不安のメカニズム(その2)


何だかあっという間に2週間以上が過ぎてしまいました。年度末で仕事が忙しかったのと、やっと家のDIY内装を終え、家中の大掃除と片づけに追われていたからなんです。先週の月・火曜日に主人の従弟と初めて会う彼のお嫁さんが家に泊まりに来たんですが、階段のカーペット施工もギリギリセーフ。10日は親戚が6人集まって手巻き寿司を楽しむことができました。さて、不安のメカニズムの続きです。

不安の科学:不安が身体に及ぼす影響 (Country Living誌の記事をざっと訳したものです)

人が不安になるような状況に陥ると、自動的に「Fight or Flight(闘争か逃走)」と呼ばれる連鎖反応が起こる。この反応は神経系が引き起こすため、思考とは無関係に起こる。「自律システム」と呼ばれるこの部位は、交感神経系と副交感神経系との2つに分かれ相互に作用する(例えば、呼吸や心拍など)。不安が引き起こされる状況に陥ったとき、交感神経系が支配し始め、「闘争か逃走」の反応が始まる(これは時に「アドレナリンカスケード」と呼ばれる)。

まず、不安体験は人によってそれぞれ違うことを覚えておこう。以下に並べた症状すべてが出る人もいれば、全く症状がない人、もしくは何種類かの症状が重ねて出る人もいる。また、ここに列挙されていない特異な身体的症状が出ることもある。

1. 胸の痛みや心臓の動悸

  • 心臓発作の兆候だと思うかもしれないが、そうではない。不安を感じている、またはパニック発作を抱えている場合、「Fight or Flight(闘争か逃走)」に備えるため、心臓はより速く鼓動し体により多くの血液を送り込む。
  • この作用は過換気(不安による過呼吸)を引き起こし、酸素過多になることがある。これが、胸の痛みにつながる血管の収縮を引き起こす。
  • 不安によって引き起こされる胸の痛みは、胸の異なる部位で感じられることが多く、痛みは現れたり消えたりする。
  • アドレナリンの急激な上昇は、心臓を傷つけることはない。
  • もし心臓発作ではないかと疑ったとしても、恥じ入る必要はない。多数の人が心臓発作を起こしていると信じ、救急病院に行った報告がある。彼らはそこで問題が完全に心理的なものであると説明される。

2. 息切れ

  • 上記と同じことが、息切れや胸の圧迫感を感じる理由にも当てはまる。
  • また、呼吸することを意識しすぎて、過呼吸になり酸素を摂取しすぎることもある。

3. 肢体への影響や筋肉の痛み

  • 不安は様々な方法で肢体に影響を与える。まず、胸痛と同じ様に酸素を摂取しすぎると、筋肉に刺激や痛みを引き起こすことがある。また、痛みは以下の原因によって引き起こされる可能性がある。
  • ストレスの増加により引き起こされる筋肉の緊張:日常的にストレスを受けると、筋肉が固まって痛みの原因となることがある。
  • 姿勢:不安は人の姿勢にも影響を与える。体の保ち方、座り方、眠り方、歩き方などに影響を及ぼし、筋肉の感じ方を変えるかもしれない。これは身体全体が緊張状態にあるため、通常より動きが速くなったり、遅くなったりして、完全にリラックスできないからだ。
  • 生活の質の低下:不安なときは、身の回りの管理を怠りがちになる。健康的な食事や適度の運動、水分補給など、これらのすべてが肢体の感触に影響を与えうる。

4. 皮膚の痒みや痺れ/ふらつき

  • 不安になると、痺れや疼きのような感覚を覚えることもある。身体のどこでも発生する可能性があるが、顔、手、腕、足に感じることが最も一般的だ。これは「闘争か逃走」を支援する身体の最重要部に血液が急送されることにより起こる。あまり重要でない部位は血液が回らず、脆弱さや、麻痺、痺れを感じたりする。
  • この症状は過換気や酸素摂取量の増加によって、特に肢体や顔に起きることもある。

5. 体温:暑さ、発汗、震え

  • 「アドレナリンラッシュ」に起因する覚醒状態が体温の上昇につながる。体は冷やそうと反応するため、これが発汗に繋がる。
  • こうした発汗が、身体を寒く感じさせる。特にパニック発作の後、体が冷え始めると同時に過熱を防ぐため汗が流れるので、寒さや震えを感じやすい。

6. めまい

  • アドレナリンが増加しパニック状態になると、心臓がより強く鼓動するため血圧が上昇。この血圧の上昇が、ふわふわした感覚やめまいを感じさせる。

7. 頭痛

  • 不安やパニック発作により、ストレスが蓄積されて緊張型頭痛を引き起こす。鈍い痛みも鋭い痛みもあり、さまざまな部位で発生する。

8. 睡眠の問題

  • ストレスや緊張が蓄積すると、心配が絶え間なく続き、気持ちの切り替えができないため、睡眠が困難になることもある。最善の対処法は、心と体を落ち着かせるためにマインドフルネスや瞑想テクニックを試みること。
  • 一方、パニック発作や長びく不安は、身体的にも精神的にも人を疲労困憊させる。このような場合は、体の声に耳を傾け休むべきだ。

9. 胃の不快感

  • 「闘争か逃走」状態の間、血液の流れは必要ない部位――例えば胃から迂回する。このために、不安に襲われると頻繁に胃の中で「蝶」がはためくような感覚にみまわれる。
  • パニック状態になると、急にトイレに行きたくなることもよくあることだ。これは、「闘争か逃走」状態にある時、体がその動きを減速させるかもしれない不要な重量を取り除こうとするからである。
  • 胸の痛みが心臓発作だと誤解されるのと同様、胃に蝶がいるような感覚は嘔吐と誤解されることがある。

10. 聴覚の変化

  • 不安を感じ心臓の鼓動が速くなると、周囲の音に集中するのは難しいかもしれない。反対に、潜在的な危険を過度に警戒している場合は、普段は気にならないような音に非常に敏感になったりする。

11. 目のかすみ

  • アドレナリンラッシュの間は、視力がぼやけることも多い。これは、「闘争か逃走」に備えるため、より多くの光を取り込もうと瞳孔が拡張されるからだ。しかし、光をより多く取り入れることで、視界がぼやけることもある。目のかすみは、過換気によっても引き起こされることがある。

12. 吹き出物やニキビ

  • 不安やストレスが吹き出物を誘発する理由は複数ある。
  • ストレスホルモンが増産され、皮脂の分泌が増えることがある。
  • 発汗が増すため、毛穴が詰まることがある。
  • 気持ちが落ち着かずイライラしているため、顔、首、肩など肌を触ることが多くなる。これによって手についた汚れが肌に移り、吹き出物が出やすくなる。
  1.  過剰な心配や杞憂
  • 不安な状態のとき、最悪のシナリオを思い描いてしまうのはよくあること。自分が狂ってしまうのではないかと恐れる人もいる。今までにないような不安やパニック状態に陥ったとき、この未知の感覚が脳を刺激し、その原因について過剰に心配しすぎることがある。

<不安の症状>

人は心配したりストレスを感じたりすると、多くの場合、身体的、心理的、行動的症状が出る。

最も一般的な身体症状:

  • 心拍数の増加
  • 筋肉の緊張の増加
  • 足の震え
  • 手足の痺れ
  • 過換気(過剰呼吸)
  • めまい
  • 呼吸困難
  • 頻尿感
  • 気分が悪くなる
  • 胸が苦しくなる
  • 緊張性頭痛
  • ホットフラッシュ
  • 発汗が増える
  • 口が渇く
  • 震え
  • 窒息感
  • 動悸

不安がもたらす最も一般的な心理的症状(思考または変化した認識):

  • 抑制力を失うかも/ おかしくなってしまうかもしれないと思う
  • 死んでしまうかもしれないと思う
  • 心臓発作を起こしているかもしれない/病気かもしれない/気分が悪い/脳腫瘍かもしれないと思う
  • 自分の不安を人に見透かされていると感じる
  • 物事がスピードアップ/スローダウンしているように感じる
  • 環境とその中の人たちから隔離されたように感じる
  • 逃げたい/ その状況から抜け出したいと思う
  • イライラして周囲のすべてが危険だと感じる

私たちが不安なときに行う最も一般的な行動は回避である。不安を引き起こす状況を避けることは、即時の救済をもたらすものの、それは短期的な解決策に過ぎない。その時は回避することが最良の策であるように見えるかもしれないが、次に同じような状況に直面したとき不安はまた戻ってくる。回避することは、「危険だ」というメッセージを心理的に強化するだけだ。回避することの問題点は、その状況に対する恐怖の実体や直面したときに何が起こるかを、実際に確かめられないことだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「声が出なくなる(酷い時には体が動かなくなる)」という場面緘黙の症状は、一般的な不安の症状には入っていません。でも、人前で話すことへの不安・恐怖を回避するのが緘黙です。

最後の部分を読むと、回避を繰り返すことによって「人前で話すことは危険」というメッセージが強化され、よりいっそう話せなくなるということが理解できます。緘黙が強化され、固定してしまわないうちに、少しずつ実際に声を出してみて「な~んだ、思ったほど怖くないぞ」という体験を積み重ねていくことが大事なんだなと改めて思います。

<関連記事>

不安のメカニズム

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です