イギリスでは2歳児のことを”Terrible Twos”というんですが、日本では「魔の2歳児」と呼ぶようですね。第一次反抗期が始まり、何でも「イヤイヤ」と駄々をこねて、親の言うことをきかない時期…。
ご多分に漏れず、うちの息子にも魔の2歳がやってきました。2歳になりたての頃、人前で何度かものすごく激しく駄々をこねて、ほとほと困り果てた思い出があります。
一度は、プレイグループにあったミニカーの玩具がひどく気に入り、それを手放すのが嫌で大絶叫!見かねた責任者さんが、「来週返してくれればいいから、持っていけば?」と親切に言ってくれたのに、ちゃんと躾けねばとお断りしたのが間違いでした。
玩具を返し、バギーに乗せてしばらく歩いても、全く泣き止まないんです。サイレンの様に泣き叫ぶ息子を連れて、大通りを歩く私….またもや穴があったら入りたい、の心境でした。
いつまでたっても泣き止まないので、根負けして途中にあったオモチャ屋さんに駆け込み、同じような消防車のミニカーを買ったのでした。弱い母です…。
その次は、風邪を引いて連れて行ったクリニックで、またもや電車の玩具を見つけて放さず…。「さ、おうちに帰るから、電車は返そうね」と言った途端に、バギーの中で体をのけぞらせて大泣き!今では想像もつかないのですが、その声がすごくデカイんです。
また、いつまでもいつまでも泣き止まないのかと思っただけでゲンナリしてしまい、今度は勇気を出して、受付の女性に「すみません、必ず返しますから少しお借りしていいでしょうか?」と訊いたのです。すると、「子どもを甘やかしちゃ駄目!」と注意されてしまいました…。
(イギリス人って、結構ストレートにものを言う人が多いです。見ず知らずの人に、しつけが悪いと注意されたことが何度かあるんですが、この時は初めてで大ショック。それでも、大謝りに謝ってお願いし、玩具を借りて帰りました)。
息子はなんというか、「これが欲しい」、「こうしたい」と心に決めると、それについてどんどん想像を膨らませるクセがあるようでした。そのせいか、それが適わなかった時の癇癪は半端なかったです。いつまでも、いつまでも、しつこく泣き叫ぶのです。そういう時は、何を言おうと、どう優しくなだめようと、全く効果なし…。
このしつこさの故に、「こだわりが強い、頑固な子」と思ってました。その反面、自分にとって大切ではない事柄については、あまり執着しません。何が癇癪の原因になるのか良く判らなくて、混乱したものです。
しつこいくらい頑固な性格は、反対にいうと柔軟性がないということで、この性格も緘黙になった一因なんだろうなと思っています。思い込みが激しいというか…。よく、緘黙児には完壁主義者が多いといいますが、息子もそうでした(今は成長したためか、自分なりに折り合いをつけられるようになりました)。
ちなみに、緘黙症状が重かった4歳半~6歳くらいは、癇癪も輪をかけて酷かったように記憶しています(家でのみ)。あまりに激しいので、小1(5歳)の頃から癇癪を起こした時は、「自分の部屋に行って頭を冷やしてきなさい」と2階に行かせるようにしました。ひとりになると冷静になれるのか、割とすぐに泣き止み、5分くらいで落ち着いてダイニングキッチンに戻ってくるのです。
息子は元来とてもオシャベリで、常に話しかけてきたり、歌を口ずさんだりと、小学校までは一緒にいると煩いくらいでした。一人遊びに夢中になる反面、結構淋しがり屋のところがあり、人と一緒にいたがる傾向も強かったように思います。
(余談ですが、幼い頃こんなに癇癪がすごかった息子は、13歳のいま、世を悟った老人のごとく落ちついています。カースティーさんのお母さんが、「カースティはうちで一番落ち着いてるの。何があっても慌てず、頼りになるのよ」とおしゃってましたが、よく考えるとうちもそうかも….。第二次反抗期は、いつ来るんでしょう?)