元緘黙児、成長しても性格は変わらず?

 ロンドンでは今桜が満開です

大学がイースターホリデーに突入し、大学のあるサリー州の田舎町に住んでいる息子が帰省しました。イギリスはまだロックダウン解除の途中ですが、フラットシェアをしていた友達が1月末に帰国してしまい、息子はそれ以来ひとり暮し中。

イギリスではコロナ変異種の感染拡大が1月にピークを迎え、世界的にも最悪な状態に。友達が感染が少ない自国に帰った気持ちも良くわかります。大学は秋からオンライン授業だし、狭いフラットにずっと閉じ込められていた訳で…。

息子だって実家に帰ってきても勉学に支障はないのですが、彼はひとりでフラットに残ることを選択しました。フラットの方が勉強しやすいというのですが、親に干渉されたくないのもあるんでしょう。

小さい時から用心深い子でしたが、変異種の感染が拡大する中、食料の買い出しに出ることを止めて、オンライン注文に切り替え。人が集まるところを極力避けて、大学(図書館は開いてる)にも行かず、友達とのコミュニケーションもほぼオンラインだけと…。

そんなに人に会わない生活で大丈夫なの?! 心配になった私たちは、ひとり暮しの人に限り他の一家族と行動を共にできるサポートバブル制度を利用して、家族でサポートバブルを結成。この2か月間に何度か息子に会いに行きました(早くコロナ禍が収まって、対面授業が始まります様に)。

息子は割と器用なのもあり、頑張って料理を作っているよう。この間会いに行った時は、初めて手料理をご馳走になりました。ローストチキンのランチ、とっても美味しかったです。

ロースト料理を良く作るというので理由を聞いてみたら、「大きい肉の塊をローストすれば、数日間食べ続けられるから」とのこと。勉強が大変なので一度に大量に料理して、手間と時間を省いているらしいのです。

オンライン授業であっても、カリキュラムは通常通りに進行しています。定期的な課題の提出やグループプロジェクトに加え、6月からは進級試験とかなり忙しそう。日本の大学より厳しい印象を受けます。

課題提出の前は時間がないからテイクアウトにしているそうで、家への連絡も途絶えがち。こちらから連絡すると「忙しいから、今週は会いに来ないで」とそっけない返事。やっぱり自立しつつあるんですね――まあ、昨年夏に20歳になったので、当然かもしれませんが。

成長してるなと思う反面、ずっと変わらないのは心配性の性格。課題が難しい時や順調に進んでいないと感じると、ものすごく不安になるらしいのです。時々、私にだけ弱音を吐くので心配になるのですが、結果的にはちゃんと提出できているという。

幼少のころから、事前に悪いことを色々想像してしまい、不安になっちゃうんですよね。イザその時になると割と落ち着いてできるケースが多くて、たいていが取り越し苦労なんですが…。その上、真面目すぎるというか、なかなかズルができない性格でもあります。

息子が緘黙になる原因となった抑制的な気質は、少しずつ改善されてきたように思っていたのですが…。ストレスがたまると、過剰に心配したり、不安になったりする部分は変えられないのかな?それとも、息子比で改善されつつあるんでしょうか?

いずれにせよ、生まれ持った性格が大きく変わることはないように思えます。

息子の緘黙・学童期6~7歳(その1)小学2年の心構え

早いもので3月も半ばを過ぎてしまいました。ロックダウン解除第一段階のイギリスでは、ここ3週間毎日の感染者数が5,000~6,000人と高止まり…。多くの地区で感染率が下がっているものの、改善がみられずリバウンド傾向の地区も。それでも、ワクチンのお陰で集中治療室の使用率はかなり減ってきたよう。

そこかしこの前庭で春の花がほころんでいます

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夏休み中に6歳になった息子は、小学2年生に進級しました。日本だと小学校に入学する年齢ですね。

今度の担任は女性2人のジョブシェア。2人とも小さな子どもがいて子育てが忙しく、保護者の評判はあまり芳しくありませんでした。噂では、2人の間の連絡がうまく取れていないとのこと…。

その上、予算の関係で1年生の時に受けていた主な支援が終了してしまったのです。TAとの1対1の読本セッションがなくなり、ASDの子ども達のためのソーシャルグループからも外されました。

小1でかなり緘黙が改善したのに、この学年で停滞してしまったらと不安に。「まだ幼くて自覚がない内に治してやりたい」という気持ちも強く、私からもっと積極的に先生たちに働きかけようと決心しました。

(息子は「緘黙」という言葉は知らなくても、自分が皆と違うことは幼稚園時代から解っていました。だから、自覚がない内にというのは無理だったんですが…)

新学期の初めに二人の担任に会いに行って息子の緘黙状態を説明し、対応と支援をお願いしました。そして、緘黙児の学校での様子が見られるDVDがついたSMiRAの本、『Silent Children(日本では、場面緘黙へのアプローチという題名で翻訳本が出ています)』を二人に貸したのです。

E先生とL先生は、その時「じゃあ、読んで勉強するわね」と笑顔で本を受け取ってくれました。

が、結果的に言うと、本は一読もされないまま、ずっと教室に付属する準備室の片隅に押しやられていたよう…。

どうしてそれが判ったかと言うと、Knetで『Silent Children』を翻訳することになり、2学期の終わりに返してもらいに行ったところ、

「えっ、どこ行ったかしら? 準備室にあるかもしれないから、探してみるわ」

という返事が返ってきたんです。

ガビ~ン! あのぉ、本を失くしてしまったかもしれないということ?!

結局、本は出てきたのですが、返してくれた時「読んだ」とも、内容についての言葉も全くなく…。まったく悪びれた様子もなく。

(どうもこの国では「本を貸す」は、「本をあげる」に近い傾向にあるような。頼まれて貸した本でも、催促しないと返って来ないことが多いです…)

この事件から得た教訓:

  • ただでさえ忙しい教師には、本や資料を読む時間がない(負担になるので、要求されない限り多くの資料は渡さない)
  • 学期が始まる前に、子どもの症状と対処法を簡潔にまとめたもの(A4の紙に箇条書きが良い)を提出する
  • 記録に残るようメールで送り、返事を確認・子どもの様子を随時確認する
  • 手渡しの場合はコピーを残し、 継続的に子どもの様子確認する

イギリスでは、何も言わなければ問題がないと思われることが多く、学校や教師によってはSEN(特別支援)リストに載っていても、それほど気にかけてもらえないことも。まあ、他にクラスで問題を起こす子がいれば、その対応で精いっぱいになってしまいますよね。大人しい緘黙児は問題をおこすことはまずないので、見過ごされてしまうことが多いかもしれません。

担任達に直接お願いに行っただけでなく、他にも何か息子を手助けできることはないものか? 今考えると図々しいですが、息子の緘黙のお陰で私もたくましく鍛えられていったのでした(笑)。

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その24)小1の夏休み

イギリスではロックダウン解除の第一弾として、3月8日から全国で学校を再開(大学を除く)させました。ここのところ、毎日の感染者数は5,000~7,000人の間で高止まりしていて(イギリスにしては低いんですが…)、まだまだ安心できません。

感染拡大を防ぐため、各学校で週2回コロナ感染の簡易検査を行うことに。私の勤めている特別支援校では月・木曜日が検査日なのですが、私は両日とも授業がないので、検査キットをもらってきて自宅でしています。

2度とも陰性でひと安心

学校再開とともに、戸外で家族以外の人ひとりとコーヒーが飲むこともOKに。今までダメだったんですよ(;^_^A さっそく初日に友人の市民農園にポットを持ちこみ、ふたりでお茶したのでした。ちょっと肌寒かったけれど、誰かとお茶できるのがこんなに嬉しいとは…。

さて、息子の緘黙話の続きです。

夏休みの前半は、クラスの仲良しB君と再びサマークラブに参加。とってもありがたいことに、前の年にアルバイトで来ていた女子大生が、この年もまた来てくれていました。前年、彼女がこまめに声掛けしてくれたお陰で、ポツポツと言葉が出るようになったのです!(詳しくは『息子の緘黙・幼児期5~6歳(その2)社会的な機会を増やす』をご参照ください)

日本人の親友、T君は帰国してしまいましたが、今回は同じクラスの仲良しB君が一緒。さらに、この女子大生さんがいたので、けっこう楽しく過ごせたようでした。

迎えに行くと彼女が声をかけてくれ、その日の出来事をだいたい把握できました。やはり、自分からは自発的に動かないので(B君がやるとついていく感じ)、彼女が指示を出して色々やらせてくれていたよう。ありがたや。

やっぱり「慣れていて、心を許せる大人」がいることで、ずいぶん安心できたんだと思います。緘黙の知識があればそれに越したことはありませんが、自分のことを気にかけてくれている人が側にいるだけで、子どもの不安はぐっと減ります。

この夏休みには、学校で行われるサマークラブに参加するついでに、新しい教室に何度か行って慣れさせる計画も立てていました。休み前にSENCo(特別支援コーディネーター)にお願いしたら、「休み中でも教室は開いてるから、いつでも入れるわよ」との返事。

ところが、イザ教室に入ろうとしたら、ドアに鍵がかかっていたのです!

「やられた~!」と思いました。きっとSENCoはそこまで調べてなかったんでしょう。

学校だけじゃなくて、イギリスでは割とこういうことがよくあるんです…。

SENCoに文句をいう訳にもいかず、次からはきちんと最後まで詰めるようにしようと心に誓ったのでした。

T君が帰国してから初めての夏休みでしたが、後半は祖父母の家に泊まりに行ったりと、かなり落ち着いて過ごせました。

   

 今週は私の誕生日だったのですが、息子が花束を贈ってくれて大感激!

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息子の緘黙・幼児期5~6歳(その3)1年生に進学

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その4)先生が僕を喋らせようとする

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その5)学校外でのスモールステップ

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その6)もうひとりの緘黙児

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その7)1学期の個別指導プラン

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その8)初めて声が出た!

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その9)教室内で囁き始める

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その10)S君宅に招かれる

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その11)初めての言語テスト

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その12)誤解されてた!

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その13)目からウロコ

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その14)誕生会とF君の涙

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その15)個別指導プランNo1

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息子の緘黙・幼児期5~6歳(その17)緘黙息子の仮装大会

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その18)個人指導プラン No2

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その19)初めてのSMiRA定例会

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その20)放課後の教室

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その21)しゃべれない親族

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その22)みんなの前で声が出た!

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その23)トランジションの支援

息子の緘黙・幼児期5~6歳(その23)トランジションの支援

2月も今日で終わりですね。イギリスではやっと変異種の感染拡大がおさまってきて、ここ1週間は毎日の感染者数が1万人を切るように。今日は6,035人まで下がったのですが、なんと昨年の9月以来だそう。

3回目のロックダウン解除の第一弾として、来月8日から大学を除く学校を一斉に再開する予定です。リバウンドが心配なので、来週は感染者数がもっともっと下がるといいんですが。

 

 公園に咲き乱れる黄金色の水仙たち。春の陽気が希望を運んでくれます

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さて、久しぶりに息子の緘黙話の続きです。

2年生に進級するにあたり、小1・3学期のIEP(個人指導プラン Y1・ No2)には、「次に進むクラスの新しい担任たちと良い関係を築き、2年生にスムーズに移行する」というターゲットがありました(詳しくは『息子の緘黙・幼児期5~6歳(その18)』をご参照ください)。

緘黙児が進級したり、新しい学校に進学・転校する際は、トランジション(移行)の準備が大切になってきます。新たな学年・学校では環境が大きく変わるため、まずは子どもが安心して学校に行けることが重要。

抑制的な気質を持つ緘黙児は変化に弱く、新しい環境に慣れるまでに時間がかかります。どの子にとっても不安と期待が入り混じる時期ですが、繊細な緘黙児にとってはかなり試練の時?

新学期の前には長めの休みが入るため、学校環境から遠ざかることで不安が増すことが多いのです。4月入学制の日本では春休み、9月入学制のイギリスでは長い夏休みを挟むので、それまでの進歩が大きく後退したり、停滞したりするかもしれません。

反対に、スモールステップを積み重ねて自信をつけた子、自分を変えたい気持ちが強い子にとって、新たな環境は話し始める絶好のチャンス。新しいクラスの中で、より自分を出せるようになる子もいます。

幸いにも、息子の学校ではクラスは7年間持ち上がり。毎年担任だけが変わる制度で、クラスの顔ぶれがガラリと変わるような大きな変化はなし。それでも、休みの間に学校のことを忘れないよう、家庭でも色々な作戦を考えました。

学校の支援:

息子の学校では3学期(夏休み前)に次学年の担任を発表。クラス全員が早く新しい環境に馴染めるよう、新教室で新担任と交流する機会を作ってくれます。

2年生の担任は、女性教師2人がジョブシェアという形で担当。実は、彼女たちは幼稚園時代の親友T君のクラス担当だったので、あまり評判が良くないということは聞いていました。

(双方とも小さな子どもがいて忙しく、二人の間で密な情報交換ができていないと…。私から積極的にアプローチしないと、1年生のような手厚い支援は受けられないかもと心配でした)。

それでも、1年の担任に「囁き声だけど、新しい担任達にもしっかり返事ができています!」と言われた時には、ほっと胸をなでおろしました。

2006年7月にIEPの見直しが行われた結果、2つターゲットは達成できていました。

<2006年4~7月 IEP Y1・No2>

ターゲット1:TAと一緒にグループでのゲームに参加し、グループの子どもたちの前でTAに囁く

  • 達成目標:5回   ← 達成

ターゲット2:次に進むクラスの新しい担任たちと良い関係を築き、2年生にスムーズに移行する

  • 達成目標:新担任たちに囁き声で話せるようにし、自信をつけさせる ← 達成

家庭の支援:

  • 夏休みは再びB君と一緒に学校で行われるサマークラブに参加

少しでも学校環境を体験でき、同年代の子ども達と遊べる機会を作る

  • SENCOに頼んで夏休みでも教室に入れるよう許可をもらう

新しい教室で話す練習をする

  • 夏休み中に息子の誕生会れ)8月生を開き、クラスメートを招待
  • 休み中も、なるべくB君やS君らと遊ぶ機会を作る

クラスメートとの交流を継続させ、家でも話題にする

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子どもの心の健康を守る7つの方法

強い寒気が去り、イギリスに早春を告げるスノウドロップが満開

イギリスでは昨年1回目のロックダウンで学校を閉鎖したため、多くの子ども達が3月末から一度も学校に通うことなく学年を終えました。それもあって、9月の新学期からは学校優先の政策がとられたのですが、1月から3度目のロックダウンで再び学校閉鎖中。

NSPCC(National Society for the Prevention of Cruelty to Children英国児童愛護会)によると、学校や友達など社会的なネットワークから切り離され、孤立したり、自信を失ったり、不安を感じている子ども達が増えているといいます。

なかでも、うつ症状、過食症や拒食症などの摂食障害、自傷行為、OCD(強迫性障害)が目立ってきているよう。かなり低年齢化してきているようで、保護者も気が気ではないと思います。

苦しみや不安を親や友達に打ち明けることができず、一人で悩みを抱え込んでいる子も多いとか。ソーシャルメディアの普及によって、みんなと同じように見え、同じように行動しなければというプレッシャーが大きくなっているのです。

また、コロナ禍で仕事を失ったり、家計が苦しくなったりした家庭では、子どもの情緒が不安定になる傾向が強いそう。大人が苦悩しているのを見れば、子どもも影響を受けざるを得ませんよね…。

不安になっても誰にも相談できな子ども達――NSPCCの相談室にコンタクトできる子はまだいいのかも…。子どものメンタルヘルスは将来にも大きく影響してくるので、少しでも寄り添ってあげれればいいなと思います。

BBCの子供番組を担当するCBBCが、子どもの心をリラックスさせる7つのシンプルなテクニックを提案しています。特に、幼児と特別支援が必要な子どもに効果があるよう。

https://www.bbc.co.uk/cbeebies/joinin/seven-techniques-for-helping-kids-keep-calm

7つのシンプルなテクニック

1) マインドフルネス

<親子でトライ>

レーズンやビスケットなど、小さな食べ物をまず手にのせて観察。初めて見て食べるかの様に、形、感触、におい、口に入れた時の触感、味、噛んだ時の音などをしっかりと確かめる。

<効果>

五感の全て使って「今この瞬間」を体験し、現在していることに完全に集中することがマインドフルネス。小さい子どもには難しいと思いがちだが、こうしたシンプルなマインドフルネスは、子どもが行動する前に一時停止して考えることに役立つ。

2) 笑い

<親子でトライ>

お子さんの好きな番組を見たり、冗談を言ったり、にらめっこをしたり。リラックスすることは緊張を和らげる最適な方法。

<効果>

笑いや刺激を感じることでストレスホルモンが減少し、筋肉がリラックスする。

3) 深呼吸

<親子でトライ>

息を吸って止めたり、深く息を吐いたりするよう促し、子どもにとって快適な呼吸の感覚を見つける。子どもが落ち着くまで続ける。

<効果>

一連の深呼吸をすることで心拍数が低下し、自分で呼吸をコントロールできていると感じさせる。

4) ストレッチ

<親子でトライ>

腕を頭の上にのばし、つま先立ちで思いきりのびをしてから、元に戻す。

<効果>

猫のように伸びをしたり、両腕を空にむけて思い切りのばして。筋肉をのばし、緊張をほぐすよう促す。

5) 雲を見る

<親子でトライ>

できるだけ動かず、雲が流れていくのを一緒に見つめる。野外に出られない場合は、ベランダからでも。子どもは雲に何かの形を想像できますか?じっと見つめていると、馴染みのものの形が見えてくるはず。

<効果>

このテクニックは、子どもをリラックスさせ、心配ごとを取りはらうことに役立つ。深呼吸といっしょに行うとより効果的。

6) 子ども向けの音源(ラジオ番組)を聴く

<親子でトライ>

落ち着いた音や音楽をリラックスして聴く。

<効果>

リラックスできる音楽は、子どもが立ち止まってリセットするのに役立つ。波、小鳥のさえずり、雨、車の旅、宇宙船、ホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズなど(CBBCチャンネルで提供している音響)。ノッティンガム大学の視聴学部長、クレアベントンは「子ども達の多くはこれらの音を心地よく感じ、聴くことで落ち着いて眠ることができる」と解説する。

7) お絵描きとらく描き

<親子でトライ>

紙とクレヨン、もしくはお絵描きツールで、心ゆくまで絵を描いたり、らく描きしたりする。

<効果>

絵を描くことは、ストレスを減少させ、脳を休ませるのに役立つ。また創造力を刺激する効果も。パブロ(CBBCに登場するキャラクター?)は、絵を描いてアートの世界にひたることで、自閉症によっておこる現実世界の問題に対処している。

  

最近、少しでも青空が見えると心が和らぎます。空や雲にも春の兆しが感じられるような…。

世界中に早く春が来ますように。

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コロナワクチンは危険?

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イギリスは先週の日曜日から大寒波に襲われ、大雪と寒波警報が発令中。1995年以来だそうで、スコットランドではなんと-23度を記録しました。が、幸いにもロンドンではそれほど積もらず、昨日(水曜日)の午後にはほとんど溶けました。

  夜間に粉雪が降っては少し積もる、の繰り返し。家の前の道路の凍結が怖い…

これ、私にとっては本当にラッキー!というのも、勤務している特別支援学校が主要ソーシャルワークと認定され、スタッフ全員がワクチンを接種できることになったのです(現在の優先順位は70歳以上と主要ソーシャルワーカー)。私のアポは水曜日の午後で、病院までは車で20分ほど。

雪が積って家の前の道がアイスバーン状態になったらどうしよう、とめっちゃ心配でした。大通りは凍結防止剤がまかれるから大丈夫なものの、車を停めてある家の前の道が大問題。一度スリップして怖い思いをしてから、雪の日は極力運転しない様にしているんです。

(イギリスにはスパイクタイヤやスノーチェーンがない!それほど積雪がないうえ、道路がボコボコになるからかな? なので、ちょっと雪が積もっただけで電車や地下鉄が止まったり、道路が大渋滞したり。学校が休校になることもしばしば)

そんな訳で戦々恐々としていたのですが、病院までスムーズに行くことができました。70歳以上の方が並んでいるかなと思いきや、廊下は働き盛りのソーシャルワーカーばかり。この病院では年齢別は一区切りついたのかな??

質問表に記入してから熱を測って受付を済ませ、待つこと10分。ワクチン接種は4つの個室で行われ、ひとり終わるごとに椅子を消毒。待合室でも隣の人と2mの間隔があくよう工夫されていました。

いよいよ私の番に!ドキドキしながら個室で看護師さん(?)とむきあい、まずアレルギー等の有無をチェック。その前に、NHS番号と名前を確認してPCに入力(情報はGP(主治医)や他のNHS機関内で共有)。

いよいよファイザー社のワクチン接種!となったのですが、チクリともせず…えっ、これで終わり??

思わず口に出すと、「私は子どもの接種に慣れてるから、話をもりあげて本人が気づかない内に打つのが上手いのよ」と。なるほど。

(痛みがなかったのは、ひとつのワクチン容器から6人分取るため、通常より小さい注射器を使用してるからかもしれません)

ワクチン番号を含むデータを書き込んだカードをもらい、接種終了。5分とかからず、とてもスムーズでした。

この後、急な副反応がでないか確認するため、廊下のような場所で待機すること15分。ほんの少~しだけ腕がチクチクしたかなと感じたものの、全く平気でした。

帰宅して、仕事して、夕ご飯を食べた後くらいから、心持ち疲れたな…と。でも、一日中バタバタして緊張したせいかも。

「あっ、今日はワクチン接種したからお風呂に入れない!」と、主人に言ったら、

「ええっ?! そんなの聞いたことがないよ」

イギリスの子どもって、ワクチン接種の後にお風呂に入ってるの?確か、息子の時は大事をとって入れなかったと記憶してるんですが…調べてみたらOKでした(;^_^A 日本でも今はOKのよう。念のため、激しい運動は避けた方がいいようですが。

今朝起きたら少し頭痛がして、ちょっと体がだるい感じ…。鈍い腕の痛みもありました。午前中はそんな感じだったんですが、24時間経過したころからすっかり通常通りに。

先日、日本のTV番組で、イギリスに住む日本人の看護師さんがファイザー社のワクチンを接種し、その後3日間の容体を伝えていました。彼女の場合は、接種後の夕方にすごい寒気がして床に入り、翌日の夕方にも具合が悪くなり、副反応がおさまったのは3日後だったよう。

ということは、私もまた副反応が出てくる可能性があるかもしれませんね。

前の記事にも書きましたが、80歳を超えている義両親、お隣さんを含め、ソーシャルワーカーなど10人ほどの反応を耳にしました。が、それほど酷く体調を崩した人はひとりもいなくて、全員3日後には回復しています。

スペインの老人ホームで接種後に10名を超える死者が出たというニュースも観ましたが、症状がないまま感染しているケースもあるとか。

看護師さんからは、「コロナの症状が出た場合は、ワクチン接種のせいじゃなくコロナ感染だから、すぐNHSに連絡して」と言われました。

色々な噂や情報が飛び交ってますが、世界中で1臆を超える人たちがワクチン接種済みです。なお、国民の半数以上が接種を済ませたイスラエルでは、肯定的なデータが出てきているよう。

日本ではまだ接種が始まっていませんが、他国のデータを参考にしながら冷静に接種の有無を決めて欲しいと思います。まあ、イギリスの様に悲惨な状況ではないので、選択の余地はありますよね。世界中からコロナを撲滅させるためには、やはり予防接種は必要かなとは思うのですが…。

もう変異種が複数出現し、これからも変異し続けると考えると、ワクチンを毎シーズン改良する必要があるかもしれませんが。

一時でも早く、世界がコロナ禍から解放されます様に!

 

 

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コロナ禍のイギリス暮らし(その1)

コロナ禍のイギリス暮らし(その2)

コロナ禍のイギリス暮らし(その2)

先回の続きで、コロナの変異種が猛威をふるうイギリスでのロックダウン生活をご紹介します。

 雪の中、まだ咲き続けている我が家のイングリッシュローズ

この3度目のロックダウンは冬季なのもあり、ウォーキングや散歩で外出することが激減。というのも、公園や散歩コースは人だらけで密なんですよね…。そこで、室内での運動が重要になるのですが、私は自主的にできないタイプ。

(一方、仕事も趣味もPC関連の主人は、部屋をひとつぶんどって黙々とウエイトトレーニングを続けています。偉い!バンド活動も続けていて、ドラムを叩くのも気分の発散になっているよう)

  

    先日、日本語科卒の主人に「ネギ買ってきて」と頼んだら、ソフトボール大の巨大玉ねぎが2個! 「大きすぎて使えない」と困ってたら、ローストオニオンに(主人作)! 食べきれなくて、みそ汁とミートソースに再活用しました(;^_^A

ありがたいことに、通っていたジムのピラテス講師が去年春からZoomでクラスを継続してくれています。11月から再びジムが閉鎖され、Zoomクラスは週5回に! 私は週3回、安価でお世話になっているのです。

画面越しですが、講師のセーラさんの元気のいい声と、キビキビした動作、叱咤の言葉に励まされています。彼女のお陰でおこもり生活にメリハリができて、本当に大助かり。

ところで、日本でも今11都府県に緊急事態宣言が出ていますが、暮らしの補償はどうなっているのでしょうか?

イギリスでは政府の Furlough scheme(自宅待機者の補償制度)により、企業は仕事がない従業員を解雇せずにキープできる仕組み。政府から給料の80%が支払われるため、安心して生活できる訳です。加えて、企業に対する支援金も。

フリーランスに対しても過去3年の平均収入の80%を補償。私は去年たまたま学校に加えてSENエージェントも給料制(時給)に変わったため、給料の額がフリーの収入を少し超えたんです。それでハネられて、政府の補償はゼロ😢

SENエージェントの仕事は消滅し、コロナ禍でフリーの仕事は目減りしてしまったのに…今まで払った税金は何だったのか?! フリーランスの友人達が1年近く80%の補償をもらい続けているのを見ると、やっぱり不公平だなと思わずにはいられません。

でも、ついこの間までFurlough schemeで自宅待機していた友達は、「結局は解雇されるかも。社会に必要されてない気がする」と悩んでいました。こういうのもメンタルに良くないですよね…。

実は、主人は昨年1月に解雇され、3月のロックダウンが始まる直前に再就職したんです。もしあの時仕事につけていなかったら、コロナ禍での就職は至難の業だったでしょう。超ラッキーでした。

イギリスでは失業手当はなく、仕事を探している間は求職手当(1か月約6万円)しかもえらえません。自分が収めた税金額に関係なく、金額は一律なんですよね。しかも、一定額の貯金があると、それさえもらえないケースもあったりして、う~ん…。

イギリスの経済状況はガタガタで、先期のGDPは20%減と戦後最悪だそう。政府は巨額の負債を抱えているので、コロナ禍がおさまったら即増税になりそう…。12月末のEU離脱でEUとギリギリ条約を結ぶことができ、輸出入品に課税がかからないため、今のところ恐れていたほど物価は上がっていないのですが。

でも、今週はEUにおけるアストラゼネカ社(英&瑞)のコロナワクチン供給遅延問題で大荒れ!このワクチンはオックスフォード大学が開発しイギリスの2拠点、ヨーロッパの2拠点で生産中ですが、ベルギー拠点での生産が遅れてEUへの初回供給量が半減する見込み。これに立腹したEUが、英生産分からEUに回すようアストロゼネカ社に申し入れて、拒否されたのです。

EUはアストロゼネカ社との契約書を公開して権利を主張。同意しなければ、ヨーロッパ内で生産しているファイザー社ワクチンの英輸出を差し押さえると!えええ~っ、突然そんなのありですか?!まるで恐喝😢

その上、金曜日の夜、EUは北アイルランド(英連邦)とアイルランド間のワクチン輸送を一方的に制限すると…。数時間後に撤回されたものの、怖い、怖すぎる…。

EUがアストラゼネカのワクチンを承認したのは29日。なのに、承認前に大騒ぎになって、しかもドイツでは「65歳以上の高齢者には使わない」方針、マクロン大統領も「65歳以上には効果がない」と宣言してるし。だったら承認しなきゃいいのに…。

今世界中でワクチン争奪戦が起こっていて、現在は北米と欧州富裕国の独占状態になっています。イスラエルとアラブ首長国連邦を除くと、イギリスのワクチン接種率は最も高いのですが(現在全人口の11%程度)、WHOは「最も死亡率が高い高齢者と医療従事者への接種が済んだら、ワクチンを貧困国に回すように」と提言してきました。

確かに世界規模で対処しない限り、コロナ禍を終息させることはできません。が、イギリスではまだ一日の感染者が2~3万人と高止まりで、毎日1000人以上の死者が出ているんです!ピーク時より半減したとはいえ、ここ2週間の感染率は55人にひとり。変異種の感染を止めるにはワクチンで集団免疫を得るしかないと思うので、それはちょっと…。また感染が拡大して、いつまでたってもロックダウンを解除できない~!

道義的、人道主義的には正論だけど、国内がまだまだ危機的な状態。それに、「マスク着用の効果は証明されておらず、必要ない」というWHOのアドバイスのせいで、イギリスではマスクの普及が遅れて犠牲者が多数出たんです。

イギリスはWHOが主導して92の中所得国にワクチンを供給するCOVAXプログラムに相当額の寄付をしていて、アストラゼネカ社はワクチンの64%を発展途上国に供給する予定だといいます。お願いだから、感染がおさまるまでは自国優先にさせてほしい!

美術館巡りをしたり、ガーデンセンターで植物を買ったり、友達の家でお喋りしたり、カフェでお茶したり、映画やお芝居を観に行ったり。

これまで当然だと思っていた普通の日常が、今はとんでもなく遠い…。再びのほほんとした暮らしが戻ってくることを夢見て、今は我慢するのみですね。

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コロナ禍のイギリス暮らし(その1)

コロナ禍のイギリス暮らし(その1)

隣人の訃報に天候の悪さも加わって、先回の記事はかなり暗くなってしまいました。最悪の数字を更新し続けているイギリスですが、みんなメゲながらもロックダウン下での新しい日常を生きています。

今回のロックダウンの規則は、

  • 必需品の買い物や必須の場合をのぞき、外出禁止
  • 近隣での野外での運動は一日一回のみ。同居の家族と一緒か、もしくは一人で。一人の場合は、家族以外の人ひとりと一緒に運動しても良い
  • 社交は室内・野外ともに一切禁止
  • 他者との距離は2m取る(マスク着用の場合は1m)
  • 学校は医療スタッフなどキーワーカーの子どもと支援が必要な子ども達のために一部継続

ロックダウンも3回目だからステイホーム生活も慣れました――といいたいところですが、この冬のロックダウンはもの凄く辛い!

暗い、寒い、天気悪いーー3悪の時季に加え、変異種の猛攻撃によって運動のための外出もままならず…。週末の日課だったママ友とのウォーキングも一時中止。日暮れが早いため、仕事の後に散歩をと思っても、外はすでに薄暗いのです。

オンライン授業に切り替わったため、学校に行かなくても良くなって安堵したんですが…(なんせ1月初旬のロンドンは20~30人に一人の感染率だったので)。その反面、同僚や生徒達とも会えないし、学校近くの森の散歩もできません。散歩仲間とも会えなくなって、すごく淋しい…😢

    配達人のほか、訪問者はゼロ…。でも、先日ドアを開けたらお向かいのFluffyが。近所の人気猫なんですが、ロックダウンで遊んでくれる人がいない?

私が住んでいるのは、北ロンドンの郊外の小さな町。息子は大学のあるサリー州在住なので、一昨年の秋から夫婦二人きり。主人は在宅勤務ですが、忙しくて朝9時から夕方6時ころまで殆どオフィス(息子の部屋)から出てきません。

私は比較的時間があるので、家事のほとんどを担当する羽目に。

食料の買い出しは、混雑する土日を避けて月曜日の朝早めに行きます。通路が広い近所の大型スーパーは、この時間帯だと空いてるので。バスケット(日本より大型)に食料品を詰め込み、会計はセルフレジでカード払い。スーパーから一旦戻って玄関に荷物を置き、必要な時はご近所の八百屋さんや魚屋さん、ドラッグストアへ。

     運動のため、リュックを背負って歩いてます(;^_^A まるで戦時中みたい?! 昨日は道が凍結していて大変でした…

買い出しの後、買ってきたものをひとつずつ消毒するため、やたら時間がかかります。ドアノブや冷蔵庫などのハンドルも消毒し、使った布マスク(フィルター入)を洗って、干してと…結構忙しい。

寒いのでお昼も夕食も暖かい食事を作るので時間はかかるのですが、気分転換になっています。今は食事が一日のメインイベント?! この間、私の知らない内に主人がチョコを食べてしまい、喧嘩が勃発…なんだか次元が低くなってる…。

 

       急にお汁粉が食べたくなって、小豆缶で栗入りぜんざいを作りました。お気に入りのチョコも買いだめ

朝起きて、学校のサイトやニュースを確認して、仕事して、運動して、食べて、ゆっくりして(TVとPC)、入浴して、寝る…その繰り返し。

実は、不眠症で3日くらい全く眠れなくなってしまう時があるのですが、医者から睡眠薬(入眠剤)を処方してもらっています。眠れない時は薬を半分だけ飲んで、眠りのリズムを整えるのです。

眠れない時は、「どうして眠れないの?」から「またか、まあ薬があるから大丈夫」と気持ちを切り替えて。どうしても眠れない時は、観念して真夜中でも本を読むことにしています。通勤しなくてもいいから、寝不足でもまあ大丈夫と気持ちも楽。

日本も緊急事態宣言が出ていますが、何か楽しみを見つけ出して、辛い時をやり過ごしたいですね。

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     先週うっすらと積もったロンドンの初雪。毎日どんより曇りの暗い日々なので、少しでも青空が見えるとほっとします。

1月も半ばをすぎました。でも、イギリスでは依然として変異種の感染がおさまりません。それでも、ピークで一日6万人近かった感染者が3万人台まで減っていたんですが…一昨日からまた4万人近くまで上昇し、今日はまた4万人超え! 毎日の死者数はずっと1000人を超えていて、本当に嫌になってしまいます。

私の住む北ロンドンの町では、今月頭と比べると感染者数は半分くらいまで減少。でも、どこか新しい地区で感染が増えているということですよね…一体、いつになったら落ち着くのか?!

今週から一日のワクチン接種数も発表されるようになり、今日で584万人が接種を済ませた旨。ちなみに、政府はひとりでも多くワクチンを接種するため、2回目の接種を6週間以上延長する政策を取っています。でも、1回の接種だけだと予防効果は50%くらいに落ちるらしい…。それに、効果が出るまでに数週間かかるとのこと。

ものすごくラッキーなことに、義父母は先週2回目のワクチン接種を済ませました(どうしてかは謎ですが)。ファイザー社のワクチンなので、数週間たてばコロナ菌への免疫は90%以上になる予定。ちょっと安心しています。

ちなみに、義母は2回とも3日間ほど風邪をひいたような状態になり、体がだるかったそう。なお、ワクチンに関する懐疑的なニュースも多いようですが、今のところイギリスでは重大な問題は起きていません(公表されないだけ?)私が知る限り、義父母を含めワクチン接種をした80歳以上の高齢者はみんな元気です。

でも、こんな状態なのでこの3度目のロックダウンがいつ終わるか、全くめどが立っていません。一応3月末までとしているようですが…2月末にはと言っていた学校再開にも疑問符がつく今日この頃…。

そんな中で、入院中だった超高齢のお隣のご主人が、院内でコロナに感染して亡くなられました。この5年間、頻繁に入退院を繰り返していたのですが、毎回なんとか回復して家の外で歩く練習をしていたのに…。

個室から4人部屋に移動した際、同室の他の患者さんから感染したとのこと。その人も別の病気で入院していて、入院前のPCR検査では陰性だったとか。

2回目のPCR検査で陽性に変わったため、同室の患者さん全員がPCR検査を受けたところ、お隣のご主人も陽性に…。その時は全く症状がなかったのに、1週間後に急に容体が悪化して呼吸できない状態に陥ったそう…。陽性と判明してから僅か10日ほどで亡くなられたのです。

そのニュースを聞いて、本当にやりきれない気持ちになりました。残された奥さんは、すでに1回目のワクチン接種を済ませていて、彼も入院していなかったらワクチンを受けられたはず…。

といっても、ワクチンが効くまで数週間かかるし、1回だけでは効果が低いので、感染は防げなかったかもしれませんが…。

2003年春に今の家に引っ越してきた時から親しくしていただいたので、本当に残念でなりません。ご冥福をお祈りしたいです。

暗い記事ですみません…。冬のイギリスはどんよりと暗い日が多く、一日に一度も太陽が顔を出さないことも珍しくないんです。気分もどんよりしてしまうし、メンタルヘルスには本当に良くないですよね。

もっと北国では、もっともっと日照量が少ないので、文句は言えませんが…。

早くコロナ禍がおさまるよう願わずにはいられません。

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新年、明けましておめでとうございます。

日本でも7日に1都3県への緊急事態宣言が出てしまい、全国的な感染拡大が心配されますね…。イギリスでは変異種によるコロナ感染が大蔓延する中、2021年が幕を開けました。

感染者の数はここ2週間連続で毎日5、6万人超え。死者数も増え続け、この3日間は毎日1000人を超えています。クリスマス前には1週間の感染者数が20人未満だったうちの地区も、あっという間に131人まで増加。人口2万6000人くらいの小さな町なのに、この数字?!

昨日、ロンドン市長が重大インシデント宣言を出し、「市内の感染は制御不能」と😢 医療崩壊が始まっていて、救急車で病院に運ばれても受け入れてもらえない可能性が出てきました。病院はコロナ患者であふれ、手術待ちだった患者も、救急の患者も、手術が受けられない状態になりつつあります。

現在ロンドンの感染率は30人にひとりだそうで、本当に怖い!もっと怖いのは、まだ感染ピークに達していないと言われていること…。

私が勤めているのは(パートタイム)私立の特別支援学校のアッパースクール(12~19歳)。高機能自閉症の子どもの専門校で、生徒達は公的に支援・保護が必要と認定されています。そのため、ロックダウンで普通の学校が閉鎖しても、開校し続けなければなりません(普通の学校もキーワーカーの子どものため限定的に開校)。

第一波のロックダウンでは、対面授業は親がキーワーカーの生徒と特に支援が必要な生徒のみに限定し、他はオンライン授業に切り替えました。でも、政府は今回どの学校にもより多くの生徒を学校に迎え入れるよう要求しているのです。

しかも、特別支援校に対する政策の詳細がいつまで経っても届かず!うちの学校の校長は若い女性なんですが、今週頭に生徒全員の登校を想定して準備を開始。学校での安全が保てるよう、週2回学校内でのコロナ検査が義務化されたとのこと。そして、検査するのは教職員の役目(担当者には2時間のオンライン研修あり)?!

教師は対面とオンライン両方の授業の準備をしなくてはならない上、感染の危険を伴うコロナ検査まで…?! 校長はボランティアを募りましたが、連続して同じメンバーを使いたくないということで、人数が足りないよう…。

検査は30分で結果が判るという Lateral flow systemを使用。でも、PCR検査と比べると正確性に欠けるので、生徒や教職員に陽性が出た場合は、PCR検査キットを持って帰宅させ、結果がでるまで自宅待機…。こんな方法で、学校内の安全が保てるんでしょうか?!

幸いにもコロナ検査は私の授業がない日に実施予定。ボランティアしなくて済みそうで、ほっ。

でも、ボランティアに名乗りをあげたスタッフ仲間への罪悪感がじわじわ…。それでも、私はパートタイムだし、もしコロナに感染して休んでもお給料の補償もないし…。

変異種が出現してから、セカンダリースクール(12~16歳)の年齢の子どもの感染率が上昇しました。生徒と教職員80名あまりが学校に集まれば、それだけ感染のリスクは高い訳で。やっぱり怖い!

(追記:読み返してみたら情報不足に思えてきたので、付け足しです。(その2)にも書いたのですが、うちの学校はコロナ感染のため12月第2週からずっと学校を閉鎖していました。それもあって、教職員と生徒が感じる感染の恐怖はとてもリアル。さらに、政府は「教職員の感染率が一般と同じ」と言っていますが(きっとまだ未集計)、3つの地方行政局が「教職員の感染率は一般に比べて3倍高い」と先週発表したのです…)

政府は子どもの教育や学校での対面授業を第一にする方針。それだったら、現場で働く教職員に一刻も早くコロナワクチンを接種して欲しい!!

でも、現在のところ優先順位には入ってないんです…。

この1週間、感染対策のオンラインミーティング、学校のコロナ方針や保護者への手紙などの確認、検査を受けるための受諾書の記入・提出など、エクストラの雑務が倍増。それにも増して、不安とストレスでいっぱいになりました…。

主人に「怖い、怖い!」と訴えていたら、「行きたくなければ、行かなければいい」と冷た~い言葉。

私がぐちぐち言い続けるので、嫌になってるんでしょうが…。実際に「怖い」と口に出すことで、少し恐怖が和らぐということを理解して欲しい。

仕事は辞めたくない、でも、学校に行くのは真剣に怖い!

そうしたら、金曜日の午後になって、対面授業をリクエストしている生徒のリストが発表されました。前日に政府の詳しいガイダンスが届き、保護者の希望があれば、自宅でオンライン授業を受けられることになったそう。

登校希望の生徒は全体の1/4程度で、私が教えてる生徒達は全員自宅待機組!助かった~!

でも、ここまでで精神的に疲弊してしまい、もうクタクタ…。実際に学校勤務をしなければならない人達は、どんなに心が重いことか…。

コロナ関係の心配事を相談できるよう、学校側は電話カウンセリングサービスを準備してくれていましたが。

ガーディアン紙の記事によると、イギリスでは昨年6~9月の3か月間で600万人が抗うつ剤を処方されたとか。反対に、コロナ禍のせいで対面でのセラピーを受けた人が25万人減ったとのこと。

通常、早期にセラピーを受けることができれば、それほど悪化せずにすみ、薬は必要ないことも多いよう。また、薬の服用と対面でのセラピーを併用することで、効果が高まるというのが定説です。

リモートセラピーでも、電話セラピーでもいいので、この時期だからこそ増やして欲しいと思います。誰かに気持ちを伝えることができれば、少しは心が軽くなると思うので。

新年早々、私のぐちぐちにお付き合いくださって、ありがとうございました。皆さんも、お気をつけて。

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