息子の緘黙・学童期6~7歳(その1)小学2年の心構え

早いもので3月も半ばを過ぎてしまいました。ロックダウン解除第一段階のイギリスでは、ここ3週間毎日の感染者数が5,000~6,000人と高止まり…。多くの地区で感染率が下がっているものの、改善がみられずリバウンド傾向の地区も。それでも、ワクチンのお陰で集中治療室の使用率はかなり減ってきたよう。

そこかしこの前庭で春の花がほころんでいます

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夏休み中に6歳になった息子は、小学2年生に進級しました。日本だと小学校に入学する年齢ですね。

今度の担任は女性2人のジョブシェア。2人とも小さな子どもがいて子育てが忙しく、保護者の評判はあまり芳しくありませんでした。噂では、2人の間の連絡がうまく取れていないとのこと…。

その上、予算の関係で1年生の時に受けていた主な支援が終了してしまったのです。TAとの1対1の読本セッションがなくなり、ASDの子ども達のためのソーシャルグループからも外されました。

小1でかなり緘黙が改善したのに、この学年で停滞してしまったらと不安に。「まだ幼くて自覚がない内に治してやりたい」という気持ちも強く、私からもっと積極的に先生たちに働きかけようと決心しました。

(息子は「緘黙」という言葉は知らなくても、自分が皆と違うことは幼稚園時代から解っていました。だから、自覚がない内にというのは無理だったんですが…)

新学期の初めに二人の担任に会いに行って息子の緘黙状態を説明し、対応と支援をお願いしました。そして、緘黙児の学校での様子が見られるDVDがついたSMiRAの本、『Silent Children(日本では、場面緘黙へのアプローチという題名で翻訳本が出ています)』を二人に貸したのです。

E先生とL先生は、その時「じゃあ、読んで勉強するわね」と笑顔で本を受け取ってくれました。

が、結果的に言うと、本は一読もされないまま、ずっと教室に付属する準備室の片隅に押しやられていたよう…。

どうしてそれが判ったかと言うと、Knetで『Silent Children』を翻訳することになり、2学期の終わりに返してもらいに行ったところ、

「えっ、どこ行ったかしら? 準備室にあるかもしれないから、探してみるわ」

という返事が返ってきたんです。

ガビ~ン! あのぉ、本を失くしてしまったかもしれないということ?!

結局、本は出てきたのですが、返してくれた時「読んだ」とも、内容についての言葉も全くなく…。まったく悪びれた様子もなく。

(どうもこの国では「本を貸す」は、「本をあげる」に近い傾向にあるような。頼まれて貸した本でも、催促しないと返って来ないことが多いです…)

この事件から得た教訓:

  • ただでさえ忙しい教師には、本や資料を読む時間がない(負担になるので、要求されない限り多くの資料は渡さない)
  • 学期が始まる前に、子どもの症状と対処法を簡潔にまとめたもの(A4の紙に箇条書きが良い)を提出する
  • 記録に残るようメールで送り、返事を確認・子どもの様子を随時確認する
  • 手渡しの場合はコピーを残し、 継続的に子どもの様子確認する

イギリスでは、何も言わなければ問題がないと思われることが多く、学校や教師によってはSEN(特別支援)リストに載っていても、それほど気にかけてもらえないことも。まあ、他にクラスで問題を起こす子がいれば、その対応で精いっぱいになってしまいますよね。大人しい緘黙児は問題をおこすことはまずないので、見過ごされてしまうことが多いかもしれません。

担任達に直接お願いに行っただけでなく、他にも何か息子を手助けできることはないものか? 今考えると図々しいですが、息子の緘黙のお陰で私もたくましく鍛えられていったのでした(笑)。

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