勝手にアンケート


マギー・ジョンソンさんのSMIRA講演会の翻訳を続ける予定でしたが、疑問点が出てきたので今問い合わせをしています。その間、ちょっと違うトピに飛びますね。

夏休みに入る前、せっかくASD専門校で研修をしてるんだから、先生や専門家たちの場面緘黙に対する意識調査をしたいなと思いました。

まず副校長の了承を得て、終業式の4週間前に彼女に簡単なアンケート用紙を送付し、先生方にアンケート用紙を転送してくださるようお願いしました。が、3学期末は行事が多く、学校見学に来る家族もいっぱい。何度もお願いして、結局終業式の当日にアンケート用紙が配られることに…。

翌日から夏休みに突入だし、どのクラスも終業式の準備で忙しく、どう考えてもアンケートに答えている時間はなさそう — お昼休みに校庭に出ていた先生やTAにお願いして回り、何とか6名から回答をゲット。更に、5名がメールで回答を添付してくれて、総計36名のうち11名から回答を得ることができました。

今から考えるともっと詳細なアンケートにすれば良かったなと思うのですが、何せ忙しい職場。書き込み蘭はなしで、殆どYes/Noで答えられる質問をいくつかに留めました。

<場面緘黙に関する意識調査 2014年7月>

回答者: 北ロンドンのASD専門校(殆どは高機能/アスペルガーの子ども)の職員 計11名(内訳: クラス担任 3名、TA(クラス担任補助員) 5名、専門家 2名、事務員 1名)

Q1. 場面緘黙という症状を聞いたことがありますか?

a) はい  10名                                                            b) いいえ 1名

* b)と答えたのは教師暦3年のクラス担任の先生でした。多分、このASD専門校が初めての職場だと思うのですが、2010年の創設から現在まで、SMの児童・ティーンはひとりもいないということで、知識がなかったものと思われます。

Q2. 下記のどの説明が場面緘黙の症状に適していると思いますか?(Q1で「はい」と答えた10名のみが回答/複数の回答可)

a) 話すことを拒否している     5名

b) 不安のため話せない      6名

c) 引っ込み思案で話せない    3名

d) (子どもが)誰に話すかを選んでいる   8名

* 現在SMの説明は、b) の 「不安のため話せない」が代表的と思うのですが、意外にもa) とd)が多かったのに驚きました。いまだ60年代の”Elective Mutism” という名称のイメージが強いのか、それとも”Selective Mutism”のselective という単語に「選択している」というイメージがあるのか…。経歴18年というベテランSLT(言語療法士)がa)~d)までを全部選んでいたので理由を訊いてみたら、彼女が受け持ったSMの子どもの中に、わざと話さないようにしていたらどんどん話せなくなっていった子がいたそう。その子は、結局話せないまま卒業してしまったようです…。

Q3. 今までに、学校で話さないASD児に出会ったことはありますか?ある場合は、何人ですか?

a) ある 6名                                              b) ない 5名

  • 1人   3名
  • 2-3人   2名
  • 10人以上  1名

* 10人以上と答えたのは、職歴14年というTAの女性。かなり多いので、多分SM児だけでなく重い自閉症で言葉が出ない子も含まれていると思います。

Q4. 自閉症スペクトラム症の子どもが、場面緘黙になることもあると知っていましたか?

a) はい 8名                   b) いいえ 3名

この学校には、現在まで緘黙症状のある子どもがひとりもいないためか、職員の場面緘黙に対する興味・知識はそれほど深くないように感じました。場面緘黙という症状は知っていても、不安障害のひとつという認識はそれほどないような…。イギリスの国民医療サービス、NHSのサイトには「発症率は150人にひとりの割合」とあるので、普通の小学校だったら(イギリスの学校は小規模で全校生徒数が2、300人のところが多いです)、1~2人いるという計算になります。ちなみに、息子の小学校のインファントスクールには3学年315名の児童の中に、緘黙児が2人いました。息子はもちろん含まれてますが、同じクラスにもうひとりいたんです!

イギリスの国民医療サービス・サイトの場面緘黙ページ

 

勝手にアンケート” への2件のコメント

  1. 初めてコメントします。ぼちぼちです。
    アンケートの結果を興味深く拝見させていただきました。

    私は、田舎育ちですが、中学校は1学年約330名のマンモス校でした。同級生約330名の中、今思えば場面緘黙だったと思う子が、4人はいました。(男1人女3人)私も、すごく引っ込み思案で大人しく過ごしていた中学時代でした。

    同じ学年でも、校舎が違ったり、階が違えば名前も知らず、顔の分からない子がたくさんいました。
    その中で、私が覚えている範囲で、4人というのが少し多い気がしますが…まだもしかしたら、いたかもしれません。

    先日、教育関係者のNさん(場面緘黙の子と関わりのある)とお話したときのこと。
    「先生方が気付かないだけで、場面緘黙の子は、学校に1,2人ぐらいではなく、実際にはもっとたくさんいます」とおっしゃっていました。
    Nさんとお話をしている中で、教師や専門家たちの、場面緘黙の意識の低さが、場面緘黙の子たちを見過ごし、苦しめていることを感じずにはいられませんでした。

    本当に場面緘黙について理解している教師や専門家は、どれぐらいいるのだろう…と沈んだ気持ちになりました。
    Nさんは、私の話を最初から最後まで、真剣に…涙を流し…しっかり聞いてくれました。

    そんなNさんに、沈んだ私の気持ちが、なんだか少し救われた気がしました…。

  2. ぼちぼちさん、こんにちは。
    コメントありがとうございました。

    >「先生方が気付かないだけで、場面緘黙の子は、学校に1,2人ぐらいではなく、実際にはもっとたくさんいます」とおっしゃっていました。
    Nさんとお話をしている中で、教師や専門家たちの、場面緘黙の意識の低さが、場面緘黙の子たちを見過ごし、苦しめていることを感じずにはいられませんでした。

    ほんとうですね。教育関係者や専門家にもっと場面緘黙について知ってもらい、配慮してもらいたいです。早期発見と適切な対処で、子どもの学校生活が全く違ってきますものね。
    日本だと教室に先生がひとりしかいないため、他に問題行動を起こす子がいる場合、緘黙児が後回しにされる傾向がより強いような気がします。
    こちらの普通小学校でTAの研修や仕事をしてみて感じたのは、何らかの問題を持つ子どもが増えているということ…TAをしている友達も同じことを言っていました。
    だから、担任とTAがいても、授業についていけない子が出てきてしまうんです…。
    日本もそうだとしたら、担任は本当に大変だろうなと思います。
    それと、イギリスの小学校ではグループ活動が多いんですが、日本では授業を聴いてノートを取る形式が多いので、発言の機会が少なく、教師が場面緘黙に気づきにくいのかもしれません。

    保護者が学校にかけあうのは大変ですが、少しでも理解を深めてもらうために頑張りたいですよね。

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