癇癪が悪化-息子の緘黙・幼児期4~5歳(その1)

またまた記事の更新が遅れてしまいました。息子の緘黙記、やっと4歳に突入します。

イギリスでは5歳になる年から小学校が始まります。新学期は9月からなので、8月生まれの息子は学年でも一番若い早生まれちゃんのひとり。入学予定の小学校では、6月以降に生まれた子ども達を、9月ではなく翌年1月に入学させるいうシステムでした。そのため、幼稚園にもう1学期だけ行くことに。

ラッキーにも、4歳になった9月から週に2回延長保育してもらえることになりました。イギリスでは公立幼稚園の保育時間は1日2時間半。延長保育だと朝9時半から午後3時半まで預かってもらえるので、仕事で外出しなければならない時は大助かり。

園にいる時間が2倍になって、初めての給食も食べることになったのですが、割とすんなり順応できました。日本人の親友T君が一緒だったので、不安が少なかったと思います。また、夏休み中に、お弁当持参でT君、M君と一緒にサマープレイグループ(幼児を預けて、様々な活動を楽しませるもの)に参加できたのも、プラスになったかもしれません。

ただ、4歳を過ぎた頃から、家で癇癪を起こすことが多くなりました。夕飯前に遊んでいて切り上げるように促すと、嫌がって大泣きしたり、外出させようとするとものすごく抵抗したり――ささいなことで頻繁に腹を立てていたような…。何がそんなに嫌なのか、どうしてそんなに抵抗があるのか訳が解らず、私のほうが困惑して腹を立てることも多かったです。

これについては、「息子の緘黙・幼児期2~3歳(その1)」でも触れましたが、息子は行動や場面を切り替えるのがすごく苦手でした。自分のこだわりが強いとき――「こうしたい」「こうなるはず」と思い込んでいる時や、その時の状況が気に入っている場合は特に。

まあ、子どもだから当たり前といえばそうなんですが、癇癪が激しすぎ…。そして、癇癪をおこすのは、だいたい家にいる時や家族と一緒にいる時に限られていました。今思えば、幼稚園や友達の前では我慢していたのかな。あるいは、公の場でそんな大それたことはできなかったんでしょうね。幼稚園に長くいるようになって我慢することが増えて、それが家で爆発してたのかも…。

今でもハッキリ覚えているのですが、一度だけ園の前庭で大癇癪をおこして、周囲にいた子どもやママ達を驚かせたことがありました。園を出たところでミルクを飲もうとして、パックにストローを刺したら、曲がって入らなかったんです。見かねて代わりに刺してあげたら、いきなり大泣き!大人しいと思われてる息子がめっちゃ大声でわめいたので、皆さん目が点になってました(笑)。

後日、幼稚園で心理士の講演があり、癇癪について相談してみたら、次のようなアドバイスをしてくれました。

  1. 子どもは急に切り替えをするのが難しいので、事前に警告する
  2. 癇癪を起こしている間は何か言っても無駄。落ち着いてから、静かに話をする

大人でも何かに夢中になっている時、いきなり制止されたら頭にきますよね?だから、子どもが何かしてる時には、傍まで行って顔を見ながら「ご飯だから、もう少しで遊びはお終いね」と警告するといいそう。「あと1回ゲームしたら終りね」という風に、具体的に言ってあげると解りやすいですね。

また、泣き叫んでいる時に、なだめたり怒ったりしても、子どもは聞いてません。少し距離をおいたり、黙っている方が早く泣き止むそう。少し落ち着いたら、必ず声をかけて泣いた理由を訊いたり、子どもの行動が何故いけないかを話すといいようです。

切り替えが苦手なのは、新しい場所や行動に対する不安もあったと思います。ただ、実際にその状況に遭遇すると、割と平気なんですよね。「こうなったらどうしよう」と考えすぎてものすごく不安になるものの、イザやってみたら「な~んだ」と安心するパターンが多かったような。

心配性というか、想像しすぎというか――子どもなのに取り越し苦労が多い…。なんかとっても損な性格だなと思うのですが、考えてみると息子ほどではないにせよ、私もその傾向が強かったです。

子どもが癇癪をおこすと大人は困りますが、自分でどんな風にコントロールしていくのかを、学んでいく過程でもありますよね。うまく援助してあげられるといいですが、なかなか難しいです。

 

 

北欧の夏休みーストックホルム編(その4)

ロンドンはもうすっかり秋の気候ですが、北欧の夏休みの続きをハイライトで。

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現国王一家の住居、ドロットニングホルム宮殿(Drottningholms slott)はストックホルムの西側、メーラレン湖の畔にあります。フェリーでも行けるんですが、友達が車を出してくれることになり、この日は庭園でピクニック。城内の見学は有料なものの、バロック庭園を含む広大な庭は無料で一般公開しています。今回の北欧の旅で感心したのは、観光スポットも公共交通機関も、大体18歳まで子ども料金が使えるところ。子どもの教育のためと思うのですが、随分助かりました。

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    左は宮殿内のチャペル。「北欧のベルサイユ」と呼ばれているそうですが、コペンハーゲンのフレデリクスボー城と比べるとごくシンプル

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窓の向こうはメーラレン湖

フォーマルなバロックガーデンを超え、小さな丘の上に敷物を広げてさあピクニック。友達は何やら重そうなリュックを持ち歩いていたのですが、中から大きなメロンと30cmくらいあるナイフ、コーヒーポット、ミルクのパック、スモモなどが出てくる出てくる..。イギリス人も同じですが、重くて嵩張るのをものともせず、家で使ってるのをそのまま持ってくるんです。大らかというか、あまり気にしないというか…。ちなみに、イギリスでは化粧品やら歯磨きやらの旅行用ミニサイズが登場したのは、ここ10年位のことなんです。

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6羽ほど子どもを連れた白鳥カップルに遭遇

庭園内には中国風の離宮があって、ちょうど時間が合ったのでガイドツアーに参加。アドルフ・フレドリク王が、1753年に妃の33歳の誕生日のサプライズとして建てたんだそう(当初は木造、後に石造りに)。こんなに大きな建物を長期間隠しておけるって、いかに庭が広いかが解りますね 。2階はプライベートな空間になっていて、窮屈なコルセットもクリノリンも着けずに寛げる空間だったとか。1階で食事をセットし、舞台装置のごとくテーブルごと2階に吊り上げていたそうです。

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シノワズリ趣味の離宮の壁紙が素敵でした

市内に戻る途中、夏季しか営業しないという人気のオーガニックアイスクリーム店に立ち寄りました。なんの変哲もない田舎の町並みに、いつも長蛇の列ができるとのこと。

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ヘーゼルナッツとブルーベリーのダブル。濃厚な味でとっても美味

私たちが滞在したソーダマルム島の東側にある写真博物館は、私設のためか何と午前1時までオープン!併設しているレストランの閉店時間に合わせたのかな?メインの展示会はイギリスの写真家、ニック・ブランドの”INHERIT THE DUST”。埃っぽいアフリカの都市部や開発中の荒れ地に、かつてそこに生息していた野生動物の巨大パネルをセットした白黒写真がパワフルでした。ミュージシャン、ブライアンアダムスが撮影したセレブの友人たちのポートレート写真も印象的。

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  夕食は伝統的なスウェーデン料理店で。やっぱり量が多い

モダンアートが好きな方には、シェップスホルメン(Skeppsholmen) 島にある現代美術館もお勧め。数は多くないですが、印象派からダダイズム、アバンギャルドまで20世紀のアートを無料で鑑賞できます。

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小さめのフェリーで出発

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庭にあったピカソの彫刻

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マン・レイとデュシャン(レプリカ)などダダが充実。ムンクもありました

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    中庭のカフェはシナモンロールなどケーキ類が豊富。主人が注文した海老のオープンサンドはとんでもない量でした~

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スウェーデンの嫌われもの、カナダ系ガチョウ。可愛いと思うんだけど…

最後の日に出かけたのは、ノーベル賞の記念晩餐会が開かれるストックホルム市庁舎。毎日河(というかメーラレン湖でした)のこちら側から見ていたので、やっぱり行くべきかなと。朝ボートでガイドツアーのチケットを予約しに行き、ホテルに戻ってパッキングを終えてから、家族全員で出かけました。
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   晩餐会が開かれる青の間。壁につけた星のレリーフを見ながら降りると、姿勢よく見えるんだとか

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              天井の梁と壁の模様が特徴的な市議会場

 

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    晩餐会のダンス会場となる2階の黄金の間は、金箔のモザイクの壁が眩しい!右の食器類は晩餐会で使われるもの

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   おまけ。ストックホルムのアロットメント(市民農園)。イギリスでは野菜や果物畑が中心なのに対し、スウェーデンでは寛ぐための小屋に力を入れているような…

これで、北欧の夏休み紀行はおしまいです。長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

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北欧の夏休みーストックホルム編(その3)

 

北欧の夏休みーストックホルム編(その3)

ふと気づけば既にもう9月。イギリスでは8月末には夏らしい気候が戻ってきましたが、昨日から急に気温が下がり、今日は午後に入ってから雨が降り始めました。夏休みもすっかり終わってしまいましたが、今しばしお付き合い下さい。

ボートで島めぐり

市内からストックホルム群島を巡るボートツアーは地元民にも人気。私たちは、フェリーで一番近いFjäderholmarna島(なんと読むのか不明)へ行ってきました。複数のレストラン、ガラスや陶芸などの工房、手作りチョコのショップ、地ビール醸造所やパブ、小舟の展示館などがあって、30分もあれば一周できる大きさ。夏は海水浴を楽しむ人も多いそう。

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   島行きのフェリー。ガムラ スタン(Gamla Stan旧市街)の船着場から25分ほど

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昔の漁民の生活が忍ばれて

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船の形をした滑り台

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       趣のある可愛らしい工房が7、8軒並んでいます。動物の編みぐるみや、洋服、絵なども販売

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     お土産に購入した 小皿は少々 難ありで60クローネ(約 800円)。きざぎざ部分でニンニクをおろし、オリーブオイルと香草を混ぜてパンのソースに

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海に面したレストランでランチ

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息子はサーモン、私たち夫婦と友達はサバのサラダを堪能

夕方、ソーダマルム島の南のÅrstaにある友達のアパートへ。郊外の田園都市というか、緑豊かな公園の中に小さなアパート群が点在している感じ。かつて王家の果樹園だった土地で、近くには森や池がある自然保護地区なんだとか。今年は、森の野生のブルーベリーが豊作だと言ってました。

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    どことなくIKEAを連想させる居間と愛猫のコスモス君

スウェーデンでは何かお祝いごとがある時は、ニシンの酢漬けの前菜にミートボールというメニューが定番だそう。前菜にニシンの酢漬け3種類、メインはミートボールと茹でたジャガイモ、デザートは息子くんが作ってくれたブルーベリーパイをご馳走になりました。

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お肉が柔らかくて美味しかったです

翌日、友達が「しまった~、今ザリガニ解禁の季節だから、ザリガニ料理にすればよかった!」と…。レストランで注文すると5、6000円するので、近くで見つけたスーパーのデリでサラダと一緒に購入。イギリスでもよく見かける食材ですが、海老とはまた違った味わいがあって大好きです。

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ボートで島めぐり

スウェーデンの首都ストックホルムは、14の半島や小島で構成されています。市の面積の30%が運河、30%が公園や緑地なんだそう。主な半島は橋で繋がっていて、バス代わりにひょいとボートに乗れば、お隣の小島まで約10分という手軽さ。

一番印象に残った島は、かつて王家の別荘地だったというユールゴーデン島(Djurgården)。ここには遊園地やスカンセン野外博物館など主要博物館が林立してるんですが、私達が向かったのは森の奥にあるローゼンダールガーデン(Rosendals Trädgård)。私の花好きを知っている友達が、「この庭とカフェは絶対行くべし」と教えてくれたのです。

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私たちはボートを使いましたが、トラムでも行けます

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森の入口

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ワイヤーで書かれた文字は何て書いてあるのかな?

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5000平方メートルの庭園内に、花畑や果樹園、菜園などが広がります。

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  自分で花を摘めるPYOガーデンは、100gにつき36クローナ(約440円)という値段。友達のウエディングブーケを作っていた女性に写真を撮らせてもらいました

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温室の中にカフェあって、温室内外にテーブルが並んでいます

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      採れたてのオーガニック野菜のサラダなど、日替わりのランチは3種類。焼きたてのケーキも美味しかったです(でも、量が多い!)

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   カフェのお隣のガーデンショップPLANTPODにはセンスのいいガーデングッズや雑貨がいっぱい

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    果樹園では真っ赤なリンゴがたわわに実って。主人は落ちてるのを勝手に食べてました。ピクニック用のベンチも並べてあります

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    庭園を後に、1時間ほどお散歩がてら北側のDjurgårdsbrunn にあるテレビ塔へ。途中こんな可愛らしい家を発見

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IMG_8114   テレビ塔から見たストックホルム市の展望。夜フィンランド行きのフェリーに乗船すると、翌朝到着するんだそう

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