ソマティックセラピー SM H.E.L.P 2025年10月サミットより(その7)

ミラノオリンピック開会から既に1週間。昨夜のフィギュアスケート男子シングルのあまりにも予想外な結果に、ただただ驚愕してしまいました。王者マリニンにオリンピックの魔物がとりついたのか、はたまた13日の金曜日の呪いなのか。これまで14連勝していただけに、あの崩れ方は尋常じゃなかったですね (;^_^A

       近年、ロンドンでは物価が高騰し続け、気軽に外食もできません。先日夫がもらってきた割引券を使って近隣のパブで晩御飯。息子が注文したフィッシュ&チップスにも魅かれたんですが、鴨肉のローストがとても美味しかったです。

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講演者:サラ・レヴァントさん(Sarah Levant )

米ニュージャージー州の個人クリニックで働く、公認臨床ソーシャルワーカー兼ソマティックセラピスト。発達期のトラウマやストレスなどの回復にむけ、神経系の調節サポートを専門としている。

ソマティックセラピー*への気づき

ワシントンDCでソーシャルワーカーをしていた時、トラウマを抱えたホームレスの若者達を担当していました。従来の言語や思考を中心とする心理療法やCBT(認知行動療法)を試みたものの、全く効果がなくて…。

人は今日食べるものが無い、寝るところがない、明日生きているか分からないというようなサバイバルモードにおかれると、知能指数が低下して身体がシャットダウンしてしまうーー情報を処理することが困難になるんです。そんな状態にある若者たちの目がソマティックセラピーによって変わっていくのを見て、私も学ぶ決心をしました。

(*ソマティックセラピー(Somatic Therapy)とは?

ソマティックエクスペリエンシングとも呼ばれ、1970年代にピーター・リヴァイン博士が開発したトラウマ治療のための心理療法。身体感覚に意識を向け、身体に溜まった過剰なエネルギーを少しずつ解放することで、神経系の自己調整能力を高めていく。それによって、心と身体のつながりを再構築し、心身の健康の回復を促す。トラウマだけでなく、慢性的ストレスの軽減や長期的なストレスによる不調からの回復も期待できる)

保護者のメンタルヘルスの重要性

子どもをサポートする母親は、たとえ苦しい時でも、周囲に「私は大丈夫」と言ってしまうものです。そう言うことで自分を奮い立たせている部分も大きいでしょう。情報が錯綜するこの現代社会では、人は孤立し常に批判されているように感じています。子どもの問題や今直面している問題にばかり集中して、自分の身体や心のことは後回しにしがちではないでしょうか?

あなたは食事や水分を摂るのを忘れたり、自分の健康や心の管理を忘れていませんか?

コーヒーのがぶ飲みやオンラインショッピング等でストレスを発散して、そのまま頑張り続けていませんか?

自分の気持ちや感情を調整できないままでいると、免疫系統や人間関係、睡眠、精神面などにひずみが出てきます。保護者自身が自己の感覚や感情の状態を認識し、自己調整能力を培うことで、それが心身の安定につながり、子どもや家族にも良い効果をもたらすのです。

完璧な人なんて誰もいないし、完璧な親なんていません。不完全な親でいいのです。子どもの前で「ママお腹がすいちゃった、何か食べなくちゃ」「ごめんね。今ママは疲れてるから、ちょっと休むね」と言葉に出して下さい。それが、子どもにとってのモデル行動となります。

保護者が安定していれば、相乗効果で子どもも安心できます。

常にマインドフルな状態、「今この瞬間」に意識を集中させ、ありのままの現実を受け入れてみましょう。集中力やストレスへの耐性が向上し、心が安定してきます。その状態で自分に何が必要かを感じてください。そうすることで、次にとるべき行動の準備ができるのです。

他の人たちと繋がったり、話をしたりすることも、自分の時間を持つことも重要です。一緒に黙ってベンチに座ってくれる誰か、それはペットでも大丈夫。散歩に出かけたり、子どもが寝た後お茶を飲む時間を取るなど、ストレスを減らすことを心掛けてみてください。

(みく後書き)

私自身、健康第一を実感している今日この頃ですが、身体だけでなく心の安定も必須ですよね。特に、雨ばかりの暗い毎日が続くと、自然と気持ちが沈んでしまい、ネガティブ思考になってしまう…。この講演では、実際にソマティックセラピーで何をするのか触れませんでしたが、自分の身体や心の声に耳を澄ませて、どのように自己管理能力を高めていくのか、とても気になります。

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保護者のメンタルヘルス SM H.E.L.P 2025年10月サミットより(その6)

ミラノオリンピックが始まりましたね。日本のフィギュアスケートチームの活躍が楽しみです。イギリスは相変わらず天気が悪くて雨続き。5週間ぶりに南アジアとオーストラリアの旅から帰ってきた友達が、時差ボケが治らないとぼやいていました。

    先日、ウォーキング友達の誕生日だったので、ロンドンの金融街シティ内を散策。ビル群の合間に点在する小さな庭園を巡り、遅いランチを食べてからロンドンを展望できるスカイガーデンへ

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昨年秋に開催されたSM H.E.L.Pサミット最終日のテーマは、脳(神経系)と身体のつながりに着目し、自己調整能力を高めて心身の健康を向上させること。その対象は子どもではなく、子どもを支える側の保護者でした。保護者が自身の神経系の状態を認識し、そのニーズに応えることで心と体が繋がって、それが子どもにも良い影響をもたらすというのです

その方法というのは下記の3つ:

  1. ソマティック・エクスペリエンシング(SE: Somatic Experiencing)

ソマティックセラピーとも呼ばれ、1970年代にピーター・リヴァイン博士によって開発された、身体感覚に焦点を当てたトラウマ治療のための心理療法。身体感覚に意識を向け、身体に溜まった過剰なエネルギーを少しずつ解放することで、神経系の自己調整能力を高めていく。それによって、心と身体のつながりを再構築し、心身の回復を促す。トラウマだけでなく、慢性的なストレスの軽減や長期的なストレスによる心身の不調からの回復が期待できる。

  1. 内受容感覚体験(interoception experience)

内容容感覚体験とは、「お腹が空いた」「心臓がドキドキする」など、自分の身体の内部の状態を感じ取る感覚のこと。呼吸、心拍、内臓の動き、体温、空腹感、喉の渇きなど、身体の生理的状態に関する感覚の総称。この感覚は、感情の認識や自己の状態を把握する上で重要であり、社会性やメンタルヘルスにも深く関わっている。内受容感覚体験を積むことで、自分自身をより深く理解し、自己調整能力を高めることができる。

  1. 神経発達運動(neurodevelopmental movements)

原始反射運動は乳児期に見られる脳幹由来の無意識な反応で、通常生後6〜12ヶ月で消失。それとともに身体を意識的に動かす大脳主導の神経発達運動へと移行する。原始反射運動はバランス感覚、運動能力、視覚、聴覚、発話能力、学習能力、コミュニケーション能力の発達に不可欠で、神経発達運動により脳から筋肉へ動作の指令を伝える神経回路を発達・成熟させていく。遊びを組み合わせた神経発達運動の包括的なトレーニング(感覚統合)で、脳と身体の連携を強化することができる。

 

保護者のメンタルヘルスの不調が、何故子どものサポートに影響するのか?良く「自分が幸せでなければ、他者を幸せにすることはできない」といいますが、それと同じ考え方なのかなと思います。保護者、特に母親は自分のことを後回しにする傾向が強く、ストレスや疲れが溜まってもそのままにしておくことが多いのではないでしょうか? セラピストに相談するといっても、日本ではまだ気軽に相談できる環境が整っていないかもしれませんが…。

保護者のメンタルヘルスや体調が不調だと、子どもは敏感に感じ取ります。疲れやストレスが溜まりすぎると、正しい判断や対応をすることが困難になるかも。また、それが体調にも影響を及ぼしますよね。自身の健康も子どもの健康も同じぐらい大切。難しいとは思いますが、ひとりで頑張りすぎないこと、忙しくても自分の時間・癒しを持つことを忘れずにいたいものです。

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