12月もあっという間に過ぎ去って、クリスマスまであと1週間ちょっと。日本では12月を師走といいますが、イギリスでもクリスマス前はめっちゃ忙しくなります。会社や友人同士のクリスマス会(忘年会のような感じ)で外出が増える傍ら、家ではクリスマスの飾り付けをし、クリスマスカードを書き、家族や友人への贈り物を準備し…。
我が家も飾り付けとギフトの準備が大体整いました。これから贈り物のラッピングをせねば
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さて、先回の続きです。(博士とケリーさんの会話を元に、私が説明を加えた感じになっています)
「喉が閉まったようになって声が出ない」のはなぜ?
SMの人はよく緘黙になった時の状態を「喉が閉まったようになって声が出ない」と表現します。これは迷走神経と関係があるのでしょうか?
迷走神経は多くの筋肉を支配し、発話や咽頭を開くことにも極めて重要な役割を担っています。扁桃体が危険を察知すると、起こるのは「闘う(Fight)」、「逃げる(Flight)」、「固まる(Freeze)」のいずれかの反応。中でも、「固まる(Freeze)」反応が多く、緘黙状態もそのひとつと考えられます。この状態になると喉を動かす筋肉がうまく機能せず、したがって声を出しづらくなります。本人は実際に喉が閉まったように感じているのです。
そんな風に喉が閉まったようになったら、誰だって怖いですよね。余計に不安になって、ますます動けなくなりそうです。
また、「学校では人前で食べたり・飲んだりできない(会食恐怖症?)」という声もよく聞きます。これも口や喉の筋肉がうまく働かないことが関連しているのではないでしょうか? 上手く噛んだり、飲み込んだりすることができなければ、食べることが難しくなりますよね。
迷走神経は心拍数や体温の調整、空腹感、消化などにも関与しています。学校で十分な水分を取らないのは、トイレを我慢するためもあるかもしれません。でも、緊張と不安によって、様々な身体機能の調節が上手く行かず、空腹感や尿意を感じないケースもあるのかも…。
そう考えると、ロングイヤー博士が唱える「脳と身体の繋がり」、「身体も心も全てが繋がっている」という考え方は合点がいきますね。
博士によると、迷走神経はある程度までは呼吸法などでコントロールが可能なのだそう。
詳細は説明しなかったのですが、ケリーさんの娘さんは舌の神経を刺激する治療を受けたそう。扁桃体が刺激されて「闘う(Fight)か逃げる(Flight)か」反応を起こすと、心拍数が増え、目の瞳孔が開いて大きくなります。舌に刺激を与えることで、瞳孔は小さくなり、心拍数や呼吸数を下げることもできるのだそう。緊張を解いて、通常の状態に戻す訳ですね。
自分でもできる対策として、うがいやハミングが舌の良い刺激になるとのこと。食事の前にレモンやチョコを口に入れて、唾液を促進するのも良いそうです。
緘黙治療で最初にするのは、緊張や不安を取り除き安心できる環境を整えること。ロングイヤー博士は脳を再トレーニングをする可能について言及し、リラクゼーションと笑うことが重要だと語っていました。家でも学校でもなるべくリラックスできる環境作りを目指したいものですね。
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