どきどきコテージと減感作療法


先週イギリスを含むヨーロッパは、シベリアからの大寒波にすっぽり包まれていました。ロンドンでは水曜日から本格的に雪が降り始め、それほどの積雪はなかったものの、とにかく零下の気温が継続。主人曰く「冷蔵庫の方が暖かい」という感じで、交通はマヒするし、私の学校も休校に…。

少し雪が積もったくらいでどうして混乱するかというと、イギリスではスノータイヤやチェーンがないんです…(例年雪が少なく、道路がデコボコになるのを防ぐため?)でも、スコットランドではかなりの豪雪となり、軍隊が出動して医療スタッフを病院に運んだり、不通になった道路の雪かきをしたり。大寒波にハリケーンが加わったウェールズでは、農家の人たちがトラクターで救助作業に当たったそう。

そんな中、主人と息子はいつも通り通勤・通学し、私だけ木・金と休みでした。先週はどういう訳か人に会う約束が多く、今日はSMiRAの定例会の予定だったんですが、全部キャンセルに…。雪道を運転するのが怖いので、ピラテスのクラスも休んでずっと家に籠ってました。

すごく楽しみにしていたんですが、こういう時もありますよね。気を取り直して、バナナケーキを焼き、大きな鍋いっぱいに野菜スープを煮、小豆とラベンダーのホットアイマスクを作りました。

      水曜の午後は息子のアレルギーチェックでパディントンの病院へ。駅の前を流れる運河も凍結。少々不格好ですが、ホットアイマスクを2個作りました

さて、先回の記事を書いた際、イギリスで放送されたTV番組のことを思い出したので追記します。

もう10年以上前になりますが、イギリスの国営放送BBCで『The House of Tiny Tearaways』というシリーズ番組がありました。様々な問題を抱える子どもとその家族3組が、同じ家で6日のあいだ衣食住を共にし、凄腕心理士のタニアさんの指導のもと、問題を解決していくという内容。

その中で、3歳半の緘黙の少年、チャーリーとその家族が出演。初めはみんなの前で全く声を出せませんでしたが、お母さんをかけ橋役にスモールステップを踏み、最終日には両親がいないところでも他の家族と話せるように!

克服方法はSLTのマギー・ジョンソンさんとアリソン・ウィンジェンズさんの共著『Selective Mutism Resource Manual』を元に、マギーさんが提案・助言したもの。スモールステップで克服していく様子を実際に映像で観ることができ(今映像が見当たらないんですが)、すごく参考になりました。

緘黙児(人)の問題は新しい状況に慣れにくいことですが、一定時期を同じ家、同じメンバー(20名以下)で過ごすことが、減感作療法(Desensitisation)となるようです。

日本では緘黙には病院治療が効果的(イギリスにはありません)といわれています。これも、一定期間同じ環境・人・場面が継続することで、減感作療法desensitisationをしているんだと思います。それほど大きくない病棟で、同じ顔ぶれの医師、看護師などのスタッフと、毎日少しずつ「コミュニケーションを取る・話す」ステップを踏んでいく訳ですね。

病院という環境ではなく、どきどきコテージみたいな環境でこれができるといいなと思います。また、親戚の家に泊まりに行ったり、来てもらったりするのも同じ効果が期待できますね。後は、どうやってその人にあったステップを踏んでいけばいいのかかな。

緘黙克服に大きなプレッシャーはNGですが、常に小さなプレッシャー(挑戦)に立ち向かうことが必須です。経験からいって、抑制的な気質の子どもは挑戦を止めてそのまま時間が経つと、以前の状態に戻ってしまう傾向が強い。言葉が出始めていたのに、途中で夏休みが入ったことで、また元に戻ってしまったというような例が多いんです。プレッシャーとは感じないまでも、CBTの感覚で「今日はこれに挑戦してみよう」という目標を持ち、コツコツ実行し続けていくことが大切だと思います。

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