報。が、ラッキーなことに実際に雨に降られたのはこの日だけでした。

     ギザギザの岩山を背に、同じ造りのコテッジが並ぶHörgslandの宿泊施設。今回の旅行では、ウォーキングシューズが大活躍

朝はゆっくり起きて、11時頃に西へ向けて出発。ヴィーク村のドライブインでランチブレイクを取ったついでに、海辺へ。前日、ディルホゥラエイ半島(Dyrholaey)から見た奇石群がもっと近くに見えました。

ヴィークを出発して40分ほどで、次の目的地スコゥガフォスの滝 (Skogafoss) に到着。先回の旅行で特に記憶に残った滝ですが、新たに滝口まで登る階段ができていました。で、いざ登り始めたら、これがかなり急でキツかった!主人と息子は息切れしている私を尻目にどんどん先に行ってしまうし、後ろがつっかえているので止まれないしで…辛かったです!

  

  滝の左側の山麓は牛が草を食むのどかな風景。右側の丘に滝口への階段が

   

急勾配の坂を登りきると、滝口の様子と上流の川が見られます

滝幅約25m、落差約60mと、滝の多いアイスランドでも最大規模

次は25分ほど西へ車を走らせ、セリャラントスフォス の滝(Seljalandsfoss)へ。この滝も落差も60m程度ですが、スコゥガフォスより水量が少なく、滝の裏側をぐるっと周れるのが特徴。

  一時雨が止んで、滝の向こうに少しだけ青空が

     

   右側から岩を踏み分けて回ります。防水ジャケットを着ていても、水しぶきでびしょぬれ。薄着だった息子は後で風邪をひいてしまいました

ヘトラ (Hella)の町でガソリンスタンドに寄ったついでに、近くのカフェで一休み。看板にArt Caféとあったので期待して入ってみると、なかなか良い感じ。店内ではハンドメイドの陶芸品を販売してました。

     カフェオレもケーキ(これで900円もする!)も美味しかったけれど、ケーキのデコレーションが古っ(笑)

ゆっくり休んだ後、更に西へと車を走らせ、セルフォスの南にある海岸の村、ストックスエイリ(Stokkseyri)へ。今回の旅行で最後の宿となるのはAirBnBで探したコテッジ。人気のない村を通り抜け、農場の奥の無舗装の道に入ると、そこにはなんとも不思議な光景が…。

   道の両側に、牛骨、オレンジのボールブイ、古錆びた農具などのディスプレイ…この先にはキャンプ場もあるらしいのですが、うーむ…

   コテッジというよりは小屋みたいですが、内装はIKEA風でWifiも完備。すぐ側に湖がありました

   夕食はスーパーで調達した食材で作ったパスタ。フレンチビーンズは冷凍のを使用

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アイスランドの夏休み(その4)

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アイスランドの夏休み(その6)

アイスランドの夏休み(その6)

ロンドンの学校は今週の土曜日からクリスマス休みに入りますが、まだまだ夏休みの話題ですみません。今年中には何とか終わらせたいと考えてます。

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6日目:憧れのダイアモンドビーチを目指して

旅行6日目は、アイスランド最大の氷河、ヴァトナヨークトル(Vatnajökull)とその南東側にあるヨークルスアゥルロゥン氷河湖 (Jökulsárlón) が最終目的地。セルフォスからは1号線で東へ約320kmほど。まずは近くにあったスーパーKronanで食料を買い込み、いざ出発。少し行くと、先回の旅行でも見た”Björk”への道標が。

有名な滝をいくつかやり過ごし、アイスランド最南端のディルホゥラエイ半島(Dyrholaey)へ。ここは風光明媚で知られ、灯台のある断崖はアイスランド南岸の絶景を眺められるスポット。ハイキングコースが沢山あって、黒い砂浜のビーチを歩いたり、海にそびえる溶岩の奇石群や柱状節理の崖を真近に見たりできます。でも、この日はめちゃめちゃ風が強く、ハイキングする気にはとてもなれず…。

   ツノメドリなど野鳥の楽園らしいのですが、吹きすさぶ風にその姿は全く見えず。灯台から20分ほど崖の上を歩きましたが、風が強くて寒すぎ…

 岬の先端にある穴の開いた岩、ディルホゥラエイ(アイルランド語で「扉の穴」)

遠くに見えるのはヴィークの海岸に突き出た溶岩の奇石群

あまりの寒さに、早々と車に引き上げました。サーモス水筒(イギリスから持参)の温かいコーヒーが大重宝。自然しかないアイスランドの観光スポットでは売店もないところが殆どなんです。

アイスランド最南端の村、ヴィークのドライブインで昼食を摂り、更に東に車を走らせていくと、遂にヴァトナヨークトル(Vatnajökull)が見えてきました!

 

氷河がこちらにむかって雪崩れてくるようで大迫力!

氷河は何世紀もかけて雪が圧縮され厚い氷の塊になったもの。永続的でありながら、氷自体の重さによってゆっくりと移動しているのです。移動するに従って形を変え、クレバスや割れ目、氷河洞窟などが形成することも。

ヨークルスアゥルロン氷河湖に向かう道は、時折左側に氷河を見ながらのドライブ。そして突然視界が開けてきて、氷山や氷塊がいくつも浮かぶ氷河湖が目に飛び込んできました。先回も来ましたが、自然への畏敬を抱かずにはいられない、何度見ても神秘的な光景です。

遠くに見える氷河が解けてできた氷河湖。氷の色は真っ白ではなく、蒼や緑の様々なバリエーションがありました。きっと天気によっても色が変わるんだと思います

雄大な風景の中、アザラシが数頭泳いでました

今回、どうしても行きたいと思っていたのが、ヨークルスアゥルロン氷河湖の水が海へとそそぐ海岸。湖から歩いて数分ですが、20年前はまだ観光スポットになっておらず、名前もついていませんでした。その名は、ダイアモンドビーチ。

氷河湖から海に流れ着いた氷塊が、黒い砂浜の上に打ち上げられ、波に洗われて様々な形や大きさに変化。形に。氷がキラキラ輝くため、ダイアモンドビーチと呼ばれるようになったのだとか。

まさに氷の芸術…もしかして何百年も前にできた氷?

帰りがけに車を止め、あまり知られていない小さな氷河湖も見学しました。

この日の宿泊先は、氷河湖とヴィーク村の中間点にあるHörgsland。1号線を114kmほど西へ引き返さねばなりませんでした。というのも、ヴァトナヨークトル周辺には殆ど人が住めない場所で、宿泊施設が少ない・高額・満室だったから。

ずーっとハンドルを握っていた主人はヘトヘト。この夜はイギリスから持参したうどんを食べてバタンキューでした。

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アイスランドの夏休み(その1)

アイスランドの夏休み(その2)

アイスランドの夏休み(その3)

アイスランドの夏休み(その4)

アイスランドの夏休み(その5)

アイスランドの夏休み(その5)

全くの季節外れになってしまいましたが、今年のうちに何とか夏休みの話を終えようと頑張ってます…。

5日目:ゴールデンサークルへと南下

5日目の8月12日は草屋根のログハウスとお別れして、南へと下る日。この日は息子の18歳の誕生日でもありました。イギリスでは18歳で成人と見なされるのですが、う~んまだまだ子供っぽい…。

さよなら、ご近所のトンガリ山

アイスランドの内陸部はほとんど人が住めないので、途中ですれ違う車もごくわずか。荒涼とした風景の中、人気の高い観光地ゴールデンサークルを目指して車を走らせました。

    途中、一本道にマイクラを止め、岩だらけの展望台へ

最初の目的地は、ユネスコの世界遺産に登録されているシンクヴェトリル国立公園(Þingvellir National Park)。ここは、930年から1798年までアイスランドの民主議会が開催された地。「こんな何もないところでどうやって?」と思ったら、議会が開かれる夏の間に各地から人々が集まり、仮シェルターを造って寝泊まりしていたそう。

     総面積約240㎢という広大な国立公園。複数の駐車場とウォーキングコースがあります

旅行1日目に、ユーラシアプレートと北アメリカプレートの割れ目(ギャウ)にかかる架け橋(『アイスランドの夏休み(その1)』をご参照ください)に行ったのですが、その割れ目が西から中央、北へとアイスランドの国土を貫いているのです。

    

高い壁の合間がギャウ。本当に地球の裂け目という感じでした~

曇り空の下、次は有名なゲイシール地熱帯へ。地下から大量の水が定期的に吹き上がる間欠泉は人気の観光スポット。代表的なグレート・ゲイシール(The Great Geysir)は噴出が最大約60mと世界的に有名でしたが、現在では殆ど活動が止まっています。その代わりに(?)、近くのストロックル間欠泉が5~10分おきくらいに20mほどの噴出を続けています。

 

  

        シャッターチャンスを待って、観光客がストロックル間欠泉の周囲をぐるりと囲みます

次は「黄金の滝」という異名をもつグトルフォス(Gullfoss)へ。ラング氷河(Langjökull)から流れこむHvítá川の上流部分にあって、最大幅が約70mというアイスランド随一の規模を誇る滝です。

    簡単なロープが張ってあるだけで、滝との距離はすぐそこ。水しぶきがすごくて大迫力

ここから、更に南のセルフォス(Selfoss)へ。今回初めてハウスシェアをしたんですが、共同キッチンは使わずにレストランで夕食。

    他が空いてなくてステーキハウスへ行ったんですが、ここが大当たりで美味しかったです。メインは各2500円くらいで、やっぱり高い!

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アイスランドの夏休み(その1)

アイスランドの夏休み(その2)

アイスランドの夏休み(その3)

アイスランドの夏休み(その4)

アイスランドの夏休み(その4)

4日目:西アイスランドで溶岩トンネル探検

北欧といえば夏の白夜で有名ですね。アイスランドでは6月下旬から1か月近く白夜となり、夜になっても太陽が沈みません。20年前の新婚旅行は7月下旬だったので、空港についたのが真夜中だったのに外が明るくて戸惑いました。今回は8月中旬に訪れたため、日暮れは夜10時ごろでしたが、漆黒の闇ではなく薄暗い感じ。天気が良い日は、朝5時くらいから太陽が輝いています(なのに、遮光カーテンが少ないのは何故?)

 

   気持ちよく晴れた朝、ご近所はこんな感じ。朝ご飯はバナナ入のグラノーラとたっぷりの紅茶 (イギリスから持参しました)

この日は、朝10時から 車で30分くらいのところにあるヴィズゲルミル溶岩洞窟ツアー(Vidgelmir Cave Tour 6,500ISK(約6,000円)を予約してありました。「ツアーの10分前に来て」と注意書きがあったのですが、主人はせっかちなので1時間前に出発。で、途中で手袋(サイトで勧めていた)を忘れたことに気付き、しばし夫婦喧嘩に…。

      洞窟への道のりは舗装されていないデコボコ道。天気がいいので氷河を抱いた山も見えました

洞窟ツアーセンターに到着すると、やっぱり私たち家族が一番乗り。待ち時間に外に出て、苔に覆われた周囲の溶岩台地を探索してみました。

   

こんな土地で作物を育てるのは絶対無理ですね…。

ツアーの時間が迫るにつれポツポツ人が集まってきましたが、10人に満たない数。ツアーガイドのイギリス人女性 (洞窟のオーナーの奥様で、ロンドン出身だとのこと) が、「普通は30人くらいのグループなのに、こんな少人数は珍しい」と笑っていました。ヘルメットを被って晴天の元いざ出発。「年間を通して、こんなに晴れたのは珍しい」とも言われ、とてもラッキーでした。

    大地にぽっかり開いた穴が洞窟の入口。中は湿っていてヒンヤリしてましたが、手袋するほどでも

アイスランド最大というこの溶岩洞窟は900年頃に形成されたものだそう(そんな洞窟を個人が所有してるところがスゴイ)。ところどころライトアップされていて、8月には珍しいという氷筍も見られました!岩の色彩がきれいで、ところどころトロールのように見える箇所も。人数が少なかったので、ガイドさんの説明も丁寧で、写真まで撮ってくれました。

           

お昼ご飯を食べるために、一端コテッジに引き返したのですが、途中に牧場(?)があって、アイスランドの馬を身近に見ることができました。馬同士の仲がとても良く、まるで笑ってるように見える馬も…。

      馬たちは小柄でずんぐりむっくりの体形。オーナーが馬を走らせている所にも遭遇しました。ポツンと立っていた白い教会が印象的でした

お昼ご飯を食べて一息ついてから、「溶岩の滝」という意味のフロインフォッサル (hraunfossar) へ。氷河から溶けた水が、約1kmに渡って川縁の溶岩台地のすき間から流れ落ちている珍しい滝です。当日ネットで調べて行ったんですが、駐車場に観光バスが何台も止まっていて、ちょっとビックリ。でも、その雄大な景色を見て納得でした。

    

こんなに大量の水が一体どこから?と目を見張ってしまいます

帰り際、アイスランドで唯一という小さな山羊ファームに寄ってみました。カフェ兼ショップがあって、石鹸や化粧品から食品や洋服類まで、ゴートミルクや山羊毛を使用した手作りの商品がいっぱい。オーナー夫人とのおしゃべりも楽しかったです(しかし、どこに行ってもみんな英語が流ちょう)

シーソーに乗る山羊なんて初めて

 農場の敷地を自由に歩き回る鶏たち。ゴートミルクのアイスクリームはなかなか美味

  夕食後ふと外を見たら、どこから来たのか牛たちがのんびり草を食んでいました

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