黒海沿岸の春休み(その1)

学校の春休みを利用して、4月3日から10日までブルガリアの黒海沿岸に家族旅行してきました。うち4日間は海辺のホリデーアパートを借り、ソフィアに住むブルガリア人一家と合流。「4月はまだオフシーズンで店は半分以上閉まってるし、まだ寒くて天気が悪いよ」--事前にそう言われて覚悟してたんですが、信じられないほどの好天に恵まれ、殆ど人気のない海岸でめっちゃノンビリできました。

 

まずは、曇り空のイギリスからハンガリーの格安航空会社Wizz Airで黒海沿岸のリゾート、ブルガスへ。夜ホテルに到着してレストランで食事したら、イギリスの物価の半分以下でした。後でわかったのですが、特にここは安くてお得感満載。

  

   夕食にポテトとチキンのグリル・チーズ焼き(約400円)を選んだら、ポテトグラタンでした。朝食に必ず出てくる大切りのキュウリとトマトは、元気いっぱいの味

ブルガスはブルガリアで4番目に大きい人口20万人ほどの都市ですが、オフシーズンのためか人はまばら。5月からの観光シーズンに備え、歩行者天国になっている目抜き通り周辺では大規模な道路工事中でした~。

     

   アレキサンドロフスカ通りにそびえ立つソヴィエト軍の記念碑。共産主義国(1946~1990年)だった名残が感じられます。右のアメリカンチャーチは厳かな雰囲気でした

街の観光スポットは、駅前のアレクサンドロフスカ通り(歩行者天国)周辺と公園(シーガーデン)のある海辺に集中しています。通りをブラブラ歩きながら、行き当たりばったりで教会や博物館巡り。民族学博物館で割引チケットを勧められ、3博物館で8レヴァ(約540円)を選ぶことに。「息子さんは子供料金2レヴァ(約140円)の方が得よ」と、すごく親切でした。

            

    聖キリル&聖メトディウス大聖堂に入ったら、衣装を着た子供たちが合唱中。ブルガリアのイースター(イギリスの2週間遅れ)の行事だったよう

民族学博物館では、トラキア、スラブ、ブルガリア文明から受け継がれたモチーフが共存する各地の民族衣装を見学。ヨーロッパとアジアが繋がる位置にあるため、東洋からの影響やオスマントルコ帝国時代の名残も。工夫を凝らしたお祭りのパン各種がユニークでした。

          

     左の衣装をつけた独身男性は「クケリ」と呼ばれ、立春前に村や町に繰り出して悪霊を退治するんだそう。右は悪霊を払うハーブの束。日本の節分と似てますね

     

   なかなか充実度が高かった考古学博物館。紀元前6世紀末の赤絵式と呼ばれる古代ギリシアの陶器類もありました。ガラス器は古代ローマ時代のもの?

アレキサンドロフスカ通りから海岸までは、歩いて5分ほど。海岸沿いに続く公園、シーガーデンの近くのレストランでランチを済ませ、午後は海岸と公園でのんびり。行きは市営バスで街に出ましたが、帰りは運動もかねて2つの公園を通り抜け、30分ほどかけてホテルまで歩きました。

      リゾート地の食事はギリシア風?グリルもしくは唐揚げの魚や肉に、ポテトなどを添えたシンプルな料理が多かったです

      

     黒海と呼ばれるだけあって、深緑っぽい海。桟橋を渡って展望台(?)まで行くと、柵には何か書かれた錠前がいっぱい。恋人たちが変わらぬ愛を誓って錠を締めて行くようです。空気が澄んでいるためか陽射しがまばゆい

ところで、公園の木の枝先には、赤白の糸で作られた紐ブレスレット(?)がたくさん結ばれていました。ブルガリア人の友人に訊いたら、「マルテニッツアМартеница」のお守りで、2月頭から3月1日まで露店やショップで大量に販売するそう。3月1日はマルテニッツアの祝日で、春の始まりに幸運と健康を祈って、赤白の人形を胸につけたり、ブレスを手首に巻いたり。そして、果樹の花が咲く時期に、木の枝に結び付けるんだとか。

  

最近はナイロン製の輸入ものが増え、ビーズや金属・プラスティック製のチャーム付のものが流行中――伝統的には毛糸などの天然素材で作り、木に結び付けたお守りは鳥が巣作りに利用することも。「環境にやさしい風習だったのに、ちょっと残念」と漏らしてました。こんなところにも、商業主義の波が押し寄せてるんですね…。

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