スクールナース(学校看護師)に相談し、待つこと3か月。やっと小児クリニックでの診察の順番が廻ってきました。息子が4歳10か月、緘黙になってから約3か月半後のことです。
相談した時はまだ場面緘黙のことを知らず、アスペルガーを疑っての受診申し込みでした。当日は主人にも付き添ってもらい、親子3人で隣町にある小児クリニックへ。
二人の心理士に迎えられ、私がひとりの心理士と話している間、息子は主人と一緒に別の部屋で発達テストを受けました。なので、息子がどんなテストを受けたのか、あまり定かではありません。
主人によると一言も話さなかったそうですが、絵カードの質問に指差しで答えたそう。運動テストは廊下と階段で行っていたので、たまたま最後の部分を見ることができました。
心理士との問診では、息子の成育歴やそれまでの対人関係、学校と家庭での様子などを詳しく訊かれました。また、私達が気になっていることにも耳を傾けてくれました。
長い問診が終わって廊下に出ると、ちょうど発達テストで息子が階段を上り下りしている最中。「次は、ジャンプしてみようか」と促す心理士に、息子は尻込み。が、主人がジャンプしてみせて何度か促すと、へっぴり腰ながらなんとかジャンプできました(主人に来てもらって大正解)。
その後少し待たされて、二人の心理士から問診と発達テストの結果を聞くことに。
- 発達は年齢の4歳10ヶ月にきっかり見合うもので、早くはないが遅れもない
- 父親とコミュニケーションが取れており、対応も年相応
- アスペルガー(ASD)ではない
- しかし、極端にシャイなため、学校での見守りが必要
その結果にホッとしたものの、最後に「今後はクリニックに通う必要はありません」と…。
えっ、そんなぁ!
学校にも発達テストの結果のコピーを通知するとのことでしたが--場面緘黙の治療は?SLT(言語療法士)は?
焦った私は、恐る恐る「あのう、息子の学校で話せない状態は、場面緘黙ではないでしょうか?」と訊ねてみました。
すると、心理士のひとりが「ああ、そうですね」と…。
思わず前のめりになって、「あの、場面緘黙の支援団体SMiRAによると、緘黙の治療を担当するのは大体SLTだそうです。どうかSLTを紹介してください!お願いします!!」 と懇願してしまいました。
今考えるとすごく図々しい….母は強しですね。
(イギリスでは「言ったもの勝ち」みたいなところが多々あって、黙っていると「この人は現状で満足している」と見なされがち。反対に、相手の状況や気持ちを慮って本人に聞かずに何かをすると、「要らぬお節介」となることも…)
そんな訳で、小児クリニックで場面緘黙を自己申告して、なんとかSLTを紹介してもらえることになりました。が、いつ・どこで会わせてもらえるかはこの時点では不明。(なにせ無料のNHS国民健康保険なので、何ごとにも時間がかかるのです)
この発達テストの結果は1か月後くらいに届いたのですが、心理士のレポートにはSelective Mutism(場面緘黙)の文字は見当たらず!
自己申告だったから?自閉症の診察だったから???
でも、「コミュニケーションを促すために、SLTを紹介する」と記してあり、やっと本格的な治療をしてもらえる、と期待に胸が膨らんだのでした。この時は、SMiRAの情報により、SLTが自宅を訪問してくれるんだろうなと思い込んでました。
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