日本では発達障害と見なされやすい?(その5)

発達障害とは具体的に何なのか?

では、発達障害とは具体的にどの障害を指すんでしょうか?かんもくネットの『場面緘黙Q&A』では、DSM-IVによる発達障害の種類を表にまとめています。

  • 精神発達遅滞
  • PDD広汎性発達障害(自閉性障害・レット障害・小児期崩壊性障害・アスペルガー障害・特定不能の広汎性発達障害)
  • 学習障害(読字障害・算数障害・書字表記障害)
  • 運動能力障害(発達性強調運動障害)
  • ADHD注意欠陥他動性障害(混合型・不注意優勢型・特定不能の注意欠陥/他動性障害)
  • コミュニケーション障害(表出性言語障害・受容-表出混合性言語障害・音韻障害・吃音症)
  • チック(発達障害に含めることもあり)

『場面緘黙Q&A』 かんもくネット著/角田圭子編 (学苑社 2008年)より引用

金原氏の研究報告では、発達障害についての定義には触れていません。そこで、日本における高機能自閉症の権威のひとりといわれる、杉山登志郎氏の『発達障害のいま』を参照してみました。

目次の後に、発達障害の新たな分類とその経過として、発達障害の分類表が記載されています。

  •  第一グループ    精神遅滞/ 境界知能
  •  第二グループ    知的障害を伴った自閉症スペクトラム/ 高機能自閉症スペクトラム障害
  •  第三グループ    注意欠陥多動障害(ADHD)/ 学習障害(LD)/ 発達性協調運動障害
  • 第四グループ    子ども虐待

『発達障害のいま』杉山登志郎著 (講談社現代新書 2011年)

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やぱり、杉山氏の分類には言語やコミュニケーションの発達に関わる、コミュニケーション障害が見当たりません…。学習障害の中に含まれているんでしょうか?もしご存知の方がいたら、是非教えてください。

何だか、この定義の曖昧さにも、日本で場面緘黙が発達障害と見られやすい理由があるように思えます。(言葉が遅かったり、問題があるのは高機能ではない自閉症の特徴でもあるので)

イギリスでは発達の問題(Developmental problem)という場合、発達の問題全般を指すと思います。ASD(自閉症スペクトラム障害)はその一部に過ぎません。だから、場面緘黙=ASDとは結びつきません。

場面緘黙児の3分の1が言葉やコミュニケーションの問題を抱えていると言われていますが、問診やIQテスト、病院などでの観察で、子どもにどの程度の言語・コミュニケーション能力があるのか、どの程度まで解るんでしょう?

保護者としては子どもの苦手な部分を詳しく知り、より早い段階でその部分を支援してあげたいですよね。

まだ続く予定ですが、書き溜めたものはここで切れてしまったので、次は少しというかもっと間が空きそうです…。週末には仕事が一段落するといいなぁ。

 

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