ヒースロー狂想曲--こんなのアリですか?

本当は、昨日の朝11時20分の便で日本に向けて発つはずでした。

が、まだロンドンの自宅にいます….。そうです--飛行機に乗れなかったのでした。「乗り遅れた」、といえばそうなんですが、全く私の責任ではありません。

一昨日、昨日と、ロンドンは久しぶりに濃い霧に包まれました。複数の便がキャンセルになり、ヒースローは混乱気味。

霧のせい?  いえ、ヒューマンエラーだと思います。

元々フィンランド航空で予約したチケットでしたが、コードシェアをしているBA(英国航空)に変更されたということで、BAのカウンターでチェックイン。これが出発の1時間50分ほど前。ヘルシンキまでの搭乗券を印刷したところで問題が発生したらしく、階下の事務所から確認が入るまで待つことに。

新しい人達が次々とチェックインしていく中、待てども待てども呼ばれず…途中で担当者が代わり、新担当の手が空いた際2回かけあったのですが、「昨日キャンセルが続出して事務所は大混乱してるから、もう少し待って! 待ってるのはあなただけじゃないのよ」とけんもほろろ…。かなりオーバーブッキングがあった様子で、周囲には10名弱の人が集まってスタッフと押し問答に。

結局、私達は「階下からマネージャーが来て説明するから」と無視され…待つこと1時間。「えっ、もう搭乗時間過ぎてる?!」という状態になってからマネージャー氏がやってきて、「この便は定員がいっぱいになったため、搭乗は締め切りました。皆さんの便を変更します」と…。

「ええええ~っ!」と皆怒って文句を言った後、マネージャー氏が皆のアイテナリーをチェック。私の搭乗券を見た途端、「早く、搭乗しなさい!」と。でも、スーツケースも預けてないし、ヘルシンキからの搭乗券もないし、何せもう出発20分前でしょ?!

彼が無線でチェックした時、既にもうラストコール状態でした。それなのに、搭乗しろと主張するんです!一緒に待ってた中国人の女の子達に「グッドラック!」と背中を押され、走りましたよ~。

クリスマス前の忙しい時期です。セキュリティチェックには長蛇の列…係員にお願いして前へ走り、ようやくチェックを終えて、搭乗口へひた走る私。何故か高校時代に現国で習った太宰治の『走れメロス』を思い出してました(笑)。

で、やっとのことで24番ゲートに辿りつき、階段を下って搭乗口に行くと--誰もいな~い!! もう出発した後だったのです。こんなのアリですか?!

仕方なくお隣のセクションの受付に事情を話すと、「トランジットにBAのカウンターがあるから、そこに行って」とそっけない返事。同じBAの職員だけど、「私の責任じゃないから」と、誰も謝ってくれないのでした…。イギリスでは何か問題が起こると万事がこんな感じ。カスタマーサービスがしっかりしてないので、仕方ないと諦めるしかないことが多いのです(クレームするにも、自分で全部しなきゃならない)。

探し当てたBAのカウンターにはやっぱり列ができていて、待つこと40分。皆さん問題がある方ばかりで、ちっとも進まないのでした。やっと私の順番が来て事情を説明し、色々調べてもらって14日の便に振り替えた時には、正午をとっくに過ぎてました。ちなみに、この担当者は大変一生懸命やってくれて、感じも良かったです(きっと、こういうクレーム処理にも慣れているのでしょう)。

そこから、パスポート審査でまた並び、スーツケースを取り返し、カフェでひと息入れ、荷物預かり所を探して大きいスーツケースを預け、地下鉄で家に戻った時には4時を回っていました。朝家を出たのは8時20分…何のための一日だったのか…もうクタクタ。

イギリスではクリスマス時期が日本の師走と同じで、よく”run round like a headless chiken (やみくもに走り回る)” という表現を使うんですが、まさにそのもの。いい大人が必死こいて空港を走る姿は、見られたものではなかったでしょう…。

ipadを操作しながら、おやつを食べてソファで寛いでいた息子に紅茶を淹れてもらい、やっぱり家はいいな、とつくづく思ったのでした。

 

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