強い寒気が去り、イギリスに早春を告げるスノウドロップが満開
イギリスでは昨年1回目のロックダウンで学校を閉鎖したため、多くの子ども達が3月末から一度も学校に通うことなく学年を終えました。それもあって、9月の新学期からは学校優先の政策がとられたのですが、1月から3度目のロックダウンで再び学校閉鎖中。
NSPCC(National Society for the Prevention of Cruelty to Children英国児童愛護会)によると、学校や友達など社会的なネットワークから切り離され、孤立したり、自信を失ったり、不安を感じている子ども達が増えているといいます。
なかでも、うつ症状、過食症や拒食症などの摂食障害、自傷行為、OCD(強迫性障害)が目立ってきているよう。かなり低年齢化してきているようで、保護者も気が気ではないと思います。
苦しみや不安を親や友達に打ち明けることができず、一人で悩みを抱え込んでいる子も多いとか。ソーシャルメディアの普及によって、みんなと同じように見え、同じように行動しなければというプレッシャーが大きくなっているのです。
また、コロナ禍で仕事を失ったり、家計が苦しくなったりした家庭では、子どもの情緒が不安定になる傾向が強いそう。大人が苦悩しているのを見れば、子どもも影響を受けざるを得ませんよね…。
不安になっても誰にも相談できな子ども達――NSPCCの相談室にコンタクトできる子はまだいいのかも…。子どものメンタルヘルスは将来にも大きく影響してくるので、少しでも寄り添ってあげれればいいなと思います。
BBCの子供番組を担当するCBBCが、子どもの心をリラックスさせる7つのシンプルなテクニックを提案しています。特に、幼児と特別支援が必要な子どもに効果があるよう。
https://www.bbc.co.uk/cbeebies/joinin/seven-techniques-for-helping-kids-keep-calm
7つのシンプルなテクニック
1) マインドフルネス
<親子でトライ>
レーズンやビスケットなど、小さな食べ物をまず手にのせて観察。初めて見て食べるかの様に、形、感触、におい、口に入れた時の触感、味、噛んだ時の音などをしっかりと確かめる。
<効果>
五感の全て使って「今この瞬間」を体験し、現在していることに完全に集中することがマインドフルネス。小さい子どもには難しいと思いがちだが、こうしたシンプルなマインドフルネスは、子どもが行動する前に一時停止して考えることに役立つ。
2) 笑い
<親子でトライ>
お子さんの好きな番組を見たり、冗談を言ったり、にらめっこをしたり。リラックスすることは緊張を和らげる最適な方法。
<効果>
笑いや刺激を感じることでストレスホルモンが減少し、筋肉がリラックスする。
3) 深呼吸
<親子でトライ>
息を吸って止めたり、深く息を吐いたりするよう促し、子どもにとって快適な呼吸の感覚を見つける。子どもが落ち着くまで続ける。
<効果>
一連の深呼吸をすることで心拍数が低下し、自分で呼吸をコントロールできていると感じさせる。
4) ストレッチ
<親子でトライ>
腕を頭の上にのばし、つま先立ちで思いきりのびをしてから、元に戻す。
<効果>
猫のように伸びをしたり、両腕を空にむけて思い切りのばして。筋肉をのばし、緊張をほぐすよう促す。
5) 雲を見る
<親子でトライ>
できるだけ動かず、雲が流れていくのを一緒に見つめる。野外に出られない場合は、ベランダからでも。子どもは雲に何かの形を想像できますか?じっと見つめていると、馴染みのものの形が見えてくるはず。
<効果>
このテクニックは、子どもをリラックスさせ、心配ごとを取りはらうことに役立つ。深呼吸といっしょに行うとより効果的。
6) 子ども向けの音源(ラジオ番組)を聴く
<親子でトライ>
落ち着いた音や音楽をリラックスして聴く。
<効果>
リラックスできる音楽は、子どもが立ち止まってリセットするのに役立つ。波、小鳥のさえずり、雨、車の旅、宇宙船、ホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズなど(CBBCチャンネルで提供している音響)。ノッティンガム大学の視聴学部長、クレアベントンは「子ども達の多くはこれらの音を心地よく感じ、聴くことで落ち着いて眠ることができる」と解説する。
7) お絵描きとらく描き
<親子でトライ>
紙とクレヨン、もしくはお絵描きツールで、心ゆくまで絵を描いたり、らく描きしたりする。
<効果>
絵を描くことは、ストレスを減少させ、脳を休ませるのに役立つ。また創造力を刺激する効果も。パブロ(CBBCに登場するキャラクター?)は、絵を描いてアートの世界にひたることで、自閉症によっておこる現実世界の問題に対処している。
最近、少しでも青空が見えると心が和らぎます。空や雲にも春の兆しが感じられるような…。
世界中に早く春が来ますように。
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