息子の緘黙・幼児期4~5歳  これは只事ではない!


息子の問題が発覚し、初めてSENCOと会ったのは20052月前半のこと。先生から教室で動けていないと言われたものの、息子はそのことについて家では何も言いませんでした…。幼いなりに、「話さないことはいけないこと」という意識があったんだと思います。

初めてのハーフターム(学期の真ん中に入る1週間の休み)がやってきて、じっくりT君と遊ぶ時間が取れました。休み明けは普通に登校し、「学校に行きたくない」と嫌がったことは一度もありませんでした。うろ覚えですが、この頃から家で癇癪を起こすことが多くなったと記憶しています。

(緘黙児は人に注目されるのを嫌うため、基本的にはいつも通りの生活を貫きます。休むと目立つと考えるのか、学校を休むことはありません。恐怖の対象は「人前で話す」ことや「人に声を聞かれる」ことであり、緘黙している間は恐怖を回避できている状態(恐怖に直面している時より不安は低い)なのです。もし学校に行くのを嫌がったり、体調不良を訴えたりする場合は、緘黙の他に原因があると疑った方がいいかもしれません。例えば、学校で毎回話すことを強要されたり、友達にからかわれるなど、ストレスが大きいのかも…。普通なら気にしないような些細なことでも、繊細な緘黙児にとっては大きなショックになることも多いので、注意が必要です。子どもの様子が普段と違っていたり、何かあるなと思ったら、担任に相談してみてください)

イギリスでは一歩学校の外へ出ると、子どもの安全は保護者の責任。なので、小3くらいまでは、毎日送り迎えをしなくてはなりません。滑り台事件の後は、朝学校のゲートに入ると無言になるだけではなく、下を向いて小さくなっていたように思います。

校舎に入って入口近くでコートをフックに掛け、教室の前でバイバイするのが日課。事件後もひとりで教室に入っていくことができましたが、一度だけ教室に入れなかった日がありました。仕方がないので、手を引いて入口で待っている担任のところに連れて行くと、「お母さんも一緒にどうぞ」と言ってくれました。

私も他の子どもたちと一緒にカーペットに座って、レセプションクラスの朝の活動を体験することに。先生の話を聞きながら、横に座っている息子の様子をソッとうかがうと――えっ、どうしたの?!

全く無表情で、能面のような顔をしているのです!

まるで別人――何これ?! どういうこと?!

これは只事ではない!――と焦っているうちに朝の会(?)は終わり、座っていた子どもたちが立ち上がり始めました。すると、息子が手で私の体を押したのです。

――「マミーはもう帰って」というジェスチャーでした。

何が何だかよく解らないまま、先生にも促されて教室を後にしました。その日は能面のような息子の顔が頭から離れず…。あんな顔をするのを見たのは初めて。一体、息子に何が起きたのか?でも、お迎えに行くと、息子は普段の顔に戻っていて、いつものように私が持参したおやつを食べ、T君と一緒に運動場へかけだしていきました…。

一体なんなんだ~?!

その夜、私は息子にこう訊ねてみました。

「マミーが小学校に入った頃、学校はすごく大きくて、人がいっぱいいて、とても怖かったよ。○○も怖いでしょ? 怖いのに、よく我慢して毎日学校に行ってるね。偉いね。今朝、教室でずーっと黙ってたの、辛かったでしょ?」

すると、思いもかけない答えが帰ってきたのです。

「ううん。ボクいろいろ面白いこと考えてたから、ちっとも辛くなかったよ」

(へっ? あんな能面みたいな顔して、心中はすごい葛藤があるのかと思ったら、実はそうじゃなかったんだ~

私は小さい頃から空想癖があったのですが、どうやら息子も同類のようでした。今考えると、息子は不安から逃れるために現実逃避をしていたのかも…。

この頃、私にはまだ場面緘黙の知識が全くなかったのですが、なんとかしなくちゃいけない!と強く思いました。息子を寝かしつけてから、入学の際に学校からもらった資料を引っ張り出し、目を皿のようにして読んでいると――「健康上の問題があったら、School Nurse(養護教諭?)の○○さんに相談してください」という箇所を発見。

 「よし、これだ」と思い、翌日勇気を出してその人に相談してみようと考えたのでした。

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