ハロウィンも終わり、午後4時すぎにもう暗くなり始める今日このごろ。雨混じりの曇り空の下、そこかしこに残るハロウィンのジャカランタンがオレンジ色の灯火のようです。
先月天気のいい日を狙って訪れたノーサンプトンシャーの田舎町、オルニー(Olney)
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この5月に新書『保護者や専門家のためのワークブック The Selective Mutism Workbook for Parents and Professionals』を出版したマギーさん。教育コンサルタントのキャシー・ウエストン博士との対談から、印象に残った言葉やアドバイスをご紹介しています。
このポッドカストはSMiRAのサイトからリンクされています: http://www.selectivemutism.org.uk/videos/
どうして場面緘黙になるのか?
緘黙の人が声を出そうとすると、喉の筋肉が動かなくなって、実際に喉が詰まったように感じます。身体が麻痺した様になり、恐怖にかられ、胸がドキドキして、息が苦しくなったり、冷や汗が出たり、吐き気や頭痛がしたりということも…。
この反応が起こるのは、本人にとって安全圏外の人たちから話すことを期待されている時。
人は極度の脅威にさらされると、本能的に「闘うか・逃げるか(Fight or Flight)」反応が起こります。注目したいのは、恐怖のために身体が凍りつく・虚脱したような感じになる「不動化(Freeze)」反応も起こること。
蜘蛛が嫌いな人が蜘蛛を見たら恐怖で固まってしまう――それと全く同じ反応。場面緘黙は正式に不安障害と定義されていますが、マギーさんは恐怖症と捉えるのがいいと提唱しています。
恐怖症の治療はCBT(認知行動療法)のエクスポージャー法が基本。スモールステップで恐怖の対象に少しずつ慣れ、最終的に克服していくのは場面緘黙も同じことですね。
シャイネスとの違い――緘黙児の見分け方
緘黙の子どもは「内気な子」と見過ごされがち。マギーさんは、話さないことだけではなくボディランゲージにも注目して欲しいとアドバイスしています。
子どもは話すことを予期されると、身体の動きや表情まで不自然に凍りついたようになります。内気な子はもっと自然に振る舞うものです。身体やしぐさが極端にぎこちなくなったり、無表情になるということはありません。
また、緘黙児はアイコンタクトを避けて常に下を向いていることが多く、いつまでたっても特定の状況に慣れません。シャイな子どもは(1対1の場合は特に)徐々に打ち解けてコミュニケーションを取り始めるもの。
緘黙児は同じ学校内でも、安心できる子/ 人と一緒の時と、そうでない状況の時とでは、ボディランゲージが全く違います。そして、そのパターンは一貫して続きます。ある子/ 人とは話せても、他の子/ 人とだと凍りついたように押し黙ってしまう――教室では縮こまっているのに、校庭の片隅ではリラックスした表情を見せるなど。ある日は調子良く話せて、ある日は全く話せないということはありません。
保護者だったら家での様子と全く違うことにすぐに気づくはず、とマギーさんは言います。
でも、うちもそうでしたが、親は学校での子どもの様子を知らないため、場面緘黙に気づくのが遅れてしまうんですよね…。反対に、教師は学校での子どもの様子しか知らないため、内気な子なんだと思い込んでいる可能性が高いのです。
緘黙が起こっている場で早期発見してもらうためには、子どもの様子をよく見て、気になる点があったらすぐにアラームを鳴らすことが必要です。そのためにも、学校で緘黙を含むメンタルヘルスの研修をしてもらえたらと思います。
毎年盛大にハロウィンを祝うお向かいさん家
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