もう9月に入ってしまいましたね。イギリスは8月末からすっかり秋の気候に変わり、夜は冷えるので長袖が必要。急ぎのフリーの仕事が一段落したので、やっと夏休みの話題です。
この春からイギリスでは3年ぶりにコロナ規制が全て取り払われました。「もう面倒な証明書は要らないし、これが絶好のチャンス!」とばかりに、夏休みに海外に出る人が続出。我が家もフランス北西部のノルマンディ(Normandy)地方に行ってきました。
イギリスから車でフランスに渡るには、フェリーとユーロトンネル(汽車)の2つの方法があります。所要時間はフェリーだと1時間半、ユーロトンネルだと35分くらい。春休みにドーバー港が大混雑してニュースになったため、初めてユーロトンネルにチャレンジすることに。
まずロンドンから車でフォークストーン(Folkstone)まで行き、時間通りユーロシャトルに乗り込みました。夏休みが始まった頃は21時間遅れ(^^;という大混乱があったので、念のため食料と飲み物を持参。
列車の中にトイレはあるものの、歩き回ったりは禁止。お昼のサンドイッチは車に乗ったまま動く列車の中で
カレーに着いてから、今回の旅の拠点となるオンフルールの町を目指して南西に下りました。行けども行けどもトウモロコシ畑と刈入れを終えた牧草地ばかり。日曜日だったためか、時折通り過ぎる村のレストランやお店は全部閉ってる?! 焦って唯一開いていたアラブ系のミニスーパーを見つけて買い物したんですが、高っ!(◎_◎
オンフルールまでは3時間弱でしたが、その近くで寄り道。アルヴィル=ベルフォス(Allouville-Bellefosse)という村(コミューン?)にあるサン・カンタン教会に行くためです。この教会の敷地内に17世紀に造られた樫の木の礼拝堂があって、その写真を見た瞬間から「絶対行くぞ!」と決めてました(なお、家族は行き先を調べるのが面倒らしく、私の選択がそのまま反映されるのです)。
牧草地がえんえんと続く田舎道をひた走りながら、一体こんなところにあの奇妙なムーミン屋敷みたいな大木があるのかなと、少々不安に…。そうしたら、あった~! ありました!!
教会の片隅にエントツの様な木の家(?)が…フランス最古というこの樫の樹は、中が空洞になっていて礼拝堂が2つあるのです
1696年に落雷で空洞になった樫の木(当時の樹齢500年?)に礼拝堂を建造。この「アルヴィルの大樫」は樹齢800~1200年と想定され、フランス歴史的記念物に指定されているとか。瓦のような部分は樹を保護するためのこけら葺き。根元近くの礼拝堂が Notre-Dame-de-la-Paix
樹をぐるりと囲む螺旋階段を上がり、第2の礼拝堂 Chambre de l’Ermiteへ。中には木彫りのキリスト像が
18世紀の木版画に描かれた「アルヴィルの大樫」(左)。成長してる?! 猛暑の中、緑の葉が生い茂り青いドングリがたわわに実っていて、元気なのにひと安心。人口1200人弱という可愛らしい村(右)
歴史的記念物といっても、柵がある訳でもなく、監視カメラが設置されている訳でもなく、誰でも勝手に見学できるのです。私たちがいた間、バイクでカップルがやってきた他は、地元の人も通りかからず…。帰りに開いていた近くのデリで買い物して、イギリス海峡にセーヌ河が流れ込む河口の港町、オンフルールへ。
人口8000人足らずというオンフルールの町に着いてみると、人気の観光地だということが判明。予約したアパートは旧市街地のどまん中と書いてあったのですが、まあそれほど人通りはないだろうとタカをくくっていました。が、カフェ&レストラン街のどまん中(^^;
また、出発の3週間くらい前までは雨降りの肌寒い気候になるという予報だったのがどんどん変わって、旅行中は1週間ずーっと真夏日という。この夏2度目の熱波襲来の時季に当たってしまったのでした…。
夕方7時ごろ到着したのですが、まだまだ青空。古い灯台の近くの無料駐車場からアパートまで歩いて8分くらい
ブティックやレストランが建ち並ぶ石畳の賑やかな通り。途中に次の通りへと続く細い坂道が。中世から残る木組みの家々が可愛らしい
アパートはこの通りの雑貨店の2階。ベッドルームはホテル風の内装で、居心地もなかなかでした