場面緘黙の最新本”Tackling Selective Mutism”が出版されました


遅まきながら、9月中旬に場面緘黙の新しい本”Tackling Selective Mutism”が出版されました。私の手元にも1週間ほど前に届きましたが、何やかやと忙しくなってしまい、部分的に斜め読みしている状態です。

まず最初に謝らなければならないのですが(最近、間違えてばかりですね)、この本はSMIRAの新書ではなく、SMIRAの幹部2人が編集し・SMIRAに関わる多数の専門家やSM経験者・保護者が執筆している新たな緘黙本です。

最初にアリスさんとスミスさんから連絡をいただいた際、「私達の新しい本(Our new book)」と説明されたのを、「SMIRAの会長と幹部の新しい本=SMIRAの本」と思い込んでしまったのでした。どうも申し訳ありませんでした。ちゃんと事実関係を確認すべきでしたね…(しかし、もう少しSMIRAが強調されるものと思っていたんですが、表紙にはSMIRAの名前は入りませんでした)。

この出版社(Jessica Kingsley Publishings) は、2012年にSLTのマギー・ジョンソンさんとアリソン・ウィンジェンズさんのコンビ(SMバイブルと称される『場面緘黙マニュアル』の著者)による、”Can I Tell You About Selective Mutism” を出しているので、SM本の第二弾ですね。

ちなみに、”Can I Tell You About Selective Mutism”は、ハナというSMの女の子が自分の状態や気持ちを語るイラストつきの本です。子どもにも理解できるよう簡単な言葉で書かれていて、支援者や専門家の理解を深め、共感を呼ぶ内容。ただし、イラストがあまり可愛くないのが難かも…。

ここから内容の一部を見られます(紫の本をクリック) → http://www.amazon.co.uk/Tell-About-Selective-Mutism-Professionals/dp/1849052891

新書をチラチラ読みながら感じたのは、やはり場面緘黙の治療には「子どもとの信頼関係」が要になってくるということ。元教育心理学者のジーン・グロスさんが書いた序文には、30年前に彼女が初めてSMの女の子の治療に携わった時のことが書かれています。

女の子はジーンさんを信頼して話し始め、ジーンさんは大きな誇りと満足感を得ました。が、その一方で、担任教師は自分が拒絶されたように感じ、イライラする複雑な心境だったろうことにも触れています。

そのくだりを読んでいて、ふと思い出したことがありました。場面緘黙の子どもには、「怖いと感じる人」の細かい順番があります。うちの息子の場合は、子どもより大人への不安が強く、学校で一番怖い大人は担任の先生だったのです。

家に招いて遊ばせていた友達に囁くことから始まり、学校で最初に話した大人は地区の教育心理士(1対1で遊戯療法中)、その次はTA(読本の個別指導中)でした。そのTAに慣れるに従い、教室内外での小グループ活動中にも囁けるようになっていったのです。これを報告してくれる担任が、「私にはまだ話してくれないのよ…」と呟く都度に、大変申し訳なく感じたものです…。

イギリスの小学校では、低学年のうちは担任の他にTA(教育補助員や特別支援員)が付きます。子ども30名に大人が2人以上、ということが多いかな—ちなみに、今私が働いているクラスには私を含めて3名。それに比べ、日本では通常担任ひとりだけ…ハードルが高いなと思います。

もし子どもの一番怖いと感じる大人が担任の先生だったら、その距離を縮めるのにかなりの時間がかかるかもしれません。担任が緘黙を理解してくれて、何らかの配慮をしてくれれば、子どもにはその気持がちゃんと伝わるとは思います。が、他に問題のある子がいる場合、大人しい緘黙児にまで手が回らないというのが現状かも…。

私には日本で行われている「言葉の教室」の制度が良く解っていません。が、他校に通級することになるにせよ、学校内でコミュニケーションの個別指導や小グループ活動ができるというのは、すごくいいと思います。

特に、担当教師が言語やコミュニケーションの問題を理解していて、続けて指導してもらえるというのが強みですね。担当教師がクラス担任にどれくらいフィードバックしてくれるのか不明ですが、担任の他に深く関わってくれる大人がいるのは貴重だと思います。

新書の感想とはなんの関係もない内容になってしまいましたが、思いついたことを書き留めておきますね。

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追記: 今、日本のニュースを見たら、台風18号が本州に上陸したんですね…。うちの実家がある東海地方も、激しい暴風雨に見舞われているよう…。皆さん、どうかお気をつけて。被害がでないことをお祈りしてます。

 

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