イギリスの5~7月は社交シーズンと呼ばれ、上・中流階級の人々が集うイベントが目白押し。5月のチェルシーフラワーショーに始まり、ロイヤルアスコット競馬、ウィンブルドンテニス選手権、ヘンリーレガッタ・ボートレースなどなど。最後は、音楽の殿堂ロイヤルアルバートホールで行われるプロムスで、エルガー作の『希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)』を歌って幕を閉じるのです。
去る6月19日の朝、Waterloo駅から電車に飛び乗ったら、一瞬「ここは何処?」の世界に…。車内はカクテルドレス姿の着飾った若い女性と燕尾服を着込んだ男性でいっぱい。女性がみな帽子(というか髪飾り的なものが多い)をかぶっていたため、「あっ、今日はロイヤルアスコットか!」と気づいたのでした。
しかし、電車でアスコットに行くんだ~、と驚きでした。というのも、エリザベス女王が黒塗りの高級車で会場入りする様子をTVで観た印象が強く、当然車で行くんだと思い込んでたんですね。考えてみると、駐車場が混み合って大変なんでしょう。
朝からシャンペンボトルを片手に、プラスティックのグラスで乾杯したり、携帯でセルフィーを撮りまくり、写メしまくる女性たち…。Royal Enclosureのバッジをつけて、シルクハットを手にする燕尾服の男性もいるし。ドアの近くで立ったまま観察していると、近くの騒がしい女性達はロシア人でした。
また、ちょうどウィンブルドン期間中にウィンブルドン行きの地下鉄に乗ったら、周りでテニスの話をしてるのは外人ばかり…。パナマ帽をかぶって苺とシャンペンで観戦を楽しむという感じは全くない、半パンにロゴ入のリュックを背負ったダイハードなテニスファンたちでした~。
ちなみに、若者たちにとっては夏は野外フェスティバルのシーズン。マッドスライドで有名なグラストンベリーは終わりましたが、まだまだ多くのフェスが予定されています。そういえば、私も渡英したばかりの頃は、色んなとこに行ってたな~と遠い目になる今日この頃です。
社交シーズンとは全く縁のない我が家では、先週の土曜日に毎年恒例のイチゴ狩りに行ってきました。今年初の収穫は、苺1.8kgとラズベリー、ズッキーニとソラマメ、サヤインゲン、キュウリ。
全部で15ポンド弱だったので、日本円にすると2500円くらい
日曜日は金融街シティにアートの展示会を観にいったのですが、何と開いてませんでした…。その後、バスで今まで行ったことがなかった家の博物館、The Jeffryeへ。ここは一般家庭の居間と庭を時代別に展示しているユニークな博物館です。ロンドンの博物館はたいてい無料なのが嬉しい。http://www.geffrye-museum.org.uk/
もともとは18世紀に鉄器豪商が地元の貧しい老人達を住まわせた私立の救貧院
1785年に使われていた英国製の磁器ティーセットは、中国製を模倣したもの。当時はまだティーカップに取っ手がついてません
婚礼を祝う親戚縁者が家に集う様子を描いた絵の一部。19世紀ごろの作品
薄暗いですが、1890年代の居間です。暖炉の周りのタイルの模様は日本のデザインからヒントを得たものだとか。良くみると日本製(?)の陶器がいっぱい
家具調度を保護するため屋内全体が薄暗く、途中この大きな窓があってほっとしました
何故か建物の真ん中にカフェが。苺&チーズ入スコーンと紅茶でひと息
1998年のロフトスタイルアパートがもう懐かしい感じ…
ハーブガーデンの植物は実際に薬用や食用にしていたもの
蕾や枝がモス(コケ)に覆われたようなモス系のオールドローズとアリウム
庭からカフェを見た風景
家族連れの多い、とってものんびりした博物館でした。