英国のロックダウンは続く(その4)

ロックダウンも6週目に入ったイギリス。週明けからジョンソン首相が公の場に戻り、昨日(水)は男児の父親になったというおめでたいニュースも。婚約者のキャリー・シモンズさんも首相と同時期に新型コロナに感染した経緯があり、無事に生まれてなによりでした。

そして、今日はNHS(国民保健サービス)のために多額の寄付金を集めたトム・ムーア元大尉(詳しくは『英国のロックダウンは続く(その2)』をご参照ください)の100歳の誕生日です。誕生日を祝して、英国軍から名誉大佐の地位が与えられたそう。

本当におめでとうございます!そして、ありがとう!

 イギリス全土にインスピレーションを与え、志気を高めてくれた100歳のトム・ムーア名誉大佐。エリザベス女王からのものも含め、14万通の誕生カードが送られたそう。写真(右)は学校の講堂に並べられたカードを読む孫のベンジー君

彼は4月24日(金)時点で、何と2860万ポンド(6億6500万円)以上を集め、ギネス世界記録を打ち立てました。また、歌手で俳優のマイケル・ボールと『You’ll Never Walk Alone』のカバーバージョンを歌ったシングルが、先週ヒットチャートの一位に!99歳にして一位になった最高齢者として、こちらもギネス世界記録を樹立。

でも、現実は厳しい--先週末からやっと毎日の死者数が減り始め、少しほっとしていたその矢先…。昨日の死者数は衝撃の4,419人!! 累計では2万6097人と大幅に増えてしまいました😢 ガーン。

というのも、前日までの数字には老人ホームや市中で亡くなった方々の数が含まれていなかったのです。メディアの叱責を受け、政府がやっと老人ホームでの死者数をまとめて計上した結果でした…。

イギリスの毎日の新たな感染者数は相変わらず3、4000人台の高止まり。昨日は累計でドイツを抜いて世界第5位に――4位のフランスも今日確実に追い抜きそう…。入院患者の数は確実に減少しつつあるものの、現在PCR検査を急増させているため、更に増える傾向になるかもしれません。

英国政府は4月末、つまり今日までに一日10万件のPCR検査実施を目指すと公言しています。先週金曜日からNHSの医療従事者とその家族らを対象に、オンラインのPCR検査予約を開始。全国に41か所あるドライブスルー検査所での検査、もしくは家庭でできる検査キット(5000個)を選べるシステム。

いざ予約を開始したら、家庭用検査キットは僅か2分で終了、ドライブスルー検査予約も2時間でスロットがなくなったとか。28日(火)の総検査数は5万2429件。昨日は、オンライン予約の対象を老人ホームの利用者とスタッフ、症状がある65歳以上の高齢者にまで拡大しましたが、果たして今日10万件という目標が達成できるでしょうか?

いずれにしても、ヨーロッパでの新型コロナによる被害は、イギリスが最悪ということになるかも…。

ジョンソン首相はBrexitを先導したEU離脱派なので、新型コロナのパンデミックが深刻化するまで、残留派はシニカルな目で見ていました。Brexitで国が二分してしまった感があったのですが、ここにきてジョンソン首相の支持率が上昇中。

指導力もあると思うのですが、本人が新型コロナに感染しながら仕事を続け、ICUに入るまで悪化してしまったことで、国民の意識が変わったと感じています。一致団結して何とかこの危機を乗り越えたいというのが、みんなの願い。

たとえロックダウンを解除できても、次は経済危機が待っている訳で…。第二波、第三波に襲われないうちに、果たして特効薬やワクチンが開発できるのか?今回の新型コロナパンデミックは各国家、全世界が英知を結集させて解決しなければならない大試練となってしまいました。3月に入ったころ、誰がこんな事態になることを想像できたでしょう…。

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