息子の緘黙・幼児期4~5歳(その23) 夏休みの落とし穴!

あっという間に1月も、もう終わりに近づいてきました。この新学期はどの生徒さんも情緒が少し不安定で(休み明け病ですね)、何かと問題が…。先週、近くのスーパーで買い物をしていたら、何年かぶりに息子の小学校(幼児部)時代のSENCo(特別支援コーディネーター)と遭遇。昔話に花が咲き、当時の記憶が蘇ってきました。

さて、久しぶりに息子の緘黙話の続きです。

レセプションクラスが終わる7月上旬には、教室での息子の緘動はかなり和らぎました。担任やTAの温かい見守りの中でなんとか課題や工作ができるようになり、B君とT君のおかげで毎日安心して過ごせていたと思います。

SMiRAの資料によると、緘黙児は長い休みの間に学校環境から遠ざかることで、進歩していた状態が元に戻ってしまう可能性が高いとのこと。抑制的な気質の子どもには新しい環境に慣れにくい特性があり、新学期に教室に戻る際も馴染むのに時間がかかるのです。

新学期からは1年生になって本格的な勉強が始まるし、担任も変わる予定(クラスは持ち上がり)…なんとか夏休み中も学校に行ける機会がないものか…。

そう思っていた時、夏休みのサマークラブのお知らせが!息子の少学校(幼児部)には、放課後子どもを預かってくれるプレイセンター(学童クラブのようなもの)があり、夏休み中にもプレイセンターを開催すると書いてありました。毎日学校の集会場と校庭を使って様々な活動を行い、バスでの小旅行の予定もあると。まさに渡りに船!

息子ひとりでは到底無理なのでT君ママに相談したところ、クラブが終わる8月中旬まで週2日参加させることになりました。ありがたや~!

サマークラブにはレセプション(5歳)から2年生(7歳)までの子どもが参加。知らない子がいっぱいいたのですが、T君のおかげで嫌がらずに通い始めました。前年の夏休みに同じようなサマープレイグループに参加した経験も役立ったかもしれません。

お弁当持参で9時に学校に送り届け、3時にお迎えに行くと、T君と一緒に楽しそうに校庭に出てきました。バスでの小旅行は最初渋っていたものの、ちゃんと行けて、割と楽しめた様子。

サマークラブの他に、B君や昔の友達と遊ぶ計画も立てました。でも、現実はうまくいかないもの…。夏休みは楽しく過ごせそうと思っていた矢先に、また落とし穴にはまったのでした。

それは、幼稚園に同じ日に入園した女の子、Sちゃん(詳しくは『稚園入園-息子の緘黙・幼児期3~4歳(その3)』を参照してください)の誕生会での出来事。T君とSちゃんは同じクラスで、別のクラスの息子も昔のよしみで招待してくれたのです。

(Sちゃんもすごい引っ込み思案で、園に慣れるのに時間がかかった子です。Sちゃんママは、娘の小学校入学と同時に小学校のミールタイムスーパーバイザー(給食の時間に校内や校庭で児童を見張る仕事)として働き始めました。彼女も心配だったんでしょうね。1月に入学した当時は、「入学してからまだクラスで口をきいてないのよ」とも…。

そんなSちゃんでしたが、順調に学校に慣れて、以前よりも活発になった様子。息子もみんなと同じクラスに入れていたら――と当時は思ったものです。ちなみに、Sちゃんは移民3世でした)。

Sちゃん宅は公園の近くの大きな家。ものすごく広い庭にテントを張り、エンターテイナーを呼んでの盛大な誕生会でした。子どもが30人くらい、付き添いやお手伝いで残っているママさんも10人くらいたと記憶しています。

(この頃になると、子どもの誕生会で会場に残る保護者はだんだん減っていきました。みんな送り迎えをするのみで、後はホストにお任せ。みんなどんどん自立してすごいな、とちょっと焦りがありました)。

この日、息子はT君と一緒だったのもあり、エンターテイナーの指示に従ってT君の隣で歌ったり、走ったり。これなら大丈夫だなと一安心しました。

そして、私は「もう少し自立させたいな」と欲を出してしまったのです。困ったら探しに来るだろうとタカをくくり、息子のいる裏庭を離れて、T君ママと家の中へ。

小一時間くらい経った後でしょうか。他のママさん達とお茶を飲みながら、久しぶりにゆっくり雑談していたら、「〇君のママ、来て!」とお呼びが。

急いで行ってみたら、食事やスナックを出している部屋で、息子がカチコチになってつっ立っていたのです…。

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息子の緘黙・幼児期4~5歳(その23) 夏休みの落とし穴!」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。
    緘黙の娘がいます。現在中学生です。

    娘は乳児期より敏感な子で、5歳ごろから外ではほぼ話さない状態になりました。
    幸いにもすぐに専門家のもとでセラピー等をうけることができ、小学校に入学してから少しずつ外で話すようになりました。小学校の高学年になる頃には、自ら立候補して学校行事の司会を務め、千人近い人の前でも話すことができるようになっています。

    しかし、いまだに話すことの苦手さは残っています。
    例えば、仲のよいお友達がいるのですが、色々と理由をつけて一人で登下校したがります。歩きながらガールズトークをするのは緊張するようです。
    またとっさに言葉が出ないときに、一気に緊張が高まり、気持ちが落ち着くまで話せなくなるようです。
    幼い時のことを考えるとかなり良くなりましたが、ひょっこりと『緘黙』が現れます。

    治ったようで完全には治っていない状態なのかな? 
    このぐらいなら、もう、「おとなしい性格」で済ませてもよいのかな?
    と、考えてしまいます。
    緘黙は難しいですね。

    突然ブログにお邪魔して、長々と書きこんでしまいました。申し訳ありません。
    こちらのブログは本当にたくさんの情報があって、参考になります。
    娘が小さいころに知りたかったことばかりです。

    • トラ猫さん、コメントありがとうございました。
      誰かにコメントいただいたのが随分久しぶりだったので、とても嬉しかったです。

      中学生の娘さん、早い時期の発見・介入が功をなして、何よりでした。
      自ら立候補して、全校生徒の前で学校行事の司会をするなんてすごいですね!

      >しかし、いまだに話すことの苦手さは残っています。
      >またとっさに言葉が出ないときに、一気に緊張が高まり、気持ちが落ち着くまで話せなくなるようです。

      こういった状態は「緘黙」ではなく、「緊張による一時的な症状/気質的なもの」と捉えた方がいいのではないかと思います。
      (緘黙はある場面で話せない状態が少なくとも1か月以上持続するという条件なので。)
      娘さんは HSP(Highly Sensitive Person) で、ひと一倍繊細なお子さんのように感じます。
      (エレイン・アーロン著の『ささいなことにもすぐに動揺してしまうあなたへ』は読まれましたか?)

      >歩きながらガールズトークをするのは緊張するようです。
      >またとっさに言葉が出ないときに、一気に緊張が高まり、気持ちが落ち着くまで話せなくなるようです。

      自分で「苦手さ」を把握していて、またお母さんにも打ち明けている訳ですね。
      HSPの人は、普通よりも長くひとりの時間が必要なようです。
      世間では「ひとり」が悪いことのように捉えられていますが、刺激だらけの外界から逃れて
      心と体のバランスを整える大切な時間だと思います(私もその傾向ありです)。

      お友達に「歩きながら話すの苦手だから黙ってるけど、あなたのことが嫌いな訳じゃないよ」
      と言えるようになると楽になるかと思います。
      (お友達が遊びに来たら、トラ猫さんがさらっと言ってあげるといいかもですね)

      うちの息子も未だ大勢でのダベリングが苦手な傾向にあり、時々「会話にうまく入れない」と言ってます。
      趣味の音楽の話やPCのことなんかだと、スラスラ言葉が出てくるようですが。
      もうここまでくると性格の範疇かなと、あとは本人次第。
      自分なりのバランスの取り方を取得できればいいなと思っています。

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