もう8月に入ってしまいましたね。今年はコロナの規制が外されたからか、世界中の人たちが動き回っているよう。私のところへも日本とイタリアから友達がやってくる予定です。嬉しいけれど、色々なことが一気に動き出したようで、なんだか目まぐるしい毎日です。
先週末、ウォーキング友達2人とダブリンで珍道中を楽しんできました(^^; Ashling Hotelは各部屋ダブルかキングサイズで朝食も美味♡
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場面緘黙から抜け出せても「いまだに電話が苦手」という人は意外と多いようです。元緘黙児だった2013年のミスイングランド、カースティー・ヘイズルウッドさん(詳しくは『ザ! 世界仰天ニュース』(その1)』をご覧ください)もそう述べていました。
やっぱり、電話をかけてきた相手が誰か判らないのが一番の不安なんでしょうか? まあ、今だったら携帯に名前が出るから、相手が誰か判る訳ですが。あと、緘黙児は自分からアクションを起こすことが苦手なので、電話をかけるのが苦手というのは頷けますね。
帰省中の元緘黙の息子に訊いてみたら、「今は全く苦手意識はないよ」とのこと。考えてみれば、息子の世代はセカンダリースクール(12~16歳)から自分の携帯を持ち、コロナ禍の大学生活ではオンラインレッスンとビデオチャットが主流だったので、慣れもあるかもしれませんね。
(息子は緘黙だった頃のことは殆ど口にしないし、「もうあまり覚えてない」といいます。辛かったからもう思い出したくないのか、それともその記憶を頭の片隅に追いやってしまったのか…。それとも、私と話をするのが面倒なのか(^^;
そういえば、小5、6年の頃に、緘黙の過去のことや当時の自分の気持ちを唐突に伝えてきた時期がありました。徐々に話せるようになってきて、その安心感と自信から自分の中にため込んでいたものを吐き出したくなったのかも。初めて聞いて、目から鱗のことも多かったです)
本題に戻ると、息子も緘黙症状が顕著だった小学校低学年の頃は、大の電話嫌い。頑として受話器を取ろうとしませんでした。電話が鳴る度にナーバスになっていたような…。「ダディからだよ」と受話器を渡そうとすると、どこかに逃げていってしまうんですよね。
そんな息子が電話に出られるようになったのは、小2(6歳)の2学期に入ったある冬の日。急用で郵便局に行かなければならなくなったのですが、息子は一緒に行きたくないと…(ちなみに、イギリスでは小さな子どもを一人で留守番させることは不可。でも、必要に迫られてました)。いつも混みあう大きな郵便局なので「時間がかかるかもしれないけど、家で待ってて」というと、息子の顔がにわかに曇りました。
――行きたくないけど、長時間一人にされたくない――そんな不安な気持ちだったんでしょう。
「マミー、郵便局から電話して…」と思いもよらないリクエストが! これはまたとないチャンス!
何分ごろ電話するか時間を決め、3回鳴って一度切れたら私だから、また3回鳴ったら電話を取るという約束に。
そして、本番! 受話器から「Hello」という声が聞こえてきた時は、本当に感激しました!
「今並んでるから、あと15分位で帰れるよ」
「ウン」
超短い返事だったけど、ちゃんと電話で答えることができました。帰宅してから、さりがなく褒めたらちょっと自慢気。
翌日、主人が息子を買い物に誘うと、また行きたがらず(いきなり環境が変わるのが嫌?!)。さっそく次のチャンス到来とばかり、主人にスーパーに着いたら息子に電話をしてくれるよう頼みました。息子のチャレンジは買ってきて欲しいおやつの名前を言うこと。
この時何をリクエストしたのか覚えていないのですが、主人も息子と初めて電話で会話ができたと感激していました。
緘黙児は少し時間が空くと元の状態に戻ってしまうことも多いので、それから電話での受け答えの機会を増やしていきました。
この年の春休みには家族で帰国。最初は照れて私たちと英語だけで話していましたが、息子は割とすぐに祖父母に馴染み日本語で話せるように。この時は、子ども向けのTV番組から色々な単語や言い回しをどんどん覚えて、ビックリしました。
更に、イギリスに戻ってきてから生まれて初めて日本の祖父母と電話で話すことに成功!! 亡父が「初めてだなぁ」と感激していたのを、今でも忘れることができません。2007年当時はまだSkypeが普及しておらず、実家にPCはあれどモデムに繋げる技術がないという状態で、電話でしか声が聞けなかったのです。
<電話での取り組み要点>
- 緘黙児は自分から行動するのが難しいので、電話をかけるより取る方が楽
- 話せる人(保護者や友だちなど)からの電話なら安心度が高い
- 予め電話がくる時間を決めておくとより安心
- 会話は最初は 一言 ⇒ 言葉数を増やす(「はい」「いいえ」で応えられる閉じた質問 ⇒ 開かれた質問へ)
- 自分から電話をかける時は、まず安心して話せる人(日時や話す内容を決めておくと安心)、もしくはピザの注文などセリフが決まっている会話を
- 始めたらあまり時間を空けず、慣れて定着するまでスモールステップを繰り返す
- 家で電話ごっこをして慣れる(息子は玩具のトランシーバーを使用)
子どもによって得意苦手が違うので、一番安心できる人・環境・話題からスタート。様子を見ながら、少しずつステップアップを測りましょう。どの子にも「これならできるかも」という時期があると思うので、子どもの反応を見ながらスモールステップに工夫を加えるといいと思います。
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