大人の緘黙ー緘黙啓発月の SM H.E.L.P.から 

沈黙  アンティジェ・ボーシン

家ではおしゃべりで、陽気で、声も大きいのに                                           人が大勢いる場所だと、声が小さくなって、引っ込み思案になってしまう                  学校やお店では黙ったまま                                                       この場面緘黙はいつか治るの?

声がでないのは                                                                              わざとじゃないわ                                                                周囲に人がいるとき                                                                          音がでないの

突然、金縛りにあったように                                                                     固まってしまって                                                                               話せない                                                                                               行ける場所がない

見たり、聞いたりすることは簡単なのに                                   質問したり参加したりするのは、とても難しい                                でも、何度でもトライしてみて                                        無駄なことは絶対ないから

寛容でいてくれるだけでいい                                                                                      もしみんながそれを知ってくれたら                                       プレシャーなしに、仲間に入れて、人生の楽しみをわかちあってくれたら                                         成長するのに必要なのはそれだけ!

Silence
by Antje Bothin      https://antjebothin.wordpress.com/

Talkative at home, happy and loud
But quiet and withdrawn in a crowd
Silent at school and in the shop

Does this selective mutism ever stop?

 

It is not a choice
This hiding of the voice
When people are around
There is no sound.

 

Like a sudden freeze
Being in a tight squeeze
Unable to talk
Nowhere to walk.

 

Like a sudden freeze
Being in a tight squeeze
Unable to talk
Nowhere to walk.

 

Observing and listening is easy to do
But asking and joining in is hard to pursue
Keep trying and trying again
Nothing is ever in vain.

 

If  people only knew
That kindness is the thing to do
Inclusion, no pressure and some fun in life
Is all that is needed to thrive!

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 左がアンティジェさん、右は主催者のケリーさん

上記の詩は、先週末に行われたSM H.E.L.Pサミットのスピーカーのひとり、アンティジェ・ボーシンさんが書いたもの。小学校就学時から場面緘黙に苦しみ、1人でこつこつと緘黙を克服してきた女性です。ドイツとイギリスの大学で学び、ビジネスエンジニアリングの学士号、メディアテクノロジー修士号、情報学博士号を取得。現在はフリーランスのライター、詩人、翻訳家、語学教師として活動し、現在初の小説を執筆中だそう。

いまなお場面緘黙と対峙しているというアンティジェさん。柔らかな口調で緘黙だった時代を静かに語り、今悩んでいる人たちにアドバイスをくれました。

どんな風に緘黙を克服してきたか:

最初の記憶は定かではないけれど、小学校に入学した後、クラスメイトとは全く話しませんでした。先生には単語で応えることができたけれど、挙手などは無理。3世代家族の家庭では、おしゃべりで学校とはまるで別人でした。

学校では大人しくてすごく内気な子と思われていました。「変わらなきゃ、もっとしゃべりなさい、手を挙げて」と言われ続けた学生時代…でも、どうやったらできるのか誰も教えてくれませんでした。

当時「場面緘黙」は全く知られておらず、「あなたが変なのよ。あなたが変わらなきゃダメ」というスタンス。

成績は良かったから、進学してもっと勉強したかったのに、「話さないから無理」という教師も。学びたい科目があって、どうしても勉強を続けたいというモチベがあったから、頑張れました(博士課程まで進んだのは社会人になってから)。

「場面緘黙」という症状名に遭遇したのは、20歳のころ。本を読んで知り、自分に当てはまるところが沢山あると感じました。「昔から自分が人と違うと気づいていて、皆と同じようになりたかった。家での自分を外で発揮したかったんです」

場面緘黙という言葉を知り、できれば親しい人に伝えられたらと思いました。でも、その前に自分で克服したいと考えて。

大学では発表やディスカッション、そして友人関係上どうしても話す必要がありました。怖かったけれど常に挑戦して、少しずつ少しずつ慣れていったんです。クラスで発表する時、声が小さいので「もう一度繰り返して」とよく言われました。

1対1なら会話はできたけど、どうしても声が出ない時は紙に書いて渡しました。質問に答えることはできても、自分から話を振ることが難しくて…。ボランティア活動に参加し、毎日自分に課題を与えて、スモールステップを始めました。初日は誰かに「こんにちは」と話しかけ、次の日は2人にという風に。話しかけやすいのは、やっぱりおとなし目の人でしたね。

一番苦手だったのは、グループでの会話やディスカッション。人が大勢いるところで話しているのを聞かれるのが怖い――いつも気がかりでした。1対1なら上手く話せるのに、誰かに聞かれていると思うと緊張してしまうんです。

今緘黙に苦しんでいる人たちへのアドバイス:

本でもビデオでもオンラインでもいい、色々調べてみて。緘黙は自分で克服できると思います。決して諦めないで、モチベを持ってポジティブに。少なくとも状況は良くなると信じてください。

自分の意見を主張できること(Being assertive)が、とても大切です。

私の場合はSNSで支援グループを発見したことも大きかった。自分だけじゃないと知ること、緘黙の体験を共有できることがとても重要だと思います。緘黙仲間同士でのオンラインチャットにも挑戦してみてください。

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治療のガイドは何もなく、支援者もいなかったため、ひとり手さぐりで挑戦しなければならなかったと振り返るアンティジェさん。「これを勉強したい」というモチベがあったからこそ、頑張れたんですね。ひとつでもいい、「これが好き」と言えるものを持つこと、発見することがとても重要なんだと再確認しました。

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