ノルマンディの夏休み(その2) 印象派の画家たちを魅了した風景

もう10月に入り、場面緘黙およびメンタルヘルス全般の啓発月になりました。が、夏休みの記憶がこれ以上薄れないうちに、まず旅行記を書きとめておこうと思います。

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ノルマンデイに着いて2日目。午前中は拠点としたオンフルール(Honfluer)の町を探索し、午後から北上してイギリス海峡を望む白亜の断崖とエトルタ(Étretat)の庭園を見に行くことに。どちらも風光明媚な観光地として知られ、モネやクールベなど印象派の画家たちが集った町です。

まずはオンフルール旧市街をぶらぶら。なにせ借りたアパートが旧市街のど真ん中だったので、名所は目と鼻の先。今回の旅行はどこに行っても観光客だらけでしたが、その殆どがパリなどの都会からバカンスに来ているフランス人でした。

バラのアーチが美しい公園の前を通って、オンフルールのシンボルとなっている旧港(Vieux Bassin)へ

16~18世紀の細長いタウンハウスに囲まれた旧港は、当時の面影がそのまま。石畳の港畔を歩いていると、まるで中世にタイムスリップしたかのよう。静かな水面に反映する建物やヨットの印影が美しく、モネらが好んで描いたというのも頷けます。モネの師匠だったブータンはこの町出身で、近くにブータン美術館も。

   フランス最古の木造教会、サント・カトリーヌ教会(Église Sainte-Catherine)。広場を挟んで教会の別棟となる木造の鐘楼(現在は博物館)が

次は15世紀に建てられた木造の教会、サント・カトリーヌへ。イギリスとの100年戦争で破壊された石造りの教会を、船大工たちが木造で建て直したもの。資材不足のため近隣の木材を使用し、当時の造船業の技術を駆使して建てたとか。その歴史ゆえ、教会内には船の模型がたくさんありました。

     2コース18ユーロ(現在約2,600円)のランチのお味はまあまあ。エイヒレのバター焼、大鍋に入ったムール貝の白ワイン蒸しは定番。ノルマンディはリンゴ酒シードルの産地で、メニューには必ずアップルパイが

せっかくなので旧港に面したレストランでランチ。当時は間口の大きさで税金の額が決まっていたため、幅が狭く縦に細長い(6、7階建て)タウンハウスが流行したのだとか。

昼食後、白亜の断崖があるエトルタへ。ここにはユニークなエトルタ庭園(Les Jardins D’Étretat)があり、楽しみにしていたのです。セーヌ河口に架けられたノルマンディ橋を渡り、車をとばしてエトルタの町の入口にさしかかると、なんと道路の両脇に路上駐車の車がびっしり(*_*;

海辺のリゾート地とは知ってましたが、こんなに混んでいるとは!(全く予習が足りませんでした(^^;)まだぜんぜん海岸が見えてないのに――なんだかいやな予感。有名な庭園らしいし、駐車場はあるよね?!

その願いも空しく、エトルタ庭園への路はなんと通行止め!仕方なく駐車スペースを探して町をはずれ、やっと車を停めることができました。坂道を25分くらい歩いて崖の上にある庭園へ。ここでも入場券を求める人の長蛇の列…事前に予約しておいて良かった~。

   生垣にいきなり巨大な顔(群)!うずまきのような生垣のデザインは渦潮や波など、ノルマンディの自然を表現したものだとか。庭に設けられたデッキから、アヴァルのアーチ(Porte d’Aval)が見えます

エトルタ庭園はもともと1903年に女優のマダム・テポーが画家モネの援助を得て創設。2016年に造園デザイナーのアレクサンドル・グリヴコが、忘れられていた庭園を樹木と彫刻が織りなす近未来的なコンセプトの庭に再生させました。庭園には15万本以上の植物が植えられ、そこかしこに前衛的な彫刻が。

     アモンの断崖から海を見下ろす礼拝堂とアヴァルのアーチの絶景。右はモネが1819年に描いた同アーチと帆船

エトルタの庭園の西側は小高い丘になっていて、その先は切り立ったアモンの断崖。ここから眺めるアヴァルのアーチ(Porte d’Aval)はまさに絶景!  海を臨む丘の上にはノートル・ダム・ドゥ・ラ・ガルド礼拝堂(Chapelle Notre-Dame-de-la-Garde)が。

予定では、19世紀からリゾート地として有名な海岸まで降りていくつもりだったんです。でも、反対方向に停めてある車まで歩いて戻ることを考えると、ちょっとしんどい…。ということで、絶景を思い切り堪能したあと帰路に着いたのでした。

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